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第20条【電気機械器具の熱的強度】

〔解 説〕 本条は、通常の使用状態(冷却装置を有するものは、その使用も含む。)において、電路に施設する電気 機械器具から発生した熱により、絶縁物や外箱などの材料が損傷すること又は火災が引き起こされることがないように するため、電気工作物の有すべき耐熱性能について⑪解釈において規定したものである。

従来は、省令第8条(電気機械器具の熱的強度)に適合している事を確認するために、新増設工事の竣工検査時等に現 地で温度上昇試験を実施し、定格使用状態で温度が飽和し、その温度上昇値がJEC、JIS等で定められている規定値以下 であることを確認してきた。しかしながら、近年における変圧器等の電気機械器具については、製品の一体輸送と現場 作業箇所数の低減化、現地施工管理技術の向上等により、電気機械器具の熱的強度に係る性能は、工場出荷時と現地据 え付け時で差がなくなっている。こうしたことから、JEC、JIS等に基づき工場において温度上昇試験を実施したものは、

省令第8条に定める電気機械器具の熱的強度に適合するものとし、現地における温度上昇試験を省略できるよう規定した ものである。

なお、設置者が現地において温度上昇試験を実施する場合についても、これに合格した電気機械器具については当然 のことながら熱的強度に適合するものとして取り扱うことができる。

第21条【高圧の機械器具の施設】

〔解 説〕 本条は主として一般公衆を対象として、充電部分及び故障の際の歩幅電圧による危険防止のほかに、機械 器具の温度上昇による火傷防止という見地から高圧の変圧器、電動機、開閉器、遮断器、リード線などを、発変電所等 以外の場所に施設する場合について規定している。

第一号は、高圧用の機械器具を屋内に施設する場合は、取扱者以外の者が出入りできないようにすることを規定して いる。

第二号は、充電部分の露出した機械器具(例えば、変圧器)を地上に設置する場合について規定している。ただし書 は、工場など需要場所の構内の地上、屋側、屋上などに施設する場合には、不特定の公衆が近づく頻度も少ないので、

第二号ロ及びハの規定によらないことができることとしている。

第三号は、いわゆる柱上変圧器、柱上開閉器類の施設であるが、高圧架空電線路は一般に道路上に施設されるのが大 部分で、自動車積荷の高さ等を考えて交通に支障のないように下から物が接触しない範囲の高さとして地表上4m、市街 地の変圧器の取付け高さは、これに0.5mを加えて4.5mとしている。市街地外では交通の頻繁度が低いので、4.0mまで低 減している。

ここで、機械器具に付属する高圧電線とは、柱上変圧器の高圧側の支持物の長さ方向に施設される電線(いわゆる垂 直配線)を指し、この引下線による感電事故や低高圧混触事故を少なくするために、引下げ用高圧絶縁電線(→第5条)

又は高圧ケーブル(→第10条)である必要がある。

第四号及び第五号イは、機械器具に人が触れないように施設することを示している。

第五号ロは、住宅地域などの地上に施設される、高圧で充電される変圧器、開閉器等の高圧機器を金属箱等の一部を 共用して組み込まれたもの(パッドマウント変圧器又は地上配電箱と称されるもの。)又は工場等の構内の屋外に施設さ れる高圧電動機などで、これらの周囲にさく等を設けない場合が、これに該当する。

これらの機械器具は、人が接触するおそれがある外箱表面の温度を、真夏の気温と直射日光による温度上昇を考慮し ても人の皮膚に火傷を与えないように(一般的には、80℃以下程度)する必要があり、また、これらの機械器具は第29 条によりA種接地工事を施す必要があることとしているが、故障の際の1線地絡電流が大きい場合は、故障の際の接触電 圧、歩幅電圧等を十分考慮した接地抵抗値で施設すること(→第19条解説)が望ましい。

第22条【特別高圧の機械器具の施設】

〔解 説〕 第1項は、特別高圧の電力線搬送通信用結合コンデンサ、電動機、開閉器、変圧器(第26条に1次電圧、出 力の制限がある。)、リード線などは危険性が高いので、前条と同様の趣旨で、発変電所等以外の場所に施設する場合に ついて規定している。なお、電気集じん装置及びエックス線発生装置については、第191条及び第194条に規定している ので、本条第1項の適用を除外している。

第一号は、特別高圧用の機械器具を屋内に施設する場合は、取扱者以外の者が出入りできないようにすることを規定 している。

第二号及び第三号は、充電部分の露出した特別高圧の機械器具、例えば、電力線搬送電話、電力線搬送リレー

、送電線故障点指示装置等に用いる特別高圧用の結合コンデンサ、第26条の特別高圧配電用変圧器を地上、柱上又は架 台に施設する場合について規定している。特別高圧用の機械器具のブッシング及び特別高圧の電気で充電する電線の地 表上の高さ又はさくの高さとさくから充電部分までの距離との和(解説22.1図のd )については、発変電所等のさく、

へい等の施設の規定(→第38条)にならっている。

解説22.1図

第四号は、工場など需要場所構内の特別高圧電動機用の開閉装置等を収めた絶縁された箱又は金属製の箱の施設につ いて規定しており、充電部分が露出してはならないので、これに接続する電線は全てケーブルとなる。

第五号の例としては、第26条の特別高圧配電用変圧器のうち、充電部分が露出しないようにしたもの又は製鉄工場等 の特別高圧の電動機等が考えられる。この場合、充電部分が露出していない機械器具であっても温度上昇又は故障の際 の電位上昇が考えられるので、簡易接触防護措置を施すこととしている。

第六号は、15kV以下の特別高圧架空電線路に接続する機械器具(主として、変圧器、開閉器類)は危険度において高 圧用の機械器具とほとんど変わりないので、前条の高圧用の機械器具の規定を準用している(→第108条解説)。 第七号は、⑪解釈で新たに認められたもので、日本電気技術規格委員会規格JESC E2007に規定する施設方法に適合す れば35kV以下の特別高圧用機械器具を路上等へ施設することを認めたものである。なお、この規定により施設する際に は、以下の条件について満足する必要がある。

①外箱の温度上昇を80℃以下に抑える。

②故障時の外箱の電位上昇による接触電圧及び歩幅電圧を、通常の状態で連続的に接触していても安全な交流電圧 としている50V以下に抑える。

第2項は、特別高圧用変圧器は危険であり、かつ、供給確保上からも重要なので、第一号から第三号に規定するものを 除き、「発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所」以外の場所には設置してはならないことを規定してい る。

なお、第26条に規定する特別高圧配電用変圧器及び第108条の15kV以下の特別高圧架空電線路に接続する変圧器は、

その重要度や容量が発電所等に施設するものに比べて一般に小さいので、特別扱いとしている。

第23条【アークを生じる器具の施設】

〔解 説〕 アークを生じる器具の施設方法について示しており、可燃質のものに火が移らないような施設方法を規定 している。

本条の適用については、高圧又は特別高圧用の開閉器、遮断器、避雷器のほかに、これらに類する器具であって動作 時にアークを生じるもの、例えば第25条の放電装置等も含まれる。ただし、これらに類するものとは考えない水銀整流 器やアーク放電ではない放電管は、含まれない。

第一号は、ガス遮断器のように、アークを生じる部分を耐火性のもので囲むことを規定している。

第二号は、アークを生じる器具と木製の壁又は天井その他の可燃性のものとの離隔距離を規定している。ここで、使 用電圧が35kV以下の特別高圧用の開閉器等については、アークホーンの形状や短時間遮断によりアークの方向及び長さ を制限し、火災が発生しないようにする場合は、高圧並みに可燃物から1m以上離すこととしている。

第24条【高圧又は特別高圧と低圧との混触による危険防止施設】

〔解 説〕 一般に低圧電路は、変圧器の内部故障又は電線の断線等の事故の際に高圧又は特別高圧電路との混触を起 こし、高圧又は特別高圧の電気が侵入して危険となるおそれがある。本条は、このような場合の保護の方法としてB種接 地工事(→第17条)を施すべきことを示したもので、事故の際に接地線に流れる高圧又は特別高圧側電路の1線地絡電流 による接地点の電位上昇が150V(1秒を超え2秒以内に遮断する場合は300V、1秒以内に遮断する場合は600V)を超えない