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S :臨界径間(m)

第7節 特殊場所の電線路

第126条【トンネル内電線路の施設】

〔解 説〕 トンネル内の電線路は、明示していないが一般の支持物を使用した架空電線路とは区別して考えている。

すなわち、トンネル内は空間が限定されているから、電線路を施設する場合には、人の通行、通過する列車又は自動車 に対して障害とならないように、危険を及ぼすことのないように適当な設置箇所、使用電線及び工事方法を選定する必 要がある。

ここで、本条と第179条との関係を説明しておくと、トンネル内を通過するだけのものが前者であり、後者は電気使 用場所の工事であるから、自家用の構内におけるものと考えてよく、トンネル等も地下工場及びこれに類するもの(ト ンネルが貫通していない場合もある。)を主な対象としており、この構内においては、列車、人等も配線施設と同一責任 者の監督を受けている特定の範囲のものとしている。したがって、工事に対する考え方について、後者は基本的に屋内 工事に準ずるものであるのに対し、本条は電線路(→省令第1条第八号)として、低圧のがいし引き工事にあっては低 圧架空引込線と同等の電線を使用することとし、高圧及び特別高圧にあっては屋側電線路と同様の工事を要求している。

A:弱電流電線 d3:0.3mを超えること B:低圧電線 d4:0.6mを超えること C:高圧電線 d6:0.15mを超えること D:特別高圧電線

d1、d2、d5については、それぞれ0.3m、0.6m、0.15m 以下でもよいが、作業性及びケーブルの熱放散に よる送電容量を考慮し、適当な間隔を設けること が望ましい。

なお、トンネル内の電灯列は、街路照明の場合と異なり、使用場所の工事と考えられる。

第1項は、平時から人が通行するトンネル内、鉄道、軌道又は自動車道の専用のトンネル内電線路の規定で、第一号 から第三号までに電線路の工事方法を示している。なお、トンネル内は、地下水の湿気やばい煙で感電しやすい状態に あるから、低高圧のがいし引き工事の電線は絶縁電線に限定し、裸電線の使用を禁止している。また、特別高圧の場合 の電線は、トンネルの大きさと列車の大きさから考えて十分な離隔距離が得られないので、ケーブルのみに限定してい る。

第一号では、低圧にあっては低圧屋内配線工事のうち、がいし引き工事(電線には引張強さ2.30kN以上の絶縁電線又 は直径2.6mm以上の絶縁電線を使用すること。)、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事又はケーブル工事 により施設することとしている。金属可とう電線管工事は、電線路の一部に可とう電線管を使用する場合も考えられる ので追加したが、トンネル内は乾燥していない所なので第160条により2種金属製可とう電線管を使用した金属可とう電 線管工事に限定される。

第二号では、高圧にあっては高圧屋側電線路の規定に準じて施設することとしている。ただし書は、鉄道、軌道又は 自動車道の専用のトンネル内においては、高圧屋内がいし引き工事(引張強さ5.26kN以上の高圧絶縁電線又は直径4mm 以上の高圧絶縁電線若しくは特別高圧絶縁電線を使用すること。)により施設できることを示している。

第三号イは、⑭解釈において、日本電気技術規格委員会規格 JESC E2011(2014)「35kV以下の特別高圧電線路の人が 常時通行するトンネル内の施設」に規定する施設方法に適合すれば、35kV以下の特別高圧電線路についても人が平時か ら通行するトンネル内への施設を認めたものである。これは、22(33)kVケーブルの信頼性が、条文制定当時(昭和7 年)に比べて格段に向上しており、特別高圧電線路の設備保安面での信頼性は、低高圧電線路と同等以上であるととも に、近年、公衆感電・電気火災事故事例のない22(33)kVケーブルを、鉄道、軌道又は自動車道の専用のトンネル内の 特別高圧電線の規定に準じて施設した場合、公衆保安面で低高圧電線路と同等の安全性が確保できることから、鉄道、

軌道又は自動車の専用トンネル内の特別高圧電線路と同等な条件で施設できるように規定したものである。ロは、鉄道 等については、屋側電線路の規定に準じて施設することとしている。

特に規定していないが、がいしを使用するときは、トンネル内は湿気が多く腐食しやすいため、列車の振動で取り付 け箇所が緩み、脱落するおそれがあるので、工事には十分注意を要する。また、支持点間の距離もあまり大きくならな いように留意する必要がある。なお、本条は、国土交通省令の適用を受ける電気工作物については、第2条により適用除 外とされている。しかし、電力会社の電線路がトンネル内に施設される場合は、本条が適用される。

第2項は、第1項に該当しないトンネル内の電線路について示したものであるが、具体的には、鉄道、軌道又は自動車 道の専用トンネルなど交通専用のトンネル以外であって、かつ、一般公衆が常時通行する可能性のないトンネルであり、

例えば用水路用トンネル及び交通専用トンネルに併設される避難抗などがある。これらのトンネルは、その形態等が種々 あるので、工事方法としては、一番安全なケーブルを使用することとしている。

特別高圧電線路については、⑰解釈において、日本電気技術規格委員会規格JESC E2014(2004)「特別高圧電線路のそ の他のトンネル内の施設」に規定する施設方法に適合する場合に、その施設を認めることとした。これは、第2項で規定 するトンネルは、人が平時から通行する可能性がないものであり、また、第1項では、既に特別高圧電線路の施設が認め られていることから、第2項のトンネルについても、第1項と同様の施設要件を満たすことにより特別高圧電線路を施設 することができると判断したものである。

また、現在使用している特別高圧ケーブルについて検討した結果、設備の信頼性は、昭和40年代に比べて格段に向上 しており、公衆の安全性についても、近年の特別高圧ケーブルに係わる公衆感電・電気火災事故事例が極めて少ない状 況にあることから、第1項の特別高圧電線路の施設と同様の条件で施設しても問題ないことを確認した。

第3項及び第4項は、トンネル内電線路の電線と他の工作物との混触による危害を防止するための離隔距離を示してい る。第3項では、低圧については屋内配線と他の工作物との関係と、第4項では、高圧及び特高については屋側電線路と 他の工作物との関係と同様にしている。したがって、トンネル内電線路の使用電圧が低圧の場合は、第167条の屋内配線 を、高圧又は特別高圧の場合は、第111条第3項及び第5項の屋側配線をそれぞれトンネル内電線路の電線に置き換えれ ばよい。トンネル内の他の低圧電線とは、他のトンネル内電線路の電線及びトンネル内の配線を指しており、管灯回路 の配線は除かれているが、これは、管灯回路の配線とトンネル内電線路の低圧電線との関係については、第179条で示さ れているからである。

第127条【水上電線路及び水底電線路の施設】

〔解 説〕 本条は水上電線路及び水底電線路の施設方法について規定している。

第1項は、港湾、河川等のしゅんせつ工事に使用されるしゅんせつ船、港に停泊する運搬船(船内の保冷器等の電源)

又は遊園地の水上遊具施設等に電気を供給する場合のように、架空電線路によることはもちろん、水底電線路によるこ

とも困難な場合があるので、水上電線路の施設方法を定めている。したがって、島へ電線路を引く場合又は河川横断等 の場合は、これによることは認められない。水上電線路は排泥管を支持する浮き台上に大部分の電線を敷設するもので、

これを図示すれば解説127.1図のようになる。

解説127.1図

第一号では、水上電線路は、その構造上他の電線路に比べ安全度が劣るので、その使用電圧を低圧又は高圧としてい る。

第二号イは、低圧の場合の使用電線について規定しており、第8条の規定によるキャブタイヤケーブルのうち、比較 的丈夫な外装を有する3種又は4種のキャブタイヤケーブルとしている。ロは、高圧の場合には耐候性、耐オゾン性等に 優れた性能を有するクロロプレン外装又はクロロスルホン化ポリエチレン外装を施した高圧用のキャブタイヤケーブル としている。

○47基準では、しゅんせつ船用高圧ケーブルを高圧用の2種クロロプレンキャブタイヤケーブルと名称変更するとともに、

一般用のキャブタイヤケーブルの一種として扱うことにした。もともとこの規格は、日本電線工業会電線技術委員会標 準資料JCS 218「3,500Vドレッジャケーブル」及びJCS 265「6,000Vドレッジャケーブル」を基にして規定している。

ハは、キャブタイヤケーブルの施設方法について規定しているが、絶縁被覆を損傷しないように施設することを条件 としているので、詳細については別段定めていない。しかし、実際には浮き台に施設する部分は、次のような方法によ って施設することが望ましい。

①浮き台(長さ4~5m)の上に渡り板を固定し、その板上にキャブタイヤケーブルを敷設し、2~3m間隔に麻紐等で緊縛 する。この場合、浮き台相互間は0.3m~1mの間隔があるので、その部分はキャブタイヤケーブルに直接張力がかから ないように弛みを持たせて、浮き台相互の移動は余裕をもたせる。

②浮き台に長さ1~2mの鉄製又は木製の柱を2.5~4m間隔になるように固定し、ケーブルを架設する。

また、架空電線路の終端柱から浮き台に至るまでの部分(立上り部分を含む。)が外傷を受けやすい場合は、適当な防 護装置を施すことが望ましい。すなわち、終端柱が陸上にある場合は、ケーブルの立上り部分を鉄製の管又は合成樹脂 製のとい等に収め、終端柱が水中にある場合は、ボート等の接近によって損傷しないように、終端柱の周囲に杭を打ち 込む等の方法を講ずることが望ましい。

第三号は、キャブタイヤケーブルに張力がかからないようにするため、電線を施設する浮き台は、相互を十分強固に 連結しておくことを定めている。

第四号は、水上電線路と架空電線の接続方法を規定したもので、水上電線路は一般に1~3カ月位の短期間に限って施 設されることが多いが、地中電線路から直接この電線路に接続されることはほとんどなく、大部分は、水上電線路の近 くまで架空電線路を施設し、これから水上電線路に接続することが多いので、この場合についてのみ規定している。キ ャブタイヤケーブルの性質上、絶縁被覆内に水が浸入すると劣化が速まるので、架空電線路との接続部分は、水の浸入 を避けるように接続することが望ましい。

接続点が水面上にある場合の水面の基面は、海面では満潮位、河川等では平水位とすることが望ましい。なお、水上 電線路は使用状態が比較的苛酷であり、また電線の接続部分が弱点となりやすいので、原則として接続点を設けないほ うがよいが、やむを得ない場合にはケーブルメーカーに依頼する等十分な注意を払った上で設けることもできる。

第五号は、水上電線路には専用の保安装置を施設することを規定している。水上電線路は、その施設方法からも分か るように地絡事故の発生頻度が高いので、使用電圧が高圧の場合は、地絡発生のときにこの電線路のみを自動遮断でき るように施設することを規定している(→第36条)。これらの条件を満足し、かつ、しゅんせつ工事のように絶えず工事 場所を変えるのに便利な方法として、開閉器、過電流遮断器、漏電遮断器、避雷器その他計量装置を一括組合せて可搬 式の鉄製の箱に収めて一個の装置とする方法が行われている。この方法によれば、しゅんせつ船と一緒にこの装置を運 搬し、簡単に据え付けることができる。なお、既設の変電所から簡単に専用線路を施設することができる場合であって、

かつ、その変電所の保護装置により選択遮断できるような場合には、本号に規定されている条件を満足するものと判断