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電場応答過程におけるダイレクタ分布および流速分布

第 3 章 水平配向および垂直配向液晶セルの電場応答における流動効果の影響 32

3.4 結果と考察

3.4.2 電場応答過程におけるダイレクタ分布および流速分布

ZLI-2293

を封入した水平配向液晶セルに

20V

のステップ電圧を印加した際の,流れ

を考慮した場合

(no slip

および

free slip

境界条件),および流れを無視した場合におけ るダイレクタ再配向過程の数値計算結果をそれぞれ図

3.3(a),(b),および (c)

に,no

slip

および

free slip

境界条件における流速分布の数値計算結果をそれぞれ図

3.4(a)

およ び

(b)

に示す.水平配向液晶セル内のダイレクタは図

3.5

に示すように再配向する.

45 90

0

0 5.8

z (µm)

0.5 ms 1 ms 0.3 ms 0.1 ms

0 ms (a)

θo

θ (d e g )

45 90

0

0 5.8

z (µm)

0.5 ms 0.4 ms 0.3 ms 0.1 ms

0 ms (b)

θo

θ (d e g )

45 90

0

0 5.8

z (µm)

0.5 ms 1 ms 0.3 ms 0.1 ms

0 ms (c)

θo

θ (d e g )

3.3

ZLI-2293

を封入した水平配向液晶セルに

20V

の電圧を印加した際

の,(a)no slip境界条件,(b)free slip境界条件,および

(c)

流れを無 視した場合におけるダイレクタ分布の時間変化の数値計算結果.数 値計算には表

3.1

および

3.2

に示した

ZLI-2293

の物性値を用いた.

0 0.5

-0.5

0 5.8

z (µm) (a)

0 ms 0.1 ms 0.3 ms 0.5 ms 1 ms

v

x

(m m /s)

0 10

-10

0 5.8

z (µm) (b)

0 ms 0.1 ms 0.3 ms 0.4 ms 0.5 ms

v

x

(m m /s)

3.4

ZLI-2293

を封入した水平配向液晶セルに

20V

の電圧を印加した際

の,(a)no slip境界条件,(b)free slip境界条件における流速分布の 時間変化の数値計算結果.数値計算には表

3.1

および

3.2

に示した

ZLI-2293

の物性値を用いた.

L z =

= 0 z

E

3.5

  水平配向液晶セルの電場応答におけるダイレクタ再配向過程.

3.4.1

節で述べたように,水平配向液晶セルに流れる過渡電流の実験波形は,流れを

考慮しその境界条件を

no slip

とした場合の数値計算によって説明できるが,流れを無 視した場合の数値計算結果ともよく一致する.これは水平配向液晶セルの電場応答過 程において発生する流速

[

3.4(a)]

が無視できるほど小さいためであり,流れを考慮

no slip

境界条件とした場合と流れを無視した場合のダイレクタ分布の計算結果

[

3.3(a)

および

(c)]

がよく一致していることより,水平配向液晶セルの電場応答における

ダイレクタの回転は流れによって加速されないことがわかる.

MLC-2039

を封入した垂直配向液晶セルに

90V

のステップ電圧を印加した際の,流

れを考慮した場合

(no slip

および

free slip

境界条件

)

,および流れを無視した場合にお けるダイレクタ再配向過程の数値計算結果をそれぞれ図

3.6(a)

(b)

,および

(c)

に,

no

slip

および

free slip

境界条件における流速分布の数値計算結果をそれぞれ図

3.7(a)

およ び

(b)

に示す.no slipおよび

free slip

境界条件における垂直配向液晶セル内のダイレ クタは,それぞれ図

3.8(a)

および

(b)

に示すように再配向する.図

3.8(b)

は流れを無 視した場合における垂直配向液晶セルのダイレクタ再配向過程にも対応している.

45 90

0

0 21.9

z (µm)

0.4 ms 0 ms 0.6 ms

1 ms 2 ms

(a)

θo

-45

-90

θ (d e g )

45 90

0

0 21.9

z (µm)

1.6 ms

0 ms 0.2 ms 0.4 ms 1 ms

(b)

θo

θ (d e g )

45 90

0

0 21.9

z (µm)

3 ms

0 ms 1 ms

1.6 ms 2 ms

(c)

θo

θ (d e g )

3.6

MLC-2039

を封入した垂直配向液晶セルに

90V

の電圧を印加した際

の,(a)no slip境界条件,(b)free slip境界条件,および

(c)

流れを無 視した場合におけるダイレクタ分布の時間変化の数値計算結果.数 値計算には表

3.1

および

3.2

に示した

MLC-2039

の物性値を用いた.

0 10

-10

0 21.9

z (µm)

(a) 0 ms

0.4 ms 0.6 ms 1 ms 2 ms

v

x

(m m /s)

0 40

-40

0 21.9

z (µm)

(b) 0 ms

0.2 ms 0.4 ms 1 ms 1.6 ms 20

-20 v

x

(m m /s)

3.7

MLC-2039

を封入した垂直配向液晶セルに

90V

の電圧を印加した際

の,(a)no slip境界条件,(b)free slip境界条件における流速分布の 時間変化の数値計算結果.数値計算には表

3.1

および

3.2

に示した

MLC-2039

の物性値を用いた.

L z =

= 0 z

E (a)

L z =

= 0 z

E (b)

3.8

垂直配向液晶セルの電場応答における,(a)no slip境界条件,およ

(b)free slip

境界条件または流れを無視した場合のダイレクタ再

配向過程.

3.4.1

節で示したように,垂直配向液晶セルに流れる過渡電流は,流れの境界条件を

free slip

とすることにより説明できる.図

3.6(b)

および

(c)

より,

free slip

境界条件にお けるバルクのダイレクタは,流れを無視した場合と比較して速く回転していることが 確認できる.free slip境界条件の場合のバルクのダイレクタ

[図 3.6(b)]

が一様に再配向 しているのに対して,流れの境界条件を

no slip

とした場合のダイレクタ分布

[図 3.6(a)]

は複雑な再配向過程を示している.図

3.7(a)

および

(b)

の流速を比較すると,no slip境 界条件では基板上で流れが発生しないことにより,液晶セル内全域で流れが制限され ていることがわかる.基板付近の流れは特に強い制限を受けることになり,基板に近 づくにしたがって流速は小さくなっていく.そのため,基板付近における速度勾配は バルクにおける速度勾配とは逆になり,流れがダイレクタに及ぼすトルクもバルクと 基板付近では逆方向に働く.したがって,基板付近のダイレクタは流れによりバルク のダイレクタとは逆方向に回転させられることになるため,流れの境界条件が

no slip

の場合には図

3.6(a)

に示したような複雑なダイレクタ分布となる.