第 5 章 負の誘電率異方性を有するネマティック液晶の Leslie 粘性係数測定法:解
5.3 実験
負の誘電率異方性を有するネマティック液晶として
MLC-2039,Mix.A(メルク株式
会社)を用いた.これらのネマティック液晶を垂直配向処理を施した透明電極付きガラ表
5.1
MLC-2039,Mix.Aの物性値.γ1は回転粘性率,νは動粘度,K11および
K
33はそれぞれスプレイおよびベンド弾性定数,ǫ
⊥はダイ レクタに垂直方向の誘電定数,∆ǫ
は誘電率異方性,L
は液晶セル のセル厚,およびS
は液晶セルの電極面積である.NLC γ
1(Pa · s)
aν (mm
2/s)
aK
11(pN)
aK
33(pN)
aMLC-2039 0.163 24 15.9 18.4
Mix.A 0.133 21 13.0 15.1
ǫ
⊥a∆ǫ
aL (µm)
bS (cm
2)
b7.6 − 4.1 57.0 1.13 7.4 − 3.8 55.0 1.13
a
293K
におけるメルク株式会社による測定値.γ1およびν
の値はそれぞれ回転磁場法および
Ubbelohde
ビスコメーターを用いて測定した.b実験に用いた液晶セルの値.
ス基板によるサンドウィッチ型セルに封入し,垂直配向液晶セルを作製した.過渡電 流の解析解は,基板付近の弾性変形領域が無視できる場合に成り立つ.実験において この条件を満足させるため,弾性変形領域に対するバルクの割合を大きくすることを 目的として約
60µm
の厚いセル厚の垂直配向液晶セルを用いた.MLC-2039
,Mix.A
の293K
における物性値,作製した垂直配向液晶セルのセル厚,電極面積を表5.1
に示す.γ
1およびν
の値はそれぞれ回転磁場法およびUbbelohde
ビスコメーターを用いて測定 した.液晶セルに流れる過渡電流測定には過渡電流測定装置
(LCM-2
,東陽テクニカ)
を用0 0.5 1
Time (ms)
0 20 40 60 80
C u rr e n t ( µ A )
260V 250V
240V
MLC-2039
experiment solution
図
5.1
MLC-2039
を封入したセル厚57µm
の垂直配向液晶セルに240, 250,
および
260V
のステップ電圧を印加した際の,293Kにおける過渡 電流の実験結果,および実験結果と解析解[式 (5.4)
および(5.5)]
と の最小二乗フィッティングにより得られた解析解による過渡電流波 形.フィッティングにより測定したLeslie
粘性係数,θ
oの値を表5.2
に示す.いた.垂直配向液晶セルに
240,250,および 260V
のステップ電圧を印加した際に流 れる過渡電流を293K
において測定した.MLC-2039およびMix.A
を封入した垂直配 向液晶セルに流れる過渡電流の実験結果をそれぞれ図5.1
および5.2
に示す.垂直配向 液晶セルに流れる過渡電流は全て単一のピークを有し,ピーク時間に対して非対称な 波形となった.0 0.5 1
Time (ms)
0 20 40 60 80
C u rr e n t ( µ A )
260V 250V
240V
Mix.A
experiment solution
図
5.2
Mix.A
を封入したセル厚55µm
の垂直配向液晶セルに240, 250,お
よび260V
のステップ電圧を印加した際の,293Kにおける過渡電 流の実験結果,および実験結果と解析解[式 (5.4)
および(5.5)]
との 最小二乗フィッティングにより得られた解析解による過渡電流波形.フィッティングにより測定した
Leslie
粘性係数,θ
oの値を表5.2
に 示す.
ドキュメント内
負の誘電率異方性を有するネマティック液晶の過渡応答に関する研究
(ページ 75-78)