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防災意識に関するアンケート調査の結果

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 71-82)

第 4 章 市民の防災意識の把握と意識構造の分析

4.2 防災意識に関するアンケート調査

4.2.2 防災意識に関するアンケート調査の結果

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② 居住地域に対する危険意識

「居住地域に対する危険意識」(図4‐2)では、両都市とも「安全」「ある程度安全」と感じ ているとの回答が過半数を占め、ほぼ同じ程度であった。しかし、「ある程度安全」と「ある程 度危険」の回答が両都市とも85%以上となっており、自分の居住地域に絶対的な安心感を持っ ている市民はごく僅かであった。この傾向は、世論調査との比較では、両都市とも「安全」の回 答が、全国(23.1~28.0%)より低いことからも把握できる。

両都市とも、比較的高い割合で、居住地域に対する危険意識があるといえる。

図4‐2 被災経験 世論調査との比較

福岡市民 東京都区部市民

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回答数 %

1 地震 704 79.9%

2 津波 261 29.6%

3 台風 247 28.0%

4 豪雨 247 28.0%

5 河川の氾濫 351 39.8%

6 土砂崩れ、がけ崩れ 47 5.3%

7 高潮 75 8.5%

8 落雷 47 5.3%

9 竜巻 78 8.9%

10 火災 177 20.1%

11 その他 19 2.2%

12 無回答 13 1.5%

881 100.0%

全体

回答数 %

1 地震 306 78.5%

2 津波 106 27.2%

3 台風 84 21.5%

4 豪雨 88 22.6%

5 河川の氾濫 198 50.8%

6 土砂崩れ、がけ崩れ 8 2.1%

7 高潮 28 7.2%

8 落雷 41 10.5%

9 竜巻 35 9.0%

10 火災 156 40.0%

11 その他 4 1.0%

390 100.0%

全体

③ 危険だと感じる自然災害

「危険だと感じる自然災害」(図4‐3)では、「地震」と答えた割合は福岡市で79.9%、東京 都区部で78.5%であり、ほぼ同程度の人が「地震」に関して危険意識を持っている。また、東京 都区部では、「火災」への危険意識は福岡市の20.1%と比較してほぼ2倍の40.0%の回答であった。

東京都区部では、特に密集市街地等での地震時等の延焼の危険性が指摘2)3)されていることから、

その現れと考えらえる。

また、両都市とも、昨今の水害の影響もあり、「河川の氾濫」も高い割合を占めている。

阪神・淡路震災直後の世論調査(1995)では、もっとも危険と感じる災害が「地震

(63.5%)」、「火災(43.4%)」と地震関連の回答が多数を占めていたが、2002年では、台風の 値を下回るようになっている。東日本大震災前の状況では、「地震」を含めた自然災害に対する 危険意識が低下していたことがうかがえる(2002年:「感じたことはない」の回答が55.0%)。

図4‐3 危険と感じる自然災害 東京都区部市民

福岡市民

世論調査との比較

2002 年に新設された選択肢

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④ 大地震の際に心配なこと

「大地震の際に心配なこと」(図4‐4)について、「地震」に対する危険意識の詳細をさらに 把握するため、福岡市民に対して設問を設定し回答を求めた。

世論調査と同様に「火災の発生」「建物の倒壊」が高い割合を占めた。しかし、本調査では、

「火災の発生」よりも「建物の倒壊」の値が高く、これらは福岡市の特性と考えられる。

図4‐4 地震の際に心配なこと

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⑤ 自主防災活動への関わり方

「自主防災活動へ関わり方」(図4‐5)では、「活動の責任者として参加している」の回答は、

両都市とも約2~3%程度であった。自主防災活動に参加したことがあるという回答(「できる限 り、参加している」と「参加したことはあるが、あまりない」)の割合は、福岡市では24.5%

(8.7%+15.8%)、東京都区部では32.4%(10.3%+22.1%)であった。このことから、東京都 区部の方が意欲的に参加していることがうかがえる。

世論調査との比較では、世論調査の「参加したことがない(57.9~69.1%)」の回答に対し、

福岡市は71.6%の回答であることから、おおむね同水準であることがうかがえる。

図4‐5 自主防災活動への関わり方 世論調査との比較 福岡市民 東京都区部市民

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(2)リスク情報の公表・充実に関する意識

① リスク情報の認知状況

「リスク情報の認知状況」(図4‐6)では、福岡市での回答は「知っている(40.9%)」、「知ら

ない(57.5%)」であり、東京都区部では「知っている(37.3%)」、「知らない(62.7%)」であ

り、両都市とも知らないという回答が過半数を占めた。

図4‐6 リスク情報の認知状況

② リスク情報の公表への賛否

「リスク情報の公表への賛否」(図4‐7)では、「必要」と回答した人の割合は、福岡市では 91.1%と東京の79.7%を上回った。福岡市民の地震リスク情報公表に対する要求は非常に高い。

福岡市に比べて東京都区部の回答率で目立つのは、「どちらでもよい」という項目で、16.8%と 福岡市の1.6%を大きく上回っている。

図4‐7 リスク情報の公表への賛否

福岡市民 東京都区部市民

福岡市民 東京都区部市民

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「リスク情報の公表」が「必要」と回答した人に対して、その理由について回答を求めた(図 4‐8)。福岡市では、リスク情報の活用法として「自宅等が安全かどうかの判断材料とするた め」(85.0%)が多数を占め、福岡市がリスク情報を公表している狙いでもある「耐震化の判 断」や「居住地の選択等」の判断材料として活用されていない。一方、東京都区部では「自宅等 が安全かどうかの判断材料とするため」(79.4%)の項目は福岡市と比較して低く、「費用のかか る対策(耐震改修等)の判断材料とするため」(20.7%)、「居住地・住宅の選択の判断材料とす るため」(36.0%)等が多数を占めた。つまり、リスク情報は、福岡市では日常的な防災に活用 されており、東京都区部ではリスク情報が耐震化の判断や居住地の選択等の重要な判断材料に活 用されているといえる。

図4‐8 リスク情報の公表への賛成の理由(活用方法)

回答数 % 1 自宅等が安全かどうかの判

断材料とするため 1660 85.0%

2 身のまわりの防災・避難の準

備を充実させるため 1096 56.1%

3 費用のかかる対策(耐震改

修等)の判断材料とするため 319 16.3%

4 居住地・住宅の選択の判断

材料とするため 495 25.3%

5 その他 24 1.2%

6 無回答 17 0.9%

1953 100.0%

全体

回答数 % 1 自宅等が安全かどうかの判

断材料とするため 644 79.4%

2 身のまわりの防災・避難の準

備を充実させるため 530 65.4%

3 費用のかかる対策(耐震改

修等)の判断材料とするため 168 20.7%

4 居住地・住宅の選択のため

の判断材料とするため 292 36.0%

5 その他 3 0.4%

811 100.0%

全体

東京都区部市民 福岡市民

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「リスク情報の公表」が「必要ない」と回答した人に対して、その理由について回答を求めた

(図4‐9)。リスク情報は必要ないと答えた人の大半が「役に立たないから(情報があっても利 用しないから)」(福岡市:65.4%,東京都:85.7%)と回答した。

図4‐9 リスク情報の公表への反対の理由

③ リスク情報公表の充実の必要性

「リスク情報公表の充実の必要性」(図4‐10)では、リスク情報の充実を求める回答は、両 都市とも多数を占め、福岡市の方が多い値を示した(福岡市71.6%、東京都区部65.2%)。賛同 の多寡には、東京都区部の「充実する必要なない。今の程度でよい。」に、現状の情報公表に一 定程度の満足が得られたものが含まれる可能性があることに留意する必要がある。

図4‐10 リスク情報公表の充実の必要性

回答数 % 1居住地などの資産価値に影

響が出るから 4 5.1%

2役に立たないから(情報が

あっても利用しないから) 51 65.4%

3 その他 25 32.1%

4 無回答 3 3.8%

78 100.0%

全体

回答数 % 1居住地等の資産価格に影響

がでるから 6 17.1%

2役に立たないから(情報が

あっても利用しないから) 30 85.7%

3その他(具体的に記載下さ

い。) 1 2.9%

35 100%

全体

福岡市民

東京都区部市民

福岡市民 東京都区部市民

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(3)行政関与に対する意識

① 土地利用規制の賛否

「土地利用規制の賛否」(図4‐11)では、地震に対して危険な地域での建築や土地利用規制 を「強める必要がある」と回答した人が、福岡市70.2%、東京都区部64.4%の結果であった。行 政が規制や制限を行うことに対して、市民に一定程度の理解、受容意識があるといえる。しかし、

両都市とも分からないと答えた割合が目立ち(福岡市13.3%,東京都区部22.8%)、行政が行う 防災政策への理解、意識が低い人も見られた。

図4‐11 土地利用制限の賛否

「リスク情報に基づく規制内容」(図4‐12)では、「危険性の高い場所に住む場合には、建築 物の構造強化等の条件を更に付ける」という回答が福岡市86.8%、東京都区部79.2%と多数を占 めた。より厳しい規制である「危険性が高い場所に住むことを禁止する」では、福岡市10.7%、

東京都区部20.2%であった。リスク情報の公表・充実がより進んでいる東京都区部では、居住禁 止に対する受容意識が高いことが把握できる。

図4‐12 リスク情報に基づく規制内容

福岡市民 東京都区部市民

福岡市民 東京都区部市民

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「リスク情報に基づく規制を不要とする理由」(図4‐13)では、「現在の規制で十分だから」

(福岡市36.2%、東京都区部33.1%)、「基本的に個人が災害被害の責任を負えばよいから」(福 岡市38.4%、東京都区部37.7%)の回答が多く見られた。

図4‐13 リスク情報に基づく規制を不要とする理由

② 行政に求める防災施策

「行政に求める防災施策」(図4‐14)では、両都市で「公共事業の実施」(福岡市65.7%、東 京都区部60.5%)、「個人への助成金の交付」(福岡市44.2%、東京都区部52.0%)とほぼ同程度の 回答割合を占めた。しかし、「個人の判断・選択に委ねることで十分」という意見については、

福岡市10.6%に対して、東京都区部では30.5%と自己責任を第一義とする回答が多くみられた。

図4‐14 行政に求める防災施策

福岡市民 東京都区部市民

回答数 %

1

避難路や避難場所等の地域の安 全性を高める施設の整備を進め る(公共事業の実施)

1409 65.7%

2

住宅の耐震診断や耐震改修等の 個人の対策への支援(個人への 助成金の交付)

948 44.2%

3 マップの公表や規制で十分 227 10.6%

4 わからない 102 4.8%

5 無回答 188 8.8%

2143 100.0%

全体

回答数 %

1

避難路や避難場所等の地域の 安全性を高める施設の整備を 進める(公共事業の実施)

605 59.5%

2

住宅の耐震診断や耐震改修等 の個人の対策への支援(個人 への助成金の交付)

520 51.1%

3 マップの公表や規制(個人の判

断・選択に委ねることで十分) 310 30.5%

4 わからない 136 13.4%

1017 100%

全体

福岡市民

東京都区部市民

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 71-82)