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長期動作試験

ドキュメント内 master thesis fukuyama (ページ 81-87)

ADC Channel 175 180 185 190 195 200 205 210 215 220 0

0.02 0.04 0.06

ADC Channel 210 220 230 240 250 260 270 280 290 300 0

0.01 0.02

図 6.8: HXI CdTe両面ストリップ検出器における7日間測定によるスペクトルの変化と

バイアス電圧を5分0 Vにした後の回復したスペクトルとの比較。左:Al面チャンネル 180。右:Pt面チャンネル50。赤:7日測定開始直後の3時間。緑:165 –168時間(7日 後)。青:バイアス電圧再印加直後の3時間

3. スプライン曲線のピーク位置の割り出し

ヒストグラムのスムージングをSGD CdTe Pad検出器で行わなかったのは、ダイナミッ クレンジの違いにより、エネルギー換算で1ビンの幅がSGD CdTe Pad検出器では大き く(ピークのビン数が少なく)、スムージングが意味をなさなかったためである。

図6.9に7日間の測定で得られたピーク位置の変化を示す。Al側もPt側も7日間の測 定でピーク位置の変化は、0.3 %以内であった。

それぞれのピーク位置の変化について注目すると、Al側のピーク位置は時間経過に伴 い直線的に下がって行く傾向が見られた。ピーク位置は最初のバイアス印加の1日間で

0.1 %程度低くなり、その後5分間 バイアス電圧を0 Vに落とすことで、次の7日間の

測定開始時には最初の状態に戻っている。7日間測定の始めの1日間の挙動は最初にバイ アス電圧を印加した1日間の挙動と一致している。7日後にはピーク位置が約0.3 % 下 がっている。この7日間の測定直後に5分間 バイアス電圧を0 Vに落とし、三たび測定 を開始した際には、7日間測定開始時の状態にまでは戻っていないが、6日程度前(7日 間測定開始から1日後)の位置にまで戻っている。

Pt側のピーク位置の変化はAl側とはかなり異なる挙動を示している。最初のバイア ス印加の1日間でピーク位置が0.2 %程度低くなり、バイアスを5分間0 Vに落とすこ とで、次の7日間測定の開始時に最初の状態まで回復するという挙動はAl側と同様の結 果である。7日間測定の始めの1日間の挙動と最初にバイアス電圧を印加した1日間の 挙動も一致しており、その後は下降する傾向が見られることもAl側と同様である。しか し、7日間の測定では、60時間を超えたところでAl側と異なり、ピーク位置の変化が 上昇に転じ、7日後には測定開始時の値まで上昇した。

図6.9: HXI CdTe両面ストリップEM検出器の長期動作試験でのピーク位置の時間変化。

左はAl側のチャンネル180の変化を、右はPt側のチャンネル50の変化を示している。

緑:最初の1日間。赤:バイアス印加2度目の7日間。青:バイアス印加3度目の3時 間。1ビンは3時間分のデータ。緑:最初の1日間。赤:バイアス印加2度目の7日間。

青:バイアス印加3度目の3時間。7日間の測定の始めの3時間のピーク位置を1とし て規格化している。

図6.10は7日間の測定開始直後、2日後、3日後、5日後、7日後の3時間分のスペクト ルを、Pt側はチャンネル50において、Al側はチャンネル180において59.5 keVのピー ク付近に注目し、重ねたスペクトルを示す。

6.3.3 テール構造の時間変化の評価

次に241Amの 59.5 keVのピークに対するテール構造がどの様な変化を示すかを調べ

た。この解析でも1 Hitイベントなどの選別は行っていない。テール構造を定量的に表 す指標として、第4章のSGD CdTe Pad検出器の長期動作試験と同様にピークの面積に 対するテール面積の割合を用いた。HXI CdTe両面ストリップのテールの割合Rtail/peak

式(6.1)で定義した。図6.11にPt側のピークの面積とテールの面積の計算に用いた領域

を示す。

Rtail/peak=

10

i=30

S(peak+i)

+10 j=10

S(peak+ j)

(6.1)

ここでS(k)はADCチャンネルkのカウント数を、peakはピークのADCチャンネルを 意味する。この方法で求めた、Pt面のチャンネル50とAl面のチャンネル180のRtail/peak の変化を図6.12に示す。

ADC Channel 175 180 185 190 195 200 205 210 215 220 0

0.02 0.04 0.06 0.08 0.1

ADC Channel 210 220 230 240 250 260 270 280 290 300 0

0.01 0.02 0.03 0.04

図6.10: 7日間測定によるスペクトルの変化。左:Al面チャンネル180。右:Pt面チャン ネル50。赤:7日測定開始直後の3時間。緑:48 –51時間(2日後)。青:72 –75時間(3 日後)。マゼンタ:120 –123時間(5日後)。シアン:165 –168時間(7日後)

ADC Channel 210 220 230 240 250 260 270 280 290 300

Entry (counts/sec.)

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08

図 6.11: HXI CdTe両面ストリップ検出器のPt側のスペクトルのテールの割合の計算に

用いた領域。赤:ピーク領域。青:テール領域。

Time (hour)

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

Tail-Peak Ratio

0.23 0.24 0.25 0.26 0.27 0.28 0.29 0.3

Time (hour)

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

Tail-Peak Ratio

0.45 0.5 0.55 0.6 0.65 0.7 0.75 0.8

図6.12: HXI CdTe両面ストリップEM検出器の長期動作試験でのピークに占めるテール

の割合の時間変化。左はAl側のチャンネル180の変化を、右はPt側のチャンネル50の 変化を示している。緑:最初の1日間。赤:バイアス印加2度目の7日間。青:バイア ス印加3度目の3時間。1ビンは3時間分のデータ。

Al側のテールの割合は時間経過に伴い直線的な上昇を示している。最初のバイアス電 圧印加の1日間で4 %程度増加し、バイアス電圧を5分間0 Vに落とすことで、次の7 日間測定の開始時には最初の状態に戻っている。7日間測定の始めの1日間の挙動は最 初にバイアス電圧を印加した1日間の挙動と一致している。7日後にはテールの割合が 15 – 20 %増加している。この7日間の測定直後に5分間 バイアス電圧を0 Vに落とし、

三たび測定を開始した際には、7日間測定開始時の状態にまでは戻っていないが、6日程 度前の割合にまで戻っている。直線的な変化を示すことや、バイアス電圧を落として再 印加した際の回復の程度など、これらの挙動はピーク位置の変化と一致している。

Pt側のテールの割合の時間変化は、Al側と比較すると直線的変化でないという点は異 なるが、単調増加の傾向を示しているという点では同じである。テールの割合は最初の バイアス印加の1日間で15 %程度の増加し、バイアス電圧を 5分間0 Vに落とすこと で、次の7日間測定の開始時には最初の状態に戻っている。7日間測定の始めの1日間 の挙動は最初にバイアス電圧を印加した1日間の挙動と一致している。7日後にはテー ルの割合が約40 %増加している。7日間測定のテール割合の変化の割合は最初の方は約 15 %/day程度であるが、その後徐々に変化が緩やかになっていき、7日後には2 – 3 %/day 程度にまで下がっている。この7日間の測定直後に5分間バイアス電圧を0 Vに落とし、

三たび測定を開始した際には、6.5日程度前の割合にまで戻っている。

6.3.4 スペクトルの直接比較によるポラリゼーション回復の評価

次に、スペクトルの形を実際に比較し、ポラリゼーションからの回復を議論する。

Time (hour) 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 0

0.5 1 1.5

Time (hour) 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 0

0.5 1 1.5 2

図 6.13: カイ2乗値によるHXI CdTe両面ストリップ検出器のポラリゼーションからの

回復の対応時刻の調査。横軸が7日間測定開始からの時刻で縦軸が各時刻に置けるバイ アス電圧再印加後のスペクトルを基準としたreduced chi squareの値。左:Al側のチャン ネル180。右:Pt側のチャンネル50。

7日間測定の各時間のスペクトルとバイアス電圧再印加後のスペクトルで59.5 keVピー ク付近の差を取って式(6.2)に示すカイ2乗値を計算し、バイアス電圧再印加後のスペク トルが7日間の測定のどの時刻のスペクトルに最も近いか調べた。

χ2(t)=

b ADCch=a



 N(t)−Na f ter

√N(t)+Na f ter



2

reducedχ2(t)=χ2(t)/(Number o f S um) (6.2) N(t)は時刻tのヒストグラムの、Na f terはバイアス電圧再印加後のヒストグラムのADCch のビンに詰まっているイベントの数である。aとbはカイ2乗の値を計算したスペクトル の領域で、Al側ではa=170、b=220、Pt側ではa=200、b=300である。このカイ2 乗値は3時間分のデータを1つのデータとして扱っている。計算結果を図6.13に示す。

このカイ2乗値からバイアス電圧再印加後のデータは、Al側では7日間測定開始から27 時間から30時間のデータに、Pt側では7日間測定開始時に最もに近いという結果が得ら れた。これはピーク位置やテール構造の割合の変化により得られた結果と一致する。図 6.14にそれぞれの面でカイ2乗値が最も小さい時刻のスペクトルとバイアス電圧再印加 後のスペクトルを重ねて表示する。Al側、Pt側とも統計誤差の範囲内で一致している。

ADC Channel 175 180 185 190 195 200 205 210 215 220

Entry (counts/sec.)

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0.18

ADC Channel 210 220 230 240 250 260 270 280 290 300

Entry (counts/sec.)

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08

図6.14: HXI CdTe両面ストリップ検出器における分間バイアス電圧を落としたことで回

復したスペクトルとカイ2乗値で求めた7日間測定で回復スペクトルに対応していると 考えられるスペクトル。赤:カイ2乗が最小となった時刻のスペクトル。緑:バイアス 電圧再印加後のスペクトル。左:Al側のチャンネル180。右:Pt側のチャンネル50。

ドキュメント内 master thesis fukuyama (ページ 81-87)