[nA]
I1
10 15 20 25 30
min/ImaxI
0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8
vs I1
/Imin
Imax
図5.11: SGD CdTe Pad素子でバイアス電圧印加90分間のリーク電流値の1分間平均の 最大値Imaxと最小値Iminの比。横軸にI1を、縦軸にImax/Iminを取った相関図。
がσが0.1 nA以下に分布している。
σ2(T)= 1 60
∑59
τ=0
(IeT(t′)−i(t+t′))2
(5.1) IeT(t′)=(IT+1−IT)×(t+t′)+IT (5.2)
ACRORAD社のデータとの比較
ACRORAD社のデータと今回の試験結果を比較した。図5.14に各バイアス電圧での
ACRORAD社とのデータと今回取得したデータの比の分布を、図5.15にリーク電流値の
相関を示す。リーク電流の値は測定中の平均である。ACRORADで行われた出荷前検査 と今回行われた試験の結果は良い相関を示した。各バイアス電圧における比の分布は平 均値1.3∼1.4となっており、その標準偏差も0.25∼0.27とバイアス電圧ごとの違いは見 られなかった。
図5.12: i(t)、IT及びσ(T)の実データによる例。データは0907-2701-37番の素子の30分
∼35分のもの。黒点線で区切っている領域の1秒ごとの測定データi(t) (赤点)を用いて 1分平均IT(青点)の算出を行い、それを結んだ直線IeT(t) (青線)に対してのリーク電流の 分散σ2(T)を1分ごとに計算している(緑線が±σ(T)のエラー)。このようにして得られ た1素子89個のσ(T)のうち最大のものをσmaxと定義。
Sigma [nA]
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
maximum Sigma Distribution
Sigma [nA]
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
maximum Sigma Distribution
図5.13: 1分間のリーク電流平均を結ぶ折れ線に対するリーク電流の揺らぎを表す偏差の
最大値σmaxの分布。右の図は左の図をσmax <0.6 nAの範囲で表示したもの。
/Imhi Iacro
0.5 1 1.5 2 2.5
entry
0 1 2 3 4 5 6 7
8 Iacro/Imhi 400V Distribution
0.5 1 1.5 2 2.5
entry
0 1 2 3 4 5 6 7 8
600V Distribution /Imhi
Iacro
0.5 1 1.5 2 2.5
entry
0 1 2 3 4 5 6 7
800V Distribution /Imhi
Iacro
0.5 1 1.5 2 2.5
entry
0 1 2 3 4 5 6 7 8
1000 V Distribution /Imhi
Iacro
図5.14: ACRORAD社での出荷前検査と今回の実験結果の各バイアス電圧での比Iacro/Imean の分布。IacroがACRORAD社で得られたリーク電流の値で、Imeanは今回得られたリーク 電流の値。Iacro/Imeanの平均値と標準偏差はそれぞれ400 V (mean 1.37, σ 0.253), 600 V (1.40, 0.269), 800 V (1.38, 0.270), 1000 V (1.32, 0.254)となった。
図5.15: ACRORAD社での出荷前検査と今回の実験結果の相関図。
600∼700枚の素子を選定する必要がある。今回のEM素子のリーク電流測定の結果から 素子を選定する基準を検討した。
リーク電流の大きさ
前章でI-V特性曲線を示した、検出器として動かしたSGD CdTe Pad素子のリーク電 流の値(26 nA @ 20◦C)は今回測定されたEM素子の中で比較すると、平均値+約1.7σ 程度のリーク電流であり、これよりImeanが高い素子は3枚しか存在しないなど、リーク 電流の高い素子であった。そのため、リーク電流の大きだけを見れば、今回測定された素 子は欠けのある素子などを除いて、ほぼ全ての素子が検出器としての使用しうると考え られ、リーク電流の大きさに制限を設ける理由は存在しない。よって、リーク電流の絶 対的な大きさで選定基準を決めるのではなく、選定された素子の性能が揃うようにリー ク電流の大きさの基準を設定すれば良い。
リーク電流の長時間安定性
90分間のリーク電流の最大値と最小値の比を取ったものの分布は平均値±1σ(標準偏 差)内に9割の素子が含まれていた。ここで、この範囲から外れた残りの1割には 0907-2701-21の様に欠けがある素子や0907-2701-43の様に安定しない挙動を持った素子など、
確実に除外すべき素子が含まれている。よって、この基準において1σより基準を緩め る理由は無いと考えられる。
リーク電流の揺らぎ
前節で用いたリーク電流の揺らぎを表すσ(T)が、20◦Cにおいては0.2 nA以下である 素子が85 %以上であった。残りの15 %には先ほど同様、欠けを持つ素子や不安定な素 子が含まれている。長期間安定性のときと同じく、0.2 nAより選定基準を大きくする理 由は特に存在しない。また、このσが0.1 nAより小さい素子は約50 %であった。0.1 nA を基準に選ぶと、FM品で必要とする600∼700枚を選定するのに1000枚では足りなく なり、FMを追加で製造しなければならない。しかし、先ほどリーク電流の大きさのと ころで述べた通り、ほとんどの素子は検出器として使用可能と考えられるため、リーク 電流の揺らぎが0.1 nA以下という厳しい条件を採用する理由も無い。よって、リーク電 流の揺らぎを基準にするときは0.1 nAから0.2 nAの間で決めればよい。ただし、この 値は温度によって変わるので、測定温度ごとに実際に分布を調べて決める必要が有る。
ACRORAD社のデータとの比較
前節で述べた通り、今回の測定データとACRORAD社の出荷前検査のデータは良い相 関を示した。今回この比較から素子を選定することはできない。逆に言うと、今後相関 が明らかに見られない素子が見つかった場合は、われわれの測定でどれほどよい値が得 られても、再現性が無いという信頼性の観点からその素子は除外する必要があることを 示している。