第 5 章 の参考文献
6.4 配電システム中の雷サージ特性
ている。Table 6-1より,機械式電力量計および電流制限器は,直列のインダクタンス と並列のキャパシタンスを有しているが,いずれも1 μH以下,数十pF以下と極めて 小さい値であることがわかる。また,線路1と線路3が電気的にほぼ対称な構造であ ることも確認できる。なお,相互インダクタンスについては,いずれも非常に小さな 値であり,電流制限器の線路1 – 3 間のもの(各線路のコイルの巻く方向が反対であ るため,マイナスの値となる)を除いて測定不能であった。
3 m 9.4 m
interior-wiring cable 10.75 m
wire representing lightning channel
pulse generator
No. 6
pole-mounted transformer
6 m
consumer entrance
2 m 36 m
2 m 10 m
service-drop wire 500Ω
phase wires
(20 m)
(20 m)
end of interior wiring
mechanical watt-hour meter and current limiter
3 m 9.4 m
interior-wiring cable 10.75 m
wire representing lightning channel
pulse generator
No. 6
pole-mounted transformer
6 m
consumer entrance
2 m 36 m
2 m 10 m
service-drop wire 500Ω
phase wires
(20 m)
(20 m)
end of interior wiring
mechanical watt-hour meter and current limiter
Fig. 6-5. Experimental setup.
Fig. 6-6. Photograph of the consumer entrance.
current limiter mechanical watt-hour meter service-drop wire
interior-wiring cable
電柱の頂部に,2.3節の雷サージ実験 [2-4] で用いたPGを設置し,PGよりさらに 鉛直上方に架線した模擬雷道から電柱頂部に向けて電流を注入した。模擬雷道には直 径2 mmのビニル被覆電線を用いており,Fig. 6-5に示すように,PGから鉛直上方へ 約36 mの高さまで立ち上げ,そこから水平方向に向きを変えて遠方約 10 mの位置 まで架線し,その後引き下げて地上にて500 Ω の抵抗で整合終端した。2.3節のFig.
2-25 に示したPGにおいて,模擬雷電流の波頭長Tf を調整するためコンデンサCf の
値を1500 pF,700pF,50 pFと変化させることで,Tf を1.0 μs,0.5 μs,ステップ状と
変化させた。Table 6-2に,本実験の各測定箇所における測定項目を示す。
6.4.2 測定方法
本実験に用いた測定装置の概要をTable 6-3に示す。需要家受け点および屋内配線の 末端においては,電圧プローブP5100により対地電圧を,差動プローブP5205により 線間電圧を測定した。6号柱における注入電流については,2.3節の測定方法と同様,
光ケーブルを介して測定した。これより,測定系は数十 ns の立ち上がりを十分正確 に測定できるものであるといえる。
6.4.3 実験結果
本章では,引込線と屋内配線の間に機械式電力量計と電流制限器を接続したケース 1と,これらを接続しないで引込線と屋内配線を直接接続したケース2の比較を行う。
これにより,機械式電力量計と電流制限器が需要家側に発生する雷過電圧に与える影 響を把握する。模擬雷電流の波頭長Tf を1.0 μs,0.5 μs,ステップ状としたときの実 測結果(各部の電圧・電流波形)をそれぞれFig. 6-7,Fig. 6-8,Fig. 6-9 に示す。この 結果を見ると,機械式電力量計と電流制限器が有する直列インダクタンスと並列キャ パシタンスの影響により,ケース 1(機器有り)の実測波形はケース 2(機器無し)
Table 6-2. Measured quantities.
Measurement point Measured quantities Pole No. 6 ▪ Injected current Consumer entrance
▪ Line current ▪ Voltage to ground ▪ Line-to-line voltage End of interior wiring ▪ Voltage to ground
▪ Line-to-line voltage
の実測波形に比べて振幅が低下し,その発生時刻が遅れる。しかしながら,これらの 差異はいずれも極僅かであり,実用上無視できる程度である。
以上より,機械式電力量計と電流制限器は直列インダクタンスと並列キャパシタン スで模擬できる特性を有しているが,その値自体は極めて小さく,これらを無視して 雷サージ解析を行っても実用上問題無いといえる。