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実規模配電線の雷サージ特性

ドキュメント内 Advanced Modeling of a Distribution Line and (ページ 55-60)

第 1 章 の参考文献

2.3 実規模配電線を用いた実験的検討

2.3.2 実規模配電線の雷サージ特性

ると,観測者は高所作業車を使用して地上約11 m の高さでオシロスコープを操作す ることになる。この際,高所作業車の接近により柱頂付近の電磁界が乱されるため,

測定誤差が生じる。本実験では,測定時の高所作業車の使用を避けるため,柱頂にて 電流測定用CTおよび電圧測定用プローブの電気信号を光信号に変換し,それぞれ光 ケーブルを通して試験用配電線から十分離れた地点まで導き,再び光信号を電気信号 に戻してからオシロスコープで測定した。

磁界が散乱された影響と考えられる。なお,縮小モデル実験 [2-3] においても同様の 現象が観測されている。

次に,雷電流の波頭長が柱頂電位とがいし間電圧に与える影響を考察する。Fig. 2-27 より,注入電流の波頭長 Tf が長くなるにつれて柱頂電位とがいし間電圧はともに低 下しており,Tf = 1.0 μsでは電柱のサージ応答によるピーク値を殆ど確認できない。

これより,架空地線がない配電線では,雷電流波頭部の最も急峻な部分の峻度が上記

Tf = 1.0 μs相当よりも大きい場合において,電柱のサージ応答が過電圧ピーク値に

影響を与えると考えられる。

0 0.05 0.10 0.15 0.20

-0.5 0 0.5 1.0 1.5

time [μs]

current [A]

(a) Injected current

0 0.05 0.10 0.15 0.20

0 100 200 300

time [μs]

voltage [V/A]

(b) Pole-top voltage

Fig. 2-26. Measured waveforms of Case 1 (Stand alone pole).

0 0.05 0.10 0.15 0.20 -0.5

0 0.5 1.0 1.5

time [μs]

current [A]

step current Tf = 0.5 μs Tf = 0.3 μs Tf = 1.0 μs

(a) Injected current

0 0.05 0.10 0.15 0.20

0 100 200

time [μs]

voltage [V/A]

step current Tf = 0.3 μs Tf = 0.5 μs Tf = 1.0 μs

(b) Pole-top voltage

0 0.05 0.10 0.15 0.20

0 100 200

time [μs]

voltage [V/A]

step current Tf = 0.3 μs Tf = 0.5 μs Tf = 1.0 μs

(c) Insulator voltage

Fig. 2-27. Measured waveforms of Case 2 (with phase wires, without a ground wire).

2.3.2.3  架空地線がある配電線の雷サージ特性

高圧電線に加えて架空地線の影響を把握するため,高圧電線3条および架空地線1 条を架線したケース3の測定を行った。ステップ電流を注入したときの電柱,架空地 線(片側)の電流波形をFig. 2-28に示す。ステップ電流注入時の柱頂電位ピーク値を その時刻に電柱に流れる電流の値で除することにより求めた電柱のサージインピー ダンスは263 Ω となる。この値は,ケース1,ケース2の測定結果と比べてそれぞれ 8 Ω(約3%),37 Ω(約16%)の増加であり,縮小モデル実験 [2-3] においても同様 の現象が観測されている。これは,架空地線を流れる電流が形成する電磁界が影響し ているものと考えられる。一方,ステップ電流注入時の柱頂電位ピーク値をその時刻 に架空地線(片側)に流れる電流の値で除することにより求めた架空地線のサージイ ンピーダンスは485 Ω となる。

次に,雷電流の波頭長が柱頂電位とがいし間電圧に与える影響を考察する。注入電 流の波頭長 Tf を変化させたときの注入電流,柱頂電位,がいし間電圧の測定波形を

Fig. 2-29に示す。架空地線への分流により電柱に流入する電流成分が小さくなるため,

柱頂電位とがいし間電圧の電位上昇はケース2の測定結果よりも減少し,ピーク値以 降の減少も緩やかになっている。Tf が長くなると柱頂電位,がいし間電圧はともに低 下しており,Tf = 1.0 μsだけでなくTf = 0.5 μsにおいても電柱のサージ応答によるピー ク値を確認するのが難しい。これは,電柱に流入する電流成分が小さくなったことに より,電位上昇に対する電柱のサージ応答の影響が相対的に低下したためと考えられ る。これより,架空地線がある配電線では,架空地線がない配電線に比べて電柱のサ ージ応答が過電圧ピーク値に与える影響が小さめになるといえる。

0 0.05 0.10 0.15 0.20

-0.5 0 0.5 1.0 1.5

time [μs]

current [A]

current flowing into one side of the ground wire

current flowing into the pole injected current

Fig. 2-28. Currents at various positions for step-current injection (with phase wires and a ground wire).

0 0.05 0.10 0.15 0.20 -0.5

0 0.5 1.0 1.5

time [μs]

current [A]

step current Tf = 0.5 μs Tf = 0.3 μs Tf = 1.0 μs

(a) Injected current

0 0.05 0.10 0.15 0.20

0 50 100 150

time [μs]

voltage [V/A]

step current Tf = 0.3 μs

Tf = 1.0 μs Tf = 0.5 μs

(b) Pole-top voltage

0 0.05 0.10 0.15 0.20

0 50 100

time [μs]

voltage [V/A]

step current Tf = 0.3 μs Tf = 0.5 μs

Tf = 1.0 μs

(c) Insulator voltage

Fig. 2-29. Measured waveforms of Case 3 (with phase wires and a ground wire).

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