第2章 災害応急対策
第6節 避難活動
第1 主旨
本計画では、大規模地震が発生した場合、家屋倒壊や火災、崖崩れ、津波等の発生が予想されるので、
迅速、的確な避難活動を行う必要があるため、市は、避難のため可能な限りの措置をとることにより、
生命、身体の安全の確保に努めることを定める。その際、要配慮者についても十分配慮する。
なお、住民に対し避難を求めるにあたっては、自らの身の安全を確保しつつ、可能な限り出火防止措 置を実施することのほか、地域の防災活動に参加することをあわせて啓発する。
第2 避難の勧告及び指示
震災時に同時多発の火災が拡大延焼するなど、地域住民の生命及び身体を災害から保護するため必要 と認められるときは、当該地域住民に対して、避難のための勧告又は指示を行う。
なお、避難勧告等の解除にあたっては、十分に安全性の確認に努める。
【地震災害対策】災害応急対策 第6節 避難活動
1 避難の勧告又は指示の基準
実施責任者 内 容 根拠法令等
市長 ・避難行動要支援者など、特に避難行動に時間を要する者が避難行動を 開始しなければ人的被害の発生する可能性が高まったとき避難準備情 報を提供する。
災害対策基本法 第 56 条
・災害が発生し、又は発生する恐れがある場合で、住民の生命及び身体 を保護するため必要があるとき、当該地区の住民等に対し避難を勧告 する。
・危険の切迫度及び避難の状況等により急を要するとき、避難を指示す る。
・避難のための立退きを行うことが危険なときは、屋内での待避等の安 全確保措置を指示する。
災害対策基本法 第60条
・災害が発生し、又は発生する恐れがある場合で、住民の生命及び身体 を保護するため必要があるとき、警戒区域を設定し、当該地域への立 入り制限、立入り禁止、又は退去を命じる。
災害対策基本法 第63条 知事 ・災害が発生した場合で、当該災害により市長が避難のための勧告及び
指示、屋内での待避等の安全確保措置の指示を発令できなくなったと き、市長に代わって行う。
災害対策基本法 第60条第6項
・災害が発生した場合で、当該災害により市長が警戒区域の設定ができ なくなったとき、市長に代わって行う。
災害対策基本法 第73条 警察官又は
海上保安官
・災害が発生し、又は発生する恐れがある場合で、避難の指示、屋内で の待避等の安全確保措置の指示が必要と認められる事態の場合、市長 が指示できないと認められる場合、又は市長から要請があった場合、
当該地域の住民等に対し避難を指示、屋内での待避等の安全確保措置 の指示をする。
災害対策基本法 第61条
・災害が発生し、又は発生する恐れがある場合で、その必要性が認めら れるが、市長若しくはその委任を受けた吏員が現場にいない場合、又 はこれらの者から要求があったときは警戒区域を設定し、当該地域へ の立入り制限、立入り禁止、又は退去を命じる。
災害対策基本法 第63条第2項 警察官 ・災害の発生により危険な状態が生じ、特に急を要する場合は、その危
険を避けるための避難を措置する。
警察官職務執行法 第4条 知事又はそ
の命を受け た職員及び 水防管理者
・洪水又は高潮により著しい危険が切迫していると認められる場合、当 該地域の住民等に対し、避難のための立ち退きを指示する。
・水防管理者が指示を実施する場合は、当該区域を管轄する警察署長に その旨を通知する。
水防法第 29 条 知事又は
その命を 受けた吏員
・地すべりにより著しい危険が切迫していると認められる場合、当該地 域の住民等に対し、避難のための立ち退きを指示する。
・この場合、当該区域を管轄する警察署長にその旨を通知する。
地すべり等防止法 第 25 条 災害派遣を
命じられた 部隊等の 自衛官
・災害により危険な事態が生じた場合で、警察官がその現場にいない場 合は、危険を避けるため、その場にいる者に避難を指示することがで きる。
自衛隊法 94 条
(注) 「勧告」とは、その地域の住民を拘束するものではないが、住民がその趣旨を尊重することを期待して 避難のための立退きを促す行為であり、「指示」とは、被害の危険が目前に切迫している場合等に発せら れ、「勧告」よりも拘束力が強く、住民を避難のため立退かせるものである。
2 避難の勧告又は指示を行う具体的状況
(1)地震火災の拡大により、住民に生命の危険が及ぶと認められるとき。
(2)津波警報が発表され、津波による家屋の倒壊、浸水等の危険が認められるとき。
(3)地すべり、山崩れ、がけ崩れ等が発生し、又は発生するおそれがあり、付近住民に生命の危険が認 められるとき。
(4)その他災害の状況により、市長が必要と認めるとき。
3 避難の勧告又は指示の実施
【地震災害対策】災害応急対策 第6節 避難活動
(1)避難勧告等の伝達方法
避難勧告、避難指示又は屋内での待避等の安全確保措置の指示を行った場合、市は直ちに勧告又は指 示が出された地域の住民に対して、防災行政無線(同報系)、広報車等による呼びかけを実施するほか、
消防団員、警察官、自衛官、海上保安官、自主防災組織等の協力を得ながら、周知徹底を図る。
また、市は、避難行動要支援者について、地域住民、自主防災組織、福祉事業者等の協力を得ながら、
あらかじめ策定した避難行動要支援者支援プランに基づき避難誘導を行う。
なお、必要に応じて、報道機関による広報について協力を要請する。
(2)避難の勧告又は指示の内容
避難の勧告又は指示は、次の事項を明示して行い、避難行動の迅速化と安全を図る。
ただし、指示の内容を明示するいとまがない場合は、この限りではない。
ア 要避難対象地域 イ 避難先
ウ 避難理由 エ 避難経路
オ 避難時の服装、携行品等 カ 避難行動における注意事項 4 自主避難
避難の勧告又は指示の基準は、事前に住民等に周知し、通信の途絶等で避難の勧告又は指示ができな い場合は、住民が自主的に避難する。
5 避難の勧告又は指示の報告
(1)市長が避難の勧告、指示を行った場合
市長は、避難のための立ち退きを勧告若しくは指示したときは、直ちに立退き指示等の理由、地域名、
世帯数、人員、立退き先等を南予地方局を通じて県へ報告するとともに、警察署等関係機関に連絡する。
また、避難の必要がなくなったときは、直ちに公示するとともに、南予地方局を通じて県へ報告する。
(2)市長以外が避難指示を行った場合
市長以外が避難指示を行った場合は、市長は(1)に準じて県等へ連絡する。
第3 警戒区域の設定
災害対策基本法第 63 条に基づき、市長は、災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合にお いて、住民等の生命や身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときは、警戒区域を設 定し、災害応急対策に従事する者以外の者に対して、当該区域への立入りを制限し、若しくは禁止、又 は当該区域からの退去を命ずることができる。
【地震災害対策】災害応急対策 第6節 避難活動
1 警戒区域の設定権者
設定権者 災害の種類 内容(要件) 根拠法令
市長 災害全般
災害が発生し、又はまさに発生しようとしている 場合において、住民等の生命や身体に対する危険 を防止するため特に必要があると認めるとき。
災害対策基本法 第 63 条 知事 災害全般
災害が発生した場合において、当該災害の発生に より、市が全部又は大部分の事務を行うことがで きなくなったとき。
災害対策基本法 第 73 条
警察官又は
海上保安官 災害全般
災害が発生し、又はまさに発生しようとしている 場合において、住民等の生命や身体に対する危険 を防止するため特に必要があると認める場合にお いて、市長若しくは市長の職権を行う市の吏員が 現場にいないとき、又はこれらの者から要求があ ったとき。
災害対策基本法 第 63 条第2項
警察官 火災、洪水、高潮
消防職員又は消防団員が火災の現場にいないとき 又は消防職員又は消防団員の要求があったとき。
水防上緊急の必要がある場合において、消防団長、
消防団員又は消防機関に属する者がいないとき又 はこれらの者の要求があったとき。
消防法第 36 条において 準用する同法第 28 条水 防法第 21 条第2項 消防職員又
は消防団員 火災 火災の現場 消防法第 36 条において
準用する同法第 28 条 消防団長、消
防団員又は 消防機関に
属する者
洪水、高潮 水防上緊急の必要がある場合 水防法第 21 条
災害派遣を 命じられた 部隊等の自
衛隊
災害全般
災害が発生し、又はまさに発生しようとしている 場合において、住民等の生命や身体に対する危険 を防止するため特に必要があると認めるとき、市 長若しくは市長の職権を行うことができる者がそ の場にいない場合に限り。
災害対策基本法 第 63 条第3項
2 指定行政機関等による助言
県、指定行政機関及び指定地方行政機関は、避難勧告等の対象地域、判断時期等について助言を求め ることができる。
3 警戒区域設定の注意事項
(1)市長の警戒区域設定権は、地方自治法第 153 条第1項の規定に基づいて、市の吏員に委任すること ができる。
(2)警戒区域内への立入り禁止、当該住民の退去措置等の方法については、関係機関と協議して定めて おく。
(3)実際に警戒区域を設定した場合は、なわ張り等により警戒区域の表示をしておき、避難等に支障の ないよう措置を行う。
(4)「警戒区域の設定」と「避難の指示」の相違点
ア 「避難の指示」が対人的に捉えて支持を受ける者の保護を目的としているのに対して、「警戒区 域の設定」は、地域的に捉えて立入り制限、禁止、退去命令により、その地域の居住者等の保護を 図ろうとするものである。
イ 「警戒区域の設定」は、災害が、より急迫している場合に行使される。
ウ 「警戒区域の設定」に基づく禁止、制限又は退去命令については、その履行を担保するために、
その違反について罰則が科される(災害対策基本法第 116 条第2項)のに対し、「避難の指示」に ついては罰則がない。