(1) 鴨 方村 におけ る 「FP割 」につい て
近 世 にお け る良民 負担 の主 な ものは, 冒 うまで もな く「年百 」であ る. これ は本途物成 .小 物 成
・
高掛物 ・口米 ・口永 な どの公的 な頁租 であ る。 そ して, その他 に村 で必要 な諸経費 を腿 民が負 押 した 「村入用 」な ど 「諸掛 りもの 」が あ った。本 論文 では, これ らの うち 「村入用 」姻係 を取 り上 げたい と思 うが, と りわけ鴨方 村 に おけ る 「 中
割
」をテ ーマに, その概 観 や内容 について述 べ たい と思 う。
「FF‑r割 」を取 り上 げた理 由 と しては, 一般 に 「大乱 」
「小割 」とい うの は見 られ るが,
「FTl割 」とい うのは例 を見 ない とい うこの点に絞られ るC 鴨方村 「高戸家文
か
」の r中割帳J
を分析す るに先 だ って,
「村入用 」及 び 「大別 」につ い ての概要 を述べ てお きたい。まず
.
「村入用 」とは 「年貢 (本逸物 成 )以外の良民負担」(
琵 1)であ るO 近 世村落 を椛成 す る良民 は, その生 宿の場 であ る村落 を維持 してい くために,BB民相互の馴 こい くつかの負担 を負 わ なけれ ばな らなか ったO それは, 村役人の給 料 ・行路病者 ,行商人 に対 す るtEe用 ・巡見便 ,姐 村役 人 の賄敢 ・顎堤 貿 ・薪炭代 .会 合於 ・寺社 ‑の帝献物 .自普 荊費用 な どで.村民の 共同生活 を維持 してい く上 で必要不 可欠 な もの であ った。 ,17原嫉二氏 に よると, 年iEi以外 の,村 を通 じて段 民 が負 担 させ られ た諸 々の入用 を 「広義 の村入用 」とし, それ を次に示 す よ うに大 き く三 つに分 額 している。
① 帝王 夫役 の貨 幣化 した もの
夫 役 ・国役 .伝馬役 または月畑 β役, あ るい は廊掛 り物 な どが これにあ た る。 但 し一部 には免定に む き出 され,免軌 で取 り立 て られ る もの もあ る。
◎ 年 fi'納入的 係の入 用
現米 で納入す る場合 は,運賃,概数i:;.俵鮎 代,欠米代 な どの成語入 用O 貨 幣納 の場合 は,欠 包 代金 な どの掛屋 への渡ffな ど。
③
狭 義の村入用① ,⑧ 以外の もの で, その内容 は村 に よって差異 が あ るが,大 体次 のiBiりであ る。 村役人給,村 役人 出張 路銀, 同宿泊席代 ,河川 池堤皆市の入用,人足ロ (これ らはすべ て 自営前 ),水利 幽係 の 入用, 治安関係入用,詐桐な どの寄合入用,祭礼,宗教関 係な どの入用,村政運用 上の諸物件 の代 ,
その他地 域 の特質 に応 じて個 々の村 で必要 な出群が あ る。 これ は, 街主支配 を保 証す る もの と, 村 落構成 員の生産 ・生宿に関す る もの との, す なわ ち御 用 と村用 との複雑 にか らみ合 った もの とい え
る。
以上の よ うに定儀 され る 「村入用 」は, その負担 の単純 化 を求 め るところか ら,次第 に貨 幣化 さ れ てい き,実際 に村入用 を管理 す る者が村 民の 中の特定 され た少 数の者 に陶定 され るよ うになったD そ して
,
F地 方凡例録J
に よる と,村入用 は その都 度 こ うい った特 定 され た少 数 の 者 (村 役人 など )が代 って支払 ってお き,年度末に桁訂▲して村民 か ら徴収 す る, とされ てい る。 しか しなが ら, これについ ては,久米島浩 氏 が その
若r
y,:領 にお け る郡 中入用 と組合村人脚 こついて 一村 を こえた 入用論の ‑つ と して‑ 』の中 で, 郡 中入用 に関 しての徴収 については,郡中入用 を年度末 (十一月 あるいは十二 月 )に辞用 LTこ上で,Fr村 に押」付 けるとい う形 をとると,年 間の 日常 的 な支 出 に支障 を き たすので,予 め 「板 郎小判
」 (刷 Il中之条 ), 「
融剤
」 (信州中野 ),
「先銀」 (備中倉敷 )とい う形 で徴収 し, 当面の支出 を賄 うように してお り,通常 は前7(lJを も含 めたLILE終的 な負追徴 (相 宿劃 され た 孤 )那,郡 中入用 として各村 の 「村入用帳」 の中に計 上 され てい るO とされてい る ことか らも, 秩 討 を要す ると思 われ る。 一般 に言 えば, 「村役 人立替槻能」 と呼 ばれ る ものが存在 してお り,村役 人 は村入用 を立替 え,村民 に対 しては利息 を含 めて徴収 してい た。 そ して,村 入用の刑 付方法 につ いては,故内数 ケ村 を分析 することによって甫 き出 した骨原恕 二氏 の見識 を引用 してお く。 (丑 2 )
H 近 世村入 用の負担 方法 と して持市制 (高掛 り )の他 に, 一部 ではあ るが粗役割 (家掛 り ) が存在 してい る。仁) その椀役 は了・:古持 ちの みな らず無血 を も対 象 と して お り, JiEの村内の身分 階層 を反映 して い る。
E) 棟 役 の内容 は,宗教 ・祭 礼 ・寄合入用 な どい わば生柄井IF']体的 な もの, お よび村方人足 ( 小 日用 )であ る。
次 に
,
「村方入用 」すなわ ち 「小剖 」の他に, 当時 の地 方EBt徴収 にあ たる もの と して 「大判
」が あ る。 この 「大乱 」とは,一 同 一筋主 を私 く領 内各町村共 同の食用.
二 間一陣巌の支配 を受 くる各 町村共同の徴用
を合わせ 7こもので,那班 に相 当 し,宿年十 一月幽床各 町村の大庄屋,庄屋.組 戒. 百姓惣代等 陣尾 所 在地 の郷 宿 に会合 して, 前年 十一月 よ り其 年 十月迄 の共同費用 を計算 し, これ を石筒に応 じて各 町村 に按分負担 す る, とは r小田郡
誌
」にあ るの だが,浅 口郡 におい て もはば同様 であ ったろ う。その内容 に ついては,備中台 数代 官所 管下 にお け る明和三年 (一七六六 )の那 中大剖 (入用 )を例 に あげてお く。 (註
3)
①
陣 屋修襟入用銀① 虐 政代官所 か ら大坂 の役所 へ出 した飛脚質銀 (往復 )
③
江 戸役所 か らの御用状,大坂 の役所 か らの飛腺 n銀④
代 官所 か ら那中村 々へ 「御用 」の ために出 され る飛脚貸銀 (御用状 とも )⑤
代 官所 の台所水天壱 人拾扶持⑥
茶 園一 ヶ所地所小作米( 事
件屋門外腰掛場井火除空地 と も地i'‑米代王 f ‑ i
@
伊 勢宮内柄 三ヶ所 よ り役所 への御礼 ・初穂科⑨ 牢 番 人給 扶持
⑲
大 坂 ・負数御 用達 給⑪ 役 人 出役 の際 の摘 出人足 fE
以 上が
,
「村 入用 」及 び 「大別
」に つい ての鱗 野 で あ るが,本 論文 で関越 とな るの は, 先述 の 「 中割 」の役 割 であ るo 高戸家 文串 に よる と. 入用 幽 係の史料 は文 政九 年 (一八 二 六 )限 り, と言 っ て よ く. その変 質状 況 な どを知 る ことは不可能 であ るが, 他 に例 を見 ない r申割帳 Jを中心 に,r
中 割 下仕 立野用
帳J r
大 別 両紙組 合t
gu欝用帳. J r
大 乱組 合 'LtIIJ可 人 品J
『村 方小人 用 渡 し帳」r
Jt百割帳 』な ど (いずれ も文政 九 年 の もの )を調 べ てみ たO 次 に示 す もの は,文政九 年鴨方 村 にお け る
r
FF]制帽 」の 一部 であ る0 1826 龍 声家 文
古
文 政 九年 中
剖
帳 成 十二 月鴨方 村 一銀 三田八捨四匁六分二厘
大
割銀掛 り
‑ 米 二石 二斗 二升八 合 右 同断 米掛 り
一 同八 斗 七升
内 六 斗 四升 納府 米 一 斗六 升 御 供 米 七 升 道 代 一 九 斗 六升
藤 井 寛治
宮 内惣御 □□御 祈祷料 共立来 り 一 同 四石七斗二升
名 主造作料立来 り 一 同 一石二 斗八 升
岡 山宿村 宿米 立来 り 一 同一 石 三斗 二升六合
水 入給立 来 り 一 同一石六斗
勘 兵衛 三郎右裾 門
五 人組 頭両 人 当年 中御 普 討 員帳 立来 り 一 同八 斗
右 同人
‑105‑
右 同断 一人口居 中分外両人 江見 一 同 三斗 二升
九兵衛
宮 山番給 立来 り 一 二斗
長 川寺 浄 光寺 申 送 り礼米 立米 り 一 間九斗六升
新 分利八 米 払給 一 同二石
判頭 二拍五人給米 一人二村八升 ツ ゝ立来 り 一 同一石九斗二升
又 七又右郎
火 用心上□ 十月朔 日/j明 三 月晦 日迄相 動侯番給 一 同 一石
当年中悲人 作廻拝外 村江送 り申侯歩英外相煩 之時作廻 骨折村 内床 々打廻 り申歩役 共立来 り 一 同こ 石八升
右 者坂 本修 押 ふ詣ili二付相放 之上□ □扶持方 米納静‑ ヶ月一斗六升 ツ ゝ 一 同一石 四斗
修 却
右 者 同人屋敷細御年昏場払 上不 申二付村話中 当 テ 一 同 一斗 四升 四合
神 灯御 年貢成米 申当 テ ー 銀 四桧 目
人 高帳船井 請願掛代 共立来 り 一 同三冶 EI
十 歳
□ 宿惣御□口内十八匁火伏御 □□典同人 鮮 一 同八匁
大 賀御物ロ ー 同括二匁
浄 光寺
虫 祈祷百万遍ん帳銀井 二按料立納 立来 り 一 同捨 九匁 五分
内七匁 五分 新 介 四 匁五分 忠吉 七 匁五分 吉兵 衛 赤 浜出'‑芸J太門太 夫□質 一 同二捨 五匁
内櫓 一匁 五分 又 串 捨 三匁 五分 水 江 当 川渡 目貫銀立来 り 一 同二 捨五匁
六 月麦払 上間切拝受者不納之分光指引不足別帳面有之申当チ 一 同五括五匁
藷 平
氏 音素 帳之節 諸人用 語込坂本 捗理江渡 元 り 云 々 と続い た後
〆米 百五捨七石二斗九升五台八勺 銀 括三賞九 百四拾匁八分 二厘
‑ 一石五斗 一合 御 暗 米同餅米 二 ロ代 米 一 九 升六合
小 豆一斗二升代米 一 八 石三斗二台二勺
表 徴普請 日用米
一 二 十 四石六斗六升三舎 破 授御醤詰御 足米 一 二石 四斗一升 一合二勺
私御 普蔚御 日用米 一 三 百九十 二匁 四分八厘
利三十 九匁 二分五度 春御 普請樋方銀 一 百十六匁 四分
破授杭 銀
一 百四十四匁玉屋 私 御普箱樋方銀 一 二百四十 四匁
大 別お出村譜2分 一 二斗
右 同断 一 二 石三斗
大 豆相米善引退 中当 テ ー 一斗三升五合
諸御般人口扶持方米内夫共村方江引網2分 一 五升 五合五勺
名 主除菌三十石 外 払別立寄 ス 一 九 升一合 ‑勺
五 人組頭二人右同断 四十五石立寄 ス 一 二 百十匁九分七厘
去 酉
制
過急皮DLj□元利〆米三十九石七斗八升六合 銀 一見百四十七匁 一分五厘
残 rfi‑米百十七石五斗九台八勺 銀 十二世七百九十三匁六分七厘 高 千百十六石三斗二升九合
内. 三十石 名主除布引 三 十石 五人組 頭同断
十 五石 右 同断一人徽口 申分代両人江立 残 而千四十一石三 斗二升九合
右 不足銀米此高二割 高 ‑石米一斗二升八合
銀 十二匁二分八厘 米 一斗‑升
叙 十一勺 中剤取立
残 而米 二石 九 斗六升三舎六勺不足 代 二百十七匁八 分八厘 銀 一 打三百三十 日五厘 p(一貫五百 十四匁八分 七厘不足
これ よ りわか るよ うに, この 申別の中には,大利 が含 まれ てい るO す な わ ち大乱銀掛 り三 口八 拾 四匁六分二厘並 びに大判米掛 り二石二斗二升八 合が それ で あ る。 米一石 に付銀 四十匁八分 二厘 とし て計節 す ると,大別〆銀 三田百七五匁五分七厘 は.〆銀 二 十日三 百六 十‑rl六分 三厘 に対 して約 十五 ・六 パ ーセ ン トを占め ることに な る。 この数値が どの程度の規模 の もの であ るか はわか らない。
しか し,撮終的 に‑F五 百十四匁 八分七厘 の不足 とい うことか ら, この申別帳 が どの よ うに して作 成 され た と言 えるであ ろ うか。 申劃取立 が砧一石 に付米一斗一升,銀十 一匁 とあ ることか ら見れ ば, あ らか じめ,中軌掛 け として確 保 してお きなが ら,必夢 な出熱 ま立 軌 年度 末 に決 許 す る折
に.
そ の不足T
='けを割 り付 け る とい う方法 を とってい たの ではないか と考 え られ る。 ここでは.rr
f]割下 仕立井川帳 .J
の内容 が中途半端 なの ではあ るか.r
申割帳J
と同 じであ り,r
百割帳 」の 内容 もま た同 じであ t),r
申剤 帳J
以上に柄密 である よ うに思 われ るが, この三者 の結 びつ きは現 段階 では わか っていない。 僅かに数値 の異 な る と ころが あ ることか ら,
F中割 下仕 立算用帳 .1或 い は r申 割 帳 」が予節案 であ るとい う見方 もで きるが,定 か ではないC中風帳の 内容項 目については,次の よ うにな ってい る。
項 目
I) 大 判 大 判銀掛 り
大 劇米掛 り
2)
祭 礼 .祈祷 ㌍ 血 送 り礼米虫折綿
氏 宮条帳之節諸入用
3)役 料 .人件埋 名 主造 作料
水 入給 .宮 山番 拾 .米払給 絵 米
地 政 上村是坂村 出会御普請入用 飛脚貨銀
4)用 水 .土木 貿 卸 普 荊井寸志 夫役天 草地溝 出銀
5)租 税 関 係 費 卸 就米敷f納 樋米 5‑ 卸 供米