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2. 中国のサイバー空間に関わる体制・能力等の実態

2.2. サイバー空間に関わる法規・政策・戦略

2.2.5. 軍民連携戦略

中国の最高意思決定機関である中国共産党中央政治局は 2017 年 1 月 22 日、中央軍民連 携発展委員会の設置を決定した。この委員会は軍と民間との連携を強化するための諸事項 の決定と関係機関の調整を担う152

習近平国家主席が招集した第 1 回中央軍民連携発展委員会が 2017 年 6 月 20 日に開催さ れた。委員会のメンバーは、同委員会副主任李克强、中共中央政治局常委张高丽、その他 である。習近平国家主席は、国家戦略としての軍民連携の強化は、長期視点での経済発展 と国家防衛力強化を実現すると強調した。この委員会で、軍民連携の基本的な運営方針が 8 項目決定された153。原文は長文なので要点のみ記す。

(1) ネットワークを使ったメディアとニュースの氾濫、などの社会環境の変化に対し て新しい行動が必要である。この要求に対して軍民連携ファンドを設定して必要 な資金を供給する。

(2) 軍民連携を実行するためのセンター、工業団地、研究所、など幾つかの社会組織 を設置する。この組織を支援するための規則と管理を強化する。

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https://obamawhitehouse.archives.gov/sites/default/files/rss_viewer/international_strategy_for_cybers pace.pdf

152 http://china.huanqiu.com/article/2017-01/10001681.html

153 https://baike.baidu.com/item/中央军民融合发展委员会/20395522?fr=aladdin

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(3) 軍民連携の秩序を基準化する必要がある。需要と供給の結合、技術の育成、政策 コンサルティング、マネージメントコンサルティング、などについて規準を作成 する。

(4) ウェブサイト、ブログ、チャットなどによる軍民連携の活動に関する情報発信を 規制する。

(5) 軍民連携の成果をセミナー、フォーラム、展示会、その他における発表を厳しく 制限する。

(6) 退役軍人を軍民連携プロジェクトのパートタイム従業員として雇用する。

(7) 軍民連携プロジェクトを実施するセンター、工業団地、デモンストレーション会 場、開発ゾーンなどに関する規制基準を制定する。

(8) 中央軍民連携発展委員会の事務局が統治とガイダンス、そして業務メカニズムを 制定する。

軍民連携戦略に基づいて、最初の具体的なプロジェクトが下記の通り発表された。

【サイバー空間軍民連携イノベーションセンターを設置】154

中央軍民連携発展委員会事務局と人民解放軍の関連部署の指導に基づき、2017 年 12 月 26 日、サイバー空間軍民連携イノベーションセンターの設置が決まった。このセンターは、

中国の代表的インターネットセキュリティ企業である奇虎 360 の企業グループと軍関係部 署との連携で運用される。

国際的に第一級の軍のサイバー空間安全機器と、国際的に最高水準の民間の安全シンク タンクサービスと革新的産業技術サービスとの連携で大きな成果が期待される。奇虎 360 グループの会長齐向东氏は、イノベーションセンターは国家の安全、社会の安定、そして 政府との一体化に寄与する。世界的なネットワークのさまざまな問題の解決に役立つだけ でなく、軍の防衛力強化とネットワーク安全企業の発展に貢献すると語った。このセンタ ーは次の効果が期待される。

 軍に対して作戦意識を醸成させ、軍事に参加する企業に対して需要に基づく開発 を促す。

 軍と民間企業が共同でネットワークの安全を構築し共有する。

 ネットワークセキュリティの意識とネットワーク安全技術を向上させる。

軍民連携イノベーションセンターは設立されて間もないことと、情報が厳しく管理され

154 http://photo.china.com.cn/2017-12/27/content_50169768.htm

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ることから、具体的な活動内容は今後も公開されないと見られる。

2.2.2.6. 米中のサイバー対策相互理解

2015 年 9 月に米国・オバマ大統領と中国・習近平国家主席の首脳会談の際に、サイバー スパイ対策で「相互の理解」に達するとともに、両政府が経済スパイを行なわないことで 一致した。具体的にはサイバー問題を協議する専門家グループを創設して、サイバー犯罪 対策を協議するハイレベル会合を年に 2 回開催するとした。

サイバー対策ハイレベル会合は 2017 年 10 月 5 日に第 1 回会合がワシントンにおいて実 現した。この会合は「米中法執行とネット安全対話」と名付けられ、中国側は公安部部長・

郭声琨氏、米国側は司法長官ジェフ・セッションズ氏、国土安全法長官代行エレイン・ヂ ューク氏が合同で主宰した。

双方は、互いに尊重し合い、法に基づき、対等な立場を堅持し、誠意をもって実務に励 み、「中米法執行とネット安全対話」の役割を十分に果たして両国の協力を一層強化してい くことで合意した。

郭声琨氏は、「中国はアメリカと共に、テロと越境犯罪、麻薬の取り締まり、司法協力な どの分野での協力を強化し、法執行分野における両国の関心事を着実に解決したい。双方 は、ハイレベルの合同対話体制の枠組み内で、ネット犯罪とサイバーテロの取り締まり、

サイバーセキュリティなどの分野での実務協力を推進し、両国のネット安全を確保し、平 和、安全、開放、協力、秩序のあるネット空間を構築していく」と述べた。

米国側は、「双方は、法執行とネット空間における安全保障分野で共通の課題に直面し、

幅広く利益を共有している。米国は中国と共に、テロと越境犯罪、麻薬の取り締まり、不 法移民の送還、ネット犯罪の取り締まり、サイバーセキュリティなどの分野での実務的協 力を深め、両国の安全と経済利益を擁護していきたい」と述べた155

上記の会合は、オバマ大統領と習近平国家主席が 2015 年 9 月に合意してから 2 年後のト ランプ政権下で実現した。政権が代わってもこの合意は継続されることで、今後の展開が 注目される。

155 http://japanese.cri.cn/2021/2017/10/05/142s265747.htm

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