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第4章 賃貸住宅供給・管理業の関与による賃貸住宅の供給の実態の分析

1 本章の位置づけと目的

71

第3章 賃貸住宅供給・管理業の関与による賃貸住宅の管理・仲介の

以下、小規模業者調査を中心に、その結果の概要を示す。その際、適宜、大手・中堅業者 調査も比較参照・併記しながら紹介する

(1)賃貸住宅仲介業者の業務全般の実態

ⅰ)業者の属性

表 3-1 のように、小規模業者は、ほとんどの業者(97%)が、一つの都道府県にのみ営業 拠点を置き、本社だけの営業拠点で営業を行う業者が約 3 分の 2(63%)となっている。従 業員も 5 名以下が約 3 分の 2(66%)と、小規模な業者が多い。また、賃貸住宅仲介業務担 当者は、平均で全従業員の2名に 1 名(専任のものでは3名に 1 名)程度と、他の業務を行 っている業者が多い。

73

表 3-1 小規模業者の属性

属性 平均、 中央値 補足

〔参考〕大手・中堅業者 平均 中央値

本社・営業所所在 都道府県数

150

1.04

1

「1」都道府県であ

る業者が

96.7% 2.3

本社除く営業所数 150

0.47 1

0

「0」である業者が

63.3% 8.3

5

従業員数 150

6.9

5

「5」以下の業者が

66.0% 33.8

26

うち賃貸住宅仲介業務

担当者

139

3.1

2

「2」以下の業者が

49.7% 33.8

26

うち賃貸住宅仲介業務

専任担当者

120

2.1

1

「1」以下の業者が

53.3% 26.5

20.5

ⅱ)賃貸住宅仲介業務の内容

表 3-2 のように、年間の仲介件数注4は、平均 122 件(中央値 37.5 件)で、10 件以下の業 者が 24%いる(20 件以下だと 39%)。表 3-3①のように、仲介件数が減少傾向にある業者が 過半を占め(59%)、総じて、仲介件数が少ない業者ほど減少傾向の割合が高い。他方、(小 規模業者に比べ)大手・中堅業者ほど増加傾向が強い。

仲介業務の売上の全売上高に占める割合については、表 3-4 のように、平均は 24%であ った(中央値 20%)。また、減少傾向にあるとする業者が、約半数(51%)を占めている。総 じて仲介件数が多い業者、また(小規模業者に比べ)大手・中堅業者ほど増加傾向が強い。

他方で、仲介件数が少ない業者ほど、減少傾向にある業者の割合が多く、仲介業務による売 上高割合も総じて低い。このことから、仲介件数が少ない業者においては、仲介業務が事業 として成り立たない可能性が想定される。

3-2

小規模業者の賃貸住宅の年間仲介件数(n=135)

平均

122

件、中央値

37.5

(最小

0

件〔5社〕、最大

2000

件〔1社〕)

0

10 11~

20 21~

50 51~

100 101~

200 201~

500 501~

1000 1001~

2000 23.7 14.8 19.3 13.3 16.3 7.4 4.4 0.7

(備考

1)仲介件数は、基本的に平成 26

年度の一年間の件数(一部業者は直近の最新データ)

(備考

2)表の上段は仲介件数(件)

、下段は業者数割合(%)

(備考

3)大手・中堅業者では平均 2668

件、中央値

2000

3-3①

小規模業者の仲介件数の最近

10

年で見た推移(n=143)

仲介件数 業者数 仲介件数推移

増加傾向 減少傾向 かわらない

0~10

28 0.0% 50.0% 50.0%

11~20

20 5.0% 70.0% 25.0%

21~50

25 8.0% 60.0% 32.0%

51~100

17 11.8% 82.4% 5.9%

101~200

22 13.6% 63.6% 22.7%

201~500

10 40.0% 60.0% 0.0%

501~1000

6 50.0% 16.7% 33.3%

1001~2000

1 100.0% 0.0% 0.0%

(件数不明) 14 7.1% 50.0% 42.9%

総計

143 11.9% 59.4% 28.7%

(備考)%は仲介件数ランク行毎の業者数に占める該当業者数の割合

74

3-3②

大手・中堅業者の仲介件数の最近

10

年で見た推移(n=37)

仲介件数 業者数 仲介件数推移

増加傾向 減少傾向 かわらない

0~1000

6 50.0% 33.3% 16.7%

1001~2000

15 53.3% 26.7% 20.0%

2001~5000

12 50.0% 16.7% 33.3%

5001~10000

1 100.0% 0.0% 0.0%

10001~20000

1 100.0% 0.0% 0.0%

(件数不明) 2 50.0% 50.0% 0.0%

総計

37 54.1% 24.3% 21.6%

(備考)%は仲介件数ランク行毎の業者数に占める該当業者数の割合

3-3③

全業者の仲介件数の最近

10

年で見た推移(n=180)

仲介件数 業者数 仲介件数推移

増加傾向 減少傾向 かわらない

0~10

28 0.0% 50.0% 50.0%

11~20

20 5.0% 70.0% 25.0%

21~50

25 8.0% 60.0% 32.0%

51~100

17 11.8% 82.4% 5.9%

101~200

22 13.6% 63.6% 22.7%

201~500

10 40.0% 60.0% 0.0%

501~1000

12 50.0% 25.0% 25.0%

1001~2000

16 56.3% 25.0% 18.8%

2001~5000

12 50.0% 16.7% 33.3%

5001~10000

1 100.0% 0.0% 0.0%

10001~20000

1 100.0% 0.0% 0.0%

(件数不明) 16 12.5% 50.0% 37.5%

総計

180 20.6% 52.2% 27.2%

3-4

小規模業者の賃貸住宅仲介業務の売上の全売上高に占める割合の推移 (n=116)

仲介 件数

総売上に占める仲介売上割合

平均 推 移

業者数 増加傾向 減少傾向 かわらない

0~10

8.9% 25 8.0% 44.0% 48.0%

11~20

11.4% 18 0% 55.6% 44.4%

21~50

22.7% 24 8.3% 50.0% 41.7%

51~100

32.8% 18 0% 88.9% 11.1%

101~200

34.6% 21 14.3% 47.6% 38.1%

201~500

39.1% 10 30.0% 50.0% 20.0%

501~1000

45.8% 5 60.0% 0% 40.0%

1001~2000

40.0% 1 100.0% 0% 0%

(件数不明)

24.3% 8 12.5% 25.0% 62.5%

総計

23.9% 130 11.5% 50.8% 37.7%

(備考

1)推移の%は仲介件数ランク毎の業者数に占める該当業者数の割合

(備考

2)大手・中堅業者では増加傾向 33.3%、減少傾向 39.4%、かわらない 27.3%

75

ⅲ)賃貸住宅管理業務の内容

小規模な地域密着型の仲介業者も、賃貸住宅管理業務を行うようになってきた経緯もあ り、表

3-5

のように、ほとんどの業者は、賃貸住宅の管理業務を行っている。管理戸数が

100

戸以下の業者が半数程度(49%)と、小規模なものが多い。また、表

3-6

のように、半 数程度(49%)の業者は、メイン業務が(有償)管理業務で、その一環で賃貸仲介業務を行 っているとしており、仲介業務がメインである業者(36%)より多い状況となっている。

3-5

小規模業者の賃貸住宅の管理戸数(n=140)

平均

349

戸、中央値

104.5

(最大

3000

戸〔1業者〕、最少

0

戸〔2業者〕)

0~10

10.7% 201~500

19.3%

11~20

5.0% 501~1000

12.9%

21~50

2.9% 1001~2000

5.0%

51~100

30.7% 2001~3000

2.1%

101~200

11.4%

(備考

1)%は該当業者数の割合

(備考

2)大手・中堅業者では平均 7825

件、中央値

5407

3-6

小規模業者の管理業務と仲介業の位置づけ(n=144)

管理業務は行っていない

2.1%

有償管理業務は行っていないが、無償管理は行っている

7.6%

賃貸住宅仲介が主であるが、仲介業務に関連して有償管 理業務も行っている

36.1%

有償管理業務の一環で賃貸住宅仲介を行っている

49.3%

その他

4.9%

(備考

1)「その他」の回答としては管理・仲介ともにメイン、自社物件の管理等という回答であった。

(備考

2)大手・中堅業者では、各 2.8、2.8、22.2、55.6、16.7%

76

(2) プロパティ・マネジメント型モデルによる仲介の可能性

上述のように、賃貸住宅仲介業者は、概ね、自社管理物件(自社物件を含む)を有し、

管理業務と仲介業務をともに行っている場合が多い。その場合の仲介業務は、図 3-1 のよ うに、自社管理物件の客付け(x1)と、自社が管理していない物件の仲介(x2)で ある。また自社管理物件に着目すると、自社付け(x1件)、他の仲介業者による客付け(y 件)がある注5

3-1

仲介業者の業務概要

以下では、次の指標により、その実態を見る。

㋐自社管理物件自社付け率:x1 / (x1 +y)

(自社で管理している賃貸住宅の客付け件数のうち、(他業者でなく)自社で客付けし た件数の割合)

㋑仲介件数中自社管理物件仲介割合:x1 / (x1 +x2)

(仲介件数総数のうち、自社で管理している賃貸住宅の客付け件数の割合)

この指標の大小によって、当該業者の性格も異なり、それを模式的に整理すると、下記の タイプに分類できる。

3-7

仲介業者の類型

自社管理物件自社付け率 仲介件数中

自社管理物 件仲介割合

㋐の率は、自社管理物件の仲介(客付け)を自社で行うという意味で、プロパティ・マネ ジメント型モデルによる仲介の割合であり、更に、㋑の割合が高くなると、仲介業務におい て、プロパティ・マネジメント型モデルによる仲介に、より特化していく形となる。㋐㋑と もの高い①のうち、㋐㋑とも

100%であるような業者は、自社管理物件は全て自社で客付け

するが、自社管理物件以外の物件は一切仲介しない業者となり、アメリカ型のビジネスモデ ルに類似のタイプといえる注6。以下、各指標の状況を見ていく。

一般賃貸人・他業者

(自社管理物件以外の物件)

X社

(自社管理物件)

他業者 仲介件数 X件 仲介件数y件

x2 x1

77

ⅰ)自社管理物件自社付け率

3-8

のように、平均で約

5

割、中央値も

5

割となっている。仲介件数との関係を見

ると、表

3-8、表 3-9

のように、総じて仲介件数が多くなるほど、また(小規模業者に比

べ)大手・中堅業者ほど、自社管理物件自社付け率が高くなるといったような傾向が見受 けられ、プロパティ・マネジメント型モデルによる仲介の度合いが高くなっている。

3-8

小規模業者の自社管理物件自社付け率注7(n=135)

平均

51.2%、中央値 50%

仲介件数

自社管理物件自社付け率

平均

該当業者数(割合)

75%

以上

25%以

75%

未満

25%

未満

0~10

28 28.3% 14.3% 25.0% 60.7%

11~20

18 61.9% 44.4% 44.4% 11.1%

21~50

24 50.2% 29.2% 45.8% 25.0%

51~100

17 59.2% 41.2% 35.3% 23.5%

101~200

21 53.5% 38.1% 42.9% 19.0%

201~500

8 72.3% 62.5% 37.5% 0.0%

501~1000

5 79.2% 80.0% 20.0% 0.0%

1001~2000

1 90.0% 100.0% 0.0% 0.0%

(件数不明) 13 46.8% 38.5% 23.1% 38.5%

総計

135 51.2% 36.3% 35.6% 28.1%

3-9

大手・中堅業者の自社管理物件自社付け率(n=33)

仲介件数

自社管理物件自社付け率

平均

該当業者数(割合)

75%

以上

25%以上 75%未満

25%

未満

0~1000

6 81.7% 83.3% 16.7% 0.0%

1001~2000

13 74.4% 61.5% 38.5% 0.0%

2001~5000

11 68.5% 63.6% 18.2% 18.2%

5001~10000

1 100.0% 100.0% 0.0% 0.0%

10001~20000

1 90.0% 100.0% 0.0% 0.0%

(件数不明) 1 15.0% 0.0% 0.0% 100.0%

総計

33 73.2% 66.7% 24.2% 9.1%

ⅱ)仲介件数中自社管理物件仲介割合

3-10

のように、平均で

6

割超、中央値も

7

割となっている。仲介件数との関係を見

ると、表

3-10、表 3-11

をみても、仲介件数が多くなるほど、この割合が高くなるといっ

たような関係は明確には見受けられない(大手・中堅業者の平均値等で見てもそのような 関係は見受けられない)。

78

3-10

小規模業者の仲介件数中自社管理物件仲介割合(n=137)

平均

62.2%、中央値 70%

仲介件数

仲介件数中自社管理物件仲介割合

平均

該当業者数(割合)

75%

以上

25%以上 75%未満

25%

未満

0~10

27 50.0% 37.0% 22.2% 40.7%

11~20

19 56.3% 42.1% 36.8% 21.1%

21~50

26 60.9% 46.2% 34.6% 19.2%

51~100

17 72.1% 64.7% 29.4% 5.9%

101~200

22 66.9% 45.5% 45.5% 9.1%

201~500

10 69.3% 60.0% 20.0% 20.0%

501~1000

5 64.4% 40.0% 40.0% 20.0%

1001~2000

1 50.0% 0.0% 100.0% 0.0%

(件数不明) 10 76.0% 70.0% 20.0% 10.0%

総計

137 62.2% 48.2% 32.1% 19.7%

3-11

大手・中堅業者の仲介件数中自社管理物件仲介割合(n=33)

仲介件数

仲介件数中自社管理物件仲介割合

平均

該当業者数(割合)

75%

以上

25%以上 75%未満

25%

未満

0~1000

6 74.3% 50.0% 50.0% 0.0%

1001~2000

14 70.4% 57.1% 35.7% 7.1%

2001~5000

12 54.9% 25.0% 58.3% 16.7%

5001~10000

10001~20000

1 80.0% 100.0% 0.0% 0.0%

総計

33 65.8% 45.5% 45.5% 9.1%

ⅲ)小括

上記から、賃貸住宅仲介業者の業務内容の平均像は、以下のようなものと捉えることが できる。図

3-2、図 3-3

のように、自社管理物件自社付け率をみると、大手・中堅業者

(73.2 %)では小規模業者(51.2%)に比べ高くなっている。

一般賃貸人・他業者

(自社管理物件以外の物件)

X社

(自社管理物件

349

戸)

51.2% 48.8%

他業者 仲介件数

122

件)

37.8%

62.2%

図 3-2 小規模業者の業務内容の平均像

79

3-3

大手・中堅業者の業務内容の平均像

ⅳ)自社管理物件自社付け率と仲介件数中自社管理物件仲介割合による整理分析

以上、両指標の状況を見てきたが、ここでは、表

3-7

の整理に従い両指標をクロス集計し た業者の実態をみる。

3-12

小規模業者(n=135)

自社管理物件自社付け率

75%以上 25%以上

75%未満

25%未満

総計

仲介件 数中自 社管理 物件仲 介割合

75%以上 20.0% 14.1% 11.1% 45.2%

25%以上 75%未満 14.1% 13.3% 5.2% 32.6%

25%未満 2.2% 7.4% 7.4% 17.0%

(割合不明) 0.0% 0.7% 4.4% 5.2%

総計

36.3% 35.6% 28.1% 100.0%

(備考)%は全業者数に占める該当業者数の割合(以下も同じ)

3-13

小規模業者(仲介件数上位

30

社)(n=30)

自社管理物件自社付け率

75%以上 25%以上

75%未満

25%未満

総計

仲介件 数中自 社管理 物件仲 介割合

75%以上 30.8% 11.5% 3.8% 46.2%

25%以上 75%未満 19.2% 23.1% 3.8% 46.2%

25%未満 3.8% 3.8% 0.0% 7.7%

(割合不明) 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

総計

53.8% 38.5% 7.7% 100.0%

(備考)上位

30

社の仲介件数の平均は

417

件(なお、仲介件数

30

位の業者の仲介件数は

149

件)

3-14

大手・中堅業者(n=33)

自社管理物件自社付け率

75%以上 25%以上

75%未満

25%未満

総計

仲介件 数中自 社管理 物件仲 介割合

75%以上 36.4% 6.1% 3.0% 45.5%

25%以上 75%未満 27.3% 18.2% 0.0% 45.5%

25%未満 0.0% 0.0% 3.0% 3.0%

(割合不明) 3.0% 0.0% 3.0% 6.1%

総計

66.7% 24.2% 9.1% 100.0%

一般賃貸人・他業者

(自社管理物件以外の物件)

X社

(自社管理物件

7825

戸)

73.2% 26.8%

他業者

(仲介件数

2668

件)

34.5%

65.5%