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現在の民間賃貸住宅政策の内容

第2章 民間賃貸住宅の供給・管理及び政策の展開

第 2 節 現在の民間賃貸住宅の供給・管理及び政策の実態

2 現在の民間賃貸住宅政策の内容

(1)住生活基本法・住生活基本計画

2006

6

8

日に「住生活基本法」が公布・施行された。この法律は、国民の豊 かな住生活の実現を図るため、住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策につ いて、その基本理念、国等の責務、住生活基本計画の策定その他の基本となる事項に ついて定めるものであり、国民の住生活の「質」の向上を図る政策への転換を図る道 筋を示したものである。

同法に基づく最初の住生活基本計画は、2006年

9

19

日に閣議決定され、「スト ック重視」、「市場重視」の施策展開が明確にされている。

最新の住生活基本計画は、2016年3月

18

日に閣議決定され、2016年度から

2025

年度までを計画期間としている。

同計画の目標として、以下の内容が掲げられている。

【居住者からの視点】

目標1 結婚・出産を希望する若年世帯・子育て世帯が安心して暮らせる住生活 目標2 高齢者が自立して暮らすことができる住生活の実現 の実現

目標3 住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保

【住宅ストックからの視点】

目標4 住宅すごろくを超える新たな住宅循環システムの構築

目標5 建替えやリフォームによる安全で質の高い住宅ストックへの更新 目標6 急増する空き家の活用・除却の推進

【産業・地域からの視点】

目標7 強い経済の実現に貢献する住生活産業の成長 目標8 住宅地の魅力の維持・向上

特に民間賃貸住宅に関連したものとしては、次のようなものが掲げられている。

ⅰ)目標1のための基本的な施策

・結婚・出産を希望する若年世帯・子育て世帯が、必要とする質や広さの住宅

(民間賃貸、公的賃貸、持家)に、収入等の世帯の状況に応じて居住できる よう支援を実施(民間賃貸住宅を子育て世帯向けにリフォームすることを促 進すること等により、民間賃貸住宅を活用等)

ⅱ)目標2のための基本的な施策

・まちづくりと調和し、高齢者の需要に応じたサービス付き高齢者向け住宅等 の供給促進や「生涯活躍のまち」の形成

ⅲ)目標3のための基本的な施策

・住宅確保要配慮者の増加に対応するため、空き家の活用を促進するととも に、民間賃貸住宅を活用した新たな仕組みの構築も含めた、住宅セーフティ ネット機能を強化

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・民間賃貸住宅への住宅確保要配慮者の円滑な入居を促進するため、地方公共 団体、賃貸住宅管理業者、家主、居住支援を行う団体等から構成される居住 支援協議会の設置・活動の支援と、生活困窮者自立支援制度等福祉施策との 連携

ⅳ)目標5のための基本的な施策

・民間賃貸住宅の計画的な維持管理を促進するため、必要となる修繕資金が確 保されるための手段を幅広く検討

ⅴ)目標6のための基本的な施策

・定期借家制度、DIY型賃貸借等の多様な賃貸借の形態を活用した既存住宅の 活用促進

・空き家の利活用や売却・賃貸に関する相談体制や、空き家の所有者等の情報 の収集・開示方法の充実

ⅵ)目標7のための基本的な施策

・生活の利便性の向上と新たな市場創出のため、子育て世帯・高齢者世帯など 幅広い世帯のニーズに応える住生活関連の新たなビジネス市場の創出・拡大 を促進するなど、住生活産業の成長を促進

(2)主な個別の政策

以下では、上記の目標等を達成するために講じられている個別施策について、主 なものを見ていくこととしたい。

ⅰ)良質な賃貸住宅の供給促進施策

バリアフリー、耐震改修、省エネ等を促進するための補助、融資、税制等が、民 間賃貸住宅も対象として講じられているが、ここでは、サービス付き高齢者向け住 宅制度についてみていきたい。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)制度は、「高齢者の居住の安定確保に関 する法律」の改正により、それまで講じられていた高齢者向け優良賃貸住宅等の高 齢者向けの賃貸住宅制度を一体化して、2011年に創設された制度である。

住宅としての居室の広さや設備、バリアフリーといったハード面の条件を備える とともに、ケアの専門家による安否確認や生活相談サービスを提供する住宅につい て、都道府県・政令市・中核市が登録し、高齢者に提供される。

供給促進のため、建設等への補助(建設費の

1 ⁄ 10(国費上限 100

万円 ⁄ 戸))な どの助成措置が講じられている。

2017

6

月末時点で、約

22

万戸の住宅が登録されている。

50

(出典)国土交通省

HP

2-19 サービス付き高齢者向け住宅の登録状況(2017

6

月末時点)

ⅱ)住宅セーフティネット機能の強化施策

住宅セーフティネット機能の向上を図る観点から、「住宅確保要配慮者に対する賃 貸住宅の供給の促進に関する法律」に基づく施策が推進されてきたが、2017年

4

月 に、同法の改正により、空家等を活用した住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住 宅の登録制度が創設され、登録を受けた一定の住宅については、バリアフリー等の改 修費への補助、家賃債務保証料・家賃低廉化への補助等の助成措置が講じられてい る。

2-20 登録制度の概要

(出典)国土交通省

HP

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ⅲ)管理適正化策

上述の「賃貸住宅標準契約書(改訂版)」、「原状回復をめぐるトラブルとガイドラ イン」、「定期借家制度」などのルールの策定・普及促進に加え、空家問題に対応し、

空家の活用を促進するため、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(2014年

11

月)が制定され、空家対策が講じられている。

加えて、賃貸住宅の管理業務の適正化を図るために、国土交通省の告示による任意 の制度として「賃貸住宅管理業者登録制度」が創設されている(2011年

9

月。同制度 は

2016

8

月に改正されている)。〔第

6

章参照〕

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