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第4章 立体の切断に関する

第1節 調査の目的と方法

1.1.調査目的

 中学校1年の空間図形は、小学校での立体図形のまとめとして、また中学校2 年から始まる論証への準備として位置づけられるし、想像力の育成のためにも大 切な教材である。しかし、多くの中学生は、想像力も、論理的に考えようとする 力もついていないように思える。例えば空間図形の学習に際して多用されている ものに見取図があるが、金児(1990)は、中学1年生に図形指導前に調査をして次 のように述べている。

  きちんと見取図がかけているのはわずか9%であり、教師が見取図を使って空間図形   の指導をするとき、生徒は理解できないでいる可能性が非常に高い。教室でのルールで   よいから、見取図の見方や考え方を前もって確認する必要がある。(p.15)

 見取図が正確にかけていないということから、2章の4節にある金児(1990)の 先行研究では、立方体をその上の3点を通る平面で切ったときの切り口が正三角 形の場合と台形の場合が調査されていた。この調査では一方向からの切断だけで 調査されていたが、違った方向からその切り口の形を見た場合、生徒はどのよう にその切り口の形をとらえているのかに関しては調査されていない。よって、本 研究では、立方体をその上の3点を通る平面で切ったときの切り口を見取図に実 際にかかせ、その際の見取図の見え方がどのように切り口の形の認識に影響して いるのかを調査した。すなわち、1つ目の目的として立方体をその辺上の3点を 通る平面で切ったときの切り口に関する見取図と切り口の形を答えさせる調査問 題において、その形が、①正三角形では2方向の見方、②台形③ひし形では3方 向の見方、④長方形、それぞれについて調査を行い、生徒は見取図から切り口の 形をどのように判断しているのか、そして3方向の見方について同じ形であるこ

とを理解しているのかを考察することにした。また、2つ目の目的としては、被 験者を中学1年生と3年生とし、その学年内で、実験群と統制群の2クラスに分 けて比較することにした。実験群と統制群は次のように定めた。

ア)実験群…・ケント紙で作られたユ辺6cmの立方体の模型を手に持って確認し   ながら調査問題にある見取図をかき、その切り口の形の名前を答えるクラス。

イ)統制群・…調査問題だけを配付して、その中の問題にある見取図をかき、切   り口の形の名前を答えるクラス。

 したがって、この調査は、見取図の見える方向による違いを調査するだけでな く、実験群と統制群の処遇問での違い、及び1年生と3年生という空間図形を三

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習か既習かの違いについて比較検討することも目的となっている。

1.2.調査方法

 立方体をその上の3点を通る平面で切ったときの切り口に関する見取図と切り 口の形について答えさせる調査問題9問を、中学1年生と3年生に調査するとと もに、各学年を実験群と統制群の2つに分けて調査した。各生徒に対して9通り の問題を同系統の問題は隣り合わないようランダムに配列し、全員に異なった問 題を配布した。実験群のクラスには、ケント紙で作られた一辺6cmの立方体の模 型を全員に一個つつ配布して自由に操作させた。

 調査の時期は、1997年7月17・18日であり、調査対象は、大阪府S市公立中学 校の3年生75名(実験群37名、統制群38名)と1年生66名(実験群32名、統制群

34名)である。

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1.3.調査問題

問.下の図のそれぞれの立方体において3つの点を通るように包丁で切ったら、

 切り口の形はどのような図形になるのかその切り口の形を下の見取図にかき  こみその切り口の形を答えなさい。

(切り口の形と思える図形の名前を、下の[=]の中から選んでかきなさい。)

(1)図A (2)図B (3)図C

ノー騨冒一一

カー一騨『

ノー一 一一

(4)図D (5)図E (6)図F

ノー一一一騨

ノー甲薗一鞠

1

ノー一一一一

(7)図G (8)図H (9)図1

ノー一一噛一

薗一一噺

ノー軸一一層

正三角形、鋭角三角形、二等辺三角形、台形、平行四辺形、ひし形 長方形、正方形、五角形、六角形、正六角形、七角形、八角形

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