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調査企業の発展状況及び政策の利用状況に対する定量的分析

第 4 章 文化産業振興政策の効果と影響に関する考察

4.4 調査企業の発展状況及び政策の利用状況に対する定量的分析

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業との連携、企業認知度、作品認知度、経費使用効率、開発効率、新技術の導入など 11 項目の発展内容に対し、独立したサンプルのt検定を行った。その結果、複合企業と単 一企業の売り上げ、利益性、業務量、同業界及び他業界企業との連携、開発効率と新技 術の導入に有意的な関係が確認できた。

両類企業の売り上げについて、有意確率(両側)P 値が 0.002 であり、P<0.01 レベル で両者の有意差が認められた。その平均値は複合企業の 4.15 に対し、単一企業は 3.94 であるため、複合企業の方か売り上げの変化に対する評価が高いと考えられる。

利益性について、有意確率(両側)P 値が 0.018 であり、P<0.05 レベルで両者の有意 差が認められた。その平均値は複合企業の 4.15 に対し、単一企業は 3.98 であるため、

複合企業の方か利益性の変化に対する評価が高いと考えられる。

業務量について、有意確率(両側)P 値が 0.001 であり、P<0.01 レベルで両者の有意 差が認められた。その平均値は複合企業の 4.24 に対し、単一企業は 3.99 であるため、

複合企業の方か業務量の変化に対する評価が高いと考えられる。

同業界の企業との連携について、有意確率(両側)P 値が 0.000 であり、P<0.001 レ ベルで両者の有意差が認められた。その平均値は複合企業の 4.25 に対し、単一企業は 3.96 であるため、複合企業の方か同業界の企業との連携の変化に対する評価が高いと考 えられる。

他業界の企業との連携について、有意確率(両側)P 値が 0.001 であり、P<0.01 レベ ルで両者の有意差が認められた。その平均値は複合企業の 4.11 に対し、単一企業は 3.84 であるため、複合企業の方か他業界の企業との連携の変化に対する評価が高いと考えら れる。

開発効率について、有意確率(両側)P 値が 0.049 であり、P<0.05 レベルで両者の有 意差が認められた。その平均値は複合企業の 4.21 に対し、単一企業は 4.16 であるため、

複合企業の方か開発効率の変化に対する評価が高いと考えられる。

新技術の導入について、有意確率(両側)P 値が 0.002 であり、P<0.01 レベルで両者 の有意差が認められた。その平均値は複合企業の 4.30 に対し、単一企業は 4.06 である ため、複合企業の方か新技術の導入の変化に対する評価が高いと考えられる。

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表 4.4 単一企業と複合企業発展状況の差異性

複合企業 単一企業 t値

売り上げ

n 213 166

3.154**

M 4.15 3.94

SD .57 .73

利益性

n 213 166

2.375*

M 4.15 3.98

SD .64 .82

業務量

n 213 166

3.256**

M 4.24 3.99

SD .73 .75

同業界企業との 連携

n 213 166

3.853***

M 4.25 3.96

SD .77 .72

他業界企業との 連携

n 213 166

3.391**

M 4.11 3.84

SD .77 .80

開発効率

n 213 166

1.979*

M 4.21 4.06

SD .71 .77

新技術の導入

n 213 166

3.094**

M 4.30 4.06

SD .72 .76

※Levene 検定の結果、業務量と同業界企業との連携以外、等分散性を仮定している数値を 採用した。 *p<.05, **p<.01, ***p<.001

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4.4.3 アニメ企業とゲーム企業の政策利用状況の差異性

両種類の企業の直接支援政策、基地型支援政策及び交流促進支援政策に対し、独立し たサンプルのt検定を行った。その結果、アニメ企業とゲーム企業の 3 種類の政策の利 用状況に有意的な関係が確認出来なかった。

4.4.4 単一企業と複合企業の政策利用状況の差異性

両種類の企業の直接支援政策、基地型支援政策及び交流促進支援政策に対し、独立し たサンプルのt検定を行った。その結果、複合企業と単一企業の 3 種類の支援政策利用 状況に有意的な関係が確認できた。

直接支援政策について、有意確率(両側)P 値が 0.000 であり、P<0.05 レベルで両者 の有意差が認められた。その平均値は複合企業の 4.01 に対し、単一企業は 3.75 である ため、複合企業の方か直接支援政策をよく利用すると考えられる。

基地型支援政策について、有意確率(両側)P 値が 0.002 であり、P<0.05 レベルで両 者の有意差が認められた。その平均値は複合企業の 4.05 に対し、単一企業は 3.82 であ るため、複合企業の方が基地型支援政策をよく利用すると考えられる。

交流促進支援政策について、有意確率(両側)P 値が 0.041 であり、P<0.05 レベルで 両者の有意差が認められた。その平均値は複合企業の 3.96 に対し、単一企業は 3.83 で あるため、複合企業の方が交流促進支援政策をよく利用すると考えられる。

そのため、複合企業が単一企業より各種類の産業振興政策を活用していると考えられ る。

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表 4.5 単一企業と複合企業の政策利用状況の差異性

複合企業 単一企業 t値

直接支援政策

n 213 166

3.710***

M 4.01 3.75

SD .62 .75

基地型 支援政策

n 213 166

3.136**

M 4.05 3.82

SD .63 .75

交流促進 支援政策

n 213 166

2.046*

M 3.96 3.83

SD .61 .68

※Levene 検定の 結果、 等 分 散性を仮 定してい る数値 を 採用した 。 *p<.05, **p<.01,

***p<.001

また、具体的な政策内容を比較すると、直接支援政策では、複合企業の方が企業融資 或は上場の支援、優秀作品の表彰と宣伝、大型展覧会など展示の場と海外出展或は海外 市場進出の支援四つの政策をよく利用すると考えられる。

基地型支援政策では、複合企業の方が産業基地或はサイエンスパークに立地する、ス タジオ家賃の減免と公共設備の低価格或は無料利用三つの政策をよく利用すると考え られる。

交流促進支援政策では、複合企業の方が人材育成のための教育機関政策をよく利用す ると考えられる。

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表 4.6 単一企業と複合企業の政策利用状況の差異性各項目詳細

複合企業 単一企業 t値

産業基地あるいはサイエ ンスパークに立地する

n 213 166

2.48*

M 4.01 3.78

SD .80 .98

スタジオ家賃 の減免

n 213 166

2.41*

M 4.04 3.79

SD .94 1.04

公共設備の低価格 或は無料使用

n 213 166

2.46*

M 3.99 3.75

SD .91 .92

企業融資或は上場の支援

n 213 166

3.47**

M 3.95 3.59

SD .92 1.06

優秀作品の表彰と宣伝

n 213 166

2.25*

M 4.13 3.92

SD .83 .94

大型展覧会など展示の場

n 213 166

2.89**

M 4.16 3.89

SD .83 .97

海外出展或は 海外市場進出の支援

n 213 166

2.75**

M 3.87 3.58

SD .93 1.08

人材育成のため の教育機関

n 213 166

2.83**

M 4.01 3.74

SD .86 .95

※Levene 検定の結果、公共設備の低価格或は無料利用、優秀作品の表彰と宣伝、大型展示 会など展示の場以外、等分散性を仮定 していない数値を採用した。 *p<.05, **p<.01,

***p<.001

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4.4.5 政策利用状況と企業発展の間の関係に関する考察

産業振興政策の主成分分析において、各因子に高い負荷量を示した項目の平均値を算 出することにより、直接支援政策得点(3.9,0.69)、基地型支援政策得点(3.95,0.7)、 交流促進支援政策得点(3.91,0.65)とした。内的整合性を検討するためにα係数を算 出したところ、直接支援政策でα=0.78、基地型支援政策でα=0.75、交流促進支援政 策でα=0.69 と十分な値が得られた(付録 6)。以上のデータを元に、産業振興政策の 利用状況と企業発展の間の関係について、重回帰分析を用い、順を追って分析していく。

4.4.5.1 企業売上に関する検証

(1)相関関係:

複合企業とアニメ企業及びゲーム企業を含む単一企業の政策利用状況の差を検討し たところ、各項目の得点について有意な差が見られた。

また、企業の売上得点の平均値は 4.06、SD は 0.65 であった。複合企業と単一企業の 差を検討したところ、有意な差が見られた。

政策の利用状況と企業売上の各種類の企業込みの相互関係を表 4.7.1 に、企業種類別 の相互関係は表 4.7.2 に示す。各種類の企業込みでは 3 種類の支援政策と企業売上の間 に正の有意な相関、また各種類の政策の間に正の有意な相関が見られた。しかし、企業 種類別の相関を見ると、複合企業と単一企業のパターンが異なっており、複合企業では 基地型支援政策と企業売上との間がほぼ無関係なのに対し、単一企業では三種類の政策 と企業売上の間に正の有意な相関が見られた。

表4.7.1 政策の利用状況と企業売上相互関係(全企業)

直接支援政策 基地型支援政策 交流促進政策 売上

直接支援政策 ― .56** .59** .31**

基地型支援政策 ― .45** .24**

交流促進政策 ― .19**

売上 ―

*p<.05, **p<.01,***p<.001

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表 4.7.2 政策の利用状況と企業売上相互関係(企業種類別)

直接支援政策 基地型支援政策 交流促進政策 売上

直接支援政策 ― .51** .54** .25**

基地型支援政策 .58** ― .38** .11

交流促進政策 .63** .51** ― .17*

売上 .31** .30** .18*

*p<.05, **p<.01,***p<.001 右上:複合企業,左下:単一企業

(2)因果関係の検討

3 種類の政策が企業売上に与える影響を検討するために、企業種類別に重回帰分析を 行った。結果を表 4.7.3 に示す。

表 4.7.3 重回帰分析した結果

企業全体 複合企業 アニメ企業 ゲーム企業

β β β β

直接支援政策 .25*** .24* .29 .16

基地型支援政策 .1 ‐.3 .16 .26**

交流促進支援政策 ‐.01 .06 .05 ‐.10

R2 .1 .07 .20 .12

*p<.05, **p<.01,***p<.001 β:標準偏回帰係数

共線性を診断したところ、1.387<VIF<3.028 のため、多重共線性が発生していないと考えられた。

企業全体では、直接支援政策から企業売上に対する標準偏回帰係数が有意であった。

複合企業では、直接支援政策から企業売上に対する標準偏回帰係数が有意であったが、

基地型支援政策と交流促進支援政策から企業売上に対する標準偏回帰係数は有意では なかった。また、アニメ企業では、3 種類の政策から企業売上に対する標準偏回帰係数 は有意ではなかった。一方、ゲーム企業では、基地型支援政策から企業売上に対する標 準偏回帰係数が有意であった。

結果から、企業全体範囲では、直接支援政策が利用するほど、企業の売上に正の影響 を与えること、複合企業が直接支援政策を利用するほど、企業の売上に正の影響を与え ること、第三にゲーム企業が基地型支援政策を利用するほど、企業の売上に正の影響を