第 4 章 文化産業振興政策の効果と影響に関する考察
4.3 アニメ産業及びゲーム産業振興政策の分類
表 4.1 KMO および Bartlett の検定 KMO および Bartlett の検定 Kaiser-Meyer-Olkin の標本妥当性の測度 .871 Bartlett の球面性検定 近似カイ 2 乗 1530.364
自由度 78
有意確率 .000
図 4.9 因子のスクリープロット
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表 4.2 産業振興政策の分類 回転後の成分行列 a
成分
1 2 3
企業融資或は上場の支援 .765 .341 -.035
優秀作品の表彰と宣伝 .738 .047 .241
新技術開発に対する支援 .601 .144 .427
海外出展或は海外市場進出の支援 .561 .428 .110 大型展覧会など展示の場の用意 .532 .097 .429
スタジオ家賃の減免 .073 .777 .211
産業基地或はサイエンスパークに立地する .099 .704 .248
各種税金の減免 .187 .703 .110
公共設備の低価格或は無料利用 .447 .617 .027 技術向上のための交流の場の用意 -.017 .173 .785 マーケティング関連資料の提供 .170 .223 .633 人材育成のための教育機関 .274 .081 .631 企業連携を促進する座談会或は交流会 .481 .143 .507 因子抽出法: 主成分分析
回転法: Kaiser の正規化を伴うバリマックス法 a. 8 回の反復で回転が収束しました。
今回のアンケートの中においては、過去の先行研究および筆者が中国現地企業に行っ た半構造化面接調査の結果(徐[24]、195-198 頁)(徐[25]、58-61 頁)を元に、13 問の産業振興政策内容についての設問を設けた。しかしながら、政策の内容は一見異な るものの、実は同じ種類の政策であり、様々な側面から同じ効果を及ぼしている可能性 がある。同じ種類の政策が企業に対して及ぼす影響を明確するために、これらの政策を 分類する必要があると考えられる。本研究において、13 種の政策内容に対し、主成分分 析・バリマックス回転を行った。
KMO は標本妥当性の測度であり、変数群に適切な共通因子が存在するかどうかの判断 に利用される数値である。KMO の値が小さければ、2 変数毎の固有の相関関係だけでな く、変数群全体の共通する関連性は乏しいことを意味し、0.5 未満であれば、主成分分 析の適用は不適切であると解釈されるが、表 4.1 の KMO の値は、0.871 という高い数値
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を示しているので、適切であると判断される。
抽出された主成分の数の判断基準は主に二つある。一つは付録 5 の表 2「説明された 分散の合計」の中の「初期の固有値」の「合計」欄の固有値が 1 以上のものを採用する 方法と「累積寄与率」が 80%を超えたところで打ち切る方法である。本研究において、
固有値が 1 より大きいものを主成分として採用する。したがって、主成分は三つがある と判断する。主成分分析では、回転を使えないという見方を示す研究者もいるものの(秋 川[2],158 頁)本研究において、主成分をより明確的に読み取るため、石村([8],112 頁)の意見を採用し、回転して分析を行った。表 4.2 の得点によると、この 13 種の政 策内容は主に三つのタイプに分類できる。
1)直接支援型支援政策
このタイプの政策には「企業融資あるいは上場の支援」、「優秀作品の表彰と宣伝」、「新 技術開発に対する支援」、「海外出展あるいは海外市場進出の支援」、「大型展覧会など展 示の場の用意」が含まれている。この五つの政策は個別の企業を対象としている。一つ 一つの企業の発展を促進するために、資金、場所あるいは技術開発の支援を与えており、
本研究においては、このような支援政策を「直接支援政策」と定義する。
2)基地型支援政策
このタイプの政策には「スタジオ家賃の減免」、「産業基地あるいはサイエンスパークに 立地する」、「各種税金の減免」、「公共設備の低価格あるいは無料利用」が含まれている。
四つの政策の主な目的は企業の経営負担を軽減することである。また企業が産業基地あ るいはサイエンスパークに入らないと享受できない政策であるため、本研究においては、
この四つの政策を一括りにし、「基地支援政策」と定義する。
3)交流促進型支援政策
このタイプの政策には「技術向上のための交流の場の用意」、「マーケティング関連資料 の提供」、「人財育成のための教育機関」、「企業連携を促進する座談会あるいは交流会」
が含まれる。この四つの政策は直接な経済支援や経営負担を軽減することが目的ではな く、企業の間、企業と政府の間また産学連携を促進し、企業の発展をサポートする政策 となっている。本研究においては、これらの政策を「交流促進支援政策」と定義する。