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試験片の評価方法

ドキュメント内 MIM 製 Ti-6Al-4V 合金の疲労強度の向上 (ページ 35-38)

第 2 章 試験片の作製方法および評価方法

2.2 試験片の評価方法

ここでは,前節までで作製した試験片の評価方法について述べる.相対密度,

組織観察といった焼結体特性の評価や,引張試験,疲労試験といった機械的特 性の評価それぞれの方法について説明する.

2.2.1相対密度の測定方法

焼結体には材料内部に気孔と呼ばれる空孔が存在しているため,同一組成の溶 製材よりも低い密度を示す.この真密度材に対する焼結材の密度の比を相対密 度と呼び,焼結材の機械的特性に大きく影響するパラメータとして知られてい る.本研究においてはアルキメデス法によって焼結体の密度を測定した.なお,

プレス成形材の密度測定においてはパラフィンによって開気孔を埋める防水処

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600

0 10 20 30 40 50 60 70

Temperature []

Time [ks]

Thermal debinding Vacuum sintering

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理が必要であるが,MIMで作製した焼結材は密度が高く,開気孔が存在しない と考えられるため,パラフィンによる防水処理はせずに密度測定を実施した.

(2.2) 式によりHIP材の密度に対するMIM材の相対密度ρ [%]を算出した.

分析天秤を使用して,試料の大気中重量W0 [g],試料の水中重量W1[g]を測定し

た.ρ0 [g/cm3]は測定に使用した純水の密度であり,純水の温度を測定して密度

を算出した.また,ρ1 [g/cm3]は緻密材の密度であり,Ti-6Al-4V材に対しては4.42 g/cm3を使用した.本研究では Ti-6Al-4V以外の組成の材料に対しても相対密度 の評価を行っているがその際の真密度の値は各章にて後述する.

= × × 100 (2.2)

2.2.2光学顕微鏡による組織観察の方法

ここでは,光学顕微鏡による組織観察の方法について説明する.試験片の中央 部をファインカッターで切断し,樹脂埋めをした後,1500 番までの湿式エメリ ー紙を用いて面出し研磨を実施した.その後,2.5 µmおよび1 µmのアルミナ粉 末を塗布した研磨布を用いてバフ研磨を行った.さらに仕上げ研磨として,振 動研磨機による研磨を施した.ここでは研磨剤としてコロイダルシリカ(粒径

50 nm)を用いた.研磨した試料は,5 %のフッ化水素溶液に3~5秒間浸して腐

食をし,光学顕微鏡を用いて組織の観察を行った.

2.2.3EBSDによる組織観察

本研究においてはEBSD(Electron Back Scattering Diffraction)を使用した組織 観察も実施した.観察する試験片は2.2.2節と同様に,振動研磨まで実施した試 験片を用意した.使用するSEM(Scanning Electron Microscope)としてはSU-6600

(株式会社日立ハイテクノロジーズ)を使用した.測定条件は倍率によって異 なるものの,観察倍率200倍においては400 µm ×1200 µmの範囲を1step = 2.5 µmとして測定を実施した.同様に1000倍においては96 µm×282 µmの範囲を 1step= 0.6µm,5000倍においては17.4 µm×47.8 µmの範囲を1step=0.1 µmにて 測定を行った.

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EBSDにより得られたIPF(Inverse Pole Figure)マッピング画像を利用して,平 均結晶粒径の算出を行った.stepごとの結晶方位差が15 o以下の領域を一つの結 晶粒と定義し,結晶粒径を算出した.

2.2.4酸素量測定

酸素量の測定は酸素窒素同時分析装置(ON736,LECOジャパン合同会社)を 使用した.試料は熱の影響を避けるため,ワイヤカッタ―を使用して切断し,

0.1 gの小片として測定に供した.測定の際には助燃材となるNiカプセルに小片

を入れて測定を実施した.

2.2.5引張試験

引張試験には引張試験機(AUTOGRAPH AG-X plus,島津製作所(株)) を用いて 行った.クロスヘッドスピードは1 mm/minとした.また,伸びの測定にはビデ オ式伸び計(TRViewX,島津製作所)を使用した.引張強さσ [MPa]は最大荷重

Pmax[N],試験片平行部の断面積をA0[mm2]として式(2.3)を用いて算出した.

= (2.3)

2.2.6常温疲労試験

疲労試験はFig. 2.9に示す小野式回転曲げ疲労試験機(島津製作所製)を用い て実施した.得られた焼結体を旋盤によってFig. 2.10の形状へと加工した後,

試験部をエメリー紙にて1500番まで研磨を施し,疲労試験へと使用した.試験 片への応力振幅σa [MPa]を式(2.4),(2.5)より求めた.このときW [kg] は重鎮の 重量,g [m/s2]は重力加速度,L [m]は荷重支点間距離,d [m]は試験片の直径とす る.本研究では打ち切り繰り返し数を1.0×107 cyclesとして,疲労強度を定義し た.

=

!(2.4)

" =

#$(2.5)

- 33 - Fig. 2.9 Machine of rotary bending fatigue test

Fig. 2.10 Dimension of specimen for rotary bending fatigue test.

2.2.7破面観察の方法

疲労試験を行った後の試験片の破面観察はSEM(VHX-D510,KEYENCE)によ って実施した.本研究においては高サイクル疲労強度の向上を目的としている ため,高サイクル領域(104 cycles以上)で破断に至った試験片の破面を観察し た.観察の前には試験片をアセトンにて0.3 ks以上超音波洗浄を行い,その後,

真空デシケータ内で3.6 ks以上乾燥させて,破面観察を実施した.

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