第 3 章 微細粉末の利用による高強度化
3.3 実験結果
3.3.7 破面観察
Fig. 3.11に通常粉末製焼結体(HIPなし,あり),Fig. 3.12に微細粉末製焼結
体(HIPなし),Fig. 3.13に微細粉末製焼結体(HIPあり)の疲労破断後の破面 写真を示す.各々において,上側の写真は破面全体,下側の写真はき裂発生位 置の近傍を拡大して撮影しており,き裂は写真上方から下方に向けて進展して いる.まず,RegularとRegular-HIPの破面について述べる.破面全体を見ると,
両者ともに凹凸の激しい破面形態を呈している.き裂発生位置近傍においては,
両者ともに明瞭な破壊起点は判別できないものの,αコロニーのα+βラメラ構造 と似た模様を呈する平面が観察された.これは α コロニーのファセット面と推 定される.ラメラ組織を有するTi-6Al-4V合金においてはαコロニーのファセッ ト面を起点として疲労き裂が発生することが報告されており7),本研究で作製し
た MIM 製 Ti-6Al-4V 合金も同様の形態で破壊したものと考えられる.Regular
に関してはファセット面上に気孔が観察されるものの,き裂はファセット面を 進展していることから,気孔を選択的に進展しているわけではないと推定され
る.次にFine 1373 KとFine 1573 Kについて比較すると,破面全体像について
はFine 1373Kの凹凸が小さく,細かいことが分かる.これは結晶粒が微細化し
たために,き裂が進展経路とするファセット面の大きさが細かくなったためと 推定される.Fine 1573 Kについては結晶粒径がRegularと同等であるために破面 の形態は類似している.き裂発生位置近傍においてはFine 1373 Kでは起点と推
察される45°程傾いたファセット面が観察された.また,Fine 1373 Kの破面に
は相対密度を反映してか多くの気孔が観察された.Fine 1373 K –HIP とFine 1573
K –HIPについて比較すると,Fine 1373 K –HIPは破面全体の凹凸がより細かい
ことが分かる.き裂発生位置近傍においてもこれまでと同様にファセット面か らの破壊と推定される.以上のように,全条件において,気孔の有無に関わら ず,き裂の発生は α コロニー内のファセット面と推定された.また,相対密度
の低いFine 1373 Kが相対密度の高いFine 1573Kより高い疲労強度を示した点に
ついては,気孔の影響というより,αコロニーの微細化が疲労強度向上には重要 であることが示唆された.
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Fig. 3.11 Fractographies of Regular and Regular –HIP after rotary bending fatigue test.
500 µm
100 µm
(a) (b)
(a) Regular, 294 MPa, 6.1×106 cycles (b) Regular-HIP, 550MPa, 8.4×104 cycles
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Fig. 3.12 Fractographies of fine powder compacts after rotary bending fatigue test.
500 µm
100 µm
(c) (d)
(c) Fine 1373 K, 386 MPa, 5.7×106 cycles
(d) Fine 1573 K, 402 MPa, 1.7×106 cycles
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Fig. 3.13 Fractographies of fine powder compacts treated HIP after rotary bending fatigue test.
500 µm
100 µm
(e) (f)
(e) Fine 1373 K -HIP, 404 MPa, 3.1×106 cycles
(f) Fine 1573 K -HIP, 379MPa, 3.4×106 cycles
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