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実験結果

ドキュメント内 MIM 製 Ti-6Al-4V 合金の疲労強度の向上 (ページ 59-66)

第 4 章 Mo,B 両元素添加による高強度化

4.3 実験結果

4.3.1相対密度

Fig. 4.3に各焼結体の相対密度を示す.ここでは,焼結温度は1623 K一定とし

て,焼結時間を14.4 ks~86.4 ksまで変化させて相対密度の変化を評価した.な お,真密度の値として,0.4B材では4.42 g/cm3,4Mo材では4.53 g/cm3,4Mo-0.4B

材では4.53g/cm3を使用した.まず,4Mo-0.4B材は相対密度の増加が早く,28.8

ks(8 hours)の時点で99.2 %という高い相対密度が得られていることが分かる.

また,4Mo-0.4B材,0.4B材といったB添加材は,86.4 ks の焼結によって99.7 %

以上の非常に高い密度を示した.その一方でBを添加していないTi64,4Moは 99.1 %で相対密度の増加がほぼ停止していた.この原因については後ほど考察す る.

Fig. 4.3 Relative densities of sintered and HIP treated compacts.

4.3.2光学顕微鏡による組織観察

焼結体および HIP 処理体の組織写真を Fig. 4.4 に示す.0.4B-4h および

4Mo-0.4B-4hにおいては10 µm程度の針状TiB粒子が点在していることが確認さ

れた.Ti64-4hと比較して,0.4B-4h はBの添加により α コロニーが微細化して 96

97 98 99 100

0 20 40 60 80 100

Relative density [%]

Sintering time [ks]

4Mo-0.4B 0.4B 4Mo Ti64

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いる.また,4Mo-4hはα相と β相の層間隔が狭まっている.4Mo-0.4B-4hは,

0.4B-4h と 4Mo-4hの特徴を併せ持つ組織を呈しており,微細組織が得られてい

る.一方,4Mo-0.4B材にHIP処理を施すと気孔はほぼ消滅するものの,旧β粒 および針状 α 相が粗大化しており,焼結体よりも粗い組織となっていることが わかる.これは,β安定化元素であるMoを添加したために,HIP温度である900

oC においてβ相の体積率が多くなり,α相が少なかったために β相の粒成長が より顕著だったものと考えられる.

Fig. 4.4 Optical microphotographs of sintered and HIP treated compacts. The white arrows indicates some of TiB particles.

4.3.3EBSDによる組織観察

各焼結体のIPFマッピング画像をFig. 4.5に示す.図中の同色の領域はαコロ ニーを示している.また,これらのマッピング画像から算出した平均結晶粒径

(平均αコロニー径)を各条件名の下に記載している.0.4B-4hの平均結晶粒径

は40 µmと,Ti64-4hに対して微細化している.更に4Mo-0.4B-4hは平均結晶粒

50 µm (a) Ti64-4h (b) 0.4B-4h (c) 4Mo-4h (d) 4Mo-0.4B

-4h

(d) 4Mo-0.4B -HIP

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径17.9 µmと0.4B-4hよりも微細化しており,MoとBの両元素添加が結晶粒微

細化にかなり効果的であることが分かる.

Fig. 4.5 IPF mapping images of sintered and HIP treated compacts.

4.3.4酸素量

各 条 件 に お け る 酸 素 量 の 測 定 結 果 を Fig. 4.6 に 示 す .4Mo-0.4B-4h と

4Mo-0.4B-8hはTi64や0.4Bよりも高い酸素量を示した.これはMoからのピッ

クアップがあったものと推定される.しかしながら,本研究において作製した 焼結体はいずれもMIM製Ti-6Al-4V合金が脆化する酸素量である0.35 mass%10) を下回っており,延性への影響は小さいものと考えられる.

(a) Ti64-4h 148.6 µm

(b) 0.4B-4h 40.0 µm

(c) 4Mo-4h 109.0 µm

(d) 4Mo-0.4B -4h 17.9 µm

(d) 4Mo-0.4B -HIP 22.0 µm

50 µm

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Fig. 4.6 Oxygen contents of sintered and HIP treated compacts.

4.3.5引張強度特性

各条件における引張強度と伸びの関係をFig. 4.7に示す.4Mo-0.4B-8hが最も 優れた強度-延性バランスを有しており,引張強度1026 MPa,伸び12 %を示し た.MoやB の単独添加を施した4Mo-4hと 0.4B-4h はTi64-4hと比較すると高 い強度を示しているが,4Mo-0.4B は Mo あるいは B の単独添加材から更に

100MPa以上,引張強度が向上を示しており,MoとBの両元素添加が強度向上

に対して効果的であることが分かった. 一方HIP材に関しては,4Mo-0.4B-HIP は非常に高い引張強度を示したものの伸びが5.0 %まで低下した.この原因につ いては後述する.

0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30 0.35

Oxygen content [mass%]

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Fig. 4.7 Tensile properties of sintered and HIP treated compacts.

4.3.6疲労強度特性

回転曲げ疲労試験の結果をFig. 4.8に示す.4Mo-0.4B-8hは430 MPaの疲労強 度を示し,Ti64-4h よりは疲労強度が向上したものの,0.4B-4h と同等の値であ った.一方,4Mo-0.4B-4hは342 MPa と0.4B-4hを下回り,著しく低い疲労強度 を示した. また,HIP処理を施した0.4B-HIPと4Mo-0.4B-HIP についても疲労

強度は470 MPaで同等であった.

800 900 1,000 1,100 1,200

0 5 10 15 20

Tensile strength [MPa]

Elongation [%]

4Mo-0.4B-HIP

4Mo-0.4B

4h 8h

0.4B-4h

0.4B-HIP

Ti64-4h 4Mo-4h Ti64-HIP

Standard value of wrought material

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Fig. 4.8 Results of fatigue test of Regular and Regular –HIP.

4.3.7破面観察

Fig. 4.9に疲労試験後の焼結体の破面観察の結果を示す.Ti64-4hと0.4B-4hの

起点は結晶粒のファセットであった.一方,4Mo-0.4B-8h焼結体の疲労起点では 明らかに大きな気孔が観察され,大気孔を起点としてき裂が発生したものと推 察された.一方で,TiB粒子起点の疲労破壊は0.4B,4Mo-0.4Bの全条件で観察 されなかった.

250 300 350 400 450 500 550 600 650 700

1.0E+04 1.0E+05 1.0E+06 1.0E+07 1.0E+08

Stress amplitude [MPa]

Number of cycles

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Fig. 4.9 Fractographies of sintered compacts after rotary bending fatigue test.

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ドキュメント内 MIM 製 Ti-6Al-4V 合金の疲労強度の向上 (ページ 59-66)

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