• 検索結果がありません。

比 較

内部境界層発達によるフュミゲーション発生時の 1 時間値予測結果と環境基準等と の比較は、第 44 表のとおりである。

③ 評価の結果

a. 環境影響の回避・低減に関する評価

建設機械の稼働に伴う騒音の影響を低減するため、以下の環境保全措置を講じる。

・港湾施設や取放水口及び取放水設備の有効活用により、工事量を低減し、建設機械 の稼働台数を低減する。

・機器類の組立は、可能な限り工場にて行うことにより、現地の工事量を低減し、建 設機械の稼働台数を低減する。

・工事規模にあわせて建設機械を適正に配置し、効率的に使用する。

・工事工程の調整等を行うことにより、建設機械の稼働台数の平準化を図り、建設工 事ピーク時の建設機械の稼働台数を低減する。

・可能な限り低騒音型建設機械を使用する。

・点検、整備により建設機械の性能維持に努める。

・定期的に会議等を行い、上記の保全措置を工事関係者へ周知徹底する。

これらの措置を講じることにより、建設機械の稼働に伴う騒音の影響は、実行可能な 範囲内でできる限り影響の低減が図られているものと評価する。

b. 環境保全の基準等との整合性

予測地点 1(病院近傍)は、「騒音規制法」に基づく指定区域であることから、特定 建設作業に伴って発生する騒音の規制基準との整合が図られているか検討した。また、

予測地点 2~6 は、「騒音規制法」に基づく指定区域に該当しないが、特定建設作業に 伴って発生する騒音の規制基準を準用し、整合が図られているか検討した。

建設機械の稼働に伴う騒音の予測結果(合成値)は、敷地境界において 58~76 デシ ベルであり、いずれの予測地点も、特定建設作業に伴って発生する騒音の規制基準(85 デシベル)に適合している。

以上のことから、環境保全の基準等の確保に支障を及ぼすものではないと評価する。

2.2.4 発電所運転による騒音

① 予測方法

音の伝搬理論式に基づき、予測地点における騒音レベルの予測計算を行った。理論式 の各種減衰は ISO 9613-1(空気吸収減衰)、ISO 9613-2(地表面減衰及び回折減衰)に より求めた。

施設の稼働に伴う騒音の予測手順は、第 36 図のとおりである。

なお、施設の稼働に伴う騒音(L

A5

、L

Aeq

)の音源は定常音であると仮定し、騒音レベ ルの予測計算を行った。

第 36 図 施設の稼働による騒音の予測手順

音の伝搬計算 事業計画

・点音源の伝搬理論式

・障壁等による回折減衰による補正

・地表面による効果

・空気吸収による減衰 設備保全措置の設定

・対象事業実施区域内 施設配置計画

・騒音発生源のパワーレベル

・建物形状、寸法

・稼働位置

・障壁

予測地域の設定 対象実施事業区域の 境界における予測地 点の設定

現況騒音の設定

施設の稼働に伴う騒音(予測値)

現地調査(現況実測値)

・時間率騒音レベル(LA5

・等価騒音レベル(LAeq

・気象(風向、風速、気温、湿度)

現況実測値

・時間率騒音レベル(LA5

・等価騒音レベル(LAeq

施設の稼働に伴う騒音予測値(合成値)

対象事業実施区域の境界における予測値(LA5

(施設の稼働に伴う騒音+対象事業実施区域の境界における現況実測値(LA5))

対象事業実施区域の境界における予測値(LAeq

(施設の稼働に伴う騒音+対象事業実施区域の境界における現況実測値(LAeq))

気温・湿度 環境保全措置

② 予測結果

施設の稼働(機械等の稼働)に伴う騒音の予測結果は、第 54 表のとおりである。

予測地点における騒音レベルの予測結果(L

A5

:合成値)は、朝が 47~62 デシベル、

昼間が 52~60 デシベル、夕が 45~59 デシベル、夜間が 44~57 デシベルである。

また、予測地点 1(病院近傍)における騒音レベルの予測結果(L

Aeq

:合成値)は、昼 間が 49 デシベル、夜間が 43 デシベルである。

第 54 表(1) 施設の稼働に伴う騒音の予測結果(敷地境界)

(単位:デシベル)

予測地点 時間の区分

現況 実測値

(LA5

騒音レベルの予測結果

増加分 規制基準

(LA5) 予測値 合成値

a b b-a

1

朝 ( 6~ 8 時) 46 42 47 1 50 昼間( 8~18 時) 51 42 52 1 55 夕 (18~23 時) 42 42 45 3 50 夜間(23~ 6 時) 39 42 44 5 45

2

朝 ( 6~ 8 時) 51 51 54 3 63 昼間( 8~18 時) 54 51 56 2 65 夕 (18~23 時) 50 51 54 4 63 夜間(23~ 6 時) 49 51 53 4 55

3

朝 ( 6~ 8 時) 55 53 57 2 63 昼間( 8~18 時) 56 53 58 2 65 夕 (18~23 時) 53 53 56 3 63 夜間(23~ 6 時) 48 52 53 5 55

4

朝 ( 6~ 8 時) 49 54 55 6 63 昼間( 8~18 時) 55 54 58 3 65 夕 (18~23 時) 50 54 55 5 63 夜間(23~ 6 時) 44 53 54 10 55

5

朝 ( 6~ 8 時) 61 54 62 1 75 昼間( 8~18 時) 57 54 59 2 75 夕 (18~23 時) 50 54 55 5 75 夜間(23~ 6 時) 48 53 54 6 65

6

朝 ( 6~ 8 時) 50 59 60 10 75 昼間( 8~18 時) 51 59 60 9 75 夕 (18~23 時) 46 59 59 13 75 夜間(23~ 6 時) 46 57 57 11 65 注:1.予測地点の位置は、第 33 図を参照。

2.合成値は、現況実測値と予測値を合成した値である。

3.予測地点 2、3、4 は異なる用途地域が隣接する地点であり、当該用途地域の規制基準(S)

が、隣接する地域の規制基準(S’)より大きいことから、規制基準は、(S+S’)÷2(デ シベル)とした。

第 54 表(2) 施設の稼働に伴う騒音の予測結果(敷地境界)

(単位:デシベル)

予測地点 時間の区分

現 況 実測値

(LAeq

騒音レベルの予測結果

(LAeq) 増加分

環境基準等 予測値 合成値

a b b-a

1

(病院近傍)

昼間( 6~22 時) 48 42 49 1 55 夜間(22~ 6 時) 37 42 43 6 45 4

(住居近傍)

昼間( 6~22 時) 50 54 55 5 - 夜間(22~ 6 時) 42 53 53 11 - 注:1.予測地点の位置は、第 33 図を参照。

2.合成値は、現況実測値と予測値を合成した値である。

3.予測地点 4(住居近傍)は、工業専用地域のため「騒音に係る環境基準について」に基づ く類型指定はされていないことから「-」とした。

③ 評価の結果

a. 環境影響の回避・低減に関する評価

施設の稼働(機械等の稼働)に伴う騒音の影響を低減するため、以下の環境保全措置 を講じる。

・騒音の発生源となる機器には、可能な限り低騒音型機器を使用する。

・騒音の発生源となる機器は、可能な限り屋内に設置を図る(タービン、発電機 等)。

・屋外に設置する場合には、必要に応じて防音カバーの取り付け等の防音対策を実施 する(ボイラ、コンベア等)。

・対象事業実施区域の住居地域側には、部分的に防音壁を設置する。

・構内の運炭施設、ユーティリティー施設及び排水処理施設における非定常稼働設備 の夜間運転は原則として行わない。

これらの措置を講じることにより、施設の稼働(機械等の稼働)に伴う騒音の影響は、

実行可能な範囲内でできる限り影響の低減が図られているものと評価する。

b. 環境保全の基準等との整合性

対象事業実施区域は、 「騒音規制法」及び「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」

に基づく指定区域であることから、特定工場等に係る騒音の規制基準との整合が図られ ているか検討した。

また、予測地点1(病院近傍)は、環境基準との整合が図られているか検討した。

施設の稼働(機械等の稼働)に伴う騒音の予測結果(合成値)は、全ての予測地点で、

特定工場等に係る騒音の規制基準に適合しており、また、予測地点1(病院近傍)は環

境基準に適合している。以上のことから、環境保全の基準等に支障を及ぼすものではな

いと評価する。