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施設の稼働に伴う一般排水の排水量及び水質は第 68 表、一般排水に係る処理フローは 第 44 図のとおりである。

5.2.3 発電所運転による温排水

① 予測方法

本事業は、「合理化GL」の条件を満たしていることから、「合理化GL」を適用し、

前面海域の流況を把握している場合の手法(合理化手法の《手法3》)として、簡易予 測モデル(「パソコンによる温排水拡散簡易予測モデルの開発 研究報告:U94003」(財 団法人電力中央研究所(以下「電中研」という。)、平成 6 年)、「水中放水された温 排水の簡易シミュレーション手法の適用性 研究報告:V12018」(電中研、平成 25 年)

で提案されている簡易予測手法)を用いて温排水の拡散範囲を予測した。モデルの適用 にあたっては、電中研からの技術支援を受け、流況等の入力条件の妥当性を検証した上 で、シミュレーションを実施した。

なお、表層放水された温排水に関する従来の数値シミュレーションモデルとの比較に ついて、研究報告 U94003 では「全体的には概要はよく一致しており、簡易予測モデルの 計算結果は妥当である」等とまとめている。

予測の手順は、第 45 図のとおりである。

第 45 図 温排水拡散予測の手順

流況調査データの解析 気象・海象

データの収集

卓 越 周 期 成 分 は、移流に寄与 するものと考え 潮流の方向と振 幅を求める

卓越周期より短 い変動成分は、

乱れとして拡散 に寄与するもの と考え拡散係数 を求める

代表流動場 の設定

拡散係数 の設定

気温、風速、

水温の設定 の設定 周期成分を除去

した流況データ から海域を代表 する恒流の方向 と流速を求める

「温排水拡散簡易予測プログラム Ver3 表層・水中放水対応版」による解析 発電所諸元

放水量及び取放 水温度差の設定

地形及び港湾等 構造物の モデル化 地形情報収集

(海岸線)

流動・温排水拡散範囲を予測

② 予測結果

温排水拡散予測結果(包絡面積)は第 70 表、温排水拡散予測結果(包絡線)は第 46 図 のとおりである。

第 70 表 温排水拡散予測結果(包絡面積)

深 度 水温上昇

既設稼働時

(現 状)

新設稼働時

(将 来)

比 較

(面 積)

(km2) (km2) (km2

① ② ②-①

海表面

1℃以上 21.0 14.7 -6.3

2℃以上 12.6 7.4 -5.2

3℃以上 7.3 2.9 -4.4

海面下 1m

1℃以上 16.6 12.9 -3.7

2℃以上 10.0 4.4 -5.6

3℃以上 4.1 1.5 -2.6

海面下 2m

1℃以上 10.5 4.5 -6.0

2℃以上 1.4 0.2 -1.2

3℃以上 - - -

注:「-」は出現しないことを示す。

第 46 図(1) 温排水拡散予測結果(包絡線:海表面・既設稼働時(現状))

放水口位置

1℃上昇域 2℃上昇域 3℃上昇域

凡 例

第 46 図(2) 温排水拡散予測結果(包絡線:海表面・新設稼働時(将来))

1℃上昇域 2℃上昇域 3℃上昇域

凡 例 放水口位置

第 46 図(3) 温排水拡散予測結果(包絡線:海面下 1m・既設稼働時(現状))

1℃上昇域 2℃上昇域 3℃上昇域

凡 例 放水口位置

第 46 図(4) 温排水拡散予測結果(包絡線:海面下 1m・新設稼働時(将来))

1℃上昇域 2℃上昇域 3℃上昇域

凡 例 放水口位置

第 46 図(5) 温排水拡散予測結果(包絡線:海面下 2m・既設稼働時(現状))

1℃上昇域 2℃上昇域 3℃上昇域

凡 例 放水口位置

第 46 図(6) 温排水拡散予測結果(包絡線:海面下 2m・新設稼働時(将来))

1℃上昇域 2℃上昇域 3℃上昇域

凡 例 放水口位置

③ 評価の結果

a. 環境影響の回避・低減に関する評価

施設の稼働(温排水)に伴う水温の影響を低減するため、以下の環境保全措置を講じ る。

・新設設備の復水器設計水温上昇値は、国内発電所における最小値である 7℃とす る。これにより、冷却水の取放水温度差は、既設稼働時(現状)の 8.7℃以下か ら新設稼働時(将来)は 7℃以下に低減する。

・冷却水の放水量は、既設稼働時(現状)の 73.6m

3

/s から新設稼働時(将来)は 57m

3

/s に低減する。

これらの措置を講じることにより、温排水の拡散面積は既設稼働時(現状)より縮小 し、新設稼働時(将来)の拡散面積(海表面、1℃以上)は 14.7km

2

となることから、

施設の稼働に伴う温排水が周辺海域の水温に及ぼす影響は小さいと考えられ、実行可能

な範囲内でできる限り影響の低減が図られているものと評価する。