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評価のデザイン

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---先生、次は何ですか。

次でいよいよ最後だよ。評価のデザインだ。

---うわっ、評価ですか〜。イヤだな〜。

まあ確かに、誰かに自分が評価されるのが好きな人はいないよね。でも、かと いって、まったく評価なしにインストラクションが終わってしまったらどうだろ うね。

---自分ができるようになったのかどうかが確認できないから、張り合いがない かもしれないですね。

そうでしょ。それから、IDでいう評価とは、学習者を評価するということだけ じゃないんだ。

---と言いますと?

学習コース自体の評価ということがある。

---学習コース自体の評価ですか。誰がそれをするんですか?

コースを作った人自身、コースを受講した学習者、それから、そのコースを採用 するかどうかを決める立場にある人だ。

---それはいいですね。いつも学習者だけが評価されるのは不公平ですものね。

もし学習者がうまくできなかったとすれば、それは何が原因かということだ。

---それは、学習者のせいじゃないんですか? サボったとか、やる気がなかっ たとか。

そういう場合もあるだろう。と、同時に、学習コースが学習者のやる気をうまく 引き出せなかった、という可能性も同様にあるわけだ。

---なるほど。それで学習コースの評価なんですね。

今回のテーマは評価のデザインです。宇宙船モデルでは、学習活動のあとの事後テス トにあたります。この学習者の評価によって、学習者が設定されたゴールを達成したか どうかを測るわけです。

N:

ニーズ 事

A:

活動

A:

活動

A:

活動

G:

ゴール

前 事

R:

リソース

FB:

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図11.1 向後の宇宙船モデル:インストラクションの全体像

12.1 評価の二面性

評価には二つの面があります。1つ目は、学習者が最終的にできるようになったとい うパフォーマンスを評価することです。テストをしたり、実際にデモンストレーショ ンしたりしてもらいます。これは学習者の評価でごく普通に行われています。

2つ目は、その学習コースが学習者のパフォーマンスを伸ばすコースであったかどう かを評価することです。つまり、学習者の評価ではなくコースの評価です。この点がイ ンストラクショナルデザインの特徴です。学習者の評価は学習者のために行うもので す。良いコースにもかかわらず、学習者の態度、やる気に問題がある場合は学習者の責 任ですが、学習者に問題がないにもかかわらず、ゴールを達成できない場合はコースの 責任になります。

学習者を評価するということは同時にコースの評価をするという二面性があります。

この意味からも、インストラクショナルデザインでは評価が非常に重要なのです。

このコースの評価は、コースを続けて提供するべきか、改善点の有無、また目標や ゴールが同じで、複数の選択肢が提供されていればコースを決定する際の重要な材料 になります。

12.3 学習者検証の原則

次に強調したいのは、学習者検証の原則です。これもインストラクショナルデザイン の重要な原則です。コースは、学習者の反応そのものによって評価されるということ です。

専門家はよく「これはすばらしいコースですね」と言ったりします。あるいは、同僚

際学生が面白そうな振りをしていただけであったとすれば、このコースは素晴らしい コースなのでしょうか? 学習者の反応こそがコースの評価になりますので、専門家 が賞賛したとしても、学習者がただ疲れただけだと言ったとしたら駄目なコースなの です。コースの良さは第三者としての専門家が決めるのではなく,コースを受けた学習 者自身が決めるのです。

また、「百ます計算は子どもを機械にするものだ。断固反対」という専門家がいたと します。ところが実際に百ます計算をやっている子どもが「百ます計算で少し自信が ついたよ。うれしいな」と言ったとすれば、専門家が「子どもを機械にする」と主張 しても駄目なのです。子どもが「自信がついたよ。うれしいな」と言うのならやるべ きです。専門家が機械にすると主張するのは第三者の意見であり、専門家は子どもに 聞くべきなのです。学習者がどのようになったかということだけで全てを決定するの が学習者検証の原則です。

ニーズ分析で既に学習しましたが、どのようなコースを作るかということに関しては学 習者のニーズから出発するのが基本ですが、それ以外にも社会のニーズ、専門家コ ミュニティからのニーズもあります。社会のニーズや専門家コミュニティからのニーズ でコースを作った場合でも、学習者検証の原則は貫き通すべきです。学習者がどのよう になったかということだけでそのコースの評価をすることです。そうすれば良いコー スが生き残り、そうでないコースは淘汰されていくでしょう。

12.3 学習成果の測定

学習成果の測定では、まず、コースの中で練習したことをテストします。次に、コース の内容が習得されていればできるだろうと期待される応用課題でテストします。これ は以前、認知心理学のところで出てきた「転移」をテストすることにほかなりませ ん。転移というのはある領域で獲得された知識・技能・スキルが別の状況において活 用できることです。

実際、私たちがいろいろな事を学ぶのは転移を期待しています。コースの中で100%上 手くできても、コースの外、つまり現実社会においてその内容が活用されないのであ れば何を学んだことになるのかといわれるでしょう。あらゆるコースはそのコースの 中で上手くやるということを期待していると同時に、コースの外に出たときも上手く できるようになって欲しいという願いのもとに作られているはずです。だから、転移 がないということはそのコースがまずいということです。転移がうまくいっている コースを作るためにも応用課題でテストをして、実際に転移が起きているかを確認す ることが必要です。

しかし、コースの内容ではないことをテストするのはタブー、つまり、やってはいけな いことです。転移ではない、まったく別の内容をテストすることはやってはいけませ ん。なぜかというと、それは学習者を裏切っていることになるからです。学習者がき ちんと勉強をしていればきちんとした評価を得られるようなテストをすることを目指

すべきです。コースと関係ないことを突然テストされても学習者にとっては面食らいま すし、さらには教員への信頼を損ないます。ですからコースの内容でないことをテス トしてはいけないのです。

12.4 測定の文脈

どのような文脈でテストするかですが、一番理想的な形ではパフォーマンスコンテキ ストに近い形でのテストをすることです。たとえば、2分間スピーチの最終的なテス トは、2分間スピーチを聴衆の目の前で実際にデモンストレーションしてもらうとい う形のテストが良いのです。これを、ビデオを前にして1人で2分間スピーチをしても らうとなると少しズレます。これではアイコンタクトも測れませんし、実際に大勢いる 前でドキドキしながらスピーチするというパフォーマンスコンテキスト、つまりリア ルな文脈で行うスピーチとは違います。ですから実際に行われる文脈に近い形でのテ ストをするのが良いということになります。

このような評価をオーセンティックな評価と言います。オーセンティック(authentic) というのは、実際の正統的な行動とマッチするような形で評価をするということで す。それではオーセンティックではない評価はどのようなものかというと、○ 問題や 穴埋め問題といったようないわゆるペーパーテストです。これがオーセンティックでは ない理由は、○ 問題や穴埋め問題は現実の社会や生活の中には出てこないからです。

仕事の中で紙を配られ、穴埋め問題を解くということはありません。

それでもなぜそのような人工的なテストをするかというと、採点が楽であり、ある意 味公平だからです。2分間スピーチのトレーニングを行った後には○ 問題を作ろうと は思いません。2分間スピーチのトレーニングを行った後は、2分間スピーチのテス トを行うのがオーセンティックな評価です。

リアルな文脈でのパフォーマンスを評価するのが良いのですが、短時間でパフォーマ ンスを見ることができない場合には,ポートフォリオ(portfolio、書類の束という意 味)として、その人がそれまでにやった課題・レポート・作品などを集めて一つの書 類の束にして、それを全体として評価します。

パフォーマンス評価もポートフォリオ評価も最終的にはオーセンティックな評価を目 指しています。ポートフォリオ評価が一般的になると、試験一発で通るというのが馬 鹿げたシステムだと考えるようになります。60分程度の○ 式や穴埋め式の人工的な形 での試験で評価することが、信頼がおけるものかどうかということです。これまで自 分が学んできた半年間、15週間に渡って学んだ成果を提出するのであれば、一朝一夕 でできるものではありません。明らかに60分間の1回のテストとは比較できない信頼 性があります。

今まで小学校中学校と延々受けてきたテストや免許や資格試験の際の人工的なテスト はテストの中の一部の特殊な形でしかないことを理解してほしいと思います。インス

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