第6期計画の基本理念については、介護保険法及び当該計画の趣旨を踏まえ、介護 保険制度発足以降掲げてきたこれまでの基本理念を引き継ぐものとします。
ただし、2025 年に向けて構築が求められる地域包括ケアシステムの位置づけを明 確にするため、第 5 期で掲げていた「自助・共助・公助の協働連携による地域支援」
に代わり、新たに「地域包括ケアシステムにおける支え合い」を理念の一つとして掲 げます。
(1)個人としての尊厳が守られる社会形成
市民各々には家族の有無、介護を必要とする状態の程度、その他社会的、経済的、
身体的または精神的状態の差異はありますが、どのような状態にあっても、すべての 市民が個人として尊重され、個人の尊厳にふさわしい生活を営むことができる社会の 形成をめざします。
(2)個人の能力発揮による自立生活保持
すべての市民が、可能な限りの自助努力によって自らの能力を活かすことを基本と して、必要に応じてそれぞれの心身の状態に適した介護(予防)サービスを利用する ことにより、それぞれの生きがいを持った自立生活を営むことができる社会の形成を めざします。
(3)個人の意思決定による選択保障
すべての市民が、それぞれの心身の状況に応じて自らの自由な意思と選択に基づき、
保健、医療、福祉にわたる総合的な介護(予防)サービスを受けながら生活を営むこ とができる社会の形成をめざします。
(4)地域包括ケアシステムにおける支え合い
すべての市民が、それぞれの責任と努力によって住まいの確保を含めた自立生活の 維持を図りつつ、家族や地域の相互の助け合いや交流を行い、必要に応じて介護、医 療、予防、生活支援といった支援・サービスを利用して、住み慣れた地域で生活を営 むことができる社会の形成をめざします。
(5)社会参加と計画への参加
すべての市民が、社会を構成する一員として、社会的、経済的、身体的または精神 的状態に関わらず、社会、経済、文化その他のあらゆる分野の活動に参加できるとと もに、市の高齢者福祉に関する施策の策定、実施及び評価の全般に関し参画できる社 会の形成をめざします。
図表
104
基本理念の体系図(2) 個人の能力発 揮による自立生活
保持
(3)個人の意思決 定による選択保障
(4)地域包括ケア システムにおける
支え合い (1) 個人としての
尊厳が守られる社 会形成
(5)社会参加と計 画への参加 自らが自立意識を持ち共に支え合いながら住み慣れた地域での生活を継続する
2.基本目標
第6期計画は、第 5 期で開始した地域包括ケア実現のための方向性を承継しつつ、
2025 年を見据えた中長期の目標を設定し、その達成に向けて取り組みを本格化させ ていく段階として位置づけられます。
基本目標については、基本理念を踏まえ次の(1)から(4)のとおり集約します。
(1)多様なつながりを持ちながら自分らしくいきいきと暮らせる
指標:週 1 回以上外出している高齢者の割合が、平成 25 年度の 86.5%
から、平成 37 年度には 90%程度に高まる。
基本理念のとおり、お互いを尊重し合い、支え合って生活を営むことができる社会 を形成するにあたり、2025 年に向けては、高齢になっても多様なつながりを持ち、
家庭や地域・社会において自分の役割と居場所を保ちながらいきいきと暮らせること を目指します。
その実現に向けて、地域や社会とのつながりを持っているかの目安となる、外出機 会(週 1 回以上外出しているか)を指標として、取り組みの推進や評価を行います。
併せて、高齢者自身が生きがいはあると感じているかも参考指標とします。
図表
105
「週1
回以上外出している」と回答した割合注)高齢者の生活機能を評価し要介護状態になるリスクを予測する基本チェックリストにおいて、
外出が週 1 回未満の高齢者は、閉じこもりリスクがあると判断されます。
図表
106
(参考)「生きがいはある」と回答した割合注)認定者に関しては、日常生活圏域ニーズ調査で当該設問を設けていないため、元気高齢者、二 次予防対象者のみの回答結果です。
86.5 92.9 90.9 86.5
77.9 70.7 68.2
0 20 40 60 80 100
全体
(n=14507)65~69歳
(n=4264) 70~74歳
(n=3731) 75~79歳
(n=2867)80~84歳
(n=2012) 85~89歳
(n=1133) 90歳以上
(n=500)
(%) 91.8
82.9 74.7 67.3
0 20 40 60 80 100
元気 高齢者
(n=8201)
二次予防 対象者
(n=4738)
要支援 認定者
(n=427)
要介護 認定者
(n=1141)
(%)
83.6 87.4 84.5 83.9 78.1 73.9
64.4
0 20 40 60 80 100
(n=12939)全体 65~69歳
(n=4184) 70~74歳
(n=3581) 75~79歳
(n=2642) 80~84歳
(n=1602) 85~89歳
(n=750) 90歳以上
(n=180)
(%) 88.9
74.5
0 20 40 60 80 100
高齢者元気
(n=8201)
二次予防対象者
(n=4738)
(%)
(2)健康に留意しすこやかに暮らせる
指標:75~84 歳の要介護認定率が、平成 25 年度の 18.5%から、平 成 37 年度には 1 ポイント低下し 17.5%程度になる。
基本理念のとおり、自らの能力を活かしながら自立した生活を営むことができる社 会を形成するにあたり、2025 年に向けては、高齢になっても自らの努力によって生 活機能を維持し、できるだけ要介護状態にならないよう予防しながら、健康に留意し すこやかに暮らせることを目指します。
その実現に向けて、75~84 歳の年齢階級の認定率を指標として、取り組みの推進 や評価を行います。これは、75~84 歳の 10 年間で状態像が大きく変わることから、
この年齢階級とそこに至るまでの介護予防が進むことで認定率の低下が期待されるた めです。併せて、二次予防対象者の出現率や、要介護状態からの改善の度合い等も参 考指標とします。
図表
107
高齢者数と年齢階級別要介護認定率注)被保険者数、認定者数、認定率は平成 26 年 3 月実績。
344 390 401 414 469 523
103 119 123 128 145 161
1,423 1,713 1,854 2,010 2,297 2,526
76.1 77.1 78.0 78.8 78.9 78.9
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500
平成24年 平成27年 平成28年 平成29年 平成32年 平成37年
施設サービス利用者数 居住系サービス利用者数 在宅サービス対象者数 在宅比率 (%)
(人) (%)
(3)高齢・認知症になっても安心して暮らせる
指標:認知症日常生活自立度Ⅱ以上の認定者の在宅比率が、人数が増え る中でも維持され、平成 37 年度は 78%程度になる。
基本理念のとおり、個人として尊重され、尊厳にふさわしい生活を営むことができ る社会を形成するにあたり、2025 年に向けては、高齢や認知症に伴う生活課題等を 抱えても必要な支援・サービスを受けられ、また判断能力が十分でない場合も権利が 保障され、住み慣れた地域で安心して暮らせることを目指します。
その実現に向けて、認知症日常生活自立度Ⅱ以上の認定者における在宅サービス対 象者の割合(在宅比率)を指標として、取り組みの推進や評価を行います。併せて、
高齢期の暮らしに関して不安感を持つ人の割合も参考指標とします。
図表
108
認知症日常生活自立度Ⅱ以上の認定者における各サービス利用者数と在宅比率注 1)平成 24 年度は実績値、平成 27 年度以降は推計値。
注 2)施設サービスは、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、地域密着型 介護老人福祉施設入所者生活介護。居住系サービスは、特定施設入居者生活介護、認知症対応型 共同生活介護。
(4)介護や医療が必要となってもサービスを受けながら希望する場所で暮らせる 指標:要介護 3~5 の認定者の在宅比率が、人数が増える中でも維持さ れ、平成 37 年度は 5 割程度になる。
基本理念のとおり、心身の状況に応じてサービス・支援を利用しながら、住み慣れ た地域で生活を営むことができる社会を形成するにあたり、2025 年に向けては、重 度の要介護状態でも、介護・医療をはじめとした多様な支援・サービスの連携のもと、
在宅での生活を続けられることを目指します。
その実現に向けて、要介護 3~5 の認定者における在宅サービス対象者の割合(在 宅比率)を指標として、取り組みの推進や評価を行います。併せて、特別養護老人ホ ームの待機者数や入所者における要介護 4~5 の認定者の割合、施設や医療機関から 在宅に戻る割合等も参考指標とします。
図表
109
要介護3
~5
の認定者における各サービス利用者数と在宅比率注 1)平成 24、25 年度は実績値、平成 26 年度は見込み、平成 27 年度以降は推計値。
注 2)施設サービスは、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、地域密着型 介護老人福祉施設入所者生活介護。居住系サービスは、特定施設入居者生活介護、認知症対 応型共同生活介護。
注 3)介護老人福祉施設の平成 32、37 年度の利用者数は、要介護 4~5 は自然体推計人数、要介 護 3 は自然体推計人数から定員を超過する分を差し引きました。
注 4)介護老人保健施設の平成 32、37 年度の利用者数(介護療養型医療施設からの転換を含む)
は、要介護 3~5 は自然体推計人数、要介護 1~2 は自然体推計人数から定員超過分を差し 引きました。
341 46 352 62 335 69 472 485 497 573 600 85 102 110 135 150 642 696 689 596 595 611 670 779 62.4% 62.7% 63.0%
51.7% 50.3% 50.2% 48.6% 51.0%
0.0%
20.0%
40.0%
60.0%
80.0%
100.0%
0 500 1,000 1,500 2,000
平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成32年 平成37年 施設サービス利用者数 居住系サービス利用者数 在宅サービス対象者数 在宅比率 (%)
(人) (%)
3.計画の体系
4.日常生活圏域の設定
日常生活圏域とは、高齢者が住み慣れた地域での生活継続が可能となるように、身 近な地域で専門的な相談や支援等の整備が可能な範囲を考慮して設定するものです。
2025 年を目標とした地域包括ケアシステムの構築を見据えた上で、第 6 期におい ては、第 5 期を踏襲し、基本的に中学校区の 4 圏域を日常生活圏域と定めます。ただ し、地域密着型サービスは、身近な地域で利用可能な範囲を勘案し、種類や地理的条 件等実情に合せて区域を設定します。また、地域包括支援センターは、八中・西中・
東部(東中・安中)の 3 エリアとします。
また、医療・介護資源を総合的に確保していくため、医療介護総合確保法に基づく 市町村計画で定める「市町村医療介護総合確保区域」との整合を図ります。
第 7 期以降においては、整備状況や人口、相談支援、まちづくり活動など総合的に 評価し、日常生活圏域の区域について整理・検討を行います。また、市地域福祉計画
(平成 24 年度から 28 年度)の次期改正とも調和を図ります。
図表