介護保険制度の円滑な運営を図るため、制度の意義や仕組み、サービスの利用方法 等について、市民にわかりやすく広報する必要があります。出前講座や市の広報誌へ の掲載、ホームページやケーブルテレビ等の媒体の活用を通じて、制度の周知及び利 用意識の啓発に取り組んでいきます。また、各種のパンフレット等を作成し、窓口で の個別のご相談を通して、詳細に制度の理解ができるように努めていきます。
2.要介護等認定の適正化
(1)迅速な認定
要介護認定は、原則、申請日から 30 日以内に行うこととされており、30 日以内 に要介護認定ができない場合、処理見込期間を記した延期通知を送付しています。
本市において、30 日以内に要介護認定ができた割合をみると、平成 24 年度は 25.2%、平成 25 年度は 33.6%と大きく伸びました。
平成 25 年度要介護認定適正化事業《業務分析データ》(平成 25 年 4 月 1 日以降 申請~平成 25 年 12 月 31 日認定支援ネットワーク送信データ)によると、申請か ら認定までの期間の平均値(日数)については、本市は 34.5 日、滋賀県内では 38.6 日、全国では 35.7 日となっています。
現在、市では、要介護認定を迅速に実施するため以下のことを行っており、今後も サービス利用に支障をきたすことのないよう、進捗管理の徹底に努めます。
・主治医意見書の督促による早期回収 ・早期の訪問調査 ・早期の認定審査会の開催(割付) ・早期の合議突合 ・定期的な進捗管理
図表
123
要介護認定通知処理期間の年度別推移 30 日以内 31 日以上45 日以内 46 日以上
60 日以内 61 日以上
平成 24 年度 737 件
25.2% 1,766 件
60.3% 374 件
12.8% 53 件 1.8%
平成 25 年度 969 件
33.6% 1,614 件
55.9% 256 件
8.9% 49 件 1.7%
平成 26 年度
(10 月末申請分まで) 461 件
26.9% 1,010 件
58.9% 210 件
12.3% 33 件 1.9%
(2)公正な認定
本市では制度開始時より、市が直接雇用した職員による訪問調査を行っており、定 期的な調査員の勉強会の実施や国で実施される調査員指導者研修会への参加により調 査員の質の向上を図っています。
また、介護認定審査会の審査の公平性・公正性を保つために、審査会委員に対する 研修機会を提供するとともに、関係機関や市医師会とも連携し、適正な審査判定がで きる体制づくりに努めています。
介護認定審査会に提出する認定調査票については、委託調査も含めて職員により全 件点検し、より精度の高い調査実施に努めていきます。
3.低所得者対策の推進
・特定入所者介護(予防)サービス費(食費・居住費の自己負担限度額の設定)
[内容]
低所得の要介護者が介護保険施設に入所した場合や短期入所(ショートステイ)を 利用した場合には、食費・居住費(ショートステイの場合は滞在費)について、補足 給付として特定入所者介護(予防)サービス費が支給されます。手続きは申請により 当該年度における自己負担限度額を決定し、利用時には限度額の支払いのみとなりま す。
図表
124
食費・居住(滞在)費の基準額(日額)施設の種類 居住(滞在)費
従来型個室 多床室 ユニット型個室 ユニット型準個室 食費 介護老人福祉施設 1,150 円 320 円 1,970 円 1,640 円
1,380 円 介護老人保健施設・
介護療養型医療施設 1,640 円 320 円 1,970 円 1,640 円 図表
125
食費・居住(滞在)費の自己負担限度額(日額)区分 従来型個室 多床室 居住(滞在)費 ユニット型個室 ユニット型準個室 食費
●生活保護受給者
●老齢福祉年金受給者で、
本人及び 世帯 全員が市 民税非課税の人
490 円
(320 円) 0 円 820 円 490 円 300 円 本人及び 世帯全員が市民
税非課税で、本人の合計所 得 金額 と課 税 年 金収 入 額 の合計が 80 万円以下の人
490 円
(420 円) 320 円 820 円 490 円 390 円 本人及び 世帯全員が市民
税非課税で、上記に該当し ない人
1,310 円
(820 円) 320 円 1,310 円 1,310 円 650 円 注)従来型個室の( )内の金額は、介護老人福祉施設に入所した場合、または短期入所生活介護を利
用した場合の額。
<平成 27 年度介護保険法改正に伴う認定基準の変更点>
①配偶者が課税されている場合には、世帯分離して単身の非課税世帯となっている 者についても対象外とする。
②一定額を超える預貯金等がある場合には対象外とする。
③補足給付の支給段階の判定にあたり、第 2 段階と第 3 段階については非課税年金
(遺族年金・障害年金)も勘案する。
①、②については平成 27 年 8 月以降、③については平成 28 年 8 月以降に適用さ れる予定です。
[実績]
実績 実績見込
平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度
件数 648 件 682 件 730 件
給付費(円) 148,261,010 円 152,311,695 円 170,955,000 円
平成 25 年度には旧措置入所者も含め約 680 人が認定を受けています。しかし、
平成 27 年度からは法改正により認定基準が変更され、従来と比較し認定者数は減少 すると予想されます。
[現状と課題]
介護保険法の規定に基づいており市独自の基準等は設定できませんが、認定者数は 法改正により減少すると見込まれます。対象者が適切に利用できるように法改正後の 制度の周知に努めます。
[方向性]
法改正による認定基準・申請手続きの変更点なども含め、制度の周知を行い、引き 続き適正な支給に努めます。
・高額介護(予防)サービス費 [内容]
1 ヶ月の利用者負担(介護サービス費用の一割負担相当額)が上限を超えた場合に は、超えた分が申請により払い戻しされます。所得の低い方は負担が重くならないよ うに、自己負担限度額が所得状況の段階に応じて設定されています。
所得段階 自己負担限度額(月額)
一般 現役並み所得(新設) 44,400 円(世帯)
一般 37,200 円(世帯)
市民税世帯非課税等 24,600 円(世帯)
年金収入 80 万円以下等 15,000 円(個人)
生活保護被保護者等 15,000 円(個人)等
※平成 27 年度の介護保険法改正に伴い、平成 27 年 8 月から「一定以上所得者の自己負担が 2 割 となる」ことにより、所得段階の「一般」のうち現役並み所得者については自己負担限度額が 44,400 円となります。
[実績]
実績 実績見込
平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度
件数 6,385 件 6,765 件 7,374 件
給付費(円) 59,487,186 円 64,911,026 円 77,457,000 円
高額介護(予防)サービス費支給者は、月平均では 450 人前後です。一方介護サ ービス利用者は 2,600 人前後であり、サービス利用者のうち 2 割弱が高額介護(予 防)サービス費の支給を受けています。
[現状と課題]
高額支給該当者には、随時申請勧奨を通知しているところで、ケアマネジャーや入 所施設の職員からも制度の周知は図られています。しかし、段階判定の際の世帯確認 が住民票上の世帯であり、必ずしも低所得者の実態を反映しているとは限らず、制度 的に不合理な一面もあります。
[方向性]
低所得者支援のためにはなくてはならない制度であり、法改正に伴う自己負担限度 額の変更等も含め、利用者には引き続き制度の周知を行います。
・高額医療合算介護(予防)サービス費 [内容]
平成 20 年 4 月より医療及び介護の利用者の負担を軽減する措置として、高額医 療・高額介護合算制度が施行されています。これは、各医療保険における世帯内で、
1 年間(毎年 8 月 1 日~翌年 7 月 31 日)の医療及び介護両保険制度における自己 負担額が著しく高額となった場合に、一定の上限額を超える部分について給付を行う ものです。医療保険者及び介護保険者の双方が利用者の自己負担額の比率に応じて費 用を按分して負担しますが、その介護保険者支給分が高額医療合算介護(予防)サー ビス費です。
[基本的な算定基準]
・年額 56 万円を基本とする。 ・基準日は 7 月 31 日。
・計算期間は毎年 8 月 1 日から翌年 7 月 31 日までの 12 ヶ月。
後期高齢者医療 制度+介護保険
被用者保険または 国民健康保険+介護保険
(70~74 歳の者がいる世帯)
被用者保険または 国民健康保険+介護保険
(70 歳未満の者がいる世帯)
現役 並み 所得
標準報酬 83 万円~
67 万円 67 万円
176 万円
→212 万円(平成 27 年 8 月以降)※
標準報酬
53 万~79 万円 135 万円
→141 万円(平成 27 年 8 月以降)※
一般
標準報酬 28 万~50 万円
56 万円 56 万円
67 万円 標準報酬
26 万円以下 63 万円
→60 万円(平成 27 年 8 月以降)※
低所
者得 Ⅱ 31 万円 31 万円
34 万円
Ⅰ 19 万円 19 万円
※平成 27 年度の介護保険法改正に伴い、平成 27 年 8 月から「一定以上所得者の自己負担が 2 割 となる」ことによる。
[実績]
[現状と課題]
支給額を算定するための計算期間が長く、また他制度の保険者との連携が必要で、
対象者の把握と調整に期間がかかることが課題です。
[方向性]
引き続き利用者への適正な支給のため、法改正による上限額の変更等も含めた本制 度の周知と関係機関との連携に努めます。
実績 実績見込
平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度
件数 330 件 356 件 390 件
金額 7,557,198 円 8,929,036 円 11,520,000 円
・社会福祉法人等による利用者負担軽減制度 [内容]
社会福祉法人が社会的役割の一環として、生計困難な低所得者の利用者負担軽減を 実施します。軽減は、1 割負担と食費・居住(滞在)費等の 1/4(老齢福祉年金受 給者は 1/2)です。(※生活保護受給者は個室の居住(滞在)費のみ 100/100 を 軽減)
◇対象者(市民税非課税世帯で、次のすべての要件を満たす者)
•
年間収入が単身世帯で150万円、世帯員が一人増えるごとに50万円を加算した額 以下であること。•
預貯金等の額が単身世帯で350万円、世帯員が一人増えるごとに100万円を加算し た額以下であること。•
日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと。•
負担能力のある親族等に扶養されていないこと。(市民税課税者に扶養されていない こと。)•
介護保険料を滞納していないこと。
◇対象サービス(市内事業所)
(事業所・施設の所在する都道府県及び市町村に事業実施を申し出ている事業所等 と、そのサービスに限る。)
①訪問介護※ ②通所介護※ ③短期入所生活介護※
④定期巡回・随時対応型訪問介護看護 ⑤夜間対応型訪問介護
⑥認知症対応型通所介護※ ⑦小規模多機能型居宅介護※
⑧地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 ⑨看護小規模多機能型居宅介護
⑩介護老人福祉施設 ※は介護予防サービスを含みます。
[実績]
実績 実績見込 見込
平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度 平成 28 年度 平成 29 年度 件数 100 件 102 件 72 件 94 件 94 件 94 件 金額 2,131 千円 1,613 千円 1,700 千円 3,000 千円 3,500 千円 3,500 千円
[現状と課題]
平成 23 年度より対象要件に「市民税課税者に扶養されていないこと」を加え、制 度がより公平性を保てるようにしました。しかし、軽減する費用の半分を社会福祉法 人が負担することから本事業を実施していない事業所もあるため、事業を実施してい ない事業所に対して社会福祉法人としての責務を果たすよう引き続き訴える必要があ ります。
[方向性]
適正な事業運営のため、引き続き本制度の周知に努めます。