• 検索結果がありません。

第 4 章で掲げた基本目標の達成に向けた課題について、次の(1)から(8)のと おり整理します。

(1)家庭・社会での役割や生活の充実感を持ち続ける環境が十分に整備されていない 高齢になっても、住み慣れた地域でいきいきと暮らせるようにするには、家庭・社 会での役割や生活の充実感を持ち続けることが必要です。しかし、核家族化が進むな ど家族のあり方が多様になり、また地域における関わりが弱まる中、家庭や社会の中 での居場所や役割を持ち続ける環境が十分に整備できていないことが課題です。

(2)高齢者の多様な生活支援ニーズに対応できる支援・サービスが不足している 生活する上での不安感や困りごとがあっても在宅で暮らせるようにするには、そう いった生活支援ニーズへの支援・サービスが必要です。しかし、多様な生活支援ニー ズにきめ細かに対応できる支援・サービスが不足していることが課題です。

(3)高齢者自身の介護予防への意識向上と主体的な取り組みが進んでいない

自分の能力に応じて、できる限り自立して暮らせるようにするには、高齢者が要介 護状態や病気等になることを予防したり、状態の悪化を防いだりする取り組みが必要 です。また、(1)(2)とも関わりますが、取り組みを継続するためには、地域におけ る居場所や活動の場が必要です。

しかし、地域の中で居場所や役割を感じられる場の確保が不十分で、また、専門的 な予防・保健サービスとの連携が十分にできておらず、高齢者自身ができるだけ介護 を必要とする状態にならないように意識したり、主体的に取り組んだりすることが十 分にできていないことが課題です。

(4)高齢者の尊厳や財産を守る取り組みが、高齢者や地域の変化に対応しきれていな い

重度の要介護状態や認知症になっても、あるいは経済的な不安があっても、住み慣 れた地域で、個人の尊厳が守られた環境で暮らせるようにするには、生活に合った住 まいや、自己決定できる支援体制の整備が必要です。しかし、高齢者の抱える課題が 多様になる中、独居高齢者の見守りなど地域のサポートが弱くなっている状況を踏ま えた取り組みができていないことが課題です。

また、本市では持家率が高く、一定程度住まいは確保されているものの、重度の要 介護状態や認知症になっても、自らの希望と経済力に基づき、状態に応じて自立した 生活を営める住まいが十分に整備されていないことも課題です。

(5)認知症の人への支援が統合的に提供されていない

認知症になっても、住み慣れた地域で暮らせるようにするには、早期発見・対応に よる介護・医療をはじめとした支援や、地域ぐるみの理解・支援など、多様な支援が 必要です。また、今後の認知症高齢者の増加を踏まえて取り組みの強化が求められて います。しかし、早期発見・対応が遅れがちである、医療・介護の専門職による対応 や地域による見守りがばらばらに提供されるなど、必要な支援が統合的に提供されて いないことが課題です。

(6)高齢者に対する支援・サービスが十分に周知できていない

様々な環境変化の中、高齢者が住み慣れた地域(小学校区または中学校区)で暮ら し続けるためには、何らかの課題を抱えた場合に、すみやかに支援・サービスを受け られる環境づくりが必要です。しかし、高齢者自身や家族・地域住民等に対して、支 援・サービスについての周知が十分にできておらず、支援が必要になった場合に早期 に支援につなげる仕組みが弱いことが課題です。

(7)在宅生活を送る高齢者の医療ニーズに対応する体制が不十分である

医療や看護が必要になっても在宅で暮らせるようにするには、状態に応じた医療的 処置や、介護と連携して療養を支援する在宅医療・介護サービスが必要です。しかし、

介護サービスとの連携が十分にできておらず、かつ在宅医療サービスの量そのものが 不足しており、在宅生活を送る高齢者の医療ニーズに対応する体制が不十分であるこ とが課題です。

(8)重度の認定者や認知症の高齢者の在宅生活を支える居宅サービスの整備が不十分 である

重度の要介護状態や認知症になっても在宅で暮らせるようにするには、状態の悪化 を防ぎながら、生活する上で必要なケアを行う介護サービスが必要です。しかし、要 介護度が重度の高齢者や認知症高齢者が増加することが見込まれる中、そのような高 齢者の在宅生活を支える居宅サービスの整備が不十分であることが課題です。

2.地域包括ケアシステムのイメージ

基本目標を達成する上での課題を解決し、重度の要介護状態となっても住み慣れた 地域で自分らしい暮らしを続けられるようにするため、本市では 2025 年に向けて地 域包括ケアシステムの構築を目指します。

地域包括ケアシステムとは、高齢者に関わる様々な人や社会資源が、地域の中でつ ながりを持って高齢者の生活を支える仕組みです。その仕組みによって、高齢者本人 や家族の選択に基づいて、高齢者の生活を支える支援・サービス、すなわち福祉、予 防、生活支援、介護、医療、住まいが一体的に提供されることが期待されます。

本市においては、その対象者を高齢者のみならず、障がい児者、子ども等とし、ひ いては市民すべてが病気や高齢になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けるこ とができるまちづくりを進めます。

図表

112

近江八幡市における地域包括ケアシステムのイメージ図 注)数値は平成 25 年度(実績)と平成 37 年度(計画または見込み)。

高齢者の生活を支える支援・サービスは、以下の 4 つの方法で提供されます。

自助:自ら取り組むこと(自分で身の回りの世話をする、健康管理を行う、自費で 民間サービスを購入する等)

互助:地域や身近にいる人どうしで支え合うこと(自治会やまちづくり協議会とい った住民組織やボランティアによる活動等)

共助:リスクを共有する仲間(被保険者)で支え合うこと(介護保険や医療保険な どの社会保険制度及びサービス等)

公助:税によって支援を行うこと(国や自治体が提供する福祉サービス、社会資源 の基盤整備等)

市では、次の図に示すように、高齢者の状態の変化に応じて、自助・互助・共助・

公助がそれぞれ役割を果たしながら支援・サービスを提供することで、基本目標の実 現を図ります。

図表

113

状態像に応じた支援・サービスの展開イメージ

注 1)二次予防事業対象者及び要支援高齢者を指します。

注 2)事業名は平成 26 年度時点の名称であり、平成 28 年度以降、介護予防・生活支援サービス 注 2)事業に移行予定です。

注 3)事業名は平成 26 年度時点の名称であり、平成 28 年度以降、一般介護予防事業に移行予定 です。

平成 37 年(2025 年)に向けて地域包括ケアシステムを構築することで、将来的 に後期高齢者が増える中でも、二次予防事業対象者や認定者の割合を維持したり、さ らには減少させることを目指します。

図表

114

状態像別の人数の推移イメージ

元気高齢者 10,176人

元気高齢者 11,454

元気高齢者 11,068

元気高齢者

二次予防5,878

二次予防 6,718人

二次予防6,864人

二次予防 要支援

617人

824人

907人

要支援 要介護1-2

1,345人

1,872人

2,076人

要介護1-2 要介護3-5

1,049人

1,339人

1,490人

要介護3-5

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000

平成25年度

(2013年)

平成32年度

(2020年)

平成37年度

(2025年)

あるべき姿将来の

全高齢者19,065人(後期9,098人)

※ニーズ調査を 実施した8月時点

全高齢者22,207人(後期11,123人))

全高齢者22,405人(後期12,618人))

(人)

3.サービス・社会資源の整備の方向性

基本目標で掲げたような、心身の状況が変わっても住み慣れた地域で自分らしく暮 らせるまちの実現に向けて、地域包括ケアシステムを構築するにあたり、次の(1)

から(8)に示す方向性に沿ってサービス・社会資源の整備を進めます。

(1)生きがいづくりや地域の担い手としての活躍の促進

基本目標を達成する上で、家庭・社会での役割や生活の充実感を持ち続ける環境が 十分に整備されていないという課題があることを踏まえ、2025 年に向けて、生きが いづくりや地域の担い手としての活躍を促進します。

自治会やまちづくり協議会などの住民組織の活動や、自主活動サークル、ふれあい サロン、老人会、いきいき百歳体操、ボランティア活動、就労など、生きがいや役割 を持つことができるような多様な社会参加の機会の確保を図ります。

(2)民間との連携による多様な生活支援サービスの充実

基本目標を達成する上で、多様な生活支援ニーズに対応できる支援・サービスが不 足しているという課題があることを踏まえ、2025 年に向けて、自治体と民間の連携 による多様な生活支援サービスの充実を図ります。

中でも、自治会、まちづくり協議会単位での近隣住民の声かけや見守りなどのイン フォーマルな支援や、生活支援を提供する民間サービスの普及を進めます。

また、高齢者が必要とする生活支援サービスを選びやすくなるよう、サービスに関 する情報を提供する仕組みの構築を図ります。

(3)社会参加の推進や早期支援を通じた介護予防の促進

基本目標を達成する上で、高齢者自身の介護予防への意識向上と主体的な取り組み が進んでいないという課題があることを踏まえ、2025 年に向けて、専門的な支援を 早期に提供する仕組みづくりと社会参加の推進により、介護予防の促進を図ります。

自治会やまちづくり協議会などの住民組織の活動や、自主活動サークル、ふれあい サロン、老人会、いきいき百歳体操、ボランティア活動、就労など、生きがいや役割 を持つことができるような多様な社会参加の機会の確保を図ります。

また、新しい介護予防・日常生活支援総合事業の導入や、介護予防を推進する民間 サービスの普及を視野に入れ、要支援認定者及び二次予防事業対象者への早期かつ一 体的な生活機能の維持・自立支援の取り組みを推進します。

(4)最低限の生活が保障され高齢者の尊厳が守られる仕組みの強化

基本目標を達成する上で、高齢者の尊厳や財産を守る取り組みが、高齢者や地域の 変化に対応しきれていないという課題があることを踏まえ、2025 年に向けて、最低 限の生活が保障され高齢者の尊厳が守られる仕組みの強化を図ります。

また、誰もが安心して地域の中での生活を継続できるよう、相談から支援につなげ