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解析結果

ドキュメント内 第1章 緒 論 (ページ 83-88)

6.2 提案手法による Trans-Varestraint 試験の解析

6.2.2 解析結果

6.2.2.1 割れ進展のシミュレーション

Fig.6.2.5には、入熱開始後 0.8秒後から0.2秒ごとにおける、負荷完了後

における温度分布および割れを含めた変形図を示している。なお、計算に 用 い た BTR は 、 中 田 ・ 松 田 39)が A5052 ア ル ミ ニ ウ ム 合 金 を 対 象 に

Trans-Varestraint 試験を実施した結果得られた 650〜550 ℃とし、寸法パラ

メータr0は 20 μmとした。また、曲げブロックの曲率半径は、R=1000 mm とした。変形図の右下には、荷重を瞬間的に負荷した時刻と、その時の最 高温度を示している。これらの結果から、ビードが溶融しているt=0.8秒の 場合、または完全凝固後のt=1.4秒の場合においては、曲げ変形を与えても 割れは発生しないことが分かった。一方、溶接線上の温度が BTR内にある

t=1.0 秒および t=1.2 秒の場合には、曲げひずみにより割れが発生している

ことが分かる。

次に、t=1.0秒において曲げひずみを負荷した場合を例に、負荷過程に Fig.6.2.4 Schematic illustration of 2D FEM analysis of Trans-Varestraint test.

Torch

t=t t=t

t=t

t=t

Fig.6.2.5 Temperature distribution and deformation with cracking in Trans- Varestraint test specimen after complete loading.

Fig.6.2.6 Propagation of hot cracking in depth direction of Trans- Varestraint test specimen.

u= 0.0 mm

u= 0.5 mm

u= 1.0 mm (℃)

650 600 550 500 450 400 350 300 250 B

T R

in BTR

(℃) 650 600 550 500 450 400 350 300 250 B

T R

T

max

=623℃ ℃ ℃ ℃ t=1.0 sec T

max

=567℃ ℃ ℃ ℃

t=1.2 sec T

max

=533℃

t=1.4 sec

T

max

=730℃

t=0.8 sec

Fig.6.2.8 Influence of BTR width on crack length and depth (r0=20μm, σcrY=0.6250)

Fig.6.2.7 Temperature dependent yield stress(σY) and critical stress of interface (σcr) for different value of BTR width.

0 5 10 15

500 550 600 650 700

Yield stress BTR100(℃) BTR 75(℃) BTR 50(℃) BTR 25(℃)

σ

Y

cr

 ( MP a)

Temparature (℃) Critical stress

cr

) Yield stress (σ

Y

)

BTR

T

S

T

L

0 1 2 3 4 5

6 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4 BTR100(℃) BTR 75(℃) BTR 50(℃) BTR 25(℃)

Cracked area

Cr ac k  d ep th  fr om s ur face  ( mm )

 Time (sec)

TL T

S T

S T

S T

S

おいて割れが進展する様子を示した図がFig.6.2.6である。曲げブロックの 曲率半径は、R=1000mmとした。負荷変位量uが 0.0 mmから 1.0 mmまで を示している。この図から、負荷が増加するに従い、割れがビード表面か ら発生、進展し、板厚のほぼ 2/3の位置まで成長し、停止している様子が分 かる。

6.2.2.2 割れに及ぼす諸パラメータの影響

解析に用いられる温度依存型界面要素の特性は、BTR幅、寸法パラメー タ r0および高温強度比 (BTR内におけるσcrY)によって定められると考 えられる。そこで、第五章で示したHouldcroft試験の場合と同様に、これ らが割れ深さに及ぼす影響について、曲げブロックの曲率半径Rが 1000mm の場合を例に検討を行った。

Fig.6.2.7に示すように、液相線温度TLを一定とし、固相線温度TSを変化

させた場合において、BTR幅が割れの深さおよび長さに及ぼす影響につい/ Fig.6.2.9 Influence of r0 on crack length and depth

(BTR=650-550 ℃, σcrY=0.6250).

0 1 2 3 4 5

6 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4

r0=60(μm) r0=40(μm) r0=20(μm) r0=10(μm) Cracked area

Cr ac k de pt h  fr om  s ur fa ce ( mm)

Time (sec)

T

L

T

S

Cracked area

Cracked area

Fig.6.2.11 Influence of stress ratio σcrY on crack length and depth (BTR=650-550 ℃, r0=20μm).

Fig.6.2.10 Temperature dependent yield stress(σY) and critical stress of interface (σcr) for different value of stress ratio σcrY.

0 5 10 15

500 550 600 650 700

σcrY=0.8750 σcrY=0.6250 σcr

Y=0.3750 σcrY=0.1250 σcr

Y=0.0125

σ

Y

cr

 ( MP a)

Temperature (℃) Critical

stress (σ

cr

) Yield stress (σ

Y

)

B T R

T

S

T

L

0 1 2 3 4 5 6

0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4

σcrY=0.8750 σcrY=0.6250 σcrY=0.3750 σcrY=0.1250 σcrY=0.0125

Cr ac k  de pth  f rom  sur fa ce ( mm)

Time (sec) Cracked area

T

L

T

S

て調べた結果が Fig.6.2.8である。寸法パラメータr0の値は20μm、高温強

度比σcrYの値は0.6250で一定とした。図中の縦軸は割れ深さ、横軸はト

ーチ位置から解析対象断面までの距離に対応する加熱開始からの時間を示 している。この結果から、液相線温度が同じであれば、BTR幅が最大割れ 深さに及ぼす影響は小さく、その値は2.5 mm程度でほぼ一定であることが 分かる。一方、割れ長さに関しては、おおよそ BTR 長さに対応しており、

BTR内でほぼ完全に割れることが、解析により確認された。

次に、寸法パラメータr0の影響について検討したものがFig.6.2.9である。

この結果から、寸法パラメータ r0が小さいほど割れ深さが大きくなること が分かる。反対に、寸法パラメータ r0が大きく 60 μm の場合には、割れ は発生しない。また、割れ深さについての一般的な傾向としては、BTR 内 の固相側で浅くなることが分かるが、寸法パラメータr0が小さい場合には、

割れ深さはほとんど変わっていない。つまり、温度が BTR内であれば、ほ ぼ完全に割れるものと考えられる。

さらに、Fig.6.2.10に示すように、高温強度比(σcrY)を5通りに変化さ せて、その影響を検討したのがFig.6.2.11である。この結果から、高温強度

比を 0.0125 から 0.8750まで、最大 70倍に変化させたにも関わらず、割れ

深さに及ぼす影響は小さいことが分かった。

以上において、BTR 幅、寸法パラメータ r0および高温強度比(σcrY)が 割れの深さや長さに及ぼす影響について詳細に検討した結果、Houldcroft 試験と同様に、BTR 幅および寸法パラメータ r0の影響が支配的であること が確認できたので、次節以降においては、これら 2 つのパラメータの値を 実験に基づき決定する方法について検討を行う。

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