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横収縮に及ぼす仮付け間隔の影響

ドキュメント内 第1章 緒 論 (ページ 115-123)

BTR: 650-550℃

8.2.3 横収縮に及ぼす仮付け間隔の影響

11 箇所の場合には、case-7 で示したビード溶接の場合とほぼ同様の安定し た横収縮分布が得られている。このことから、仮付けを十分密に施してお けば、ルートギャップの変動が横収縮に及ぼす影響はほとんど無くなり、

定常部が十分に長い、ビード溶接の場合に近い変形が得られることが分か った。

8.3 仮付けおよびルートギャップを

考慮した高温割れ解析

FCB 溶接による大型鋼板の板継溶接時には、溶接条件や仮付け位置など

の影響で、終端割れが発生することが報告 74)されている。そこで、仮付け 位置が終端割れに及ぼす影響について検討を行った。

解析手法は、前章までに用いた高温割れ解析法に加え、今回新たにルー トギャップを考慮できるように改良した解析法を用いた。対象試験片の形 状および寸法は、長さ×半幅×板厚が2000×1000×20 mmの矩形板とし、

溶接条件は、前節で用いた case-A を用いた。界面要素に含まれる寸法パラ

メータr0の値は15 μmとし、BTRは 1200〜1450 ℃とした。仮付け位置を

Fig.8.3.1に示す。図中の case-8は case-1 と同様 x/L=0〜0.2 の位置を仮付け

し、それに加えて終端部の 2箇所、x/L=0.8 および1.0 の位置に仮付けを施 したモデルである。また、case-9の場合には最終端の仮付けが溶接中に外れ たものと仮定し、始端部とx/L=0.8の位置のみに仮付けが施されているモデ ルとした。なお溶接は、終端から450mm の所まで実施されると想定して解 析を行った。

Fig.8.3.1 2 cases of tack weld.

case-8: case-9:

400mm 1200mm 400mm 400mm 1200mm

解析結果を横収縮量で整理したものを Fig.8.3.2 に示す。この結果から、

最終端に仮付けが施されている case-8 の場合には高温割れが発生せず、仮 付けが施されていないcase-9の場合には、x/L=0.8の仮付けが溶融した際に その後方に高温割れの発生に伴う開口変形が溶接部に生じる。このことは、

提案手法を既存の高温割れ解析法と併用することで、仮付け間隔や仮付け 位置が高温割れに及ぼす影響について解析できる可能性を示している。

8.4 板継溶接時の始終端割れの解析

次に、タブ板を有する矩形板の板継溶接時の始終端割れ問題を対象とし て解析を行った。要素分割および形状寸法をFig.8.4.1に示す。長さ2000mml

×幅1000mmの2枚の鋼板の始終端に長さ300mm×幅300mmのタブ板を付

けたものを解析対象とした。また、仮付けは、Fig.8.4.2に示すように、500mm ピッチで3箇所に施した。BTRは 1200〜1450℃とし、寸法パラメータr0を 15μm とした。

Fig.8.3.2 Effect of end tack on hot cracking.

:case-8

:case-9

‑1.5

‑1

‑0.5 0 0.5 1 1.5 2

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

GA P  (m m)

Coordinate in x‑direction (x/L)

Tack

Tack Tack

Crack Gap

入熱量および溶接速度が始端割れの発生に及ぼす影響について検討を行 った結果をFig.8.4.3 に示す。その結果、特徴的な割れの形態として、2つの タイプに分類することができた。一つは、Fig.8.4.4(a)に示す様な、割れが主 材にまで進展する連続的な割れであり、もう一つは、Fig.8.4.4(b)に示す様な、

割れが途中で停止するものである。連続的な割れは、入熱量が大きな場合 に発生し、途中で停止する割れは入熱量が中位で溶接速度が大きい場合に 発生した。また、入熱量および溶接速度が小さい場合には、Fig.8.4.4(c)に示 すように割れは発生しない。

次に、入熱量を360J/mm2とし、割れの発生と直接的な関係が予想される Fig.8.4.2 Schematic illustration of position of tack welds.

Fig.8.4.1 FEM mesh division for end cracking under butt welding (half model).

150mm

850mm 2000mm

300mm

starting point of welding

Tab plate

500mm

Position of tack weld

Ending point of welding

Tab plate

LS LE

溶接開始位置と割れの関係について調べた結果を Fig.8.4.5 に示す。縦軸は 溶接速度、横軸は始端側のタブ板端部における最高温度である。図中の▲

印は連続的な割れ、△印は停止する割れ、○印は割れが発生しなかった場 合を表している。図中の曲線は、溶接開始位置を示している。この結果か ら、溶接開始位置 Lsが始端部 Ls=0に近づく程、割れが発生しやすいことが 分かる。また、端部最高温度に着目すると、その値がBTRすなわち1200℃

以上の場合に、ほぼ全てのケースで割れが発生することが分かる。

同様にして、終端割れの場合についての解析結果を Fig.8.4.6 に示す。図 中の▲印は終端割れの発生を示しており、○印は割れが発生しなかった場 合を表している。この場合にも、入熱量および溶接速度が大きい場合に終 端割れが発生することが分かった。その時の割れは、Fig.8.4.7(a)に示すよう に、全ての場合において、最終端よりも300mm 程内側の、主材とタブ板の 境界部に発生することが分かった。また、入熱量および溶接速度が小さい 場合には、Fig.8.4.7(b)に示すように、割れが発生しない。Fig.8.4.8には溶接 終了位置と割れの関係を整理した結果を示している。Fig8.4.8 は、溶接終了 位置と割れの関係を示している。図中の曲線は、溶接終了位置を示してい

Fig.8.4.3 Effect of welding condition on starting end cracking.

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600

0 100 200 300 400 500 600 700 800

We ld in g  sp eed  v ( mm /min )

Heat input Q/h (J/mm

2

)

(a)

(c)

(b)

Fig.8.4.4 Typical modes of starting end cracking.

(b) arrested crack

(c) no crack (a) continuous crack

(℃) 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200

Crack

Crack

Fig.8.4.6 Effect of welding condition on end cracking.

Fig.8.4.5 Effect of welding condition on starting end cracking.

Ls=80mm Ls=60mm

Ls=40mm

BTR

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600

0 500 1000 1500 2000 2500

We ldi ng  s pe ed v  (m m /m in)

Max. temperature at starting edge (℃)

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600

0 100 200 300 400 500 600 700 800

We ldi ng  s pe ed  v  ( mm /m in)

Heat input Q/h (J/mm

2

)

(a)

(b)

Fig.8.4.7 Typical modes of end cracking.

Fig.8.4.8 Effect of welding condition on end cracking.

LE=40mm LE=80mm

LE=60mm

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600

0 500 1000 1500 2000 2500

We ldi ng  s pe ed v  (m m /m in)

Max.Temperature at ending edge (℃) 750

Crack (℃)

1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200

(a) with crack

(b) no crack

る。この結果から、溶接終了位置である LEが終端部である LE=0 に近づく 程、割れが発生しやすいことが分かる。また、端部最高温度に着目すると、

始端割れの場合とは違い、その値が力学的溶融温度 750℃以上の場合に、全 てのケースで割れが発生することが分かる。このように、提案手法を用い た解析により得られた結果は、始端割れと終端割れとでは割れ発生条件が 異なることを明確に示している。

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