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45% ESR=0,01666 SAR+0,1122

4.5. 要   約

本章 で は

,土

壊姉類化 ・アル カ リ化 過程 にお け る土 壌 固相/溶液相 間 の化 学平衡 を考 慮 して論 じる ことを 目的 と して

,二

種 類 の粘 土 鉱 物 (モ ンモ リロナイ ト

,イ

ライ ト)

を用 いて

,ESR― SAR関

係式 の確 立 を試 み る と同時 に

,乾

燥 地土壌 の陽イ オ ン交換特 性 につ いて検 討 した。

Ca一

Na交

換平衡溶液 の濃度が低 く

,S/mが

大 きいほ ど

,拡

散二重層 の厚 さが増加 し, 分散 が 引 き起 こされやす か った 。 また

,粘

土含 量 の増加 に伴 い交 換 性 ナ トリウム の量 は増加 したが

,ESPは

減 少 した。

上記の ことを踏 まえ

,そ

れぞ れの粘土試料粘土含量 によるESR―シ

R関

係式 を導 いた, これ まで報告 され′て い る

Kcと

は異 な り

,高

い値 が算 出 され た。乾燥 地土 壊 中 には可溶 性塩類 が多 量 に存在 して い るた め に

,交

換性 塩基

,CECの

測 定 には様 々な 問題 が 生 じ て い るた め算 出 され る鳴 に誤差 が生 じてお り

これ まで の報告 されて いる

KGは

低 く算 出 されて いた 。 また

,算

出 され た鳴 は粘土鉱物 の種類お よび含 量

,土

壌溶 液 の濃度 お

よび組成 によ って異 な って いた 。表 面荷 電 密度 の高 さ

,層

荷 電 が大 き さ によ る原子 価 効果 によ り

,イ

ライ トの方 が モ ンモ リロナイ トに比較 して

KGが

高か った 。 また

,溶

液 の濃度 が高 い ほ ど職;が高 く

,溶

液 の濃度 が低 いほ ど氏3が低 か つた 。 また

,粘

土含 量が 低 い土壌 ほ ど

KGは

高 く

,粘

土含 量が高 い土 壌 ほ ど

KGは

低 か つた。

以上 の ことか ら

,砂

質農地 で は比較 的塩類 は下層 に洗脱 されやす い環境下 にあるが, 陽イ オ ン交換 反応 が,Na引 吸着

/Ca2+放

出 に進行 しや す い環 境下 に置 か れ る こ とによ り

ESPが

急速 に上昇 され る といえた。一方

,粘

質農地 は

,陽

イ オ ン交 換反応 は

,比

較 的,

Na+吸

/Ca2+放

出へ の進行 は抑 え られて い る環 境下 にあ るが

,灌

漑や 施肥 によ って塩 類 が土壌 中 に付加 され る こ とによ って

,土

壌 中 に塩 類 が集 積 しや す くな り

,塩

類 濃 度 が増加す る ことによって

ESPは

上昇す る といえた。

‑105‑

5章  

総 合 考 察

本論文 で述 した灌漑農地 の土 壌 断 面 内 の 塩 類 動 態 は 各 地 域 に よ っ て 異 な り

,そ

の こ と に よ っ て

,土

壌 の 塩 類 化

,ア

ル カ リ化 過 程 は 異 な っ た

.そ

の 差 異 は

,土

壌 の 性 質

,土

壌 中 の 集 積 塩 類 の 量 。組 成

,灌

漑 水 の 量 ・ 水 質

,灌

漑 方 式

,管

理 歴 等 が 大 き く関 与 す る支 配 要 因 で あ る と考 え られ た.

5,1.塩

類 の 溶 解 特 性 の 把 握 の 意 義

乾燥地土 壌 中の集積塩類 の量 。組成 は多様 で あ り

,溶

解 度 の異 な る塩類 が共存 して いるため

,土

壌溶液 中 に溶存す る塩類 は農地 お よび水 分条件 によって大 き く異 な る。

そ の ことによ り

,土

壌 の性質

,灌

漑方 法

,灌

水 量 によ って土壌 溶液 中の塩 類形態 も大 き く変化 す るた め

,土

壌 断面 内 にお ける塩 類動態 が大 き く異 な って くる と考 え られ た。

多量 の灌漑水 の付加 によ って

,塩

類 はそれぞ れ の溶解 度積 に従 い溶解 され

,解

離状態 のイ オ ン と して存在 しやす い。 しか し

,蒸

発散 な どによ る土 壌 の乾燥 に伴 い土 壌水 分 が低 下 して くる と

,易

溶性塩類 の解 離 イ オ ン濃度 が ほぼ反 比例 的 に増加 され る と同時 に

,難

溶性姉類 中のイ オ ンの解 剛とは抑 え られ

,イ

オ ン対

,沈

殿 を生成 しやす い環境 に な る と考 え られ た。そ の ことによ り

,土

壌溶液 中 に 占め る塩 類 の割合 は

,集

積塩類 の 量 よ りも相対 的 に異 な って くる と考 え られた 。

砂 質農地で は

,灌

漑 によって溶解 され た塩 類 は下層 へ洗脱 されやす い。そ のため,

土壌 溶液 濃度 は低濃度 に抑 え られ るが

,灌

漑水 の影 響 によ り

,土

壌 中の塩 類組成お よ び土 壌溶液 中のイ オ ン組成 は絶 えず変化 し易 い環境 下 にある と考 え られ た。灌漑 によ り

,易

溶 性 塩 類 は 比 較 的 多 量 に溶 解 され る た め

,溶

解 され た 難 溶 性 塩 類 中 の イ オ ン は

,イ

オ ン対 の 生 成 と有 効 濃 度 の低 下 を 引 き起 こ し易 い環 境 下 に な り

,洗

脱 され る と考 え られ た 。 したが って

,土

壌 中 の 集 積 塩 類 の 洗 脱 効 果 お よ び 土 壌溶液 中のイオ ン組成変 化 は

,利

用 す る灌 漑 水 の 量 お よ び 質 に左 右 す る と考 え られ た 。

一方

,粘

質農 地 は土壌 中 に灌漑水 を滞 留 し易 く

,灌

漑 によって溶解 した塩 類 は下 層 へ洗脱 しに くい環境下 にある。そ して

,蒸

発 散 によ り土 壌水分量が低下す る と

,土

溶液 中の易溶性塩類 に起 因す る解 離 イ オ ン濃度 が ほば反比例 的 に増加 され る と同時 に,

難溶 性塩類 に起 因す る解 離イ オ ンの生成 は抑 え られ

,非

荷 電 イオ ン対 お よび沈殿 を生 成 しやす い環 境 にな る と考 え られた。最終 的 には易溶性塩類 も土 壌 に残存 し

,施

与 し

‑106‑

た灌 漑水 ・肥 料 中の塩類 の大 部分が土壌へ付加 され る結果 にな る と考 え られた。土 壌 溶液 中で は

,一

価 イ オ ンのナ トリウム塩 は解 離 イオ ンの形態 として存在す る一方

,二

価 イオ ンのカル シウム塩

,マ

グネ シウム塩 な どは非解 離 イオ ンの形態 で存在 して いる と考 え られフた。各塩類 の沈澱 は

,そ

れぞ れ の溶解 度積 によって支 配 され て いるため,

土壌 の乾燥 に伴 う土壌溶液 の濃縮 によ り

,難

溶 性塩類 の沈殿 が生成 され

,土

壌 溶液 中 の

Ca2+,Mg2+濃

度 は一定 とな る一方

,Na+濃

度 は増加 し続 けた

,つ

ま り

,土

壌溶液 中 の

Ca2+,Mg2略

J合が減 少す る とともにNa+害]合が増加す る ことによ り

,ECと yRが

速 に増加 した 。 また

,SAIRの

増加 は土 壌溶液濃度 が高 くな るほ ど顕著 で あった。

多様 の塩 類が共存す る乾燥地 で は

,土

壌溶液 中の易溶性塩類 に起 因す る解 離 イ オ ン は増加す るが

,難

溶性塩類 に起 因す る解 離 イオ ンは低下す る

,土

壌溶液 中のイ オ ン活 量 と

,植

物 によ るそ の吸収量 の間 に高 い相 関が ある ことか ら

,作

物 の吸収 阻害が生 じ′ る と考 え られ た。

乾燥地農 業 開発 の重要 な技術課題 の一つ に貴重 な水 の有効利用 にあ るが

,土

壌溶 液 中の塩類 の存 在 形態 の変化 を知 る ことによ って

,適

切な改 良資材 ・灌漑水 量 の施 与量 お よび時期 な どきめ細や か な土 壌管理 が必 要で ある。

5.2.土壊 固相/,容液 相 間の化学平衛 の 把 握 の 意 義

土壌溶液 中の塩類濃度や組成 とともに土 壌 固相 中の塩基組成 に も変化 が生 じて いる ため

,土

壌 固相/溶液相 間 の化 学平衡 は灌漑 と乾燥 の繰 り返 しの環 境 によ り絶 えず 変動

して い る。

砂 質農 地 で は

,塩

類 は下層 に洗脱 されやす いが

,土

壌 の陽イオ ン交換 反応 は

Na+吸

/ca2+放出 に進行 しやす い環境下 に置かれて いるため

,ESPが

急速 に上 昇 し

,ソ

ー ダ質 土壌 が生成 されやす い ことが 明 らかで あった

.砂

質農 地で は

,土

壌 の膨 潤 に伴 う土 壌 物理性 の悪 化 は懸念 され な い。 しか し

,土

壌 中お よび灌漑水 中にナ トリウム炭 酸塩 が 含 まれて い る時

,土

壌溶液 中の

Na+,HC03 の

存在割合 が増加す るた め

,土

壌 の ソー ダ 質化 に起 因す る

pH上

昇が懸 念 され た。

一方

,粘

質農 地で は

,土

壌 の陽イオ ン交 換反応 は

,比

較 的

,Ca2+吸

/Na+放

出へ進 行 しやす い環 境 で あるが

,土

壌 中 に塩類 が集 積 しやす く

,蒸

発 散 によ り土 壌溶液が濃 縮 され るにつれて

,難

溶性 のカル シウム塩

,マ

グネ シウム塩 の沈殿 が生成 され る一方,

Na+割

合 が増加 しす るため

,き

限 が増加 す る と考 え られた。つ ま り

,塩

類集積 の進行 に 伴 って

SARの

増加が 引き起 こされ

,そ

の結果

,土

壌 固相 に

Na+が

吸着 され 易 くな り,

‑107‑

ESPは 増加すると考えられた .土 壌溶液 が X倍 濃縮 され る と SARは X1/2倍 以上 にな る ことか ら ,塩 類化過程 と同時に ,ソ ーダ質化が急速に進行することを示唆 していた。

乾燥地環境下では ,CaC03の 低 い溶解度積 によって土壌溶液 中の

Ca2■

,Hc03 濃

度 が一定水準以上 に上が らない とい う事実か ら ,塩 類化が進行す る過程で ,ソ

ダ質化 は不可逆的 に進 む と考 え られた。そ して ,土 壌 のアル カ リ化 は ソー ダ質 化 によって助長 され る といえた

,

以上のことか ら ,灌 漑農地では ,土 壌の性質によって土壌固相

/溶

液相間の化学平 狗 も異なってお り ,そ のことは塩類動態にも影響を及ばし ,土 壌塩類化 ,ア ルカ リ化 過程 も大きく異なっていると考えられた。これ らのことは灌漑農地の集積塩類量・組 成および土壌の性質による塩類動態を把握する上で重要なことである

.

5.3.灌

漑農地における塩類動態 の要因

5.3.1,メ

キシコ・カ リフォルニア半島中央部の灌漑農地

ゲ レロネグロではわずか数年の灌漑によ り集積塩類量 。組成が変化 し ,塩 類の洗脱 に伴い土壌 pHが 著 しく上昇 した。ゲ レロネグロの農地周辺の自然土壌の調査土壌断面 内には ,一 般的に ,30〜 40cmの 厚 さで Cas動 の沈積 している層が土壌断面内に堆積さ れていた。農地は切 り盛 りによ り造成されたため ,CaS04集 積層が農地では異なる深 さになった と推察 された。そ こで ,灌 漑開始前には CaS04が 多量に沈積 していた と推 察 される赤褐色層を農地の灌漑に伴 う塩類動態 を探る上での鍵層 と判断 し ,第 5‑1表 に

灌漑前後の土壌飽和抽出液の活量 ,第 51図 に土壌飽和抽出液中の塩基量および活量の 存在割合を示 した。 ECe値 は

3.4dS m 1か

ら0,8dS m lお よび

0.9dS m lに

低下 し ,塩 類 は洗脱されたが ,pHは

8.1か

8.8お

よび

9,0に

上昇 した。灌漑後 ,土 壌飽和抽出液中の

C♂+お

よびso42の 活量の存在割合が減少し,Na十 ,cl,HC03の 存在割合が増加 した。

また ,各 イオン対はほとんど減少 したが ,炭 酸塩イオン対が増加 した.Na・ ,HC03 濃

度が高い灌漑水を利用 しているため ,Na2C° 3'NaHC03が 土壌中に沈積 した結果で あると考え られた。 Na2C° 3'NaHC03は CaC03'Mgco3に 比較 して高い溶解度 を 示すため ,土 壌飽和抽出液中のナ トリウム炭酸塩の溶存濃度が高 くなった と考え られ る .灌 漑の結果 ,土 壌溶液中に易溶性塩類の占める割合が増加された結果 を反映 して いた。さらに ,灌 漑 によ る CaS04の 溶解 によ り ,Ca2+が 生成 され たが ,当 地 で は

Na+濃 度 の高 い灌 漑水 を利用 して いるため ,Ca2+ょ り多量 の

Na十

が 付加 されて い た。 さ らに ,砂 質農地であることか ら ,陽 イオン交換反応 は ,Nが 吸着/Ca2+放 出に

‑108‑