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第1章  総則

第4節  被害想定

   

香川県では、香川県地震・津波被害想定を公表している。以下は、本報告における観音寺 市の被害想定である。 

 

第 1   基 本 的 な 考 え 方  

香川県では、東日本大震災を教訓として、地震及び津波防災対策の強化・推進を図るため の施策の一つとして、「香川県地震・津波被害想定」を公表した。この報告は、海溝型(南海 トラフ)及び直下型(中央構造線・長尾断層)の大規模な地震が発生した場合を想定して、

香川県内各地の揺れや液状化、津波等による被害を科学的・定量的に予測したものである。 

「香川県地震・津波被害想定」は、平成 24 年に公表された中央防災会議による「南海トラ フの巨大地震による被害予測」及び最新の知見をもとに実施され、特に南海トラフを震源とす る海溝型地震については、

※ 1①最大クラスの地震・津波、

※ 2②発生頻度の高い地震・津波を 想定しており、今後の南海トラフ巨大地震対策の基礎資料として利用するものである。 

なお、自然現象は大きな不確定要素を伴うことから、被害想定には一定の限界があること に留意するものとする。 

※ 1  最大クラスとは、千年に一度あるいはそれよりもっと低い頻度で発生するが、発生 すれば、甚大な被害をもたらす最大クラスの地震・津波である。 

※ 2  発生頻度の高いものとは、一定の頻度(数十年から百数十年に一度程度)で発生し、

最大クラスに比べ、規模(震度や津波高)は小さいものの、大きな被害をもたらす地震・

津波である。 

 

第 2   地 震 ・ 津 波 被 害 想 定  

香川県では、南海トラフ、中央構造線、長尾断層を震源とする大規模地震を想定し、地震・

津波被害想定を公表している。このうち、南海トラフ、中央構造線を震源とする地震につい ては、本市は震度7と予測されており、震度想定で最も高い値を示すことから、本市の計画 で想定する地震は「南海トラフを震源とする海溝型地震」及び「中央構造線を震源とする直 下型地震」とする。 

 

【想定ケースの基本事項】 

南海トラフを震源とする海溝型地震 地震のタイプ

最大クラス 発生頻度の高いもの

中 央 構 造 線 を 震 源 とする直下型地震 マグニチュード

【地震】Mw9.0

【津波】Mw9.1

【地震】Mw8.7

【津波】Mw8.7

M8.0

断層モデル

【 地震 】内 閣府 公表

(24.8.29)の 強 震 断 層

モデル4ケース(基本 ケース、東側ケース、

西 側ケ ース 、陸 側ケ ース)を採用

【 津波 】内 閣府 公表

(24.8.29)の 津 波 断 層

モデ ル 11 ケ ースの う ち、 各市 町ご とに 浸 水状 況に 影響 を及 ぼ す ケ ー ス を 採 用

(本市は、ケース7)

【 地震】2003 年中央 防災会議東南海・南海 地震2連動モデル、同 3 連動モデル、宝永地 震(相田モデル)、安政 南海地震(相田モデル) を採用

【 津波】2003 年中央 防災会議東南海・南海 地震2連動モデル、同 3連動モデルを採用

文 部 科 学 省 地 震 調 査 研 究 推 進 本 部 が 設定した 4 ケース を採用

評価単位

震度分布、液状化危険度は、125m× 125mメッシュ 津波は、10m× 10mメッシュ

人 的 ・ 物 的 被 害 の 季 節 ・ 時 間 帯 の 設

①冬深夜、②夏昼12時、③冬夕方18時

※ 風速は、内閣府と同様、8.0m/sとした。

※ Mw:モーメントマグニチュード 

規模の大きな地震に対しては、気象庁マグニチュードは、地震の原因である地下の 岩盤のズレの規模を正確に表わせない。そのため、巨大地震の規模を物理的に評価す るのに適し、国際的にも広く使用される指標「モーメントマグニチュード」を用い、

南海トラフを震源とする地震の規模を表わすものとする。 

※ M  :マグニチュード 

一般的にマグニチュードといえば、日本では、気象庁マグニチュードを示し、地震 計で観測される波の振幅から計算した地震エネルギーを表わしている。 

     

1  南海トラフを震源とする地震  ( 1)   最大クラスの地震 

ア  地震動 

観音寺市は非常に強い揺れが予想され、臨海部で震度7、市中央の平野部などで 震度6強となっている。 

 

イ  液状化 

液状化危険度がAランクの地域は、臨海部をはじめ、財田川・柞田川の周辺に分 布している。観音寺市は、砂質の地盤で、海岸沿いにあるため地下水位が高く、液 状化が起こりやすい。 

 

ウ  津波浸水 

次に、津波浸水の予想図を示す。 

・室本・観音寺 

 

・観音寺・伊吹 

 

・大野原・豊浜 

   

                 

※ 津波は自然現象であり、不確実性を伴い、また、現 在の科学では限界があることなどから、上図以上の津 波が来ることもある。

「この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行 の数値地図25000(地図画像)を複製したものである(承

認番号  平成24情復、第930号)」  (C)Esri Japan

( 2)   発生頻度の高い地震  ア  地震動 

観音寺市は強い揺れが予想され、臨海部で震度6弱、市全域で震度5強となって いる。 

 

イ  液状化 

液状化危険度がAランクの地域は、臨海部及び財田川周辺に分布している。 

 

ウ  津波浸水 

次に、津波浸水の予想図を示す。 

・室本・観音寺 

 

・観音寺・伊吹 

 

・大野原・豊浜 

   

                   

※ 津波は自然現象であり、不確実性を伴い、また、現 在の科学では限界があることなどから、上図以上の津 波が来ることもある。

「この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行 の数値地図25000(地図画像)を複製したものである(承

認番号  平成24情復、第930号)」  (C)Esri Japan

( 3)   津波予測(最大クラスの地震) 

ア  海面変動影響開始時間 

海面変動影響開始時間とは、海辺にいる者の人命に影響が出る恐れのある水位の 変化(± 20c m)が生じるまでの時間である。 

観音寺港では、地震発生から 18 分後に+20c mの海面変動が始まる恐れがあるた め、揺れがおさまり次第、速やかに避難を行う必要がある。 

 

また、香川県内主要港湾の海面変動のパターンは東西で異なり、香川県東部では 第2波・第3波と繰返し津波が来襲する。一方、観音寺港では、海面は時間をかけ てゆっくり上昇し、上昇後は高い水位のまま長時間とどまると予想される。 

 

 

イ  最高津波水位(最大クラスの津波) 

次に、最高津波水位(T. P+m)を示す。 

観音寺港における最高津波水位は 3. 4m( T. P+m) で、到達時間は地震発生後約6 時間 54 分後となっている。 

なお、平成 24 年 8 月 29 日に内閣府が公表した最高津波水位は 3. 19mで、その内 訳は年間最高潮位 1. 95m( T. P+m) 、地盤沈降量 0. 70m、津波高 0. 54mである。 

 

2  中央構造線を震源とする地震  ( 1)   地震動 

観音寺市は非常に強い揺れが予想され、臨海部をはじめ、財田川や大野原町丸井周 辺で震度7、市中央の平野部などで震度6強となっている。 

 

( 2)   液状化 

液状化危険度がAランクの地域は、臨海部をはじめ、財田川・柞田川の周辺に分布 している。観音寺市は、砂質の地盤で、海岸沿いにあるため地下水位が高く、液状化 が起こりやすい。 

 

3  建物被害(想定シーン:冬 18 時、南海トラフ最大クラスの被害) 

香川県全体での全壊・焼失棟数は 35, 000 棟である。 

観音寺市は、地震動や津波による倒壊棟数(全壊)が 5, 480 棟、地震火災による焼失棟 数が 2, 200 棟に達しており、香川県内で最も被害が大きくなっている。 

4  人的被害(想定シーン:冬深夜、南海トラフ最大クラスの被害) 

観音寺市の地震による人的被害は、死者が 790 人、負傷者が 2, 500 人となっており、地 震災害による避難者の見込みは 21, 700 人となっている。そのうち 8, 700 人が避難所以外へ 避難すると想定されている。 

5  ライフライン被害(南海トラフ最大クラスの被害) 

観音寺市の地震によるライフライン被害は、上水道の断水人口が 54, 000 人(88%)、停 電軒数が 33, 000 軒(100%)、通信(固定・携帯電話)の不通回線数が 14, 000 回線(78%)

となっている。 

6  災害廃棄物等(南海トラフ最大クラスの被害) 

観音寺市の地震・津波による災害廃棄物等は、災害廃棄物が 279, 000 トン、津波堆積物 が 274, 000〜439, 000 トンと想定されている。 

   

[参考資料] 

20−  1  香川県地震・津波被害想定  20−  2  観音寺市の被害想定