1000 500
女 児 男 児
年 長 児 年 中 児
Figure 303‐2。 幼稚 園生活 にお けるある一 日(10時か ら
13時 30分
まで)の年 中児 と年長児 の性別群別 の歩数 の平均値 と標準偏差Table 3‐3‐1.図形描画課題 の各指標 と歩数 に関す る相 関係数。
所要時間
聯 囃
̲̲̲̲̲墓
教示抑制教示
促進教示
無教示
逸脱回数抑制教示
促進教示
衝動性得点
非効犠
激 .02 ■12 。02 ■21*林 ■04 ■11 ■lZト ■13昧 注 *p〈.10,**p〈 」
05梯
メ.01歩数 との間に有意 な負 の相 関(r=‐。18,メ。05)が認 め られ た。
以上 よ り
3つ
の ことが明 らかに された。1つ目は、図形描画課題 の無教示試行 で逸脱 回 数 の少 ない対象児 は、歩数の多い ことが示 され た。2つ
日は、図形描画課題 の衝動性得点 の低い対象児 は、歩数 の多い傾 向が示 された。3つ
目は、図形描画課題 の非効率性得点の 低 い対象児 は歩数 の多い ことが示 された。 したがって、 日常生活 において活動性 の高い幼 児 は無教示試行 下での逸脱回数が少 な く、 自己抑制行動が選択可能で、また課題 を行 う際 に効率的な方法で課題 を行 うことが示 された。3‑3‑4
考 察本研 究は、寺沢 ら(2000)や 寺沢 ら(2001)に習 って運動調整 と日常生活 にお ける活動性 と の関連性 を検討 した。その結果、図形描画課題 の無教示試行で逸脱回数 の少ない幼児 は、
万歩計で測定 した歩数 の多い ことが明 らかに され た。 また、衝動性得点の低い幼児 は万歩 計 の歩数の多い傾 向 も示 された。 これ らは、寺沢 らの研究 と同様 の傾 向を示 してお り、 日 常生活 にお ける活動性 の高い子 どもの運動調整 が よ りよく発達 してい るとい う結果 を支持 す る と考 え られ よ う。次 に、非効率性得点 と歩数 との間に負 の相 関が認 め られ た ことにつ いて考 えてみ る と、非効率性得点の低い効率的な方法で課題 を行 う幼児 は、万歩計で測定
され る活動性 の高い こ とが示 された。
以上 よ り、本研 究において も寺沢 らの研 究同様 、 日常の活動性 の高い幼児の方が図形描 画課題 で測 定 され る手 の運動調整 の優れてい ることが明 らかに された。特 に、逸脱回数 に おいてその傾 向が顕著 に示 され、 日常生活 において活動性 の高い幼児 は決 め られ た枠 か ら はみ出 さない とい う正確性 を伴 った精巧 な手の運動調整 の可能 な ことが明 らかに され た。
身体 を活発 に動かす とい うことは、幼児 に とつては心身の発達 において欠かせ ない要因で あ り、活動性 の高い(意味のある活動性 が高い)こ とは、む しろ子 どもの脳 の発達 に良い影
響 を及 ぼす のではないか と考 え られ る。今後 の課題 としては、運動調整が高 く、活動性 の 高い幼児 の活動性 を具体的 に示 し、 どの よ うな行動 が運動調整 と関わ りが深 いのかについ て検討す る必要性 があげ られ る。
3‑4
研 究7:
幼 児 を 対 象 と した 社 会 的 ス キ ル 尺 度 、 自 己 抑 制 尺 度 と図 形 描 画 課 題 の 関 連 性 に つ い て3‑4‑1
目的自己調整機能 も社会的スキル も、人間社会 において社会生活 を送 つてい く上で大変重要 な手段 である。森下(2001)は、問題行動 との関連性 において、 自己主張行動が高 く自己抑 制行動 の低 い子 どもに攻撃性 の高い ことを示 した。 また、中台(2002)は、内在化 した問題 行動 、例 えば、引つ込み思案 な どは、年長男児 において 自己抑制行動 の低い子 どもに多 く 見 られ ることを示 した。 この よ うに、 自己抑制行動 と社会的スキルの諸側面は互いに関連 性 の高い ことが先行研究 によって明 らかに されてい る(大内・長尾 0櫻 井
,200&佐
藤・佐藤・高 山
,1993;佐
藤・金 山,2001)。 幼児 の社会的スキル を測定す る尺度 は、中台・ 金 山 (2002)に よつて作成 され てい る。彼 らはKing&Krshenbaum(1992)に
基づ き、社会的ス キル を 「ある環境 の中にある特定の状況 にふ さわ しい行動であつて、かつ望ま しい結果 と 関連 してい る社会的行動」 と定義 した。ところで、幼児 の社会的スキル と自己抑制行動 との関連性 を検討す る場合 において、 自 己抑制行動 が実験的に測定 され ることは少 ない。 日常生活 にお ける自己抑制行動が社会的 スキル尺度 で測定す る社会的スキル を予測できれ ば、 自己抑制行動 を高めることによつて 社会的 スキル を高 め られ る可能性 が考 え られ る。 したがつて、実験的 に測定 された 自己抑 制行動 と社会的 スキル尺度 との関連性 について明 らかにす ることは研 究的価値が高い と考 え られ る。 そ こで、本研 究では幼児 を対象 として、社会的スキル と実験的に測定 した 自己 抑制行動 との関連性 を明 らかにす るこ とを 目的 に研 究 を行 つた。社会的スキル の測定には、
先行研 究で頻繁 に使用 され てい る中台・金 山(2002)に よつて作成 され た社会的 スキル尺度 を使用 した。 自己抑制行動 については、実験的手法 によつて図形描画課題 で手の運動調整 を測定 した。 さらに、本研 究では、社会的スキル尺度 と短縮版 自己抑制尺度 の得点 との関 連性 について も検討 した。
3‑4…2 ブゴ蕩晨
(1)対象児 および調査対象者
本研 究は、京都府京都 市内にある私立幼稚園に在籍す る幼稚園児
81名
を対象 として行 われ た。その内訳 は、年 中児42名(男児22名、女児20名)で平均年齢 は4。33歳
(SD=。53)と、年長児39名(男児 17名 、女児22名)で平均年齢 は5。
23歳
(SD=。42)であつた。短縮版 自己抑制尺度 と社会的スキル尺度 の記入 は、各 クラスの担任教諭 によつて行 われた。(2)材料
社会的スキル尺度
本研 究で使用 した質 問紙 は、中台・金 山(2002)に よつて作成 され た社 会的スキル を測定す る尺度 である。本尺度 は、社会的スキル(領域)と問題行動(領域)の
2つ
の下位 尺度 をもつ。社会的スキル領域 とは、円滑な人間関係 を営むために必要 な行動で、
「主張スキル」、「自己統制スキル」、「協調スキル」の
3因
子12項
目で構成 され てい る。問題行動領域 とは、人間関係 を阻害す る行動で、「不注意・多動行動」、「引つ込み思案行動」、
「攻撃行動」の
3因
子13項
目で構成 され てい る。いずれ も回答 は、。「まった くみ られない (1点)」 か ら 「非常によくみ られ る(5点)」 の5件
法で行 われ る。得点化 については、領域 ごとに総得点 を計算 し、社会的スキル総得点、問題行動総得点 とす る。社会的スキル総得 点 については、得点が高いほ ど社会的スキル の優れ てい ることを示す。 また、問題行動総 得点 については、得点が低 いほ ど、問題行動 が少 ない ことを示す。 なお、社会的スキル尺 度 の全項 目については附録Eに
載せ た。社会的スキル領域 の「主張スキル」については項 目1か
ら5で
測定 し、「自己統制 ス キル」 については項 目6か
ら9で
測定 し、「協調 スキル」については項 目
10か
ら12で
測定 され た。問題行動領域 の 「不注意・多動行動」について は項 目13か
ら16で
測定 され、「引つ込み思案行動」 については項 目17か
ら21で
測定 さ れ 、「攻撃行動」 については項 目22か
ら25で
測定 され た。自己抑制尺度
本研 究で使用 した 自己抑制尺度 は、研 究
4aで
作成 され た短縮版 自己抑制 尺度(赤尾,2008)で、「遅延 可能(待て る)」、「フラス トレー シ ョン耐性 」、「持続 的対処・根 気」の3因
子計13項
目で構成 されていた。各項 目への回答 は、「ほ とん どない(1点)」 か ら 「きわめて多い(5点
)」 までの5件
法で、得点が高いほ ど自己抑制傾 向の高い ことを示 し、 この尺度 の最低得点は13点
で最高得点は65点
であった。図形描画課題
赤尾(2008)の図形描画課題 を実施 した。課題 の手続 き、指標 、測定方法 は、
研 究 1と 同様 であつた。
(3)要因計画
本研 究の要因計画は、図形描画課題 の衝動性得点 を使用 した衝動性群
(2:熟
慮群 、衝動 群)であった。(4)手続 き
幼稚 園教諭 に対 して、短縮版 自己抑制尺度 と社会的スキル尺度 を配布 し、記入 を求 めた。
短縮版 自己抑制尺度 と社会的 スキル尺度 の記入 の間隔は
4ヶ
月であつた。 なお、 これ は、幼稚園教諭 に配慮 したためであ り、学期 の休み期 間に幼稚園教諭 に各質問紙 の回答 をお願 い した。対象児 については、
2つ
の質問紙 の記入期間の間に個別 に幼稚園の図書室 で図形 描画課題 を行 つた。 なお、実験者 は筆者 のみであつた。3‑4‑3 率吉J艮
(1)図形描画課題の衝動性得 点で分 けた熟慮群 と衝動群における社会的スキル尺度 と短縮 版 自己抑制尺度 に関す る分析
本分析 では、図形描画課題 の無教示試行 の所要時間 と逸脱回数 の標準得点 を使用 して算 出 した衝動性得点(式
1,29頁
参照)によって、上位 下位20%と
なる熟慮群 と衝動群 を選 出 した。各群 16名 で構成 され ていた。熟慮群 は年 中児5名(男児 1名 ・女児 4名)と、年長児 11名(男児6名・女児5名)で平均年齢5。00歳
(SD=。52)であつた。衝動群 は年 中児 14名(男 児8名 0女 児6名)と、年長児2名(男児 1名 ・女児 1名)で
平均年齢4。31歳
(SD=。48)であ った。熟慮群 と衝動群 の年齢 について ォ検定を行 なった ところ群 間に有意 な差が認 め られ た(ι(30)=3。91,ノ <。01)。 したがって、衝動群 の方が年齢 の低い ことが示 され た。Figure 3‐401(106頁 参照)には、熟慮群 と衝動群 の社会的スキル尺度 と短縮版 自己抑制尺 度 の得点の平均値 を示 した。Figure 3‐401よ り、社会的スキル尺度 の社会的スキル領域 で は、衝動群 の得点が若干高 く社会的スキル の高い ことを示 してい る。 問題行動領域 におい ては、両群 の得点 に差が見 られない。 また、短縮版 自己抑制尺度 においては、熟慮群 の得 点が高 く熟慮的であることが分 る。 この結果 について オ検定 を行 つた ところ、短縮版 自己 抑制尺度 においてのみ、衝動群 と熟慮群の間に有意 な差が認 め られた(ズ30)=2。11,メ005)。
なお 、社会 的 ス キル 尺度 の社会 的ス キル領域(ズ30)=.86,′ =。39)、 お よび 問題行動領 域
(ズ30)=.09,′ =。93)については群 間に有意な差が認 め られなかつた。 したがって、社会的ス キル尺度 においては図形描画課題 よ り算出 された衝動性得点の効果が認 め られ ないが、短
60
50
口衝 動 群 圏 熟 慮 群
社 会 的 ス キ ル 領 域 問 題 行 動 領 域 自 己 抑 制 尺 度 社 会 的 スキ ル 尺 度
尺 度
Figure 3‐4‐
1.衝
動群 と熟慮群 の社会的スキル尺度 と短縮版 自己抑制尺度 の得点の平均値 と標 準偏差縮版 自己抑制尺度 においては衝動性得点の効果が認 め られ、衝動群 の方が幼稚 園教諭 の評 価 した短縮版 自己抑制尺度 において よ り自己抑制行動が乏 しく衝動的である と評価 され て い ることが明 らかに され た。
(2)社会 的スキル尺度 と短縮版 自己抑制尺度の得点 と、図形描画課題の各指標 との相 関分 析 につ いて
Table 3‐4‐1(107頁参照)には、幼稚園教諭 の評価 した対象児の社会的スキル尺度の下位 因子 の各得点 と総得点、短縮版 自己抑制尺度 の下位 因子 の各得点 と総得点 と、そ して図形 描画課題 の各指標 に関す る相 関分析 の結果 を示 した。本分析 は、全対象児(N〓81)を対象 と して行 われた。Table 3‐4‐1よ り、社会的スキル尺度 の社会的スキル領域 の 「総得点」と図 形描画課題 の無教示試行 の所要時間 との間に負の相 関のある傾 向(F=‐.18,′ <。10)が認 め られ た。 また、社会的スキル領域 の 「主張スキル」 と図形描画課題 の無教示試行 の所要時 間 との間に有意 な負 の相関(r=‐。26,′<。05)が認 め られ た。 その他 に も 「主張スキル」 につ いては、図形描画課題 の促進教示試行の所要時間 との間にも負の相関のある傾 向(r=‐.21,′
<。10)が認 め られ た。 これ は、「主張スキル」得点の高い幼児 は図形描画課題 の無教示試行
においてゆっ くり自己抑制的 に線 を描 くのではな く、すばや く線 を描 くことを示 してい る。
したが って、幼稚園年 中児 、年長児 において 「主張スキル」得点の高い幼児 は図形描画課
埋 雲 眸 e 簑 昨 撻 K 巾