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平成元年度

表5-7には、昭和59年度から平成元年度までの都税収入の累年比較につい て示されている。昭和63年度の税収は13.6%増加して4兆4,760億円に達し、

平成元年度の税収は8.5%増加して4兆8,551億円になると見込まれている。

地価高騰下の昭和60年代の税収の増加率をみると、昭和60年~昭和63年度を 平均すると、135%の高率になる。これは、資産価値の増加に景気の好調が加

わったためであろう。

東京都主税局『都税収入の推移と背景及び今後の見通しに関する調査』(平 成元年5月)によれば、今回の地価高騰は、景気の好調とあいまって、都税の かなりの増収をもたらしている。前述の昭和61年度と62年度の都税の伸び率は、

それぞれ、10.1%、205%と、全国地方税の伸び率5.筋、10.5%を二倍近く上

回る高い伸びを示している。全国地方税に占める都税収入の割合をみると、昭 和59年度と60年度には長期低落に歯めがかかってやや上昇している。1昭和62年 度には大幅に上昇し、40年代後半並みの割合となっている16)。首都圏の突出し プと地価高騰期には、資産価値の増加のみならず、景気の好調もあいまって、税

表5-8 都税・全国地方税の推移

(卑泣:白〃円,完)

及び今後の見通しに関

L1lr

(注)東京都主する調査』

段Ⅲ一一一一蘂・》

収入の推移と背景】

(平成元年5月)10ページによる。

-106-

(単位:胃万円一%)

年度 35

都税(A)

124,388

伸び率 264

全国地方税

(B) 伸び率

744.236 21.8

対全国割合 (A)/(B)

36 155 969 25 4 906 475 21 8 16.717

37 173 557 11 3 1,056683 16 6 16 4

38 194 410 12 0 212860 14 8 16 0

39 215 833 11 0 399 597 15 4 15 4

40 238 552 10 5 1 549 421 10 7 15 4

41 269 639 13 0 1 768 587 14 1 15

42 324 877 20 5 2 149 523 21 5 15 1

43 394 849 21 5 2 580 128 20 0 15 3

44 478 254 21 1 3 090 179 19 8 15 5

45 580 965 21 5 3 750 668 21 4 15 5

46 635 326 9 4 4 235 746 12 9 15 0

47 747938 17 7 004 482 18 1 14 9

48 973 098 30 1 6 491 287 29 7 15 0

49 1,170266 20 3 8,237504 26 9 14 2

50 1 154 687 △1 3 8,154,841 △1 0 14 2

51 350 765 17 0 9,564,091 17 3 14 1

52 1 493 787 10 6 11,005,216 15 1 13 6

53 54

614 817

412 110

12

_12,237,054 14,031,511

11 14

13 13

55 2 013 969 10 8 15,893,807 13 3 12 7

56 2 166 189 7 6 J7,325498 0 12 5

57 326,051 7 4 18,628645 7 5 12 5

58 457,301 19,841303 6 5 12 4

59 707,329 10 2 21.493 940 8 3 12 6

60 2,968,823 9 7 23,316.473 8 5 12 7

61 3,269.316 10 1 24,628,233 5 6 13 3

62 3.940,684 20 5 27.203,986 10 5 14 5

収が好調であったことが、うかがえるのである。

前掲『調査』によれば、増収が大きかった税目として、まず法人二税(法人 都民税・法人事業税)があげられる.

表5-9をみると、昭和62年度の自然増収率は、東京都の法人二税が37.3%、

国の法人税が33.7%であり、両方とも過去20年間で最高を記録している。国の 法人税が都の法人二税と同様に高くなっているのは、法人税合計の47.6%

(昭和61年度)を占める都の区域の法人税の伸びが寄与しているからとみられて いる。なお、昭和62年度の都税の自然増収率218%の寄与度をみると、法人 二税の37.3%が圧倒的に大きく、その他税の6.5%を大きく引き離している。

過去20年間において、自然増収率が大幅に拡大した年をみると、所得成長率 と資産増加率(東証株価指数、全国公示価格)がともに顕著な伸びを示したのは 昭和48年度のみであり、62年度は、所得成長率が低かったのと対照的に資産増 加率が高かったとされている。

表5-9自然増収率の比較(法人二税) (単位:影)

全国地方税

(法人二税) ヨjtI

9.0 37.3

3.2 6.5

6.2 211

(注)東京都主税局『都税収入の推移と背景及び今後の見通しに関する調査』

(平成元年5月)15ページによる。

-107-

年度 都税

|法人二税 その 全国地方税(法人二税) (法人税)国税

42 9.9 14.5 6.0 13.5 10.9

43 12.7 21.3 5.2 12 0 7 8

44 6.4 9.7 3.1 11 6 8 1

45 3.8 3.3 4.4 10 5 6 1

46 47 48 49 50

△6.5 92 12.8 5 1

△8 7

△144 15.1 18.1 6.5

△15.7

29 3.8 7 3 3 4

△1 0

6.

8 7 1 27 1 18 8

△28 3

△11.0 15.5 27.7 18.0

△32.8 51

52 53

5.5

△3.9

△28

9.0

△7.3

△5.2

2.5

△0 3

△0 3

2.7

△5.3 0 0

4.0

△4.2 9.0

54 18 2.7 0 9 9 3 12 3

55 0.4 2.0 △1.2 △1.4 4 9

56 57

△1.9

△2.0

△3.0

△4 5

△0.6 0 7

△9.8

△17 1

△14.8

△23.6

58 0.1 △0 9 1 0 0 1 3.4

59 2.5 4 6 0.4 4.5 3.1

60 2.3 2.7 1.9 △2.3 △42

61 62

6.1 21.8

9.0 37.3

32 6.5

△6.2 21.1

3.0 33.7

このことが税収変動に関して示唆しているのは、高度成長期においては所得

(フロー)成長率(名目GNP成長率)が支配的な要因であったが、低成長期 に入ってからは、金融・実物資産(土地)などの資産(ストック)成長率が支

配的な要因となっているということである'7』

ところで、昭和62年度の都民所得は、財産所得、民間法人企業所得の高い伸び を反映して、対前年度増加率は、前年度を19ポイント上まわる6.7%増とな っている。また、都民所得は40兆9,427億円となり、国民所得に対する構成比 は、対前年度比0.4ポイント増の14.9%となっている。なお、財産所得は、家 計部門の利子、配当、賃貸料の受取額の伸びを反映して、対前年度増加率で

19.6%の高い伸びとなっている18)。要するに、都民所得に占める財産所得のウ

エイトが高まってきたのである。

昭和62年度の都税収入の伸びを税目別にみると、法人都民税(31.1%増)、

法人事業税(31.9%増)の法人二税が、大幅な伸びとなっている。次いで、不 動産取得税(28.1%増)と自動車取得税(24.2%増)が、高い伸びとなってい る。その他、伸び率が10%以上の主な税目としては、特別土地保有税(19.2%

増)、個人都民税(11.3%増)、料理飲食等消費税(11.4%増)、事業所税

(10.7%増)と続いている19)。

地価高騰の真っただ中にあって、固定資産税の伸び率が10%以下(昭和62年 度はM形増)、都市計画税の伸び率が5%以下(昭和62年度は3.1%増)にすぎ ないことは、土地の評価額と評価のしくみ等も含めて、税制が地価の実勢を正

しく反映するものになっていないからであろう。

昭和61年の資産増加額は、土地増加額225兆円、株式増加額133兆円であり、

合わせて358兆円である。昭和60年(107兆円)にくらべて3.3倍も急増して いる。この資産増加額は、名目GNPの規模(昭和61年で335兆円)を上回っ ている。したがって、名目GNPでみた昭和61年の所得の伸び(名目経済成長 率)は4.2%にすぎないが、資産増加額を加えた所得の伸びは、61.5%にも達 する。低成長経済の下で、税収が名目GNP以外に資産増加額という要因に大 きく影響されるようになると、資産増加額の変動はGNPの変動よりもより大、

きく、税収を左右することになる20)。

昭和62年度の決算でみると、固定資産税は5,592億円で、前年度に対し、

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296億円(56%)増となっている。これは、土地が基準年度の3年度目に当た り負担調整による額が少なかったものの、家屋及び償却資産が増加したためで

ある2')。

前掲表5-7に示されたように、昭和62年度の都税のうちわけをみると、固 定資産税は全体の14.2%(5,592億円)を占めるにすぎない。金額でみると、

前年度よりも5.6%ほど増大しているにもかかわらず、構成比では、前年度よ

り2ポイントも下がっている22)。都税全体が前年度よりも20%も伸びたにもか

かわらず、固定資産税が地価高騰を十分に反映せず、伸びなやんだからであろ う。

東京都における固定資産税の税収の変動をみると、驚くべきことに、地価高 騰下の昭和60年代(60~63年度)に入ってからも、年平均85%の伸びにすぎ ず、それまでと較べて目立って伸びたとはいえない。

表5-10東京都における固定資産税の推移

(単位:形)

HEfD51年度5457606360/5763/6C

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