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図2-5 多摩ニュータウン市街地開発事業 東京都の支出うちわけ
(注)1.支出事業費4.393億円は、そのうちのほぼ99.4%までが、宅地処分収
入に対応することになる。
2.支出事業費のなかでは、工事関係費(30.秘)と借入金雨1仔(31.9%)が 大きな割合を占めている。
3.表2-13により、筆者が作製。
V小括
この章では、東京都の公共住宅政策にとっての最重点地域と考えられる多摩 ニュータウンにおける-戸建住宅分譲とそこで発生した様々の問題を通して、
公共分譲住宅に関する政策と用地費の推移について、検討してきた。
-44-
「四季の丘」の分譲については、多摩ニュータウン全体の過密を防ぐ等の構 想にもとづいて、「要綱」に定められた一戸建分譲の枠の中で行われたことで あり、住環境も含め、極めて良質な住宅の供給と考えられるので、軽軽にその 評価を下すべきではないと考える。
「四季の丘」の分譲問題については、その分譲価格は高騰地価をそのまま反 映したものではない。しかし、近隣の地価高騰や公共住宅も含めての分譲価格 の高騰を背景として生じた問題であり、地価高騰下における今後の用地費負担 の膨張によって生ずる問題を先取りしている点で、検討に値すると思われた。
当面の方策として、-戸建の分譲を集合住宅の分譲へと切り換えることは、
やむをえないであろう。しかし、このことによってすべてが解決するとは思え ない。高騰地価の定着期においては、本章で論じた一戸建住宅分譲で生じた問 題が、集合住宅でも繰り返される可能性がある。
公共住宅を、市場価格に比して「破格の安値」で供給した場合には、一戸建 であれ集合住宅であれ、激烈な倍率を引き起こすことになる。安価で良質な住 宅を供給しようという供給側の意図に反して、当たった少数の人々にとっては、
宝くじにでも当たったかのような経済効果をもたらすことになる。将来値上が り確実な未公開株を譲渡され、キャピタルゲインがもたらされるような経済効 果を生むことにもなりかねない。
安価な公共分譲住宅を大量に供給することができれば、近隣の住宅価格をも 引き下げることができる。また、公共分譲住宅では、大規模な都市基盤整備等 により、民間の分譲ではできにくい良質の住環境を提供することによって、多く の人々に永住の地を提供することができる。しかし、分譲の戸数が少なければ、
近隣の市場価格に吸収されてしまい、住環境と住宅の質が良いほどますます値 上がりして、庶民の手の届かないものになってしまうであろう。
もう一つの別の角度からの問題として、今日の分譲住宅の価格水準では、す でに自分の持ち家を所有している住み換え目的の人々等にしか住宅を提供でき ないという問題がある。このことは、-戸建に顕著だが、しだいに集合住宅に も及びつつあると思われる。このままでは、持ち家を持たない人々に安住の場 を提供するという公共住宅政策の重要な課題の一つが、損なわれる可能性があ
る。
-45-
公共住宅政策においては、所得再分配の見地等から、低所得者向けの賃貸住 宅が優先順位としては最優先されるべきことは、一応原則としては否定できな いであろう。都営住宅の居住者のなかで、「収入超過者」(高額所得者)が増 加して社会的公正を欠いている事等は、別個の問題としておきたい。
しかしながら、住宅の問題は、所得格差と所得再分配の視点からのみでなく、
ライフ・サイクルの面からも考えなければならない。給与所得者の生涯所得は、
退職年齢までは伸びるのが普通である。通常、所得の伸びに応じて、賃貸住宅 から分譲住宅へ(分譲集合住宅から分譲一戸建住宅へ)と住み換えることにな る。真近にせまる高齢化社会においては、わずかな年金から大都市圏のますま す高騰する賃貸住宅の家賃を支払うことは容易ではない。確実な所得がありロ ーンを組める場合には、分譲住宅を取得することが、望ましいのである。この 選択は、人生観にかかわるものである。環境のすぐれた良質の住宅を供給でき る点で、公共分譲住宅の役割りは大きい。
本章で述べたように、多摩ニュータウンにおいても、用地取得費は、年々増 加しつつある。国有地や旧国鉄用地を低価格で大量に取得する事等も含めて、
安価な住宅を大量に供給するための方策を考えなければならない。高騰地価が 用地費に反映して深刻化するのは、自治体の土地ストックが乏しくなるこれか
らであると思われる。
<注>
1)
2)
3)
東京都南多摩新都市開発本部『事業概要』平成元年版3ページによる。
東京都住宅局『事業概要』平成元年度90ページによる。
「多摩ニュータウンにおける住宅の建設と地元市の行財政に関する要綱」
(昭和49年10月14日、第9回東京都南多摩開発計画会議決定)
南多摩新都市開発本部・東京都住宅供給公社「多摩ニュータウン南大沢四
丁目『四季の丘』建物付宅地分譲について」1ページ。前掲資料2ページ。
前掲資料1ページ。
朝日新聞平成元年10月14曰 4)
5)
6)
7)
-46-
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朝日新聞平成元年10月5日(夕刊)
朝日新聞平成元年10月14日 朝日新聞平成元年10月19日(夕刊)
朝曰新聞平成元年11月16日 読売新聞平成元年11月16日(夕刊)
東京都南多摩新都市開発本部『多摩ニュータウンの歩み』 第1編 73ページ。
14)
15)
16)
前掲資料 前掲資料 前掲資料
73~74ページ 78ページ 77ページ
-47-
第3章都営住宅用地費 I建設数の低下と建設費
a建設数の低下 b建設費の高騰
Ⅱ用地取得実績 a用地取得対策
b昭和63年度用地取得実績
Ⅲ用地取得費の推移(12年間)
a一般会計 b用地会計
Ⅳ用地の起債制度 a建設費国庫補助等
b用地の起債制度のみなおし V小括
第3章都営住宅用地費
I建設数の低下と建設費
a・建設数の低下
「都営住宅」という用語は、表3-1に示された住宅の総称だが、その大部 分を公営住宅が占めろ。以下では、ほぼ同様の意味で用いろ。なお、都営住宅
は、大部分が戦後に建設されたものである:)
都営住宅建設の実績は図3-1に示されている。戦後、住宅需要の伸びに比 例して、急激に建設戸数が増加していろ。昭和40年代の中ごろにピークに達し、
オイルシ。ツクにともなって、急減していろ:)その後は、需要の増大にもかか
わらず、用地取得難も加わって、毎年5.000戸前後の水準に低迷していろ。な
かでも、第二種住宅の減少が、著しい。-48-
表3-1都営住宅の分類
(注)東京都住宅局『事業概要』平成元年版61ページによる。
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図3-1都営住宅種別建設戸数の推移
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(注)東京都住宅局『事業概要」平成元年版61ページによる。
-49-
区分 備考
公営住宅 第1種住宅 第2種住宅 地域特別賃貸住宅 改良住宅 再開発住宅 都営モデル住宅 従前居住者用住宅 第3種住宅 、普通住宅
低額住宅 |日市営,1日府営,1日営団住宅等 福祉住宅 民生住宅
母子住宅 昭和33~39年度建設 引揚者住宅
小笠原住宅 昭和44年度から建設
公営住宅の平成元年3月31日現在の建設戸数の正確な数字については睡表3
-2に示されていろ。昭和20年~57年までに建てられた住宅(約25万6千戸)
が、全体(28万5千戸)の約90%近くを占めており、■昭和58年以降に建てられ たものが、非常に少ないことを、示している。第二種住宅については、94%ま でが、昭和20年~57年までに建てられており、近年の建設数は、非常に少なく
なっている。
表3-3には、昭和60年~平成元年度までの「2種率」、「高層率」、「区
部率」等が示されている。近年では、限られた土地の有効利用をはかるため、
表3-2公営住宅等年度別建設戸数
単位:戸(平成元年3月31日現在)
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(注)1.公営住宅第2種は昭和26年度から、改良住宅は35年度から(内、再 開発住宅は50年度、都営モデル住宅は59年度から)民生住宅は33~
38年度に、母子住宅は34~39年度に建設していろ。
2.東京都住宅局『事業概要』平成元年版206ページによる。
「高層率」が高まる傾向を示しており、今後も高層化が進展するであろう.
また、地価高騰を反映して、「区部率」は年々減少しつつある。23区内の用地
-50-
20~57 58 、59 60 61 62 63 計
公営住宅 第1種 第2種
255,984 154,601 101,383
4,577 3,644 933
871284678
9043 23900909O
p90531
5,007 4,119 888
981037090
990531 138072632
909431
284,808 177,365 107,443
地域特別賃貸住宅 195 248 201 644
改良住宅 改良住宅 再開発 都営モデル等
15,352 14,799 553
0022
26
26
404422
161
60 101
394
382 12
305
305
16,302 14,839 1,324 139 福祉住宅
民生 母子
541981642リ68761 541981642
0DP76・1
計 279,031 4,597 4,654 5,046 5,363 5,651 4,906 309,248