MINO LVFX
4. 胸部所見上所見が乏しい
5. 痰がない、あるいは、迅速診断法で原因菌が証明されない 6. 末梢白血球数が10,000/μL未満である
上記6項目中4項目以上 or 上記1-5の5項目中3項目以上の合致
➾ 非定型肺炎の疑い
「マイコプラズマ肺炎では感度、特異度共に良好ですが、
クラミジア肺炎では感度に問題があります。
結核が除外できないことと、レジオネラ肺炎は含まれてないことに注意」
ちょっと強引なまとめ
分類 菌種 常在性 主な感染症 第一選択薬
グラム陽性 球菌
ブドウ球菌
MSSA
○
カテ感染、SSTI MRSA肺炎は稀CEZ
MRSA
抗M薬連鎖球菌 Streptococcus
○
肺炎、髄膜炎PCG or ABPC
腸球菌
E.faecalis
○ UTI、I.E. PCG or ABPC
E.faecium VCM or TEIC
グラム陰性 桿菌
腸内細菌1
PEK ○
UTI (K:肺炎)CEZ
上気道常在菌HaM ○
上気道炎、髄膜炎CTM
腸内細菌2
SPACE S: CE:○
医療関連感染 日和見感染CTX or CTRX
ブドウ糖非発酵菌SPACE PA:△
抗緑薬嫌気性菌 横隔膜より 『上』PP
○
誤嚥性肺炎SBT/ABPC
『下』B.f
○
肝膿瘍、腹膜炎CMZ
細胞内 寄生性菌
レジオネラ
非定型肺炎
AZM
マイコプラズマ、クラミドフィラCPFX
抗菌薬の用法用量
「細菌 抗菌薬の組み合わせは、何となく分かったわ。
でも、1日に何回も投与したり、1回しか投与しなかったり よくわからないわ」
「ややこしくて、眠くなるので簡単に まとめてみますね」
PK/PD という考え方と抗菌薬の半減期が関与しています
抗菌薬の薬理を整理
抗菌薬の作用機序をざっくりと3つに分けてみる
βラクタム系 キノロン系
アミノグリコシド系 マクロライド系 抗MRSA薬 クリンダマイシン
細胞壁合成阻害
DNA合成酵素阻害
タンパク合成阻害
*抗M薬:VCM TEIC:壁阻害
*抗M薬:LZD ABK:タンパク阻害
どこに作用するのか
「さっき分類した作用を引用してみます」
細胞壁合成阻害
DNA合成酵素阻害 タンパク合成阻害
細胞膜の外側か内側か?
外側
の壁を作らせない
内側
を乱す
βラクタム系
βラクタム系 以外
壁合成を阻害し続けるため、
細菌の周りに常に薬が必要
細菌の中へ入り込むため、
大量の薬が必要
「内側作用の代表、アミノグリコシドは
1日1回、ガッツリが基本投与です」
作用点の簡単な図解
PBP
染色体 mRNA
30sリボソーム
50sリボソーム
βラクタム系 アミノグリコシド
キノロン
マクロライド クリンダマイシン
壁合成阻害
タンパク合成阻害 タンパク合成阻害
DNA合成阻害
PBPは細胞膜と壁の間に存在
投与回数と間隔
「βラクタム系を1日4~6回も投与するのはなぜ?」
「βラクタム系は半減期が短く、菌体の外側で 作用(壁壊し)するため、頻回な投与が必要です」
βラクタム系 半減期(hr) 1日の投与回数 ペニシリン系 0.5~1.0 4回(PCGは6回)
セフェム系
1.0~1.5 3~4回
カルバペネム系
半減期を1hrとすると5hrで体内から消える!
→1日2回だと・・・7hrも薬がない!
→細菌が増殖できちゃう!
*CTRX(セフィローム)の半減期は7hr だから1日1~2回投与でもOK!
投与方法と添付文書
• 公知申請等で適応症、用法用量が欧米諸国に 追い付いてきた
(ご尽力された先生方に感謝です)• 特にペニシリン系は改善している
• 適宜増減の範囲内で最大量を用いる
• 添付文書記載以外にも保険上認められる適応
症、用法用量がある
添付文書未記載でも保険OKな 対象疾患、用法用量を調べる
• http://www.ssk.or.jp/shinsajoho/teikyojirei/
y̲jireibetsu.html#y600
• 社会保険診療報酬支払基金 ➾ 審査情報
➾ 審査情報提供事例 ➾ 薬剤
➾ 病原生物に対する医薬品
• 保険 薬剤 審査情報 で Google検索
• リンクもしくは上記にて検索
2015/4/20現在 抜粋
抗菌薬 事例内容
PCG 「脳膿瘍」に対して1回400万単位を4時間毎
「壊死性筋膜炎」に対して1回200-400万単位を4-6時間
ABPC 「リステリア症」
「細菌性髄膜炎」に対して1回2gを4時間毎
ドキュメント内
抗菌薬と細菌について。
(ページ 82-91)