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職種ごとに効果の違いはあるか

ドキュメント内 学位授与機関 同志社大学 (ページ 110-113)

第Ⅲ部 職業における「連帯」の重要性

5 職種ごとに効果の違いはあるか

帰属感や協力感は、職務満足度だけでなく幸福感に対しても高い効果を示すのである。

さらに興味深いのは、モデル4の結果である。モデル4でもっとも高い効果を示してい るのは職務満足度であり、自律性や役割明瞭性などの効果はなくなっている。しかしその 中で職場帰属感や協力感の効果は比較的高いまま残っている。他の要因とは異なり、他者 と力をあわせて職務をおこなうことで職場の一員だと認識したり他者からの協力を認識し たりすることは、幸福感に対して職務満足度を介さない独自の効果を示すのである13

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表 6.7 職種別にみた職務満足度の規定因(標準化係数)

β sig β sig β sig β sig β sig

性別 -0.021 -0.060 0.007 -0.036 -0.022

学歴 -0.007 0.004 0.046 -0.055 0.007

勤続年数 0.049* -0.019 0.053 0.086 0.050

年収 -0.016 -0.010 0.007 -0.016 -0.035

フィードバック 0.116** 0.128** 0.142** 0.070 0.138**

複雑多様性 0.151** 0.204** 0.126** 0.200** 0.140**

自律性 0.179** 0.276** 0.149** 0.228** 0.190**

役割明瞭性 0.158** 0.299** 0.155** 0.109* 0.166**

職務協力性 0.036* -0.023 0.040 0.044 0.097**

有能感 0.097** 0.090* 0.076* 0.149** 0.099**

課業達成感 0.143** -0.007 0.120** 0.177** 0.119**

職場帰属感 0.133** 0.152** 0.136** 0.187** 0.068*

承認感覚 0.105** -0.024 0.142** 0.053 0.094**

協力感 0.188** 0.115** 0.202** 0.188** 0.155**

R2 0.274** 0.341** 0.288** 0.344** 0.244**

※太字は、共同性に関する変数

技能・現業

全体 専・技・研 営・販・サ 事務

**p< 0.01 *p< 0.05

(N=2846) (N=458) (N=912) (N=377) (N=785)

職務満足度を従属変数とする重回帰分析を職種別におこなった結果が表 6.7である。表 からは、自律性や役割明瞭性、複雑多様性といった要因の影響力の強いことはどの職種で もほぼ同様にみられることがわかる。特に自律性は、ほとんどの職種で強い効果がみられ ている。

有能感や課業達成感、承認感覚も、多くの職種で職務満足度に影響する要因となってい るが、こちらは職種間で効果にややバラつきがみられる。特に承認感覚は、専門・技術・

研究職や営業・販売・サービス職では効果がみられていない。

これに対し、職場帰属感や協力感が職務満足度に与える効果は、多くの職種に共通して みられている。特に協力感は、ほとんどの職種で比較的高い効果を示している。職場帰属 感は効果にややバラつきがみられ、営業・販売・サービス職ではやや高い効果を示してい るのに対し、事務職では効果がそれほど高くない。しかしそのぶん、事務職では他の職種 ではみられていない職務協力性の効果がみられている。このことから、多少の強弱はある がすべての職種において何らかの共同性に関わる変数が職務満足度に影響しているといえ る。

表 6.8 職種別にみた幸福感の規定因(標準化係数)

β sig β sig β sig β sig β sig

性別 -0.103 ** -0.156** -0.063* -0.073 -0.128 **

学歴 0.025 -0.010 0.006 -0.039 0.065

勤続年数 -0.059 * -0.153* -0.021 -0.218** -0.005

年収 0.077** 0.205** 0.059 0.156* 0.020

フィードバック 0.048** 0.038 0.018 0.017 0.086* 複雑多様性 -0.029 0.003 -0.073* 0.001 -0.009

自律性 0.005 -0.003 -0.012 -0.023 0.033

役割明瞭性 0.011 -0.075 -0.015 0.038 0.027 職務協力性 0.005 0.010 0.063* -0.090 -0.036

有能感 0.041* -0.015 0.085** 0.019 0.038

課業達成感 0.018 0.051 -0.026 0.081 -0.016 職場帰属感 0.088** 0.132** 0.089** 0.071 0.093**

承認感覚 0.010 0.022 -0.019 0.102* 0.010

協力感 0.157** 0.204** 0.188** 0.133* 0.135**

職務満足度 0.255** 0.221** 0.320** 0.255** 0.218**

R2 0.167** 0.196** 0.222** 0.185** 0.153**

※太字は、共同性に関する変数

技能・現業

全体 専・技・研 営・販・サ 事務

**p< 0.01 *p< 0.05

N=2845 N=458 N=909 N=377 N=785

次に、幸福感を従属変数とする重回帰分析を職種別におこなった結果が、表 6.8である。

表からは、職種間で年収の効果に違いのあることがわかる。年収が幸福感に作用するのは 専門・技術・研究職と営業・販売・サービス職のようである。また、フィードバックや有 能感の効果についても、職種間で顕著な違いがみられている。フィードバックが幸福感を 高める効果をもつのは事務職のみであり、有能感は技能・現業職においてのみ効果を示し ている。

以上のような変数に対し、職場帰属感や協力感が幸福感に与える影響は職種間でのバラ つきが比較的小さい。特に協力感は多くの職種で強い効果を示すものとなっている。しか も、どの職種でも職務満足度がもっとも強い効果を示しているにもかかわらず、協力感の 効果も顕著に残っている点は興味深い。また、職務協力性の効果がみられていないことも また多くの職種で共通している。したがって、多くの職種において職務協力性が職場帰属 感や協力感に影響を与え、それらが幸福感を高める効果をもつこと、しかもその効果は職 務満足度とは独立したものであることがわかる。

表 6.6で確認されたような年収やフィードバック、有能感等が幸福感に対してもつ効果 は、特定の職種において見られるものである。しかしその一方で、職場帰属感や協力感の 効果は、多くの職種で共通するものなのである。

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