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第 3 章 実験報告

第 3 節 実験 3

3.2 方法

3.2.3 実験課題

以下に,実験の介入課題および介入の効果を確認するための2つの課題(弁別 精度テスト,立位姿勢保持)について,詳細を記す.

介入課題

実験1・2で使用した,硬度の異なる5種類のスポンジマットの上に別のスポ ンジマット(図3-3-1-a)を重ねたうえで,課題を行った.スポンジマットを重 ねることで,探索の必要性の向上を図った.参加者は,実験者が試行ごとに設 置する硬度の異なるスポンジマットを座位姿勢で踏み,下段のスポンジマット の硬度の探索をした.硬度の探索は,足底部がスポンジマットに触れた状態で 足関節を底背屈するよう指示し,足底部がスポンジマットから離れる動きや,

身体を大きく揺らす動きは制限した.なお,スポンジマットが2枚重ねになっ ており,下段のスポンジマットの硬度を探索するには,しっかりと踏み込む動 作が必要だと判断し,椅子の両端部を把持し,前傾姿勢で課題を実施するよう に教示した.また,課題中は視覚情報を遮断するため,アイマスクを着用した.

課題内容について,探索をしっかり行い,かつ弁別精度の向上を促す目的で硬 度弁別 FB を実施した.課題の流れは,事前に硬度情報がない状態でスポンジ マットを踏み,記憶した情報をもとに硬度の弁別を行い,その番号を解答した.

ただし,途中で硬度の番号がわかっても,5 秒間は探索を続け,その後に解答 した.その解答に対し,正誤のフィードバックを与えた.誤答であった場合は,

正解の硬度番号についてもフィードバックした(図 3-3-3-a).1 日の試行数は 50回とし,半分で休憩を挟んだ.スポンジマットの硬度の順番は,事前にラン ダム化した表に基づいて決定した(疑似ランダム条件).

比較する認知課題なしの統制群では,同じ手続きでスポンジマットを踏むの みとした.ただし,足関節は底背屈させ,5 秒間スポンジマットを踏むよう指 示した.また,認知課題ありの二重課題群では,同じ手続きでスポンジマット を踏むが,硬度への注意を阻害する目的で口頭暗算課題を実施した.口頭暗算 課題は,実験者がランダムに3桁の数字を提示した後に,参加者はスポンジマ ットを踏み,提示された数字から連続して3 を引く計算をし,5 秒間できるだ け早く正確に解答した(例:実験者「500」→参加者「497,494,491…」).課 題中は,足関節を底背屈させ,スポンジマットを踏むよう指示した(図3-3-3-b).

両群ともに,1日の試行数は50回とし,半分で休憩を挟んだ.3桁の数字は,

事前にランダム化した表に基づいて決定した(疑似ランダム条件).

a.硬度弁別FB(5秒間)

b.口頭暗算課題(5秒間)

3-3-3.実験3各介入の流れ

弁別精度テスト

③実験者:FB「不正解,これは4の硬さです」

②参加者:探索して解答「3の硬さです」

①実験者:課題「500」 ③参加者:解答「497,494,491...」

ジマットを重ねて行った.スポンジマットの硬度の順番は,事前にランダム化 した表に基づいて決定した(疑似ランダム条件).なお,10問の課題の中で,5 段階の硬度が各2回含まれるように設定した.参加者は,実験者が試行ごとに 足元に設置する硬度の異なるスポンジマットを座位で踏み,記憶した情報をも とに硬度弁別を行い,その番号を解答した.ただし,途中で硬度の番号がわか っても,5秒間は探索を続け,その後に解答した.ただし,フィードバックは 与えなかった.

測定は介入課題前後で行った.preのタイミングにおいて,参加者はスポンジ マットの硬度情報がなく弁別精度テストの解答ができないため,課題前に硬度 記憶を5回行った(実験1・2の硬度記憶と同様の手続き).この時の硬度の順 番は,上昇系列(1→2→3→4→5)と下降系列(5→4→3→2→1)とし,参加者 間でカウンターバランスをとった.

立位姿勢保持

実験 2と同様に,立位姿勢バランスは,視覚遮断片脚立位姿勢を保持した際 の重心動揺の値を用いて評価した(図 3-3-4-a).課題の流れ,計測時間,抽出 項目についても実験1・2と同様とした.

加えて,実験 3では,接地面が不安定な状況になるバランスパッド条件を設 けた.介入で用いるスポンジマットは比較的柔らかいものであり,介入効果が 類似した環境下での姿勢制御に波及すると考えたからである.課題は,バラン スパッド上で両脚立位姿勢となり,できるだけ揺れないように30秒間姿勢を保 持することであった.課題の流れは,まず,両脚でフォースプレート上に置か れたバランスパッドに立ち上がり,支持面が最小となるロンベルグ足位(両足 のつま先および踵をあわせた状態)に移った.その後,参加者は,アイマスク で視覚を遮断し,姿勢が安定したタイミングで合図をし,測定を開始した(図 3-3-4-b).腕の位置は体側に自然におろす位置とし,姿勢保持に必要であれば動 かしてよいこととした.

測定は介入課題前後で行った.1 タイミングにつき,片脚立位姿勢 3 試行,

バランスマット両脚立位姿勢 3 試行の順番で,計 6 試行実施した.姿勢を 30 秒間保持することが困難な場合は,1試行内で3回まで測定を繰り返した.

3-3-4.実験3立位姿勢バランスの課題環境

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