第 3 章 実験報告
第 3 節 実験 3
3.3 結果
3.3.2 立位姿勢バランス
片脚立位条件において,30秒間姿勢を保持することができなかった参加者が1 名おり,データを除外した.その結果,片脚立位条件では介入群10名,統制群9 名,二重課題群10名のデータを分析した.
<姿勢動揺量の大きさ>
総軌跡長
立位姿勢条件ごとに,各測定タイミングにおける総軌跡長の結果を図 3-3-7 に 示す.片脚立位姿勢条件において,2 要因分散分析の結果,交互作用は認められ なかった(F(2,26)=1.92, n.s.).また,グループや測定タイミングの主効果は有意 ではなかった(グループ F(2,26)=1.30,n.s. ; 測定タイミング F(1,26)=2.78,n.s.).
バランスパッド両脚立位条件においても,2 要因分散分析の結果,交互作用は 認められなかった(F(2,27)=1.09,n.s.).また,グループの主効果は有意ではなかっ たが(F(2,27)=1.31, n.s.),測定タイミングの主効果が有意であり(F(1,27)=19.49,
p<.005),postがpreより低値を示し,全群において総軌跡長が減少した.
図3-3-7.実験3総軌跡長
Length of Total COP(cm)
One leg Balance pad
■Intervention
■Control
■Dual task
外周面積
立位姿勢条件ごとに,各測定タイミングにおける外周面積の結果を図 3-3-8 に 示す.片脚立位姿勢条件において,2 要因分散分析の結果,交互作用は認められ なかった(F(2,26)=1.45, n.s.).また,グループや測定タイミングの主効果は有意 ではなかった(グループ F(2,26)=1.58,n.s. ; 測定タイミング F(1,26)=0.05,n.s.).
バランスパッド両脚立位条件においても,2 要因分散分析の結果,交互作用は 認められなかった(F(2,27)=0.43,n.s.).また,グループの主効果は有意ではなかっ たが(F(2,27)=2.38, n.s.),測定タイミングの主効果が有意であり(F(1,27)=18.45,
p<.001),postがpreより低値を示し,全群において外周面積が減少した.
図3-3-8.実験3外周面積
以上の結果から,立位姿勢かかわらず,介入による姿勢動揺量の減少は確認で きなかった.
■Intervention
■Control
■Dual task
Enveloped Area (cm²)
One leg Balance pad
<姿勢制御方略>
平均パワー周波数
立位姿勢条件ごとに,各測定タイミングにおける左右成分の平均パワー周波数 の結果を図3-3-9に示す.片脚立位姿勢条件において,2要因分散分析の結果,交 互作用は認められなかった(F(2,26)=1.02, n.s.).また,グループの主効果は有意 ではなかったが(F(2,26)=0.26, n.s.),測定タイミングの主効果が有意であり
(F(1,26)=7.93, p<.01),postがpreより低値を示し,全群において左右成分の平均 パワー周波数が減少した.
バランスパッド両脚立位条件においても,2 要因分散分析の結果,交互作用は 認められなかった(F(2,27)=0.06,n.s.).また,グループや測定タイミングの主効果 は 有 意 で は な か っ た ( グ ル ー プ F(2,27)=1.50,n.s. ; 測 定 タ イ ミ ン グ F(1,27)=1.97,n.s.).
図3-3-9.実験3平均パワー周波数左右成分
■Intervention
■Control
■Dual task
Mean Power Frequency_AX (Hz) One leg Balance pad
立位姿勢条件ごとに,各測定タイミングにおける前後成分の平均パワー周波数 の結果を図3-3-10に示す.片脚立位姿勢条件において,2 要因分散分析の結果,
交互作用は認められなかった(F(2,26)=0.42, n.s.).また,グループや測定タイミ ングの主効果は有意ではなかった(グループ F(2,26)=0.54,n.s. ; 測定タイミング F(1,26)=1.34,n.s.).
バランスパッド両脚立位条件においても,2 要因分散分析の結果,交互作用は 認められなかった(F(2,27)=2.36,n.s.).また,グループの主効果は有意ではなかっ たが(F(2,26)=0.27, n.s.),測定タイミングの主効果が有意傾向であり(F(1,27)=3.03,
p=.09),postがpreより低値である傾向を示した.
図3-3-10.実験3平均パワー周波数前後成分
以上の結果から,介入による高周波成分の増加が認められず,素早い姿勢制御 方略への移行は確認できなかった.
■Intervention
■Control
■Dual task
Mean Power Frequency_AY (Hz) One leg Balance pad
3.3.3 硬度弁別精度と立位姿勢バランスの関連
<硬度弁別精度と姿勢動揺量の大きさの相関>
立位条件ごとに,弁別精度テスト正答数と総軌跡長および外周面積との相関を
図 3-3-11,3-3-12 に示す.弁別精度テスト正答数と総軌跡長に関して,片脚立位
条件では,有意な負の相関は認められなかった(n=58, r=-0.13 n.s.).バランスパ ッド両足立位条件では,低い負の相関が有意傾向だった(n=60, r=-0.23 p=0.07).
また,弁別精度テスト正答数と外周面積に関して,立位条件に関わらず低い負 の相関が有意傾向だった(片脚立位:n=58, r=-0.24 p=0.07;バランスパッド両足 立位:n=60, r=-0.23 p=0.07).
以上の結果から,弁別精度テスト正答数が高値であれば,姿勢動揺量が小さい といった顕著な関連性は確認できなかった.
図3-3-11.実験3弁別精度テスト正答数と総軌跡長の相関
Number of correct answers
Total length of COP(cm)
One leg Balance pad
Intervention:●pre,〇post Control:●pre,〇post Dual task:●pre,〇post
図3-3-12.実験3弁別精度テスト正答数と外周面積の相関
<硬度弁別精度と姿勢制御方略の相関>
立位条件ごとに,弁別精度テスト正答数と平均パワー周波数の左右成分および 前後成分との相関を図 3-3-13,3-3-14 に示す.弁別精度テスト正答数と平均パワ ー周波数の左右成分に関して,立位条件に関わらず有意な正の相関は認められな かった(片脚立位:n=58, r=-0.01 n.s.;バランスパッド両足立位:n=60, r=-0.19 n.s.).
同様に,弁別精度テスト正答数と平均パワー周波数の前後成分に関して,立位条 件に関わらず有意な正の相関は認められなかった(片脚立位:n=58, r=-0.03 n.s.;
バランスパッド両足立位:n=60, r=0.01 n.s.).
以上の結果から,弁別精度テスト正答数が高値であれば,素早い姿勢制御方略 をしているといった関連性は確認できなかった.
Number of correct answers
Enveloped Area (cm²)
One leg Balance pad
Intervention:●pre,〇post Control:●pre,〇post Dual task:●pre,〇post
図3-3-13.実験3弁別精度テスト正答数と平均パワー周波数左右成分の相関
図3-3-14.実験3弁別精度テスト正答数と平均パワー周波数前後成分の相関
Intervention:●pre,〇post Control:●pre,〇post Dual task:●pre,〇post
Number of correct answers
Mean Power Frequency_AX (Hz)
One leg Balance pad
Intervention:●pre,〇post Control:●pre,〇post Dual task:●pre,〇post
Number of correct answers
Mean Power Frequency_AY (Hz)
One leg Balance pad