本研究の目的 ,第1章に示したように,宇宙機の熱制御課題を解決する熱制御材を実現する ために,従来の FC-OHP に ザーバを付ける とによ 可変コン クタンス性を与える とを 提案し, ザーバを付加する と VC-OHP と る ニ ムについて明 かにする と あ た.研究内容 、FC-OHP の動作限界の ニ ム解明 (第 2 章),可変コン クタンス性及 び温度制御機能を持つOHP (VC-OHP) としての ザーバ付 OHP の研究 (第3 章),および ザーバ付 OHP を宇宙機に応用し 熱設計フ ー衛星 を実現するための試作モ ルの評価 第 4章 にわたる.各章 得 た知見を以下にまとめる.
第2章 得 た結果および知見 以下の通 ある.
1. 同一封入率の FC-OHP に対して,冷却部を強制空冷 冷却する条件にて冷却部温度と最大 輸送量の関係を調 た結果.冷却部温度に依存して最大熱輸送量 変わる一方 、動作限界時の 動作温度 冷却部温度に寄 ほぼ一定 あ た. の とか ,同一封入率の FC-OHP にお いて,動作限界を迎える飽和温度 決ま てお 動作温度 最大飽和温度に達する と 動作限 界と る と 示唆さ る.
2. FC-OHP の動作限界時の動作温度 封入率によ 変化し,実験条件の中 ,封入率 57
[wt%] 極大 あ た.動作限界時の温度 内部 飽和状態にあると仮定すると、その温度にお
ける液体積 OHP の全内容積を占める程度 あ た.また,ガラス製 OHP を用いた可視化試 験において,封入率 85 [wt%] の動作限界時にOHP 内のほぼ全て 液スラグ 満たさ ていた.
よ ,OHP の封入率 大 い場合に ,熱負荷 高く ると OHP 内体積 ほぼ全て液
単相と る と 動作限界を迎える原因 あると考え る.
3. 可視化試験よ ,50 [wt%] 以下の封入率 ,熱入力 増え加熱部や冷却部の温度 昇 するほ 液スラグの体積 減る と 明 かに た.低封入率時に動作限界を迎える ニ ム 高封入率時と 異 ると言える.一方 ,飽和温度か 計算さ る液体積 ,飽和温度 増 加するにつ 増加また ほぼ一定 ある と 計算か 示さ る. を矛盾 く説明する
ニ ムとして,加熱部への熱負荷 増大するに従い液の蒸発量 増し,蒸気体積 大 く て液スラグの体積 減少し気液の動 止ま てしまう と 動作限界に達する と 考え
る.
4. 封入率50 [wt%]時に OHP全内容積を占める飽和温度 HFC-134aの臨界温度に ると計 算さ た.封入率50 [wt%]前後 最大熱輸送量 最大と るの ,2.と3.の ち も起 にく く,飽和温度 限 最大つま 作動流体の臨界温度と るためと考え る.
第3章 得 た結果および知見 以下の通 ある.
1. ザーバの温度を一定に制御する とによ て,OHP加熱部への熱入力を増大させても加 熱部の温度を一定に保つ と る.
2. ザーバ無しOHP 固定コン クタンスとして, ザーバ付 OHP 可変コン クタン スとして振舞う.た し ザーバ無しOHP も低熱負荷条件 可変コン クタンスと る.
3. 記2つの性質 ザーバ内の気液分布状態によ い.
4. OHP内部 加熱部か 冷却部に向か て流 る蒸気の温度を飽和温度とする飽和状態と
ている.
5. ザーバ付 OHP OHP内圧 ザーバ内圧に等しく る.
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6. ザーバ付 OHPの加熱部温度 ザーバ温度の約5 [℃]以内に制御さ る.
7. ザーバか OHP に重力の効果 液 供給さ いよう 方向に ザーバを設置すると,
OHP の加熱部温度 ザーバ液温度よ も低く る. ,本論文の実験 継手やバル 等金属部分 断熱さ てお ザーバと比 て低温のため, ザーバか OHPへ流 る蒸気
継手やバル 等金属部分 凝縮するためと考え た.継手やバル 等金属部分 断熱さ て お ,OHPの加熱部温度 ザーバ液温度によ 近 くと考え る.
8. ザーバ一定温度の条件下 冷却部に熱入力 あ ても加熱部温度 一定の温度に維持 さ る.
9. ザーバによ OHP 内の液体積 調整さ る. ザーバ一定温度 低熱入力条件時 OHP内の液体積 大 く,熱入力の増加に従い液体積 減少する.低熱入力時のOHPの熱輸送
顕熱輸送 支配的 あ 高熱入力条件 潜熱輸送 支配的に ると考え る.
10. 同 熱輸送量時 あ ても ザーバ温度によ てそのと の OHP 内の液体積割合 異
, ザーバ温度 高く るほ 液体積割合 大 く る. ザーバ温度によ 飽和液密度 変 化するため あると考え る.
11. ザーバ付 OHPの内部 ザーバ温度に近い温度を飽和温度とする飽和蒸気圧に等し く るため,加熱部温度 ザーバ温度付近を超えるま OHP 起動し い.OHP加熱部の 温度 ザーバの温度を超えた時点 加熱部液スラグ内 沸騰 始ま 気液の動 生 OHP
起動する.
12. FC-OHPと 異 ザーバ付 OHP ザーバによ OHP内部の液体積 調整さ るた
め冷却部温度 加熱部温度にほぼ等しく た時点 動作限界に至る. の時のOHP内部の液 体積 その ザーバ温度における VC-OHP 動作時の最小液体積と ている.た し作動流体 の封入量や ザーバの内容積 十分大 く い場合 FC-OHP と同 原理 動作限界に至ると 考え る.
第4章 得 た結果および知見 以下の通 ある.
1. ザーバ付 OHP の熱制御機能を宇宙機に応用した例として ザーバの温度を制御す る け ,機器配置や機器発熱量の変化やラ エータ面に軌道熱入力 あ ても機器搭載面 一 定温度に保つ と る という熱設計フ ー 衛星を提案した.
2. 熱設計フ ー衛星の試作モ ルとして3体のOHPを全面に張 巡 せた30[cm]立方の正 六面体構体モ ルを製作し,試作モ ルを使 た大気中および熱真空中の試験にて,機器発熱量 の変化やラ エータ面への熱入力 あ ても加熱面温度 ザーバの温度 一様 温度に制御 さ る とを示した.
3. 加熱面に一様に発熱 ある場合 け く,発熱 局所的にしか い場合 も ザーバ付 OHP 動作し,加熱面温度 ザーバ温度 一様 温度に保た る とを示した.た し発 熱密度 大 く る部分について 周囲の加熱面温度よ 高く る.
4. 微小重力環境下 も OHP 動作を停止する と く ザーバによる温度制御機能も失わ い と 示さ た.
5. 3体のOHPの起動のしやすさに 違い あ 熱入力や ザーバ温度の条件によ て OHP 起動し か た 動作を停止した する ,加熱面の温度に影響する と くOHP 自 的 に動作する と 明 かと た.
6. 加熱 面の 温 度 ザ ー バ温 度を 超 える ま 加熱面 に 熱入 力 を与 えて も ザ ーバ 付 OHP 起動せ ,また重力環境下 OHP 起動する際の加熱面温度と ザーバ温度の差 加熱 面の位置や位置によ よ 違い ある と 明 かに た.
7. 熱真空環境下において機器発熱に比 て非常に小さい ソース 宇宙環境下 も ザー
183 バの温度制御 可能 ある と 示さ た.
本研究 宇宙機の熱制御課題を解決する熱制御材として,従来の FC-OHP を可変コン クタ ンス化した VC-OHP を実現する と そもそもの動機 あ た.本研究 ザーバを付ける
とによ OHP に可変コン クタンス性を与える とを提案し, ザーバを付加する と
VC-OHP と る ニ ムについて明 かにする とを目的として ザーバ 果たす役割につ
いて主に実験的研究か 調査を行 て た.その結果,第3章に示すように ザーバ付 OHP 可変コン クタンス性を示し,自 的熱輸送制御性 温度制御性を有する とを初めて明 か にした.また,その ニ ムとして, ザーバに OHPの内圧を ザーバの飽和蒸気圧 制 御する と,OHP内部の液量を調整する との2 つの機能 ある とを示した.宇宙機への応 用において ザーバ内の気液分布 重要 ある , ザーバ内の気液分布によ て可変コン クタンス性及び ザーバによる温度制御性 失わ い とを示した.
ザーバ付 OHPを実際に宇宙機に適用するにあた て その動作限界 のように決まる かを把握する と 重要 ある.第 2 章に示したように従来の ザーバ無しの FC-OHP の動作 限界に OHP内の液体積又 液スラグの体積の変化 大 く影響する.そ に対し, ザーバ 付 OHP OHP内の液体積 ザーバによ 調整さ るために FC-OHPと 異 ザー バの飽和温度 動作限界 決まる とを示した.た し ザーバの容積や作動流体の封入量によ
て FC-OHPと同様に液体積の変化 動作限界 決まると考え る.
以 の結果によ , ザーバ付 OHPの熱輸送特性を明 かに たといえる. の知見を 発展させ本研究の根底にある目的 宇宙機の熱制御技術の課題解決 につ るために,第 4 章に示すように ザーバ付 OHPを使 た新しい宇宙機の熱制御 ステムを提案し,試作モ ルを用いた熱輸送性能の評価によ 実現性を示した. ザーバ付 OHP 3章 示したように そ 単体 画期的 熱制御材として宇宙機への適用 期待 る け く,4章 示したよう に複数を組み合わせて使う と 新しい概念の熱制御性を宇宙機に持たせる と ,宇宙機 の熱制御の課題の解決に貢献 ると考え る.
実際に ザーバ付 OHPを実機に適用するために ,熱輸送量や熱コン クタンス の要 求と伝熱距離や伝熱面積 の条件を満たすように ザーバ付 OHPの設計を行わ け
い.そのために , の与え た要求条件か ザーバ付 OHPを設計するための 設計 解析手法の開発 必要 ある.本研究 液体速度を仮定し実験結果か 得 た OHP 内液量を使 て熱平衡状態のOHPの熱輸送量を求めた ,OHP内の気液の運動モ ルを構築し そ を解く と 液量及び気液の速度を求め るようにする と 課題 ある.設計ツールと して使用するために のモ ル 自己完結した普遍的 もの け い.
ザーバ付 OHPを宇宙機に適用するに 熱的性能以外の評価も必要 ある.評価項目の1 つ ある宇宙放射線の影響評価について調査しAppendixとして記載した.本研究の範囲外 あ る ,機械環境耐性の評価,OHP の組立 実装方法 の検討も 熱設計フ ー衛星 の実現 のために必須 ある. の評価 検討結果を踏まえた 熱設計フ ー衛星及びそ に適用 する ザーバ付 OHPの設計 製造 行えるようにし け い.
のように課題 残 ているものの,本研究 ザーバつ OHP 温度制御可能 熱輸送 バイスとして働く とを示した と,動作限界も含めた多くの知見を明 かにした と 熱設 計フ ー衛星 の実現に向けた第一歩としての大 成果 あると考える.今後, の ザ ーバ付 OHPの宇宙適用を目指した研究 進 と 多くの応用 生ま る と 期待さ る.