• 検索結果がありません。

ザーバ付 OHP 内の液量と熱輸送量の相関

2 )(valve1 tube

3.5 ザーバ付 OHP 内の液量と熱輸送量の相関

3.5.1 熱平衡状態の熱輸送モ ル

ザーバによ OHP内の液量 調整さ る とによ OHPの熱輸送量 のように変化する のかを評価するために,OHP内の液量か 熱輸送量を以下の計算によ 求める.

OHP 内の熱輸送モ ルとして Fig.3-37 に示すよう 顕熱及び潜熱輸送モ ルを考える.顕熱 輸送 液スラグにのみ担わ ,潜熱輸送 蒸気プラグによ 担わ ると仮定する.相変化 蒸気

80

プラグと壁面間 起 る.飽和状態にある蒸気プラグ 飽和温度よ も温度 低い冷却部の壁面 と接触する と 蒸気プラグと冷却部壁面間に薄い液膜 生 る.蒸気プラグ 加熱部へ移動す ると,飽和温度よ やや温度の高い加熱部壁面に接触し液膜 蒸発する.2.3.5 項 述 たよう に,先行研究か OHP内の気液に動 ある場合,液スラグと液膜 存 し,加熱部 液膜 の蒸発 起 ていると考え ている. 液膜 凝縮部にて蒸気プラグ内の蒸気 壁面

凝縮して形成さ るとするMa [34]の説を採用する.

のように潜熱輸送 蒸気プラグ内に生 る液膜によ 行わ る.OHP 全体の熱輸送量 顕 熱輸送量と潜熱輸送量の合計 表さ る.

lat sen

total

Q Q

Q = +

(3-7) 熱平衡状態において ,加熱部における OHP への入熱量

Q

in (ヒータの発熱量

Q

heater

ー ーク量

heatleak

Q

を差し引いた値)と冷却部における熱輸送量

Q

out 共に

Q

totalと等しい.

out

heatleak heater

in total

Q

Q Q

Q Q

=

=

=

(3-8)

以下,冷却部における熱輸送量

Q

outを求める.

Q

out 壁温よ 温度の高い液スラグ 冷却部

壁面に接する とによる顕熱輸送量と蒸気プラグ内の蒸気 冷却部壁面 凝縮する とによる 凝縮熱輸送量の合計 求め る.

OHP全体の熱輸送量 ,配管1本あた の熱輸送量を

q

とすると OHP全体の配管本数

N

以下の式 求め る.

q N

Q

total

= ⋅

(3-9)

q = q

sen

+ q

lat (3-10) 式(3-10)の

q

sen,

q

lat 配管 1 本あた の顕熱輸送量と潜熱輸送量 ある.

q

sen

顕熱の熱伝達率

h

senと液スラグと壁面の温度差,壁面との接触面積か 求め る.液スラグ及 び壁面 そ 温

T

l

T

w 一様と仮定する.

l w l sen

sen

h T T DL

q = () π

(3-11)

D

OHP 配管内径,

L

l 液スラグの長さを表す.顕熱の熱伝達係数 単相強制対流熱伝達

に関するDittus-Boelterの式か 求め る.

) ( Pr Re 023 .

0

0.8 0.4

D

h

sen

=

l l

k

l (3-12)

81

k

l 液の熱伝達係数を表す.

Pr

l 液のプラン ル数

k

lと液の粘性係数

µ

l, 定圧比

cp

l 次式 求め る.

l l l

l

k

µ cp

=

Pr

(3-13)

式(3-13)中の

Re

l イノル 次式 定義さ る.

l l l

D x G

µ ) 1

Re = ( −

(3-14)

G

l 液の質量流量を表し,次式 定義さ る.

l l

l

u

G = ρ

(3-15)

x

クオ を表す.クオ 単位体積当た の蒸気と液の質量流量割合 ある.

蒸気と液の速度 等しいと仮定しているため,

x

OHP内の液体積割合

φ

と蒸気の密度

ρ

v 次式 求め る.

ρ φ ρ

v

x = ( 1 − )

(3-16) 液体積割合

φ

OHP内の作動流体の全体積

V

totalに対する液体積

V

lの比 定義さ る.

total l

V

= V

φ

(3-17) OHP内の蒸気プラグの密度

ρ

v 一様,液スラグの密度

ρ

l 一様 あると仮定

する.平均密度

ρ x

及び

ρ

vと液の密度

ρ

lとの間に次式 表さ る相関を持つ.

l v

x x

ρ ρ ρ = +

1

1

(3-18)

式(3-16),(3-18)よ

x

次式 表さ る.

v l

x

v

ρ φ φρ φ ρ

) 1 (

) 1 (

− +

= −

(3-19)

82 配管1 本あた の潜熱輸送量

q

lat 顕熱輸送の式(3-11)同様に次式 表さ る.蒸気プラグ 温度

T

v 一様とする.

q

lat

= h

lat

[ T

v

T

w

] π DL

v (3-20)

L

v 蒸気プラグの長さを表す.式(3-20)に

h

lat 表さ る潜熱の熱伝達係数 Shah[57]によ

提案さ た,Dittus-Boelter の式を修正した次式か 求め る.Shah 管内凝縮について,

水やフロン系冷媒,アルコール等多くの物質の広範囲にわたる実験 ータよ 次式を提案してい る.

) ] / (

) 1 ( 8 . ) 3 1 )[(

( Pr Re 023 .

0

0.38

04 . 0 76

. 0 8

. 0 4

. 0 8 . 0

cr v l

l l

lat

P P

x x x

D

h = k − + −

(3-21)

OHP 内の気液の総重量か 以 の式を用いて熱輸送量を求める.OHP 内の気液の総重量を

total

M

OHP全内容積を

total

V

とすると,全液スラグの質量

M

lと体積

V

l,全蒸気プラグの質量

M

vと体積

V

v 以下 表さ る.

total v

l

V V

V + =

(3-22)

total v

l

M M

M + =

(3-23) OHP内の気液の密度 一様 あると仮定しているため,

l l

l

V = M

ρ

(3-24)

v v

v

V = M

ρ

(3-25) と る.式(3-22) ~ (3-25) よ ,

v l

total v total l

V V M

ρ ρ ρ

= −

(3-26)

v l

total total

l v

M V V

ρ ρ ρ

− −

=

(3-27)

と る.

3.5.2 実験か 得 た液重量を元にした熱輸送量の計算

3.5.1項のモ ルに従 て,3.4 節の ザーバ可視化実験における熱平衡状態時の熱輸送量を,

83

実験か 得 たOHP内の作動流体質量を使 て計算か 求める.た し 下記を仮定 する.

1) 加熱部及び冷却部 壁温一定の等温壁,断熱部 壁面と気液の熱交換を考慮し い断熱壁 ある.

2) OHP内の気液 ザーバ温度 飽和状態にあ ,冷却部に入る蒸気温度と液温度 ザー

バ温度に等しい.

R R sat l

v

T T P T

T = = ( ) =

(3-28) 3) 蒸気プラグと液スラグ OHPの各管の加熱部,断熱部,冷却部に均等に配置している.つ ま ,1本の管の冷却部に存 する蒸気プラグの長さ

L

Vと液スラグの長さ

L

l ,蒸気あるい

液全体の体積を管断面積

A

OHPの管本数

N

て求めた1本の管に存 する蒸気プラグ

と液スラグの長さの合計にOHP全体の長さ 冷却部長さ

L

C,断熱部長さ

L

A,加熱部長さ

L

H

の合計の長さ に対する冷却部長さ

L

Cの比をかける 求め る.

)

(

C A H

C v

v

L L L

L A

N L V

+

× +

= ⋅

(3-29)

)

(

C A H

C l

l

L L L

L A

N L V

+

× +

= ⋅

(3-30)

4) 冷却部を流 る気液の速度 一定 ,蒸気プラグと液スラグの速度 等しい.

u

v

= u

l (3-31) 計算の条件 ,3.4節の実験に使用したOHPの緒元及び飽和状態におけるHFC-134aの物性値

よ Table 3-5の通 ある.た し液スラグの速度

u

l 簡単のために一定値を仮定し,

ザーバ温度50[℃]条件において値を変えた場合の影響について調 る.

気液の速度条件を全て 0.035 [m/s]とし,OHP内の気液総重量としてFig.3-35に示す実験結果 を用いて熱輸送量

total

Q

を計算した結果を実験結果と共にFig.3-38に示す.実験結果の ザーバ 温度30 [℃], 40 [℃] の計算結果 実験結果とよく一致している ザーバ温度 50 [℃]の結果 , 動作限界に近い高熱負荷時及び低熱負荷時 実験結果との乖離 大 い.比較的実験結果と一致 している ザーバ温度30 [℃], 40 [℃]の場合 も,高熱輸送量時と低熱輸送量時に 実験結果と の差異 大 く るという,50 [℃]の結果と同様の傾向 見 る. の理由の1つとして,

OHP内の気液 ,加熱部 断熱部 冷却部の3ヶ所に均等に配置していると仮定している点 挙 る.実際に 加熱部に よ 蒸気 多く,冷却部に よ 液 多い状態 存 している と考え る.そのため,高熱輸送量時に 実際の熱輸送量よ も小さく見積も てしまい,逆 に低熱輸送量時に 実際の熱輸送量よ も大 く見積も てしまうと考え える.

その他の理由の1つとして,OHP内の気液の速度 熱負荷量によ 一定と仮定している と 考え る.OHP内の気液 全て ザーバ温度 飽和状態にあると仮定しているため,

84

ザーバ温度一定の条件下 OHP内の液の物性値も一定 ある. のと 顕熱及び潜熱輸送の 熱伝達係数 ,式(3-12),(3-21)よ 速度にのみ依存する.

熱輸送量に対する液スラグの速度

u

lの影響を調 るために, ザーバ温度50 [℃]の条件 気 液の速度を0.02, 0.035, 0.05 [m/s]と変えてOHP内気液の総重量に対する熱輸送量の計算を行 た.

計算結果を実験結果と共にFig. 3-39に示す.速度0.02 [m/s]の熱輸送量計算結果 低熱輸送量時 の実験結果によく一致している 熱輸送量 大 く るにつ 実験結果か の乖離 大 く る.逆に,速度0.05 [m/s]の熱輸送量計算結果 ,熱輸送量80 [W]程度ま 実験結果との差異

大 い ,80 ~ 100 [W] 実験結果に近 く.低熱輸送量時 気液の速度 小さく,熱輸送量

大 く るにつ 速度 大 く ると言える.

ザーバ温度を50 [℃]として速度を変えて熱輸送量を計算した結果について,OHP内気液重 量に対する潜熱輸送量と顕熱輸送量の内訳をFig. 3-40に示す.OHP内の気液重量 大 く熱輸 送量 小さいと 顕熱輸送 支配的 ある ,OHP 内の気液重量 小さく 総熱輸送量

total

Q

るにつ 次第に顕熱輸送量 小さく 潜熱輸送量 るという傾向

速度によ 見 る.液量 大 い場合

u

l のよう ても潜熱輸送量

く熱輸送の大部分 顕熱輸送によ 行わ る.OHP 内の作動流体質量 大 く熱輸送量 小 さいと ,液の速度を実際よ も大 く仮定すると顕熱輸送量を過大に見積もる とに る.

また,液量 小さく ると,全体の熱輸送量のうち潜熱輸送 占める割合 大 く ,速度を 実際よ も小さく仮定すると潜熱輸送量,顕熱輸送量共に小さく見積もる とに る.

ザーバ温度一定の条件にて,実際に

u

l OHP内の作動流体質量の変化に応 て変わ うる かについて検討する.OHP 内部の液の速度 ,液に働く力,す わち液の前後の蒸気プラグの 圧力差と,壁面とのせ 断応力の合力 決まる.蒸気と壁面の顕熱輸送を無視し,相変化 蒸気 と壁面の接触部分 のみ起 ると仮定しているため,蒸気の圧力 壁面 の液膜 蒸発する と

昇し,蒸気の一部 凝縮して液膜 生 る と 低下する.OHP 内部の液重量 小さく 蒸気の体積 大 く 潜熱熱伝達係数 大 く ると,単位体積あた の凝縮量 大 く

,液の前後の蒸気の圧力変化 大 く る.そのため,気液の速度 液重量 大 い場合よ も大 く ると考え る.

OHP 内の作動流体質量によ 顕熱輸送と潜熱輸送の割合 変わる と 液体積割合の変化か も説明 る.OHP 内の液量 ザーバ温度 50 [℃] の際のそ の気液重量条件における 液体積割合とクオ テ の計算結果を Fig.3-41に示す.OHP 内作動流体質量の減少と共に液の 体積割合も減少する.つま OHP内の蒸気プラグの長さ 長く ているという と あ , 凝縮熱伝達量 増加する.反対に液スラグの長さ 短く るため,顕熱輸送量 減少する.ある 飽和温度の液の速度を一定とした場合,式(3-12)よ 顕熱伝達係数 一定と ,顕熱輸送量 熱伝達面積に比例する.Fig.3-35 顕熱輸送量 気液重量に対して線形に変化しているの の ため ある.潜熱伝達係数 速度 け くクオ テ にも依存するため,速度一定の場合 も 潜熱伝達係数 一定と い ,蒸気の密度 液密度の約20分の1と小さく,また気液の 速度 等しいと仮定しているため,Fig.3-41に示すように封入量 0.97か 0.68ま 変化して

もクオ テ の変化 0.002か 0.033程度ま にと ま てお ,クオ テ の変化による潜

熱伝達係数の変化も小さいため,Fig.3-40に示すように潜熱輸送量 作動流体質量に対してほぼ 線形に変化する.

潜熱輸送量と顕熱輸送量の割合に関する同様の傾向 ザーバ温度30 [℃],40 [℃]の結果に ついても見 る.Fig.3-42, 3-43に,気液速度 0.035 [m/s] 一定とした場合のそ ザー

バ温度30 [℃],40 [℃]の熱輸送量計算結果を示す.OHP内の気液重量 大 く熱輸送量 小さ

い場合 顕熱輸送 支配的に ,反対に気液重量 小さく熱輸送量 大 い場合 潜熱輸送量

85

支配的に るという傾向 ザーバ温度50 [℃]のと と同様 ある ,ほと の ースに おいて潜熱輸送量 顕熱輸送量の倍以 大 く,潜熱輸送 支配的 あるという点 ザーバ温 度50 [℃]の場合と異 る.Fig.3-44に,各 ザーバ温度における熱輸送量と液体積割合の関係を 示す.同 熱輸送量時 あ ても ザーバ温度によ てそのと のOHP内の液体積割合 異

, ザーバ温度 高く るほ 液体積割合 大 く ている と わかる.同 熱輸送量 も ザーバ温度50 [℃]の場合 顕熱輸送量 大 く, ザーバ温度 低く るにつ 潜熱輸送 の割合 増す.同 熱輸送量 も ザーバ温度 異 るとOHP内の液体積割合 異 るの , 飽和状態における作動流体の液及び蒸気の密度 異 るため あると考え る.飽和温度 高 い方 液密度 小さく 液体積 増すため, ザーバ温度を た時に ザーバ内の液 OHPへ移動する.OHP内の液体積 増し,潜熱輸送量 減少し顕熱輸送量 増加する.そのた めOHP加熱部の温度 昇し,再び ザーバ温度に近 くの いかと考え る.逆に ザーバの温度を下 た場合に 液 OHPか ザーバへ移動し,OHP内の液体積 減少する.

OHP 内液体積 減少すると潜熱輸送量 増加するため,加熱部の温度 低下し, ザーバ温度 に近 くと考え る. のように, ザーバ ザーバ温度一定の際にOHP内の液量を調整 する け く ザーバ温度を変化させた際にも,OHP内の液量を調整する とによ OHPの 熱輸送量 制御さ ていると考え る.

3.5.3 熱輸送量計算のまとめ

本節 の計算 3.4節の実験 得 た ザーバの液体積を元に行 ている.実験 測定さ た ザーバ液体積か ザーバ内の液質量を求め,全作動流体質量か ザーバ内液質量とテフ ロンチュー を めとするその他の部分の液質量を引く と OHP内の作動流体質量を求め ている.OHP内の液体積と蒸気体積 OHP内の作動流体質量か 求めている , のと OHP 内 ザーバと同 温度 飽和状態にあると仮定している. のように,ある熱輸送量時におけ るOHP内の液体積と蒸気体積 実験結果 ザーバ液体積測定結果 と仮定した条件 OHP内

ザーバ温度 飽和状態にある と に基 いて求め ている.

3.4節の実験か , ザーバ温度一定 OHPの熱輸送量 熱入力量 増加するとOHP内の 蒸気体積 増加する とや,熱入力量一定 ザーバ温度 低く ると蒸気体積 増す と わ か ,そ に 全熱輸送量に対する潜熱輸送量の割合 増加する と 関係すると推察さ た.

蒸気体積の増加 け 潜熱輸送量の増加を占めす と 出来 いため,実際に潜熱輸送と顕熱 輸送の熱伝達率を計算し,そ の熱輸送量を熱伝達率とOHP内の液体積と蒸気体積か 計 算したの 本項の内容 ある.液体積と蒸気体積か 熱輸送量を計算する際にも,蒸気と液 OHP 内に均等に配置さ ているという仮定を置いている.また,熱伝達率の計算に必要 液の 速度 一定値を仮定し,値を変える と 速度の変化 熱輸送量に及ぼす影響を調 ている.よ 実際に近い熱輸送量の算出のために ,Shafii [32, 50]やMa [34] 研究に代表さ るように液 スラグと蒸気プラグの運動を解いて速度を得る方法 想定さ る.

熱輸送量の計算結果よ , ザーバ一定温度の条件下 熱入力量 増加すると潜熱輸送量の割 合 増加する と,また熱入力量一定の条件 ザーバ温度を下 ると潜熱輸送量の割合 増加 する とを示し, ザーバによ 液量 調整さ る とによ OHP内の潜熱及び顕熱輸送量 制御さ る と 示さ た.