第4章 VC-OHP を適用した熱設計フ ー衛星
4.6 微小重力試験
4.6.1 実験概要
Cube OHP 宇宙環境 使用するため,微小重力環境下 機能する と 重要 ある.微小重
力環境 Cube OHPの機能に及ぼす影響について調 る.2回の熱真空試験 確認さ た次の3
つの点について,そ 微小重力環境下 も失わ る と く働く とを実証すると共に,微 小重力環境 各OHPの動作に与える影響を調 る.宇宙空間に打ち る と く国内 実施
る微小重力試験の中 ,試験時間 最も長く,供試体に ー を与える と く実施 るの 航空機実験に限 るため,微小重力の期間 約20秒間と限 て いる ,cube OHP を航空機に搭載して微小重力実験を行う.
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4.6.2 実験装置
微小重力環境下 も ザーバによる温度制御機能 働 熱制御 行わ る とを実証するた めにcube OHPを航空機に搭載し,微小重力実験を実施した.cube OHP Fig.4-18に示すように アルミ製ラックに載せて航空機に搭載した.X軸方向 機首方向,Z軸 重力方向と る.Cube OHP E面 +X方向,D面 +Y方向A面 +Z方向と るように,また大気中 の組立状態 の試験時や熱真空試験時と同様に 面 A面,底面 B面と るようにアルミ製フ ーム に 固定した状態 アルミ製ラックに搭載し,アルミ製フ ームをアルミ製ラックにネ 止めした.
ザーバ アルミ製ラックに ー ルタイ 固定した.
微小重力実験 4.5節の熱真空試験の後にcube OHPを展開せ 実施したためヒータや断熱材 等のコンフ グ ー ョン 4.5.2項に示す内容とほぼ同 ある.断熱材の取付け部分と断熱 材そのもの 以下の点について異 る.A面外面, ザーバ,cube OHPと ザーバ間の配管や バル のMLI 全て取 除いている.A面とB面MLI最外層の 面 アルミフォイル付 ポ エステル繊維の断熱材を,アルミフォイル側 外面に るように取 付けた.また3体の ザー バのステン ス製タンクの外表面 全て同 アルミフォイル付 ポ エステル繊維の断熱材 覆 ている.アルミ製ラック のスペースの制限か ,フ ン等の冷却装置を設置する と しか たためラ エータ面の冷却 自然空冷とし,ラ エータ面近傍の気温を線径0.2 [mm]のT 型熱電対 測定した.航空機内の気温 室温よ 少し低い 18 [℃]前後に空調 維持さ るよう にした.
ヒータ電圧印加用直流電源や計測装置 cube OHPを搭載したアルミ製ラックと同 ラックの 段に,ラ エータ面ヒータ電圧印加用の1 の直流電源を除 設置した.加熱面ヒータの電圧 印加に 高砂製作所製直流電源EX-750Hを2 A面用に1 ,B面用に1 用いた.EX-750H 出力電圧範囲0~240 [V],出力電流範囲0~12.5 [A] 240 [V]時最大3.125 [A], 60 [V]時最大
12.5 [A] ある.3本の ザーバの温度制御に ,4.5節の熱真空試験時と同様に3 のチノー
製 タルプログラム調節計KP1000Cと3 の 定プ ョン製の直流電源PK120-3.3を用 いた.Fig. 4-4に
C
TE _ ,
D
TE
_ , TE F
_ 示さ る熱電対をKP1000Cに接続し, ザーバに巻 付け たス イラル状ポ イミドヒータの電線をPK120-3.3に接続した.KP1000C 4.5節の実験 使 用したものと同 ,精度0.1%, ンプ ング周期 0.1秒 ある.ラ エータ面のヒータ熱入 力 E面にのみ与える ととし,E面に貼 つけたテープヒータの電線を 定プ ョン製直
流電源PK-80Mに接続した.PK-80M ラック 段に設置する場所 か たためcube OHPと
同 ラック最下段に設置した.PK-80Mの出力電圧範囲 0 ~ 110 [V],出力電流範囲 0 ~ 1.3 [A] 出力電圧の最小設定単位 1 [V] ある.熱電対 全てKEYENCE製 ータロガーNR1000 に接続した.NR1000 3.3節,4.5節の実験 も使用してお ,T型及びK型熱電対の測定精度
み(0.05% of rdg み1) [℃](rdg: reading, 測定値) ある. ータ ンプ ング周波数1 [Hz]
取得した.
航空機実験に イヤモンドエア ービス社のMU-300を使用し, ラボ ック形状のフライ
を行 た.Fig. 4-19 [59]に1回の微小重力実験前後の高度と重力の推移を示す.微小重力期間
約20秒間 ある.微小重力環境へ入る1分前か 航空機 降下と 昇を行い微小重力開始約 30秒か 垂直方向に約2 [G]の負荷を ける.微小重力期間終了後1 [G]に戻る前に約1.5 [G]の 負荷を約20秒間 ける.また,微小重力期間中 Z軸方向 け くX軸方向,Y軸方向 航 空機の左右方向 の重力 ベルも0.01 [G]以下と る.
4.6.3 実験条件
実験条件をTable 4-6に示す.実験 3回のフライ の中 MG-lか MG-5ま 計5条件にて 実施した.MG-1, 2 1回目のフライ ,MG-3 2回目のフライ ,MG-4, 5 3回目のフラ
イ の実験 ある.MG-1, 2の試験 加熱面A,B面のヒータ18枚全てを発熱させた状態
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ザーバの温度を変化させ,A,B面の温度 ザーバ温度に制御さ る とを確認する実験 を行 た.MG-3 ザーバ温度 一定のまま,加熱面に一様 熱負荷を与えた状態 放熱面 E面に熱負荷を与え,ラ エータに熱入力 ある場合 も加熱面の温度 変化せ に排熱 行わ る とを確かめる実験を行 た.MG-4, 5の実験 ザーバ温度および加熱面ヒータの総発 熱量 一定のまま ,18枚のヒータのうち,MG-4 A面3枚,B面3枚,MG-5 MG-4 か さ に1枚 つ減 してA面2枚,B面2枚のヒータのみを発熱させ,加熱面 に発熱分 布 ある場合 も加熱面の温度 一定に保た る とを確認する実験を行 た.
4.6.4 実験手順
ラボ ックフライ 可能 空域 以下,単に空域とする の都合 ,1 回(1 日)のフライ 時間 1時間と決ま ている.フライ 計3回 3日間 行い,1時間の間に ラボ ック フライ を8~11回行 た.重力環境 及ぼす影響 けを確認するために, ラボ ックフライ
cube OHP 熱平衡に達している状態 行 た.航空機 離陸するま にcube OHPの加熱
面ヒータ, ザーバ温度制御用ヒータ等をonにし熱平衡状態に到達した とを確認した.離陸 後30分程度 空域に到達する.空域到達時点 cube OHPの熱平衡状態に変化 無い とを確 認した後そのフライ における最初の ラボ ックフライ を開始した.航空機の姿勢の調整の ため1回の ラボ ックフライ 終了後次の ラボ ックフライ に移るま に 最低1 ~ 2分 程度の時間を要する ,1時間のフライ 中に大 く条件を変える と 行わ ,4.6.2項 述 た条件の変更のみ実施している.フライ 中に条件の変更を行 た際 ,熱電対 測定している
cube OHPの各温度 熱平衡に到達するま 10分間程度 ラボ ックフライ を行わ ,熱平衡
に達した とを確認してか 次の ラボ ックフライ を開始した.Table 4-6 の条件 全て再 現性確認のために2回以 ラボ ックフライ を実施している.1時間のフライ 終了後 最 後の ラボ ックフライ 時の条件を保 たまま30分かけて空港に戻 ,航空機着陸後 ータ の 集を停止し全ての直流電源,計測機器の電源をoffにした.
4.6.5 実験結果と考察
4.6.5.1 試験 ース MG-1, MG-2の実験結果
MG-1, MG-2の実験結果をFig.4-21に示す.Fig.4-21(a)か ,MG-1の条件 の微小重力試験中
にA, C, D, E 面の温度にわ かに変化 見 る.2回目の微小重力実験結果を拡大表示した
Fig.4-21(b) 微小重力試験開始直前の1.5~2 [G] かかる30秒間 A面の温度 0.2 [℃] D面の温度 反対に0.3 [℃]下 る ,微小重力実験開始後に再びA面の温度 0.5 [℃]下 D
面の温度 0.5 [℃] ている.微小重力実験中に温度変化 平衡に達し,微小重力試験直後
1.5 ~ 2 [G] かかる期間 再び温度差 開いている.A-D面間のOHP ,加熱面 あるA面
重力方向 に る ップヒー 状態と ているため,G かかる状態 液 Gに逆 て動か け いため伝熱面間の温度差 開 やすく,逆に微小重力状態 気液 G に捕 わ に動く と 出来るため伝熱面間の温度差 縮まる方向に働くと考え る.C-A 面間のOHPに関しても同様 あると考え る.い にしても変化 0.5 [℃]以内 あ ,し かも微小重力実験期間中に熱平衡に達しているようにみえる とか ,微小重力環境下 も ザ ーバによる温度制御機能 働 加熱面温度 ザーバ温度に保た るといえる.
1回目のフライ 3回目の微小重力実験と4回目の微小重力実験の間の1 [G]環境下のフ ライ 中に ザーバ制御温度を40 [℃]か 45[℃]に変化させている ,Fig.4-21(a) その後F 面の温度 低下している とか B-F面間のOHP 動作を停止したと考え る. ザーバ温 度変更後の最初の微小重力実験後にF面の温度 昇しB-F面間のOHP 再び起動している ,
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5回目の微小重力実験開始前の1 [G]環境下のフライ 中にF面の温度 低下しB-F面のOHP 再び動作を停止したと判断さ る.4 回目の微小重力実験前後を拡大表示した Fig.4-21(c) , F面の温度 微小重力実験中に 目立 た変化 見 ,微小重力実験後に 昇しているよう にみ る.一方 C 面,E 面の温度 微小重力実験開始後に下 ている とか ,微小重
力状態に た影響 C-B-E面間のOHPの熱輸送機能 低下し,B-F面間OHPへの熱入力 増
した と B-F面間OHP 起動したの いかと考え る.C-B-E面間のOHP B面 重力方向 下側に位置するボ ムヒー 状態 あ ,1 [G]環境下 冷却面か 加熱面に戻る 液 重力のア ス を ける とか 重力環境下 よ OHPの動作 活発に やすいと考 え る.4回目の微小重力実験後の後1 [G]状態 C面,E面の温度 昇するのと同時にF 面温度の低下 み る とか ,微小重力状態か 1G環境に戻 再びC-B-E面間のOHPの
気液の動 活発に C-B-E-A面間OHPへの熱入力量 増しB-F面間のOHPへの熱入力量
減少した と B-F面間のOHP 動作を停止したと推測さ る.
加熱面1回目のフライ のうち6回目の微小重力実験前後を拡大表示したFig.4-21(d) 微小 重力実験の間に各面の温度に変化 見 い. ザーバの制御温度を 45 [℃]に変更し加熱面
45 [℃]に到達した後の微小重力実験 も,微小重力環境による加熱面温度への影響の変化
見 ,加熱面温度 ザーバ温度か 2 ~ 3 [℃]以内の温度に制御さ ている.
4.6.5.2 試験 ース MG-3の実験結果
2回目のフライ (試験 ースMG-3)の実験結果として,放熱面E面への熱入力を3.2 [W]か 5.1 [W]に増加させた前後の微小重力実験結果をFig. 4-22に示す.7回目の微小重力実験前後(E 面ヒータへの熱入力5.1 [W])を拡大表示したFig.4-22(b) 微小重力環境による各面の温度変化
見 い.E面へ熱入力 ある状態 も加熱面A,B面の温度 ザーバ温度付近 保た ている け く熱入力量を増やしても加熱面の温度 変化し い と わかる.た し, の 放熱面においても温度 昇 見 いため,熱入力量 過小 あるため変化 見 い可能 性も考え る.
4.6.5.3 試験 ース MG-4, MG-5の実験結果
3回目のフライ 行 た,A,B面のヒータのうちそ 3枚 つ(試験 ースMG-4)及び 2枚 つ(試験 ースMG-5) 発熱させる微小重力実験結果をFig. 4-23に示す.試験 ースMG-4 の結果を拡大表示させたFig. 4-23(b) 発熱しているヒータに対応したA9, A5の温度 50 [℃] 以 と ザーバ温度よ 10 [℃]以 高い.またA8, A6 A9やA5の周辺の温度も47 [℃]前 後と他の点よ 高い ,A1を含 他のA面の温度とB面の温度 ザーバ温度か 5 [℃]以内 に保た てお その状態 微小重力環境 も変化してい い と わかる.A面の熱輸送を担う A-D面間OHPの冷却面D面,C-B-E-A面間のOHPの冷却面C面とE面の温度 40 ~ 41 [℃]と ザーバ温度に達してお ,ドライアウ の現象 そ見 いものの の2つのOHP 動作 限界にあ A 面の発熱部分の温度 特に高く ていると考え る.一方,F 面の温度 約 39 [℃] ザーバ温度か 1 ~ 2 [℃]低く,B-F面間のOHP 動作限界に 達してい いため,
同 発熱量 もB面の方 A面よ 発熱部分の温度 低いと考え る.Fig. 4-21(b) 見 たように微小重力実験開始後にA5, A9の温度 最大1 [℃]低下しているのとD面平均温度 0.5 [℃] 昇しているの 見 , ップヒー 状態にあるA-D面間のOHP 微小重力環境下 熱 輸送機能 向 する様子 確認さ る. の温度の変化 Fig. 4-21(b) も見 たように 微小重力状態 終了する前に平衡に達しているように見 る.
1[G]環境下 のフライ 状態 ヒータの発熱をA1, A9, BA, B9に絞るとヒータの発熱 無く
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たA5とB5の温度 低下する代わ に発熱密度 増したA9, B9の温度 そ 15 [℃], 5 [℃]程度 昇している.同 発熱密度の増加にも関わ A9 B9よ も温度変化 10 [℃]大
い とか ,MG-5の実験 A面のうちA9の部分について OHPの熱輸送性能 低いと 考え る.しかし 1[G]環境下 起 ている と あ ,Fig.4-23(c)か 微小重力実験中 に温度の変化 見 い とか ,微小重力状態の影響 ほぼ いと考え る.
4.6.5.4 微小重力実験結果のまとめ
微小重力実験の結果か ,微小重力環境下 cube OHPについて以下の点 実証 たと言え る.1) 加熱面 ザーバ温度と等しく る,2) ラ エータ面に熱入力 ある場合 も加熱面温 度 変化せ ザーバ温度に保た る,2) 発熱分布 ある場合 も加熱面 一様 温度に保た
る.た し2) について 述のようにラ エータ面への熱入力 過小 あるため変化 見 か た可能性 あ ,熱入力条件を変化させた実験による実証 必要 ある.また,3)に関 しても,発熱部分の一部 他の部分よ 10 [℃]以 高く る実験結果と てお ,理由 OHP 動作限界にあるためと考え るため,加熱面への熱入力量を小さくした条件 の実証 必要 ある.微小重力実験開始後にわ かに温度変化 見 た箇所も微小重力実験終了ま に熱平 衡に達していると見 るため,20秒間の微小重力期間 cube OHPの熱的 応答よ 長いと考 え る ,慣性の範囲内に ま ているため変化 小さい可能性も考え る.