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結果

ドキュメント内 著者 東郷 好美 (ページ 60-81)

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第 3 章 結果

いずれの実験においても、血栓等によって中空糸内が完全に閉塞したダイアライザおよ びヘモフィルタはなかった。それぞれの検証において健常者ボランティアから採取した血 液の基礎データ(血算)を、基準値(健常者の平均値)とともに表3.1に示す。データに異常 値は認められなかった。

表 3.1 採血時のボランティア血データ 構造の違い による検証 (mean ± SD,

n = 6)

滅菌の違い による検証 (mean ± SD,

n = 6)

素材の違い による検証 (mean ± SD,

n = 6)

基準値(健常者 の平均値) 男性/女性

(名) 5/1 4/2 4/2 血小板数

(万個/ μL) 27.6 ± 1.4 23.9 ± 2.6 30.9 ± 1.0 (男性)14.8~33.9

(女性)15.0~36.1

ヘモグロビン

(g/dL) 15.6 ± 0.9 14.0 ± 1.2 14.0 ± 0.5 (男性)13.2~17.2

(女性)10.8~14.9

ヘマトクリット

(%) 46.4 ± 2.0 45.2 ± 1.6 42.5 ± 1.7 (男性)40.4~51.1

(女性)35.6~45.4

白血球数

(個/ μL) 5500 ± 940 5367 ± 851 4183 ± 168 (男性)3590~9640

(女性)3040~8540

*)https://www.med.niigata-u.ac.jp/labdiv/kennsabukennsa/kijunnti/kijunnti_index.html

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中空糸膜素材の構造の違いによる血液適合性の検討

血小板数の経時的変化

血小板数の経時的変化を図3.1に示す。いずれの膜を用いた場合にも、循環開始後、血小 板数は低下したが、CTAに比し、ATA®の方がやや高値を維持して推移した。しかし実験終 了時(ATA®において13.9±4.9万個/μL、CTAにおいて13.1±2.9万個/μL)を含め、す べての点において両者間に有意差は認められなかった。投稿論文では時系列データである ため、反復測定分散分析を用いた解析も行ったが、結果は同じであった。

図 3.1 血小板数の経時的変化

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血小板表面マーカ( CD41 と CD42b )の発現率 3.1.2.1 血小板表面マーカ( CD41 )

血小板表面マーカ(CD41)の発現率を図3.2に示す。CD41は血小板の接着および凝集 に関与する血小板膜糖タンパク質である。CD41は血小板の活性化依存性受容体GPⅡb /Ⅲ aに対するマーカであり、従って、フィブリノーゲン結合能に対するマーカである [56]。実 験終了時のCD41の平均発現率は、ATA®において81.9±14.3%、CTAにおいて82.8±9.7%

と、両者間に有意差は認められなかった。

図 3.2 血小板表面マーカ(CD41)の発現率

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3.1.2.2 血小板表面マーカ( CD42b )

血小板表面マーカ(CD42b)の発現率を図3.3に示す。CD42bは血小板の接着および凝 集に関与する血小板膜糖タンパク質であり、血小板の活性化依存性受容体 GPⅠbαに対す るマーカである [56]。実験終了時のCD42bの平均発現率は、ATA®において80.2±13.6%、

CTAにおいて80.1±11.6%と、両者間に有意差は認められなかった。

図 3.3 血小板表面マーカ(CD42b)の発現率

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血小板放出因子(β -TG 、 PF4 )の実験前後における変化

3.1.3.1 血小板放出(β -TG )の実験前後における変化

血小板放出(β-TG)の実験前後における変化を図3.4に示す。β-TGおよびPF4は血 小板の活性化を示すマーカである。β-TGレベルの変化は、透析中の血小板脱顆粒および血 小板活性化の有用な指標であるとされている [56]。β-TGは、実験前の平均値が87.0±49.0 ng/dL、実験後のATA®において774.3±811.6 ng/dL、CTAにおいて1198.5±1017.2 ng/dL と両者間に有意差は認められなかった。

図 3.4 血小板放出因子(β-TG)の実験前後における変化

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3.1.3.2 血小板放出( PF4 )の実験前後における変化

血小板放出(PF4)の実験前後における変化を図3.5に示す。PF4レベルの変化は、透析 中の血小板脱顆粒および血小板活性化の有用な指標であるとされている [56]。PF4は、実 験前の平均値が30.6±17.3 ng/dL、実験後のATA®において509.0±417.3 ng/dL、CTAに おいて698.2±574.6 ng/dLと両者間に有意差は認められなかった。

図 3.5 血小板放出因子(PF4)の実験前後における変化

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FE-SEM による中空糸内部の観察

3.1.4.1 FE-SEM による中空糸内部の観察( ATA

®

FE-SEMによるATA®中空糸内部の写真を図3.6に示す。血小板の付着はほとんど認めら

れなかった。

図 3.6 中空糸内表面への血球成分の付着(ATA®

3.1.4.2 FE-SEM による中空糸内部の観察( CTA )

FE-SEMによるCTA中空糸内部の写真を図3.7に示す。血小板の付着はほとんど認めら

れなかった。

図 3.7 中空糸内表面への血球成分の付着(CTA)

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中空糸膜の滅菌の違いによる血液適合性の検討

血小板数の経時的変化

血小板の経時的変化を図3.8に示す。実験開始から30分後の血小板数は、γ線滅菌のPSf 膜(商品名:APS-11SA、以下、PSf_γ線)が14.1±2.6万個/μLだったのに対し、高圧蒸 気(autoclave;AC)滅菌のPSf膜(商品名:RENAKPS-1.0、以下、PSf_AC)が18.0±

1.2万個/μLと血小板数の減少は抑えられていたが、有意差はなかった。実験終了時の血小 板数はPSf_γ線において16.4±1.3万個/μL、PSf_AC において17.7±0.9万個/μLであ り、両者間に有意差は認められなかった。

図 3.8 血小板数の経時的変化

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血小板表面マーカ( CD41 と CD42b )の発現率 3.2.2.1 血小板表面マーカ( CD41 )

血小板表面マーカ(CD41)の発現率を図3.9に示す。実験終了時のCD41の平均発現率 は、PSf_γ線において96.2±1.0%、PSf_ACにおいて95.2±1.8%と両者間に有意差は認め られなかった。

図 3.9 血小板表面マーカ(CD41)の発現率

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3.2.2.2 血小板表面マーカ( CD42b )

血小板表面マーカ(CD42b)の発現率を図3.10に示す。実験終了時のCD42bの平均発 現率は、PSf_γ線において93.9±1.7%、PSf_ACにおいて93.7±2.2%と両者間に有意差は 認められなかった。

図 3.10 血小板表面マーカ(CD42b)の発現率

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血小板放出因子(β -TG 、 PF4 )の実験前後における変化

3.2.3.1 血小板放出(β -TG )の実験前後における変化

血小板放出(β-TG)の実験前後における変化を図3.11に示す。実験前後のβ-TGは、

実験前の平均値が61.3±22.1 ng/dL、実験終了時の PSf_γ 線において680.7±217.1 ng/dL、

PSf_ACにおいて454.3±85.6 ng/dLと両者間に有意差は認められなかった。

図 3.11 血小板放出因子(β-TG)の実験前後における変化

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3.2.3.2 血小板放出( PF4 )の実験前後における変化

血小板放出(PF4)の実験前後における変化を図3.12に示す。実験前後のPF4は、実験 前の平均値が 17.0±6.4 ng/dL、実験終了時の PSf_γ 線において 550.7±116.7 ng/dL、

PSf_ACにおいて402.0±58.0 ng/dLと差はなかった。

図 3.12 血小板放出因子(PF4)の実験前後における変化

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FE-SEM による中空糸内部の観察

3.2.4.1 FE-SEM による中空糸内部の観察( PSf_γ 線)

FE-SEMによるPSf_γ線中空糸内部の写真を図3.13に示す。血小板の付着はほとんど認

められなかった。

図 3.13 中空糸内部への血球の付着(PSf_γ線)

3.2.4.2 FE-SEM による中空糸内部の観察( PSf_AC )

FE-SEMによるPSf_AC中空糸内部の写真を図3.14に示す。血小板の付着はほとんど認

められなかった。

図 3.14 中空糸内部への血球の付着(PSf_AC)

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中空糸膜の素材の違いによる血液適合性の検討

血小板数の経時的変化

血小板の経時的変化を図3.15に示す。PMMA膜CH(商品名:Hemofeel CH-1.3W、東 レ・メディカル、以下、PMMA_CRRT_CH)において血小板数は実験開始から 30 分後に 最も低下した。その時の血小板数は、PSf膜であるAEF(商品名:Excelflo AEF-10、旭化成 メディカル、以下、PSf_CRRT_AEF)、SHG(商品名:Hemofeel SHG1.0、東レ・メディカ ル、以下、PSf_CRRT_SHG)、PMMA_CRRT_CHにおいてそれぞれ、24.4±1.7、11.8±2.4、

5.8 ± 1.3 万 個/μL で あ っ た 。PSf_CRRT_AEF に 対 し て PSf_CRRT_SHG と PMMA_CRRT_CH、PSf_CRRT_SHGに対してPMMA_CRRT_CHはそれぞれ有意差が認 められた(すべてP < 0.001)。実験終了時の血小板数は、PSf_CRRT_AEF、PSf_CRRT_SHG、

PMMA_CRRT_CHにおいてそれぞれ、19.6±1.0、19.9±1.4、13.2±2.2万個/μLであっ た。PSf_CRRT_AEF、PSf_CRRT_SHGに対し、PMMA_CRRT_CHにおいて有意に血小板 数は減少していた(P < 0.001)。

図 3.15 血小板数の経時的変化

**: P < 0.001 PSf_CRRT_AEF 対 PSf_CRRT_SHG グ ル ー プ, ‡: P < 0.001 PSf_CRRT_AEF 対 PMMA_CRRT_CH グループ, §: P < 0.001 PSf_CRRT_SHG 対 PMMA_CRRT_CH グループ.

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血小板表面マーカ( CD41 と CD42b )の発現率 3.3.2.1 血小板表面マーカ( CD41 )

血小板表面マーカ(CD41)の発現率を図3.16に示す。実験終了時のCD41の平均発現 率は、PSf_CRRT_AEF において 55.6±3.6%、PSf_CRRT_SHG において 46.1±20.2%、

PMMA_CRRT_CHにおいて 50.2±16.0%であった。CD41において、PSf_CRRT_AEF、

PSf_CRRT_SHGおよびPMMA_CRRT_CHの間に有意差は認められなかった(P = 0.32)。

同じポリスルホン素材である PSf_CRRT_AEF と PSf_CRRT_SHG の間にも有意差は認め られなかった。

図 3.16 血小板表面マーカ(CD41)の実験前後における変化

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3.3.2.2 血小板表面マーカ( CD42b )

血小板表面マーカ(CD42b)の発現率を図3.17に示す。実験終了時のCD42bの平均発 現率は、PSf_CRRT_AEFにおいて48.1±4.8%、PSf_CRRT_SHGにおいて43.1±19.9%、

PMMA_CRRT_CHにおいて 27.4±19.7%であった。CD42b において、PSf_CRRT_AEF、

PSf_CRRT_SHGおよびPMMA_CRRT_CHの間に有意差は認められなかった(P = 0.75)。

同じポリスルホン素材である PSf_CRRT_AEF と PSf_CRRT_SHG の間にも有意差は認め られなかった。

図 3.17 血小板表面マーカ(CD42b)の実験前後における変化

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血小板放出因子(β -TG 、 PF4 )の実験前後における変化

3.3.3.1 血小板放出(β -TG )の実験前後における変化

血小板放出(β-TG)の実験前後における変化を図 3.18 に示す。実験前後のβ-TG は、

実 験 前 の 平 均 値 が 132.2 ± 51.5 ng/dL、 実 験 終 了 時 の PSf_CRRT_AEF に お い て 1247.5±322.1 ng/dL、PSf_CRRT_SHGにおいて1245.0±551.9 ng/dL、PMMA_CRRT_CH において260.3±39.4 ng/dLと差はなかった。PMMA_CRRT_CHにおけるβ-TGは3つ のヘモフィルタの中で有意に低かった(P = 0.01)。同じポリスルホン素材である PSf_CRRT_AEFとPSf_CRRT_SHGの間に有意差はなかった。

図 3.18 血小板放出因子(β-TG)の実験前後における変化

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3.3.3.2 血小板放出( PF4 )の実験前後における変化

血小板放出(PF4)の実験前後における変化を図3.19に示す。実験前後のPF4は、実験 前の平均値が 32.2±15.1 ng/dL、実験終了時の PSf_CRRT_AEF において 978.5±200.0 ng/dL、PSf_CRRT_SHGにおいて863.0±233.9 ng/dL、PMMA_CRRT_CHにおいて1780.0

± 465.1 ng/dL で あ っ た 。 材 質 が 同 じ ポ リ ス ル ホ ン で あ る PSf_CRRT_AEF と PSf_CRRT_SHGの間にも有意差は認められなかった。PSf_CRRT_AEFとPSf_CRRT_SHG に対してPMMA_CRRT_CHは有意差を認めた(P < 0.05)。

図 3.19 血小板放出因子(PF4)の実験前後における変化

†: P < 0.05 PSf_CRRT_AEF 対 PMMA_CRRT_CH グループ, ¶: P < 0.05 PSf_CRRT_SHG 対 PMMA_CRRT_CH グループ.

ドキュメント内 著者 東郷 好美 (ページ 60-81)

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