IV. 熟練度の違いによる動作特性比較実験 〜角速度成分比較〜
IV.6. 結果
IV.6.1. 一本橋走行パフォーマンス
ライダーの一本橋走行パフォーマンスにより,下位,上位各4名をそれぞれ 初級者群および熟練者群とし,残りの6名を中間群と分類した.
それぞれのパフォーマンスは,初級者群 15.5 ± 2.0s ,中間群 27.8 ± 7.5s , 熟練者群 61.5 ± 22.0sであった(表4-3.).また,各群をTukey-Kramer法で多 重比較検定をおこなった結果,初級者群と熟練者群および,中間群と熟練者群 で有意差がみられた( p< .05 ).このことから,初級者群や中間群に比べ熟練 者群は有意にパフォーマンスが良かったと判断できる.各群のパフォーマンス 比較グラフを図4-7.に示す.
表4-3.一本橋走行パフォーマンス
群名 人数 内訳
走行 タイム
(s)
s.d.
初級者群 4 名
経験:0名未経験:4名
15.5 2.0 中間群 6 名
経験:3名未経験:3名
27.8 7.5 熟練者群 4 名
経験:4名未経験:0名
61.5 22.0
20 30 40 50 60 70 80 90
⾛⾏タイム(s)
*:p<.05
*
*
75
IV.6.2. 車体ロール角速度ωfr
図 4-8.(a),(b)に各群における頭部ロール角速度 ωfrの頻度分布を示す.
グラフからいずれの群も全員 0 deg/s付近にピークが発生しており,初級者群 と熟練者群ともに大きな車体ロール角速度が発生していないことが確認できた.
両群の頻度分布の等分散性を確認するため,それぞれ4名分のデータを結合 し,F 検定をおこなった.結果,両群には有意に差があり,等分散でないこと が確認できた ( F(21665,5269)= 1.85,p < .05 ).
また,両群の大きなロール動作の頻度比較を実施するため,角速度10 deg/s 以 上 の 頻 度 の 差 に つ い て ス チ ュ ー デ ン ト の t 検 定 を 実 施 し た と こ ろ
t = -1.19 ,df = 6 ,n.s. となり,急激なロール動作の発生頻度に関して有意
差は見られなかった.
(a) 初心者車体ロール角速度
0%
5%
10%
15%
20%
25%
-20 -18 -16 -14 -12 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20
頻度(%)
角速度(deg/s)
初A 初B 初C 初D
10%
15%
20%
25%
頻度(%)
熟a 熟b 熟c 熟d
77
IV.6.3. 背部ロール角速度ωbr
図4-9.(a),(b)に各群における背部ロール角速度ωbrの頻度分布を示す.
両群ともに緩やかではあるが 0付近にピークのある分布を示した.
両群の頻度分布の等分散性を確認するため,同様にそれぞれ4名分のデータ を結合し,F 検定をおこなった.結果,両群に有意な差はなく,等分散である ことが確認できた ( F(10883,2585)= 0.97 ,n.s. ).
(a) ライダー背部ピッチ角速度
0.0%
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
10.0%
-50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50
頻度(%)
角速度(deg/s)
初A 初B 初C 初D
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
10.0%
頻度(%)
熟a 熟b 熟c 熟d
79
IV.6.4. 頭部ロール角速度ωhr
図4-10.(a),(b)に各群における頭部ロール角速度ωhrの頻度分布を示す.
熟練者は 0 deg/s付近にピークが発生しており,走行中に急激な頭部のロール
動作が発生していないことが確認できた.一方,初級者は 0 deg/s付近の頻度 はあまり大きくなく,走行中に大きな頭部のロール動作が頻発していることが 確認できた.
同様にそれぞれ 4名分のデータを結合し,F検定をおこなった結果,両群に は有意な差があり,等分散でないことが確認できた( F(2585,10883)= 1.65 , p < .05 ).
また,両群の大きなライダー頭部のロールの頻度比較を実施するため,角速
度 10deg/s 以上の頻度の差についてスチューデントの t 検定を実施した結果,
t = 3.68 df = 6 p < .05 となり,初級者は大きな頭部のロール動作が有意に
多いことが確認できた.
(a) ライダー頭部ピッチ角速度 0.0%
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
10.0%
12.0%
14.0%
-30 -20 -10 0 10 20 30
頻度(%)
角速度(deg/s)
初A 初B 初C 初D
4.0%
6.0%
8.0%
10.0%
12.0%
14.0%
頻度(%)
熟a 熟b 熟c 熟d
81 IV.6.5. 各ピッチ角速度
図 4-11.(a)〜(c)に初級者群,熟練者群それぞれの車体およびライダー 背部,頭部のピッチ角速度の頻度分布を示す.初級者群,熟練者群ともにライ ダー毎には車体ピッチ角速度のピークに差異が発生しているが,各群として共 通する特徴的な挙動は確認できなかった.
(a) 車体ピッチ角速度 (左:初級者群,右:熟練者群)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
-20 -10 0 10 20
頻度(%)
角速度(deg/s)
初A 初B
初C 初D
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
-20 -10 0 10 20
頻度(%)
角速度(deg/s)
熟a 熟b
熟c 熟d
(b) ライダー背部ピッチ角速度 (左:初級者群,右:熟練者群)
0%
5%
10%
15%
20%
-30 -20 -10 0 10 20 30
頻度(%)
角速度(deg/s)
初A 初B
初C 初D
0%
5%
10%
15%
20%
-30 -20 -10 0 10 20 30
頻度(%)
角速度(deg/s)
熟a 熟b
熟c 熟d
5%
10%
15%
20%
頻度(%)
5%
10%
15%
20%
頻度(%)
83 IV.6.6. 各ヨー角速度
図 4-12.(a)〜(c)に初級者群,熟練者群それぞれのヨー角速度の頻度分 布を示す.初級者群,熟練者群ともにライダー毎には車体ヨー角速度およびラ イダー頭部ヨー角速度のピークに差異が発生しているが,各群として共通する 特徴的な挙動は確認できなかった.
(a) 車体ヨー角速度(左:初級者群,右:熟練者群)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
-20 -10 0 10 20
頻度(%)
角速度(deg/s)
初A 初B
初C 初D
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
-20 -10 0 10 20
頻度(%)
角速度(deg/s)
熟a 熟b
熟c 熟d
(b) ライダー背部ヨー角速度(左:初級者群,右:熟練者群)
0%
2%
4%
6%
8%
10%
-20 -10 0 10 20
頻度(%)
角速度(deg/s)
初A 初B
初C 初D
0%
2%
4%
6%
8%
10%
-20 -10 0 10 20
頻度(%)
角速度(deg/s)
熟a 熟b
熟c 熟d
5%
10%
15%
20%
25%
30%
頻度(%)
初A 初B
初C 初D
5%
10%
15%
20%
25%
30%
頻度(%)
熟a 熟b
熟c 熟d
85