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組織・育成

ドキュメント内 平成19年度 (ページ 178-200)

第 4 章  モデル地域 28 地域と

先進地域 10 地域の分析

5. 組織・育成

 組織・育成は、「地域資源の発掘・ネットワーク構築」「プログラム作成」「マ ネジメント・実施の円滑化・」「評価・修正」を属人的なものから組織的なもの にするための取り組みであるから、前 4 節で求められる資質・能力と同様とい うことになるが、ここでは、「取り組み」の側面に限定し、組織の整備、人材 育成、ツール・知識のパッケージ化、財源確保の4つの領域について分析する。

(1)組織の整備(熱意) (他敬) (相扶) (社貢) (規律) (組織) (働き) (批思) (課発) (論 思) (判断) (計画) (創造) (発信) (傾聴) (柔軟)

■コミュニケーション(共通要素に同じ)

●北海道職人義塾學校では、「キャリア教育連絡協議会」を設置している。理事 会や懇親会に関係者が招かれるなど、公式・非公式なコミュニケーションの場 として機能している。

●岩手の特性をふまえたキャリア教育の在り方を検討する場として「いわての キャリア教育を考える会」を未来図書館がプロデュースしている。

■役割分担・協力体制(共通要素に同じ)

●大館ネットワークでは、「カリキュラム部会」「広報部会」「地域部会」を組織 し、役割分担の整備を図っている。また、学校と企業の日程調整を担い、中心 者が異動しても事業が継続するよう配慮している。事務局を地域のNPO支援セ ンターに設置することで、センターに同居する他団体のボランティアスタッフ の協力が得られ、バックアップ体制が磐石となっている。

●ハリウコミュニケーションズでは、「まなびのたねネットワーク」というNPO を立ち上げ、マネジメント、資金調達、政策提言、広報などの業務を分担、円 滑に事業運営が可能になっている。

●ソシオエンジンでは、実施に当たっては「パートナー」と呼ばれる地域のN POが、各校に助言をおこなう協働体制が成立していた。また 2 年目以降、『job  job』の編集について、地域に在住・活動しているフリーのライターやデザイナ ーに協力を依頼するようにしていった。

●静岡県生涯学習振興財団では、モデル校で学習を支援した人材のなかから「キ ャリア教育支援アドバイザー」を認定し、学校と地域をつなぐ橋渡し役として いる。

●羽島商工会議所は、レベルアップのため評価会議に、ロボットの専門知識を 持つ技術家庭科の教員を入れることになった。

●男女・子育て環境改善研究所では、学生のインターンを受け入れていたこと を生かして、学生ボランティアを活用している。教職志望の学生は講師として も活動している。

○鳳雛塾は教材の一部を大学等に再委託した。

●オーシャン21では、年度ごとの課題にあわせ、多様なメンバーを推進委員に 選出している。プログラム開発に特化する年は伝統工芸等の事業者を、キャリ ア教育の拡大を目指す年は沖縄県の雇用推進対策室のメンバーを、社会と学校 との移行を研究する年は大学の就職課や会社社長を呼んだ。

●三鷹四小では、保護者・地域住民ボランティアを NPO 法人「夢育支援ネット ワーク」に組織化した。これにより、これまで学校がおこなってきた協力企業 との折衝の一部を担うようになった。

●埼玉県経営者協会では、産業界・教育界・行政などの関係機関による総合支 援体制である「産業人材育成プラットフォーム」が構築され、産官学の連携強 化策を協議・決定する推進会議を設置するとともに、中小企業や学校を支援す る専門の産業人材育成プロデューサーの配置・情報提供・中小企業の人材育成 やキャリア教育支援を推進することとなる。

●S.A.Net には、区内小学校 44 校、中学校 23 校を 3 つのエリアに分け、それ ぞれに 1 人ずつコーディネーターが存在する。

■課題(共通要素に同じ)

●金融知力普及協会では、同協会の代わりとなるような町の組織が生まれなか ったことを課題としてあげた。

■解説

 ネットワークを安定化するため、NPO法人などの立ち上げにより、コーディ ネーターを組織化し、その組織機構を整備することがおこなわれる。具体的に は、役割分担の明確化や、組織内でのコミュニケーション促進を図っていくこ とが重要である。これによって、個人への過剰負担が避けられ、特定人物がい なくなってもプロジェクトが進行するようになる。

 これら「組織の整備」に必要な知識・情報は、政治学、社会学、経営学、心 理学の「組織論」、スキル・ノウハウは組織を構築し運営するために「働きか け力」「批判的思考力」「課題発見力」「論理的思考力」「価値判断力」「計画力」

「創造力」「発信力」「傾聴力」「柔軟性」「情況把握力」、意識は「熱意」「他者 への敬意・寛容」「相互扶助意識」「社会貢献意識」「規律性」があげられる。

(2)人材育成(上記「組織」の資質・能力)プラス(人材)

■研修会・講演会(共通要素に同じ)

●キャリアバンクでは、教員の研修会において、キャリア教育は決して「新し いものが降って涌いたのでない」ということを主眼に話をする。たとえば、「数 学とキャリア教育は、一見つながりにくく思えるが、問題解決のため必要なこ とを省略せず、コツコツと地道に作業を進めるという意識やスキルは共通して いる」と説明する。

●大館ネットワークでは、コーディネーターが県内外で講演をするなどしてき たことが功を奏し、他県や他の地域のさまざまな主体が新たにキャリア教育に 取り組みたいと、ノウハウの伝授を求めてくるまでになった。

●ハリウコミュニケーションズでは、教員向け研修講座、市民ファシリテータ ーの発掘・育成のための市民講座を開催している。

●三鷹ネットワーク大学では、情報の共有の場としての研究会を立ち上げ、教 員たち同士で教えあい、クレイアニメやアニメーションの制作工程を事前に学 んでもらうようにした。

●日本教育開発協会では、ボランティアには説明会や研修会を開き、ナビゲー タの心得 5 か条を決めて、意思統一を図っている。

○瀬戸商工会議所では、実施を円滑にするため、学校と授業協力者の「つなぎ 役」を新たに養成する講座やOJT を実施している。現在 3 名が受講しており、

今後嘱託職員として活動する。

●南大阪地域大学コンソーシアムでは、社会貢献活動の場を求める学生組織を 有しており、ボランティアとしてキャリア教育に協力している。学生は、合宿 でキャリア教育の研修を受け、目的意識の共有を図るようにしている。

●キャリアリンクでは、コーディネート機能の移転のための教員研修をおこな った。

●ウィルシードでは、地域講師の講習会は 2 日間おこない、大人たちの心を刺 激するために「いきいきゲーム」を体感させ、「自分たちが子どもたちのために 動かなければ」と使命感を持たせるための言葉かけをした。

●オーシャン 21 では、3 年目は、月 1 回の校内研修会を、毎週どこかの学校で おこなった。

●世田谷まなびばネットでは、外部評価や情報共有を目的とし、東京各地域の 学校と学者を呼んで報告会をおこなった。しかし、東京では、それぞれの学校 が独自のかたちでキャリア教育を推進している場合が多く、効果がなかなか共 有されなかった。

●三鷹四小では、学校支援ボランティアの組織が、教員とボランティアの懇話 会や、ボランティア同士の茶話会を開催しており、このなかで、情報交換・ノ ウハウの共有がおこなわれている。また、先輩のベテラン・ボランティアが新 人ボランティアに対して、児童対応などについてインフォーマルな教育を担っ

ている。

●小平二中では、教育NPOなどが考案した授業をよりよく取り入れるために、

コーディネーターが設定した研修を教員が受け、授業内容の体験や、NPOと直 接話し合いなどをおこなっている。

●上越教育大学では、市立教育センターにキャリア教育研究推進委員会を組織 した。ある学校では キャリア教育のやり方がわからない という意見が出て おり、これに対して学校区単位の地域別研修会を開催した。

●大阪キャリア教育ステーションでは、大阪府教育委員会と協力してキャリア カウンセリング基礎講座を開催した。教員 64 名が参加したこの講座では、大学 の教授がキャリアカウンセリングの実演をおこない、進路選択で不安定になっ ている子どもへのコミュニケーションのあり方を教員が学んだ。

■スキル・ノウハウの移転(共通要素に同じ)

●キャリアバンクのMさんは、1年目、2年目は教員と一緒に企業をまわるこ とにした。子どもの声や写真などのビジュアル、キャリア教育の具体的な事例 が企業側にわかるように協力を求めるなど、教員が企業開拓のノウハウをMさ んのそばについて体得できるようにした。

●北海道職人義塾學校では、「職人の会」の若手と一緒に活動をおこない、実践 によってスキル等を身につけさせている。

●大館ネットワークでは、地元講師や学校教員の育成を図っている。当初のキ ーパーソンが担任への授業アドバイスをおこなうことで、地域の自主的な取り 組みにつながっている。

●ハリウコミュニケーションズでは、初心者ファシリテーターの育成方法は、

最初は記録係、徐々に経験者についてスキルを学び、最終的には中核的な存在 になっていくというもの。

●企業教育研究会では、初期は F さんが授業のやり方・映像処理の方法等を伝 授していた。徐々に、メインにコーディネート活動をおこなっている先輩につ いて学ぶ「見習い型」が定着していった。電話での話し方・訪問した時のマナ ー等同行するうちにノウハウを覚えていくというかたちである。

●キャリアリンクでは、学校現場にコーディネーション機能を移転するために、

キャリアリンク職員が教員と一緒に企業との交渉に出向き、交渉の見本を見せ るなどしている。

●京都高度技術研究所では、2 年目は、営業リストのつくり方、企業に持って いく子どもの履歴書の書き方などツールの指導をおこなったが、自立のため、

あえて、教員と一緒に企業に行くことはしなかった。

○小平二中では、先輩コーディネーターが新人コーディネーターとともに活動 し、見本を見せることで、ノウハウの移転を容易にしている。「お料理といっし

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