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マネジメント・実施の円滑化

ドキュメント内 平成19年度 (ページ 166-173)

第 4 章  モデル地域 28 地域と

先進地域 10 地域の分析

3. マネジメント・実施の円滑化

 マネジメント・実施の円滑化についても、前節同様、便宜上、(1)実施校への

対応、(2)企業への対応、(3)その他・各アクター共通の3領域に分け、手順や方

法ごとに、各地域の具体的事例をあげながら、必要とされる資質・能力を分析 する。

(1) 実施校への対応(熱意) (向上) (探究) (他敬) (相扶) (社貢)(規律) (学事) (教課) (発心) (教文) (情探) (情把) (俯瞰) (課発) (論思) (批思) (判断) (スト)

■担当窓口の設定(計画) (働き)

●キャリアバンクのMさんは「企業では必ず担当者が決まっているようにいる ように、学校でも教頭なり、学年主任なり、あるいは総合学習の担当者なり、

しっかり窓口を決めておくことが円滑な実施につながる」と言う。

●つくばインキュベーションラボでは、校長が OK と言っても、学年や学級の担 当教員の裁量権もあるため、必ず全てが伝わっているわけではなく、社長が OK を出したら必ず社員がやるという、企業のそれとは違う、ということを認識し て、プログラムを実施した。

●羽島商工会議所は、校長会で職場体験先を見学する機会を設け、安全につい ての確認をおこなった。

●小平二中では、教員側にも校務分掌として学校支援ボランティアコーディネ ーター担当を設けることとなった。これは、双方に明確な窓口がほしいという ボランティア側からの要望により実現したものだが、教員たちには同僚の担当 教員を通して、学校支援のシステムの理解を促すというはたらきもある。また コーディネーターが職員室に拠点を置くことによって、コミュニケーションを とる上でも、書類の受け渡しなどの事務処理においても役立っている。

■柔軟な対応(柔軟) (働き) (創造) (実行)

●学校行事のために必要な時間数が確保できない場合がある。教員も「どうし よう」と戸惑ってしまう。そんなときキャリアバンクのMさんは「いいじゃな いですか、学校行事をみんなで一生懸命やってください。それがチームで働く 力になります」とアドバイする。

●ある中学では「小樽グッズ」をつくることになった。生徒たちは 1 日あれば できると考えていたが、実際は目標個数の半分もできなかった。そこで、放課 後に 2〜3 時間、1 週間かけて完成させた。生徒は甘い見通しをたてて失敗する。

その試行錯誤に柔軟に対応することが求められる。

●三鷹ネットワーク大学では、学校の教員たちが臨機応変に時間割を組み替え、

何をやりたいかを直ぐに把握して、アドバイスもしてくれた。時間がないなか で打ち合わせも密におこなえた。

●つくばインキュベーションラボでは、世の中の時間の流れを学校に持ち込む ことで、社会のなかの学校、地域のなかの学校にしていった。たとえば、小学 校 3 年生の社会科の教科書通りに進むと、11 月に農家に行く単元に入るが、そ の時期の農家へ行っても田んぼには何もなく、畑には白菜しかない。教科書と 指導計画が学校中心に考えられていて、社会を見てつくられていない。

●一般に教員は名刺を持たない人が多い。そこで、とっさのときのために京都 高度技術研究所の Iさんは名刺サイズの白紙のカードを持ち歩き、その場で教 員が名前と連絡先を書いて企業の担当者に渡すようにした。何人かの教員は次 から名刺を持参するようになった。

●総合学習の全時間をキャリア教育に使えるわけではないため、一部計画した 授業内でやりきれない学校があった。そこでオフィスメイトでは休み時間や放 課後を利用することで対処した。

●鳳雛塾では、校区内に商店街がなかったため、テーマを「商店街活性化」か ら「環境問題」に変え、佐賀駅を利用して環境商品を売ることにした。

●世田谷まなびばネットは、教育関連の企業が提案するプログラムは教える内 容が多く、教員の運営が追いつかない場合があったので、打ち合わせをして教 員が実施しやすいように時間数を削った。

■こまめな対応(人権) (柔軟) (働き) (創造) (実行)

●トラブルの種となるインフォーマルな要望や不安などが、学校側・企業側か ら積極的に発言されることは少なく、放置すると関係が硬直し事業が中断する 恐れがある。そのため大館ネットワークでは、実施校をこまめに訪問して、進 捗状況の確認や体験学習のサポート体制づくりなどに奔走し、問題の芽を事前 に摘み取った。

●つくばインキュベーションラボでは、子どもに対して使う言葉にも配慮を要 した。「両親」という言葉は、家庭的に恵まれない子どもを刺激したくないとい う配慮から「おうちの方」という表現を使っている。

●エプソンインテリジェンスの販売実習での仕事は、場所を提供して、会場を 整備し、ポスター貼りや新聞社への情報提供の広報活動をおこなうことだった。

●マイトイでは、教員が逐一答えを与えてしまうことのないようにコーディネ ーター自ら授業に入り実施した。子どもが市場調査をおこなう際に、体験する 前から話す内容を教え込む教員がいた。そこで、M さんは「いざ現場に行って みると通用せず、話しすら聞いてもらえないこともある。そんなときどうすれ

ばいいだろうか」と子どもたちに問いかけた。

●ある教員は、子ども「全員を編集長に」したいと要望した。京都高度技術研 究所の Iさんは、その教員と一緒に新聞社に赴き、編集部、デザイン部、営業 部、総務部など各セクションをまわった。その教員は「世の中は分業が進んで るんですね」と理解を深め、子どもたちは役割分担をすることになった。

●つくばインキュベーションラボでは、教員に得意なことと不得意なことがあ ることを見極めて、プロジェクトを実施した。

■子どもの発達段階に合わせたフォローアップ(柔軟) (実行)

●ハリウコミュニケーションズでは、子どもたちの実態により合わせるために、

授業後の子どもたちの振り返りカードを見て、理解が足りないと思われるとき には、担任がフォローの授業をすることもあった。

■コミュニケーション(情探) (発信)

●学校の文化的特性として、教員が相互に孤立し、連絡調整が上手くいかない という問題があった。ソシオエンジンでは、最初にすべてを説明するのではな く、重要なアウトラインを全員に確かに伝達し、その上で情報を小出しにしな がら、各教員のなかでアウトラインを軸に情報を体系化してもらうよう、仕向 けていった。 

●三鷹ネットワーク大学では、ある学校で、グループでアニメーションの主人 公を決めることになった。学校教育は「平等」を重視するため、1 人のキャラ クターが主人公に選ばれても、残りの 5 人のキャラクターも脇役で登場するこ とになり、色々なキャラクターが出てきてもおかしくないストーリーにせざる を得なくなった。2 年目は、最初からグループで話し合って一緒にストーリー やキャラクターをつくるところからはじめた。最初から共同制作にしたほうが 比較的スムーズに進むことがわかった。

●エプソンインテリジェンスと教育委員会は必ず授業参観に行き、支援サポー ターの活用方法などを助言し、ときには校長や教頭と授業の進め方についてじ っくり話し合った。

●静岡県生涯学習振興財団では、キャリア教育について、「職場体験」や「金稼 ぎ」などと思い違いをしている教員もいるので、「生き方を考えさせる教育」な どと趣旨を説明するようにしてきた。

●富山県経営者協会では、親の職業についてあからさまに質問できないなど、

学校のルールや現状を事前に聞き、対応することによって、円滑に授業を実施 することができた。

●南大阪地域大学コンソーシアムでは、単元毎に次のステップの目標の確認と スケジュールの確認、ワークシートの決定をおこなった。

●キャリアリンクは、単に体験授業をおこなうだけではなく、その過程を通し てどういった力を育むのか粘り強く打ち合わせをおこなった

●ベンチャー・アライアンスでは、子どもたちが企画したものを商品化するた め産業界を中心とした評価会を設けた。これに対してある学校では、「一部の生 徒の企画した商品を差別的に推薦することになる」という意見が出た。これに 対し「商品化されることが目的ではなく、チームで団結して企画・立案するこ との素晴らしさを説くことが重要である。また教員以外が評価し、子どもたち に現実社会を体感させることがねらいだ」と話した。

●男女・子育て環境改善研究所では、子どもの理解力に関して教員と話し合い を重ね、講師とコーディネーターの2つの役割を果たした。

●鳳雛塾では、授業の後に毎回、教員たちと協議をおこなった。「産業界と教育 界は壁があると言われますけど、壁を承知で我々はコミュニケーションをはか る。あえて、自分たちで壁を崩していくしかない」。たとえば、言葉遣いで「向 き・不向き」という言葉は子どもの可能性を否定することになるため、学校で は使わないようにした。

●世田谷まなびばネットでは、教員がレールを引きすぎて子どもたちが自由に 活動できないという事例もあった。その際、教員には「企業や家庭や地域では、

初めから完璧な答えを出すことは不可能だ、また完璧である必要はない」と説 得した。

●S.A.Net では、プログラムが決定後、FAX やメールでのやりとり、そして、直 前に細かい打ち合わせをする。

●小平二中では、教員が力を入れたいのはどこの部分なのか、それに応じたボ ランティアの配置など、ニーズをマッチングさせるために、教員たちと何度も 話し合いをする。コーディネーター側から教員に知っていてほしいことがある 場合には、職員会議や学年会議で発言することもある。

●大阪活性化推進総研では、教員にはパソコンを使える人が少なかったが、電 話だと聞き間違いが生まれ、記録も残らないなど、連絡ミスをなくすためにメ ールでのやりとりにこだわった。

■試行錯誤(柔軟) (実行)

●企業教育研究会では、1年目にはどう進めてよいかさえわからなかったが、

2年目・3年目はどんな準備をいつやるか?その段取りは?ということが明確 になり、見通しを持って進められるようになった。

●オーシャン21は前年の 40 時間のカリキュラムを 20 時間もしくは 10 時間で 同じ成果を出せないか試行錯誤した。

■パッケージ化(制編) (俯瞰) (計画) (創造) (実行)

ドキュメント内 平成19年度 (ページ 166-173)

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