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分析の観点

ドキュメント内 平成19年度 (ページ 128-136)

第 3 章  分析の背景及び観点

2. 分析の観点

分析に際しては、コーディネーターや関係者の証言、各コーディネート団体 の報告書等に記載されている事実をもとに、経済産業省の『シティズンシップ 教育と経済社会での人々の活躍についての研究会報告書』における「シティズ ンシップを発揮するために必要な能力」の「意識」「知識」「スキル」の3領域 に、経済産業省の「社会人基礎力」、文部科学省の「職業観・勤労観を育むため の学習プログラムの枠組み(例)」の「4 領域・8 能力」、経済協力開発機構(OECD) の「キー・コンピテンシー」の観点とともに、本調査独自の視点を加え、コー ディネーターの資質・能力の可視化を試みた。

【シティズンシップを発揮するための主要な能力】

■意識

『シティズンシップ教育と経済社会での人々の活躍についての研究会報告書』

において、意識とは「知識やスキルを活用して、シティズンシップを発揮する 際の原動力やモチベーション(動機)」と定義づけられ、「社会の中で、他者と協 働し能動的に関わりを持つために必要な意識」として、具体的には、

●自分自身に関する意識⇒向上心、探究心、学習意欲、労働意欲等

●自己と他者に関する意識⇒人権・尊厳の尊重、多様性・多文化の尊重、異質 な他者への敬意と寛容、相互扶助意識、ボランティア精神等

●社会への参画に関する意識⇒法令・規範の遵守、政治への参画、社会に関与 し貢献しようとする意識、環境との共生や持続的な発展を考える意識等  があげられている。

■知識

 前掲書において知識とは「公的・共同的な活動、政治活動、経済活動の3分 野で必要となる」ものとして、具体的には、

●公的・共同的な分野での活動⇒教養、文化、歴史、思想、哲学、社会規範、

ユニバーサルデザイン、環境問題、街づくり、NPO・NGO等

●政治分野での活動⇒我が国の政治活動の仕組み(国民主権、代議制、3 権分 立、選挙制度、政党、)、国民の権利義務、法制度、政府の仕組み、住民運動、

住民参加、情報公開、戦争と平和、国際紛争、海外の政治制度等

●経済分野での活動⇒市場原理、景気、資本主義の仕組み、ボーダレス経済、

消費者の権利、労働者の権利、多様な職業の知識、財政、社会保障、金融・財

務・投資、家計、医療・健康、悪徳商法対策、各種ハラスメント、犯罪、違法 行為、CSR等

があげられている。

■スキル

 前掲書においてスキルとは「知識やスキルを独りで使うのではなく、社会や 他者との関わりの中で活かす際に必要となる」「多様な価値観・属性で構成され る社会で、自らを活かし、ともに社会に寄与するために必要な」ものとして、

具体的には、

●自己・他者・社会を客観的・批判的に認識・理解するためのスキル⇒自分の ことを客観的に認識する力、他者を客観的に理解できる力、物事を俯瞰的に理 解・把握する力、物事を批判的に見る力

●情報や知識を効果的に収集し、正しく理解・判断するためのスキル⇒大量な 情報の中から必要なものを収集し、効果的な分析を行う力、ICT・メディア リテラシー、価値判断力、論理的思考力、課題を設定する力、計画・構想力

●他者とともに社会の中で、自分の意見を表明し、他者の意見を聞き、意思決 定し実行するためのスキル⇒プレゼンテーション力、ヒヤリング力、フォロワ ーシップ(多様な考えや価値観の社会のなかで、批判的な目でチェック機能を 果たしたり、リーダーの意を組んで行動したり、適切な役割分担をおこなうこ と)、異なる意見を最終的には収集する力、交渉力、問題解決力、紛争解決力、

リスクや危機に対処する力 があげられている。

【経済産業省の「社会人基礎力」】

以下に「社会人基礎力」と「シティズンシップを発揮するための主要な能力」

とがいかなる関係にあるかを示す。

■前に踏み出す力(アクション)

●「主体性」物事に進んで取り組む力 例)指示を待つのではなく、自らやる べきことを見つけて積極的に取り組む。⇒この部分に関しては「意識」のなか の「自分自身に関する意識」と関連が見られる。

●「働きかけ力」他人に働きかけ巻き込む力 例)「やろうじゃないか」と呼び かけ、目的に向かって周囲の人々を動かしていく。⇒この部分は「意識」の他 者とのかかわりに関する意識が前提として存在しており、その上で「スキル」

の「自己・他者・社会の状態や関係性を客観的・批判的に認識・理解するため のスキル」との一致が見られる。

●「実行力」目的を設定し確実に行動する力 例)言われたことをやるだけで なく自ら目標を設定し、失敗を恐れず行動に移し粘り強く取り組む。⇒この部

分は「スキル」の「情報や知識を効果的に収集し、正しく理解・判断するため のスキル」との関係性がある。

■考え抜く力(シンキング)

●「課題発見力」現状を分析し目的や課題を明らかにする力 例)目標に向か って、自ら「ここに問題があり、解決が必要だ」と提案する。⇒この部分は「ス キル」の「情報や知識を効果的に収集し、正しく理解・判断するためのスキル」

との関係性がある。

●「計画力」課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力 例)課題 の解決に向けた複数のプロセスを明確にし、「その中で最善のものは何か」を検 討し、それに向けた準備をする。⇒この部分は「スキル」の「情報や知識を効 果的に収集し、正しく理解・判断するためのスキル」との関係性がある。

●「創造力」新しい価値を生み出す力 例)既存の発想にとらわれず、課題に 対して新しい解決方法を考える。⇒この部分は「スキル」の「自己・他者・社 会を客観的・批判的に認識・理解するためのスキル」との関係性がある。

■チームで働く力(チームワーク)

●「発信力」自分の意見をわかりやすく伝える力 例)自分の意見をわかりや すく整理した上で、相手に理解してもらうように的確に伝える。⇒この部分は

「スキル」の「他者とともに社会の中で、自分の意見を表明し、他者の意見を 聞き、意思決定し実行するためのスキル」との関係性がある。

●「傾聴力」相手の意見を丁寧に聴く力 例)相手の話しやすい環境をつくり、

適切なタイミングで質問するなど相手の意見を引き出す。⇒この部分は「スキ ル」の「他者とともに社会の中で、自分の意見を表明し、他者の意見を聞き、

意思決定し実行するためのスキル」との関係性がある。

●「柔軟性」意見の違いや立場の違いを理解する力 例)自分のルールややり 方に固執するのではなく、相手の意見や立場を尊重し理解する。⇒ここは「意 識」の「他者とのかかわりに関する意識」を前提として、他者への配慮の元、

「スキル」の「自己・他者・社会を客観的・批判的に認識・理解するためのス キル」との関係性がある。

●「情況把握力」自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力 例)チー ムで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすべきかを理解する。⇒こ の部分は「スキル」の「他者とともに社会の中で、自分の意見を表明し、他者 の意見を聞き、意思決定し実行するためのスキル」との関係性がある。

●「規律性」社会のルールや人との約束を守る力 例)状況に応じて、社会の ルールに則って自らの発言や行動を適切に律する。⇒この部分に関しては「意 識」のなかの「社会への参画に関する意識」の「法令・規範の遵守」と関連が

見られる。また「スキル」の「他者とともに社会の中で、自分の意見を表明し、

他者の意見を聞き、意思決定し実行するためのスキル」との関係性がある。

●「ストレスコントロール力」ストレスの発生源に対応する力 例)ストレス を感じることがあっても、成長の機会だとポジティブに捉えて肩の力を抜いて 対応する。⇒これに関しては自律的に生きることと、社会へのコミットメント のバランスをとることが目指されている。つまり「「意識」のなかの「自分自身 に関する意識」「社会への参画に関する意識」のバランスをとることであり、両 者をまたがる能力である。また、「スキル」の「多様な価値観・属性で構成され る社会で、自らを活かし、ともに社会に寄与するために必要な」ものとの関連 も見られる。

【文部科学省の「4領域・8能力」】

以下に「4領域・8能力」と「シティズンシップを発揮するための主要な能力」

とがいかなる関係にあるかを示す。

■人間関係形成能力――他者の個性を尊重し、 自己の個性を発揮しながら、様々 な人々とコミュニケーションを図り、協力・共同して物事に取り組む。

●「他者の理解能力」他者理解を深め、他者の多様な個性を理解し、互いに認 め合うことを大切にして行動していく能力⇒この部分は「スキル」の「他者と ともに社会の中で、自分の意見を表明し、他者の意見を聞き、意思決定し実行 するためのスキル」との関係性がある。

●「コミュニケーション能力」多様な集団・組織のなかで、コミュニケーショ ンで豊かな人間関係を築きながら、自己の成長を果たしていく能力⇒この部分 は「スキル」の「他者とともに社会の中で、自分の意見を表明し、他者の意見 を聞き、意思決定し実行するためのスキル」との関係性がある。

■情報活用能力――学ぶこと・働くことの意義や役割およびその多様性を理解 し、幅広く情報を活用して、自己の進路や行き方の選択に生かす。

●「情報収集・探索能力」進路や職業などに関するさまざまな情報を収集・探 索するとともに、必要な情報を選択・活用し、自己の進路や生き方を考えてい く能力⇒この部分は「スキル」の「情報や知識を効果的に収集し、正しく理解・

判断するためのスキル」との関係性がある。

●「職業理解能力」さまざまな体験を通して、学校で学ぶことと社会・職業生 活との関連や、今しなければならないことなどを理解していく能力⇒この部分 は「スキル」の「情報や知識を効果的に収集し、正しく理解・判断するための スキル」との関係性がある。(論理的思考力や課題を設定する能力との関連性)

ドキュメント内 平成19年度 (ページ 128-136)

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