第1章 飯田市の概要と人形劇フェスタ
3 いいだ人形劇フェスタの概要
3.3 組織
3.3.1 本部実行委員会
人形劇フェスタは、有志の市民によって組織されたいいだ人形劇フェスタ実行委員会に よって企画・運営が行われている。いいだ人形劇フェスタ実行委員会は、次で述べる地区 公演実行委員会、通称、地区実行委員会に対し、通称、本部実行委員会と言っている。
図 1-10 いいだ人形劇フェスタ実行委員会組織図
(出典:いいだ人形劇フェスタ実行委員会「いいだ人形劇フェスタ組織図」)
顧問 監査委
員
調整会議 実行委員長
副実行委員長
( 飯 田 市 公 民 館 長
他 数 名 )
プログラム評議委員会
公演部会 交流事業部会
総務部会 広報部会
パ ー ク 運 営 委 員 会
企画調整 会 議
( 正 副 実 行 委 員 長 ・ 各 部 会 長 ・ 委 員 会 代 表)
地 区 公 演 調 整 委 員 会
(主事)
各 地 区 公 演 実 行 委 員 会 事務局
( 人 形 劇 の ま ち づ く り 係 )
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本部実行委員会に有志で参加する市民は、企業の事務職員、販売員、建設会社役員・職 員、小中高等学校・幼稚園教諭、保育士、団体職員、パート職員など、多様な職種に携わ る人々であり、年齢は 20 歳代から60歳代、性別では女性が半数以上を占めている。本部 実行委員は、転勤等による引っ越しや、出産等の理由以外で委員を辞める人は少なく、多 くの人が 10年以上継続して実行委員会に参加している12。
いいだ人形劇フェスタ実行委員会の組織図は、図 1-10 のようである。なお、組織は、
第1回人形劇フェスタ当初から状況にあわせ運営に支障が無いよう随時検証と変更が加え られている。現在は、前述の事業内容で示した公演 ・交流 ・研鑽の事業内容を円滑に実 施するため、4 部会・3 委員会が組織されている。本部実行委員会に参加する実行委員は プランニング・スタッフとして、人形劇フェスタ全体の企画・期間中の運営・事後の反省 と、年間を通して業務に従事している。現在のメンバーは、約 80 名で、有志で参加する これら一般市民のなかから、実行委員長 1名と、副実行委員長複数名が選出される。
部会とその業務内容は次のとおりである。
・公演部会:公演全般、ワークショップ、地区公演の指導
・交流事業部会:市民・劇人の多彩な交流のための企画運営、式典などのレセプション
・広報部会:広報、記録、ガイドブック等の作成、インフォメーション運営
・総務部会:ボランティアの募集および指導と管理、グッズ制作・販売
・パーク運営委員会:セントラルパークの企画運営、模擬店出店管理
・公演企画委員会:特集・企画公演の企画、海外劇団作品の選考、有料公演の選考
・プログラム評議委員会:期間中の上演および催事を視察し、終了後の講評を次年度に 反映させる資料作り
正副実行委員長、各部会の部会長による企画運営委員会は、おおよそ月 1回程度開催さ れ、次年度の開催日、テーマなど開催にあたっての基本事項や、各部署および事務局等と の横断的な連携のための協議が行われる。そして、企画運営会議の年間計画に合わせて、
各部会は担当業務に関する検討および準備作業のための会議が開催される。
また、期間中のサポート・スタッフと称するボランティアスタッフを総務部会が募集し、
各部会の業務に参加してもらっている。サポート・スタッフは中学生以上を対象とし、多 いときには 500人以上の参加があった。現在は 250から300人くらいとなっている。
3.3.2 地区公演実行委員会
地区公演は、20 地区に約75 の地区公演会場が設営され、各地区公民館または分館を中 心とした集落=区の公演会場ごとに実行委員会が組織され、地区公演実行委員会ごとに企
12 筆者は、人形劇フェスタ実行委員会に 1999(平成11)年の第 1回から2013(平成25)
年の第15 回まで参加していた。実行委員の職種や年齢等に関する正確な調査はしていな いが、この間 10年以上の参加者の様子よりまとめている。
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画・運営を行っている。ここに携わる地区公演実行委員は、市内で総勢約 19,00人を数え る。これらの地区公演実行委員は、地区公民館および分館の公民館委員を中心に、PTA役 員、婦人会など集落=区の諸団体の役員である。また、数年前からは、いくつかの地区公 演実行委員会で、当日のみ活動に参加するサポート・スタッフを応募し、中高生の子ども たちが参加しているところもある。
本部実行委委員会は、個人の意志によって参加した有志の市民が、年間を通して実行委 員会の活動に取り組んでいる。一方、人形劇フェスタのもっとも特徴といえる市内全地区 の広域に拡がる地区公演を担う地区公演実行委員会は、地区公民館や分館および集落=区 の諸団体の役員を中心とした住民が、集落=区の自治活動の回り番として役職にあたった ことで参加する人がほとんどである。人形劇フェスタが掲げる理念には、個人の意志のも と参加することとなっており、実際に、本部実行委員の市民も地区公演実行委員の住民も、
みな 700円の参加証ワッペンを個人負担で購入しているが、本部実行委員と地区公演実行 委員とは、参加姿勢のうえでは大きな違いがあるといえる。
地区公演を実施するかは、毎年、それぞれの地区公民館または分館での住民の話し合い により決定される。人形劇カーニバルが終了し、人形劇の祭りをここで途絶えさせてはい けないという市民が参集して話し合いが行われ、新しい祭典人形劇フェスタが開始される に至った過程において、地区公演に関して住民の意見を集約した検討が行われたかは不明 であり、現実には、人形劇カーニバル時代からの形態がそのまま継続されて実施されるこ ととなった。
地区公演実行委員会は、予算面、劇団の決定、プログラムの決定など、本部実行委員会 と連携を取りながら運営を展開していくが、それぞれの地区公演実行委員会は独立してお り、各地区公演実行委員会同士の横のつながりは持っていない。また、地区公演実行委員 である地区住民の代表が本部実行委員会の企画運営会議に参加することはなく、会議には、
地区公民館に配属された主事によって構成される飯田市公民館主事会の人形劇プロジェク トの代表者が 75 会場の地区公演の連絡窓口となる「地区公演調整委員会」として会議に 参加している(図 1-10参照)。
人形劇フェスタ 10 周年記念誌発行にあたって開催された座談会で、主事を永年経験し 地区実行委員会を深く知る飯田市職員の氏原理恵子は、こうした実態から、有志市民によ って組織された本部実行委員会と住民によって組織された地区公演実行委員会は実際のつ ながりがほとんどないこと、また参加する市民の意識の面からも本部実行委員会と地区公 演実行委員会には大きな違いがあり、人形劇フェスタ実行委員会の体制を、「本部実行委員 会と地区実行委員会の二重構造といえる現状がある」と発言している(いいだ人形劇フェ スタ実行委員会 10周年記念誌編集委員会,2009:206-207)。
地区公演実行委員会の実態に関しては、第 5章で詳述する。また、地区公演に深くかか わる地区公民館および分館に関して、地区公民館に配置された市の職員である主事の役割
29 に関しては第 4章で詳述する。
3.3.3 市民の参加について
人形劇フェスタは、「みる 演じる ささえる わたしがつくるトライアングルステージ」
に表されるように、観客として、上演者として、運営スタッフとして、さまざまなかたち で参加する市民によってつくられる祭典であるとしている。市民の参加は一様ではなく、
参加の形態も、参加の意思・きっかけも、さまざまである。表 1-5 に、人形劇フェスタへ の市民の参加について整理してまとめた。
表 1‐5 市民の参加について
市民 運営 地区実行委員会関係
(住民)
1,900人
地区公民館役員、分館役員 PTA
地域の諸団体
有志:サポート・スタッフ 有志:企画提案者 (*1名)
本部実行委員会関係
600人
有志:市内人形劇関係者
有志:人形劇に取り組んではいない市民 (計 80 人)
婦人会(おいなんよサロン担当)
有志:サポート・スタッフ(中学生以上)(計 450人)
上演 学校関係 小中学校児童生徒劇団 文化会館・ いいだ 人形
劇センター講座受講生
公立保育士人形劇研修会受講生
いいだ人形劇センター主催人形劇講座受講生 アマチュア劇団 一般成人
観劇 一般市民 子ども~大人
運営参加市民 本部実行委員、地区公演実行委員
上演参加市民 学校関係劇団、人形劇講座受講生、一般アマチュア劇団 行政 運営 実行委員会事務局 教育委員会飯田文化会館人形劇のまちづくり係
本部実行委員会 飯田市公民館館長(副実行委員長)
地区公演実行委員会 地区公民館主事(飯田市職員)
サポート・スタッフ 飯田市職員
ふれあいキャブ 飯田市職員・飯田市職員 OB
(筆者作成)