山に生きる人 久助鴛の話 二膳E︷
平正
陸
三体体
478. 3 (148. 6)1, 799. 2 (248. 5)440.9 (111.2)i 737.6 (187.e)
329.7 ( O )i 55e.6 ( O )
王277.4 (397。ユ)
1178.5 (298.2)
88e.3 ( O )
(単位 cm)
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もっとも,被調査者が与えられた5分間に,これら二つの文章を全部読んだ わけではない。そこで中学・高校別におのおの5分間の平均読字数に対応する 文字配列の総延長を測ってみると,次のようになる。菊園では,平:体は蛇体よ り260cm近く長く,正体は,約ユ85
中 判高 校
,平体}、、s,◎
i工E 体 785,8
長 体 6GO.7 i
97蔓.2 91e.5 68Z 3
c斑長い。高校では,平体は長体よ り290cm近く長く,正体は約220cm 長い。つまり,文章を読んだ際の眼 球の走行距離に関して平体・正体 は、童体に比してその長さだけハン ディキャップを負わされたことになる。このハンディキャップが,文寧配列の 全延長を等しくしたひらがな1字および3字語の認知・弁Sljの場合とはちがっ て,竿形の違いによる読みやすさ・読みにくさの因子よりも一層強く働くこと になったのであろう。
(追記)18ページにも述べたことではあるが,字形の違いが同一文牽の読みの能率にどう 影響するか,または,無意昧}こ配列されたiag一一一のかな文寧や語の抹消作業の能率にどう 影響するか,その優劣の問題を絹らかにするには,少なくとも次の三つの基準によって 判定することが必要だ。
i)速く読めるかど5か(速く抹消作業ができるかどうか。)
il)文章内容がよく理解できるかどうか(正しく抹消作業がでぎるかどうか。)
iiD正忌問読みつづけても(抹消作業をつづけても),疲勢が少なくてすむかどうか。
しかし,われわれが今圃の実験・調査でとりあげることができたのは,上め三つの基 準のうち,iとiiだけで, iiiの基準による優劣関係の判定の闘題については,全く触れ ることがでぎなかった。つまり字形の違う同一の文章を長時間読みつづけた場合,また は,無意昧に配列されたee一一一のかな文宇や語の抹消作業を長二間つづけた揚合,当然そ こに起こるであろう眼の疲労の聞題をとりあげることができなかったということを断わ っておかねばならない。
平体活字のほうが知覚的に安定しており,長体活掌のほうが知覚的に安定していない ということが,晶晶という人闘の視知覚のメカニズムから説開できるということは,筋 にも述べたことである。そうであるとするなら,知覚約に安定していないといわれる長 体活宇と知覚的に安定しているといわれる平体話字という異なった条件のもとで,読書 作業や抹消作業を長時間つづけた場含,そのことによっておこる眼の神経や筋肉の疲労 の程度には,嶺然微妙な影響の違いが現われるはずであろう。
実験的な眼の疲労の測定方法には,大きく欝って,二つの方法がある。一つは,視惑
覚系に関するものであi),も 5 i一つは,視器運動系に関するものである。前春は,網膜 から始まって,視神経を経て,視感中枢に達する部分の疲労に回する間題で,これに は,たとえば,視力測定,光反応時間測定,閃光融合頻度閾測定等の方法がある。後者 は,調節・輻馨・眼球運動等に関する部分の疲労の閥題で,これには,調節近点測定,
調節時闘測定,調第持続時闘測定,輻馨力学等等の方法がある。
前にあげたiとiiの基準から言って,有意昧の文章を読み進む口合には,長体一正体 一平体の順に優劣関係がつき,無意昧のひらがな1回目よび衡平昧のひらがな3宇1語を 認知・弁別していく場合には,平体一正体一三体と,逆の優劣関係がつくということ を,われわれは知った。しかもこのことは,活字や文章に対する慣れや接近の程度の高 いグル・・一・プにおいてはっきりと認めることができ,低いグル{プにおいては認めること が困難であるということも知った◎そのうえ,有意味の文章の場合に,長体一正体一回 忌㊧関係が生まれるのは,文宇配列の行の長さの長短,つまりいわば眼球の走行二二の 長短という,最も単純な事実と関係があるのであろうということも,われわれは,知る ことがでぎたのである。
したがって,臼本語の漢字かなまじりの文章を長体活宇で印刷したほうがよいか,平 体活字で印歯したほうがよいか,それとも正体活字で印刷したほうがよいかの聞題を決 定するためには,前にあげたiとiiの規準のほかに,どうしてもiiiの規準による検証が 必要とされるわけである。つまり長体・平体・正体の活宇で印醐された文章の読書作業 およびかな文字や語の無意昧配列の抹消作業を長時闘にわたって行なった際におこる眼 の疲労の問題を,上にあげたような測定方法によって検証する必要が生まれてくるので ある。
しかし,このような眼の疲労測定に関する問題は,ありていに言って,現在のわれわ れには,いささか荷の重い問題といわざるを得ない。この報告書では,今後にのこされ た問題となった。眼科学や労働生理学の研究に従っておられる専門学者の指導と協力を ぜひとも仰ぎたいと思う。
最後にもう一つのことを断わっておこう。われわれは,この報告書で,国語文輩の横 組みの問題として,漢字とかなの活字の字形の問題しか扱わなかった。しかし,われわ れは,国語文章の横組みに関する問題が,この漢字とかなの活字の三彩の闘題だけに尽 きると考えているのでは決してない。国語文章の横組みに移§する問題としては,ほかに とりあげるべき多くの問題のあることを,われわれは充分知っている。たとえば,漢字 かなまじりの国語文章が,そもそも横組み・横書きにどれだけ適しているのかというこ
とについての検討などは,この報告書で扱った問題よりはるかに基礎的かつ重要な問題 であったはずである。この報告書で,これらの問題、に触れる余裕をもち得な期つたこと は,残念であるが,渡辺は,以前この間題について,部分的にではあるが,触れたこと があり,あわせて,国語文章の横組み・横書きに対する基本約な考えを述べたことがあ る。この報告書とあわせて,渡辺の次の論文もお読みいただければ,幸いである。「文 章の縦組み・横組みの読みやすさについて一漢字・かなの字体の再検討を提回する 一」 計量圏語学 14輯 1960年9月
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狂 文章を読む際の眼球運動から見た字形の優劣
(永野)
A実験の目的と条件
この実験の目的は,平体・正体・長体の三種の字形のどれがより速く読める かを,個入ごとに比較することにある。文章を読む速度には個人差がある◎そ れは性格や習慣によるものであり,幼少年の場合を除いて,読書の能力とは関
(注1)
係がない。そこで,非常に速く文章を読むくせのある人,逆に,ゆっくり読む くせのある人,あるいは中閥の入など,いろいろの人について実験をしてみ て,かりに,ある弓形が他の宇形よりもより速く読まれる,という結果を多く の被験者が示したとしたら,その字形は一般に速く読まれうる字形であると考 えてよい。
ただ,同じ人でも,ものを読む鼠的や,その人の生理的条件,読む場所その 他の環境などによって,読む速さは必ずしも一様ではない。だから,この実験 は,岡じ入が同じ疇に同じ場所で同じ文章を読む,という状況において行なわ れなければならない。
ところで,この研究の課題は,平体・正体・長体の三つの字形の比較であ る。だから,向じ文章を字形を違えて印届ilしたものを三種類被験者に読ませる のが理想である。しかし,三つのものの比較では,分析が非常に複雑な操作を 必要とするので,豪ず,二つのものの比較をすることとした。
われわれは,これまでの集団調査で,横組みの場合,長体一正体一平体 の順位で速く読まれるという結果をえている。そこで,この個人の読書速度の
比較実験では,開きの大きい平体と長体との二つを取り上げて比較し,集団調 査の結果を確かめようとしたのである。
この実験は,集団による平均値の比較よりも一そうの精密さを必要とする。
われわれは眼球運動の記録機械オフサルモグラフを利用することとした。
(注の われわれが中高校生を対象にして行なった実験によれば,読解力や学校の国語 科の成績と読書速度とは無関係である。(『国立国語研究所年報1i』『同12』参照)
B オフサルモグラフ利用の意義
オフサルモグラフ (Oph£halmo−graph, American Optical Co.,U.
S。A.)は,被験者の爾眼の角膜に左右から弱い光を当て,目の動きに対応して 動く反射光をレンズで集約し,一定速度で回転するフィルムに撮影する眼球運 動記録:装置である。
文章を読む際に,眼球は行の初めから終わりまで等速になめらかな運動をす るのではない。一つの凝視でいくつかの文字群を知覚して意味を理解し,次の 凝視点まで飛躍していくつかの文字群を知覚し,意味を理解する。このように 一行の問にいくつかの凝視点をもち,それぞれの凝視点で,ある時報停留し,
次の凝視点に飛躍する,という運動を行なうのである。また,読み進む聞に読 み誤りや読みそこないがあると,一一つの凝視点から逆の方向に飛躍して凝視停 留することがある。これを逆行という。
このような読書の際の眼球の停留・逆行等をオフサルモグラフで記録するこ とによって,印字された文宇配拷の適否,文章の理解度の難易,被験者の読書 能力の発達度等を判定することができるのである。たとえば,停留数が著しく 多かったり,停留時間が長かったり,また,逆行がひんぱんに現われたりすれ ば,その文章は,印刷のしかたに欠陥があるとか,難解であるとかの判定が下 される。また,間じ文章を甲と乙とが読んだ場合,甲のほうが乙よりも停留・
逆行数が多かったり,停留時間が長かったりしたとすれば, (これは言語能力 習得過程にある児童などの場合であるが)甲のほうが乙よりも読書能力が低い
と判定されるわけである。
われわれは,オフサルモグラフのこの機能を利燭して,字形の比較を試みた のである。
C 実験文章の作成 1 実験文章の条件
実験文章の傭えるべき条件は,内容・長さ・表記の三つの観点から考える必 要がある。
まず内容の点では,特別の知識を要しない,ごく普通の話題を,あまり難解 亭8