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窒素イオンの注入エネルギーによる比較 .1 実験条件

第4章 窒素イオン注入による素子分離

4.4 窒素イオンの注入エネルギーによる比較 .1 実験条件

らすと言われている。またバッファー層には格子定数の違いにより転位が多く存在す るので、この貫通転位の影響を受けて、バッファー層を介したリーク電流が電極面積 に依存すると考えられる。ここで、幅を大きくして電流値が上がったのは面積が増え ることで抵抗Rが低下したことに起因する。抵抗Rに比べ、抵抗rは抵抗が非常に小 さいと仮定すると、距離を伸ばしても抵抗として効くのは抵抗Rだけなので電極の距 離の依存性が確認できなかったにも関わらず、電極の幅を大きくすると電流値が増加 したものと考えられる。窒素イオン注入を用いることで表面のリーク電流はほぼなく なったと言えるが、バッファー層を介したリーク電流という新たなリークパスを発見 した。これを防ぐためにはバッファー層に Fe をドープし、高抵抗化させることなど が考えられる。

4.4 窒素イオンの注入エネルギーによる比較

窒素注入層とn+層との間隔

条件A : 2 μm 条件B : 0 μm 条件C : -2 μm

(a) 絶縁膜堆積 (b) Siイオン注入

(c) 窒素イオン注入とレイアウト

アイソレーション間隔 L = 1 ~ 50 μm

(d) TEG斜視図

図4.4.1.1 TEG作成プロセス図

図4.4.1.2 各種注入プロファイル

L = 1 ~ 50 μm

W= 30 ~ 120 μm

10

-7

10

-6

10

-5

0.0001

0.001 0.01 0.1 1 10

0 5 10 15 20 25 30

Voltage (V)

30+80keV

N注入層とn+層との距離 : 0um

アイソレーション間隔 L = 3 ~ 50 um

W = 50 um 4.4.2 実験結果

まずは注入エネルギーを30+80 keV、W = 50 μm、条件B(窒素注入層とn+との距 離 : 0 μm)のI-V特性とL = 1 μmのときの条件A、条件B、条件CのI-V特性の比較 を図4.4.2.1、図4.4.2.2に示す。

図4.4.2.1 I-V特性(30+80 keV、条件B)

10-7 10-6 10-5 0.0001 0.001 0.01 0.1 1 10

0 5 10 15 20 25 30

2um0um -2um

Voltage (V) 30+80keV

L=1um

図4.4.2.2 各種条件のI-V特性の比較

図4.4.2.1を見ると前節同様リーク電流が大幅に減少していることが分かる。また、

図4.4.2.2では条件A(窒素注入層とn+との距離 : 2 μm)が他の二つよりもリーク電

流がやや高い結果となった。よって窒素イオン注入はn+層よりも内側に注入を行うこ とでリーク電流の低減がより期待できることがわかった。

次に電極の幅をW = 50 μm、条件B(窒素注入層とn+との距離 : 0 μm)の電極間の 距離の依存性と電極間の距離を L = 3 μm 固定し、電流値と電極の幅の依存性を図 4.4.2.3、図4.4.2.4に示す。

10-10 10-9 10-8 10-7 10-6

30 40 50 60 70 80 90 100

Width L = 1um

Voltage : 10V

N注入層とn+層との距離 : 0um

30+80 keV 80 keV

30 keV

10

-8

10

-7

10

-6

10

-5

0.0001

1 10 100

30 keV 80keV 30+80 keV

Length (um) W = 50um

Voltage : 25V

N注入層とn+層との距離 : 0um

図4.4.2.3 電極の距離依存性(条件B)

図4.4.2.4 電極の幅依存性(条件B)

図4.4.2.3をみると距離Lにはほとんど依存せず横一線であることが分かる。また、

図4.4.2.4では幅Wに依存して増加する傾向が見て取れることから、前節同様、バッ

は30+80 keVの2段注入を行った方が、リーク電流が低いことがわかる。これは30 keV ではSiイオン注入を行った50 keVよりも注入が浅いことからその下を通ったためと 考えられる。また、80 keVの場合はSiイオン注入よりも注入は深く、下を通るリー クは防げたが、浅いところのダメージが不十分である可能性がある。次節では RBS 測定を用いて窒素イオン注入により形成した非結晶層を評価する。

最後に、注入エネルギーによるリーク電流の比較と条件A(2 μm)、条件B(0 μm)、

条件C(-2 μm)によるリーク電流の比較を図4.4.2.5、図4.4.2.6に示す。

図4.4.2.5 各種注入エネルギーの電流値比較(条件B)

図4.4.2.6 各種注入条件の電流値比較(30+80keV)

図4.4.2.5より、注入エネルギーが30+80 keVの方が他の2つよりもリーク電流が小

さく、距離 L による大きな変動も少ないことがわかる。また、図 4.4.2.6 では、窒素 注入層とn+との距離が0 μm以下である方が、リーク電流が低くなる傾向が見て取れ る。

以上の結果より、窒素イオン注入のエネルギーは30+80 keVの2段注入、窒素注入 層とn+との距離は0 μm以下であれば良好な素子分離が形成される。そして、MISFET の作製プロセスにおいて窒素イオン注入による素子分離は非常に有効な手段である ということが期待できる。

4.5 ラザフォード後方散乱法による窒素イオン注入層の結晶

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