• 検索結果がありません。

第4章 窒素イオン注入による素子分離

4.3 窒素イオンのドーズ量による比較 .1 実験条件

4.3.2 実験結果

作製したTEGよりI-V測定を行った。L = 3 μm、W = 50 μmのときの結果を図4.3.2.1 に示す。

図4.3.2.1 窒素イオン注入量によるI-V特性の比較

図4.3.2.1を見ての通り、窒素イオン注入を行うことで大幅にリーク電流が低減して

いることが分かる。10 V時で、約5桁のリーク電流の低減に成功した。また、窒素イ オンの注入量では一番注入の低い 1 × 1019 /cm3はリーク電流が多いことが分かった。

注入量が1 × 1019 /cm3では十分な非結晶層が形成できていないことから、リーク電流

が多いと考えられる。また、5 × 1019 /cm3以上の注入量になるとあまり差が見られず にリーク電流は飽和することがわかった。これより、これ以上注入量を増やしてもリ ーク電流は減少しないことが予想される。

次に、電極の幅をW = 50 μm固定し、電流値と電極間の距離の依存性を図4.3.2.2 に示す。

図4.3.2.2 電極間の距離の依存性

注入量が一番低い1 × 1019 /cm3では距離を大きくすると電流値が下がる傾向が見ら れる。つまり、まだ1 × 1019 /cm3では非結晶層が不十分なために表面のリークが残っ ているということがわかる。次に、5 × 1019 /cm3、1 × 1020 /cm3注入したものは共に距 離を大きくしても電流値が変わらないということがみてとれる。つまり、これらの条 件では抵抗が非常に高いため、距離の依存性が確認できないのであり、表面のリーク はほとんどないと言える。

次に、電極間の距離をL = 3 μm固定し、電流値と電極の幅の依存性を図4.3.2.3に示 す。

図4.3.2.3電極幅の依存性

図4.3.2.3のグラフで電極間の距離を変えたときは5 × 1019 /cm3以上では、横一線だ

ったにもかかわらず、電極幅を大きくすると電流値が増加するということが見て取れ る。つまり、これらの結果を考察すると、図4.3.2.4のようなリークパスが考えられる。

図4.3.2.4 リークパス図

らすと言われている。またバッファー層には格子定数の違いにより転位が多く存在す るので、この貫通転位の影響を受けて、バッファー層を介したリーク電流が電極面積 に依存すると考えられる。ここで、幅を大きくして電流値が上がったのは面積が増え ることで抵抗Rが低下したことに起因する。抵抗Rに比べ、抵抗rは抵抗が非常に小 さいと仮定すると、距離を伸ばしても抵抗として効くのは抵抗Rだけなので電極の距 離の依存性が確認できなかったにも関わらず、電極の幅を大きくすると電流値が増加 したものと考えられる。窒素イオン注入を用いることで表面のリーク電流はほぼなく なったと言えるが、バッファー層を介したリーク電流という新たなリークパスを発見 した。これを防ぐためにはバッファー層に Fe をドープし、高抵抗化させることなど が考えられる。

4.4 窒素イオンの注入エネルギーによる比較

関連したドキュメント