診療情報管理
改善と早期に経口栄養法へ移行できた栄養管理の 1 例 福田亮輔(ふくた りょうすけ)・増田明啓・勝見祐太・小島有希・
林 安津美・植村則久・杉浦 真 安城更生病院
周術期栄養管理
〈はじめに〉A病院は地域中核災害拠点病院として防災訓練を年 1 回実施している。これまでの訓練は,災害対応マニュアルを見直す ための実働訓練であったが,実働だけでは災害対応の全体像が把握 できていなかったため机上訓練を改めて実施した。
〈方法〉事前に全体講義を実施した後,災害が発生したことを想定 したCSCAの運用についてグループ討議を行なった。TTTについ ても机上での訓練を実施した。想定を深夜帯の院内職員が少ない状 況下で発災とし,災害対策本部の立ち上げ方法や情報収集,各組織 を確立できることを目標に机上訓練を行なった。
〈結果〉CSCAの概念を事前学習できたことで自施設に当てはめ たうえで考える機会となった。アンケート結果から,各エリアの適 切な設置や,災害拠点病院としての役割を果たすために最低限行な わなければならないことについて,参加者全員が理解できたとの回 答を得た。
〈考察〉CSCAを基盤に災害対策本部立ち上げからトリアージま での流れを理解する良い機会となった。これまでは動線の確認をす るのが精一杯であったが,事前の講義や机上訓練があったことで自 分の行動に優先順位をつけて行動できていた。平時の時間帯を想定 した同様の訓練を実施し,災害対策本部が迅速に立ち上がるよう,
スタッフの頭づくりを行なっていく必要がある。
〈はじめに〉透析医療は災害に弱く,震災,台風などの自然災害に 加え,昨今では感染爆発等により安定した治療継続が困難になる可 能性がある。有事に備える為,自施設での対策と共に重要となるの が近隣施設との連携体制であり,当院を含む尾張北部地域の透析施 設間では連絡協議会を設け,定期的な情報交換,災害時連携訓練,
施設見学等の活動を行なっている。今回その活動について報告する。
〈方法〉委員は愛知県透析医会北尾張ブロックAグループの災害 時連絡担当者及び施設スタッフで構成され,毎年 9 月に災害時連携 訓練を当院で開催し,大規模災害発災時の情報共有,支援透析体制 の構築を行なっている。また 3 月に連携施設間持ち回りで支援透析 を想定した施設見学を実施し,現場にて患者・スタッフ動線,資材 搬入経路等を確認している。
〈課題及び今後の目標〉災害発生時及び支援透析実施時の連絡手 段:日本透析医会災害時情報ネットワーク,ビジネストランシー バー,災害伝言ダイヤル等複数の情報経路を確保。今後はビデオ会 議システム導入も検討。支援透析時の各施設患者割振り:平時より 各施設にて受入体制を構築し,連携施設間で情報共有しておく。
〈まとめ〉平素より近隣施設と災害時連携を軸に協力体制を構築し ておくことで,有事の際に透析医療の安定した供給体制確保に貢献 できると思われる。
〈目的〉低栄養患者は食道切除再建術という高度侵襲手術に向け早 期栄養改善が必要であり,術後の早期回復に向けて適切な栄養管理 が必要である。今回,術前化学療法施行時よりNSTが介入し,経 過良好で早期に経腸栄養法から経口栄養法に移行した症例を経験し たので報告する。
〈症例〉71歳男性。NST介入時は身長168.7cm,体重49.8kg,Alb 3.8g/dl。術前化学療法目的にて入院。
〈経過〉NST介入時(第18病日)は食道狭窄高度で経口摂取困難
でありEN(経鼻経管)による栄養管理がされていたが目標量を投
与できず下痢症状も持続。介入後に減速を提案し徐々に下痢症状は 改 善。第25 病 日,栄 養 量 増 加 のため 消 化 器 症 状,refeeding syndromeなどがないかを確認し高濃度タイプに変更。第33病日か ら免疫強化栄養剤を併用し第36病日,食道切除再建術施行。第43病 日,術後合併症やSTの評価において嚥下障害がみられなかったた め経口栄養法開始。退院前の栄養指導施行し第47病日,自宅退院。
転帰時,体重49.9kg,Alb 3.5g/dl。
〈結論〉進行食道癌の手術では標準治療として術前化学療法が行な われる。治療開始より早期に栄養介入,適切な栄養管理をすること が術後合併症を予防し早期回復につながったと考える。
〈はじめに〉当院では2014年より摂食嚥下チームを立ち上げ,多職 種が連携して摂食嚥下回診を月 2 回行なっている。今回実態調査を 行ない,介入前後の栄養状態・栄養の充足率の変化について検討し たので報告する。
〈方法〉対象は2017年 1 月から2019年11月の間,摂食嚥下回診対象 となった167名(男性127名,女性40名,平均年齢78.2歳±11.1歳)。
介入時・退院時の栄養摂取方法から,栄養状態・栄養の充足率の変 化について調査した。
〈結果〉介入した診療科は循環器内科が29名(18%)と一番多く,
次いで神経内科25名(15%),呼吸器内科,脳神経外科21名(13%)
であった。転帰は,転院が112名(67%),死亡が35名(21%),施 設退院が11名( 7 %),自宅退院が 9 名( 5 %)の順であった。介 入前後の比較では,栄養管理法が経口のみの場合が,介入時 2 %,
介入後34%であった。栄養補給量の充足率は介入前64%から退院時 74%と介入後の方が有意に増加した。血清Alb値の推移は上昇 48%,不変12%,下降40%であった。
〈考察〉摂食嚥下チームで活動を続けることで,患者にとって適切 な栄養補給方法の選択ができ,経口摂取量増加に繋げることができ た。引き続き多職種間の連携を行なうことが重要だと考えられる。
O-125 心不全患者に対する管理栄養士の関わり方と今後の課題
今西 海(いまにし かい)・山本 学・大塚美紀・榊 美穂・唯根理子 土浦協同病院
栄養指導/心不全
O-126 当院の摂食嚥下回診対象患者の栄養摂取状況について
日比祥代(ひび さちよ)1)・脇阪涼子1)・小林憲司2)・松井 都1)・ 萩野周作1)・赤松 誠1)・山本彩加1)・吹留理香1)・渡口賢隆1)
豊田厚生病院1)・安城更生病院2) 摂食嚥下/多職種
O-127 A病院におけるNST専任看護師のチーム活動と課題
丹羽みゆき(にわ みゆき)・水谷展子・松川沙織・佐治淳也・
佐藤充香・陳 真規・山守越子 海南病院
NST/NST専任看護師
臨床工学
O-128 CRRTにおけるsurefilter使用の試み
山守貴也(やまもり たかや)・細萱 篤・板倉礼卓・加藤和也・
有竹大地・加藤恵大・西垣明彦・安藤貴昭・中野浩志 海南病院
CRRT/surefilter
〈はじめに〉当院では2017年に心不全ワーキンググループを発足 し,2019年に心リハカンファレンスに管理栄養士が積極的に参加す るようになった。他職種による指導用チェックシートを作成し運用 を開始した。介入効果を検討するために栄養指導介入状況を調査 し,今後の課題について検討した。
〈方法〉当院循環器内科に心不全で入院となった患者を対象に,
2017年10月から12月(72例),2019年10月から12月(88例)を介入 強化前後で,比較し栄養指導状況・患者背景を調査した。
〈結果〉強化前/強化後での栄養指導介入率は63.9%/50%であっ た。未 介 入 例 の 平 均 年 齢 は80.6歳/77.5歳・男 性 率 は65.4%/
75%・嚥下機能障害合併率は11.5%/15.9%,過去栄養指導経験の ある患者率は26.9%/54.5%であった。
〈考察〉介入効果として,未介入例の過去に栄養指導経験のある患 者が半数以上であることから,指導経験のない患者中心に指導出来 たと考えられる。しかし,強化後の未介入例には男性の割合がより 多いことから,主調理者の同席が必要と判断され本人のみの介入が 見送られたのではないかと考察される。
〈結論〉今後指導経験のある患者にもより積極的に関わっていける よう栄養指導内容の見直しを図りたい。
〈目的〉当院は2014年に栄養サポートチーム(以下NST)を発足 した。NST専任看護師(以下専任看護師)である摂食・嚥下障害 看護認定看護師が産休・育休となりNSTに参加できなくなるため 病棟看護師から専任看護師を選出,現在 5 名がNSTに参加し専任 看護師同士でチームを作り活動している。専任看護師のチーム活動 と課題について報告する。
〈方法〉 1 .NST回診に毎回専任看護師が参加した。 2 .専任看 護師から医師へNST介入を提案した。 3 .病棟看護師に向けて専 任看護師で勉強会を行なった。
〈結果〉2017年と2018年度を比較した結果,看護師がきっかけによ るNST回診依頼件数が 3 倍に増加した。また,病棟看護師がNST 回診に参加する機会は増えたが,患者の状態を把握していなかった り専任看護師のいない病棟の看護師の参加率が低かった。
〈考察及び結論〉複数の病棟に専任看護師が所属し栄養アセスメン トができるようになった結果,看護師がきっかけによるNST回診 依頼件数の増加に繋がり,病棟看護師のNST参加を促すことがで きたと考える。しかし,リンクナースの役割が機能していないこと や病棟看護師に栄養管理の必要性を認識してもらうため,専任看護 師のチーム活動を活性化しリンクナースや病棟看護師へ働きかけて いくことが課題である。
〈はじめに〉透水性と分画特性の優れたPUT-eco(PES膜)を使 用したCRRTを検証した。
〈方法〉血 液 浄 化 装 置 にACH-Σ(旭 化 成 メディカル)と KM-8900(川澄化学工業)を使用し,ヘモフィルターはPUT-21eco(ニ プロ)とし,Qb 100ml/min,Qd 500〜700ml/h,Qs 500〜700ml/h の条件で,持続的血液濾過透析(CHDF)を施行した。抗凝固剤は ナファモスタットメシル酸塩を20〜50mg/hで調整した。
〈結果〉ACH-Σ の 連 続 治 療 時 間 の 平 均 値 は51.9±16.7h(MAX 73.6h,MIN 24.6h)。補 充 液 総 量 の 平 均 値 は58.5±23.4L(MAX 102.6L,MIN 28.8L)であった。KM-8900の連続治療時間の平均値 は27.6±14.6h(MAX 43.7h,MIN 15.2h)。補充液総量の平均値は 33±19.6L(MAX 60.6L,MIN 21.0L)であった。
〈考察〉現 在 では,ACH-Σ では48h。KM-8900では24hの 連 続 治 療を目標としている。透析量を上げるためにQsとQdの増量が必 要となるが,TMPの上昇もなかった。
〈まとめ〉PUT-21ecoを用いたCHDFでは,連続治療時間の長時 間化と補液量の増量が可能となった。